GX-ETS本格稼働で見る排出量取引・カーボン会計DXの日本株

GX-ETS関連銘柄を日本株で整理すると、本命に近いのはNEC、ウイングアーク1st、横河電機、日立、富士通のように、排出量の算定・収集・可視化・開示まで公式プロダクトで確認できる企業です。サプライチェーンや導入支援の観点ではアバントグループ、TIS、BIPROGYが見やすく、計測の土台ではHORIBA、取引インフラの周辺ではJPXが位置づきます。逆に、GXや脱炭素という言葉だけで買われやすい銘柄は、公式資料に製品名、導入事例、売上寄与の説明があるかを必ず確認したいところです。今後は、GX-ETSの登録確認機関対応、実排出量報告の運用開始、SSBJ対応の本格化が、カーボン会計DX需要をどこまで押し上げるかを見ていく局面です。 

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

GX-ETS関連テーマの整理

テーマの概要

GX-ETSは、GX推進法に基づく日本の排出量取引制度です。2026年度は制度開始初年度として、各事業者が自ら制度対象かどうかを判定し、対象であれば4月1日から直接CO2排出量の算定を始め、9月30日までに届出と移行計画の提出が必要になります。制度対象の判定基準は、直近3年度の直接CO2排出量平均が10万トン以上です。2027年度以降は、排出目標量等の届出、排出実績量の報告、必要に応じた排出枠の調達、翌年度1月31日時点での排出枠保有義務まで進みます。したがって、このテーマの本質は単なる省エネ設備ではなく、排出量の計測、データ収集、Scope管理、社内統制、開示、検証対応を継続的に回すためのデジタル基盤にあります。 

なぜ今注目されているのか

注目される理由は二つあります。第一に、GX-ETSが2026年度に始まり、制度対象企業は自社判定、届出、移行計画、翌年度以降の報告・保有義務に向けた体制整備を急ぐ必要があることです。第二に、開示面でもSSBJ基準が2025年3月に公表され、金融庁ワーキンググループでは、プライム市場上場企業のうち時価総額3兆円以上から2027年3月期に順次義務化するロードマップが示されています。つまり、制度対応と開示対応が同時並行で進むため、環境データを集める・整える・説明できる仕組みの需要が増えやすい局面に入っています。 

日本株で関連銘柄を選ぶ視点

このテーマで銘柄を見るときは、まず制度対応の中核ソフトやサービスを直接持つ企業を最優先で見ます。次に、サプライチェーン排出量や製品CFPの可視化を支えるデータ連携、OTデータ取得、計測機器を持つ企業を追います。そのうえで、開示・保証・監査に近い領域、排出権・クレジット市場インフラ、SIによる導入支援まで広げると、A/B/Cの整理がしやすくなります。逆に、単に脱炭素という言葉が出るだけで、排出量取引やカーボン会計DXに直結する製品・導入事例・IR開示が薄い銘柄は、思惑先行になりやすい点に注意したいところです。 

関連銘柄一覧

表示順関連度証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A6701NEC東証プライムGreenGlobeXで環境データの一元管理、開示、CFP対応を進めるため既存環境管理ソリューションに加えCFP新サービスも展開テーマ売上の開示は限定的
2A4432ウイングアーク1st東証プライムEcoNiPassでCO2排出量可視化と製品CFP算定を直接支援請求書・会計データ連携まで含む実務寄り設計中小向け印象が強く大型GX案件の寄与は要確認
3A6841横河電機東証プライムOpreX Carbon Footprint Tracerで実測一次データからPCF管理を支援プロセス産業向けでGX-ETS対象業種と相性が良い業績全体では制御・測定事業の一部
4A6501日立製作所東証プライムESG-MSSでESGデータ収集、分析、内部統制、開示を支援大企業向け導入・内部統制機能まで踏み込むコングロマリットでテーマ純度は高くない
5A6702富士通東証プライムESG Management Platformで収集・可視化・分析・シミュレーションを支援サプライチェーンCO2データ連携やPCF交換事例あり提供形態が広く、製品別売上の見えにくさあり
6B3836アバントグループ東証プライムESG情報収集テンプレートで非財務情報の収集・集計・レポーティングを効率化開示実務に強く、経営管理ソフトとの親和性が高い炭素会計専業ではなくESG開示全般が主軸
7B3626TIS東証プライムScope3可視化・最適化プラットフォーム構築実績がある導入支援・SI案件で制度対応需要を取り込みやすいパッケージ色は薄い。2026年7月に商号変更予定
8B8056BIPROGY東証プライムESGソリューションとbooost Sustainability提供で管理・開示を支援SI・運用支援まで含めた導入案件を狙いやすい自社プロダクトより連携・導入色が強い
9B6856HORIBA東証プライム連続排出監視やガス分析計で排出量データの信頼性向上に寄与実測・監視領域で制度の土台を支えるソフトウェア直撃より計測機器寄り
10C8697日本取引所グループ東証プライムカーボン・クレジット市場を運営し、炭素取引インフラの周辺恩恵がある取引市場の制度整備・参加者拡大は確認しやすいJPXの市場はGX-ETSの排出枠市場そのものではない

銘柄別解説

NEC(6701)|関連度A

会社概要

NECは、ITサービスと社会インフラを主軸とする大手電機・IT企業です。AI、セキュリティ、ネットワーク、官公庁・企業向けDXなど幅広い領域を持ち、近年は価値創造モデル「BluStellar」を中核に企業変革支援を強めています。上場市場は東証プライム市場で、環境・非財務データを扱う企業向けソリューションも継続して拡充しています。 

テーマとの関連性

NECの中核は、環境情報管理ソリューション「GreenGlobeX」です。これは国内外複数拠点の環境パフォーマンスデータを一元管理し、目標管理や見える化だけでなく、CDP、TCFD、TNFDなどの開示実務にも利用できると公式に示しています。さらに2025年には「NEC CFP Management」を打ち出し、製品カーボンフットプリントの可視化・運用支援も前面に出しました。GX-ETSのように、算定・報告・開示を継続的に回す制度では、こうした排出量データの収集からレポーティングまでを一気通貫で支える基盤はかなり相性が良いと見られます。
判定理由:公式サイトで環境データ一元管理、開示対応、CFP対応まで確認できるためA評価です。制度対応の実務に比較的直結しやすい点も強みです。 

注目ポイント

  • GreenGlobeXが、拠点横断の環境データ収集・集計・開示まで対応している点。 
  • サステナビリティレポートやCDP、TCFD、TNFD向けのデータ活用を公式に示している点。 
  • 2025年にNEC CFP Managementを出し、CFP運用まで踏み込んだ点。 
  • 銀行サービスとのデータ連携事例があり、金融機関経由の裾野拡大も確認したいところです。 

注意点

  • テーマ関連売上や受注規模の開示は確認できる範囲では限定的です。 
  • NEC全体では防衛、通信、ITサービスなど事業領域が広く、テーマ純度だけで評価しにくい面があります。 
  • 顧客側の制度対応投資が遅れれば、導入時期が後ろ倒しになる可能性があります。 

参考情報

  • NEC公式:会社概要
  • NEC IR:株主・投資家情報
  • NEC公式:環境情報管理ソリューション GreenGlobeX シリーズ
  • NEC公式:NEC CFP Management 紹介記事
  • NEC公式:GreenGlobeX関連記事

ウイングアーク1st(4432)|関連度A

会社概要

ウイングアーク1stは、帳票・文書管理とデータ活用・BIを主力とするソフトウェア企業です。企業の基盤データを扱う製品群に強く、近年はデータプラットフォームやクラウドサービスを軸にDX支援の幅を広げています。上場市場は東京証券取引所で、証券コードは4432です。情報の「活用基盤」を売る会社という理解がしやすい銘柄です。 

テーマとの関連性

同社の「EcoNiPass」は、サプライチェーンや製品ごとのCO2排出量を可視化するプラットフォームです。請求書や納品書、会計データなどと連携しながらCO2排出量を可視化し、2023年には製品・製造設備単位でのCO2排出量を算定するCFP算定オプションも開始しました。GX-ETSそのものは直接排出量ベースですが、制度対応をきっかけに企業がScope管理や製品単位の炭素管理へ広げる流れは自然であり、データ収集のDX基盤を持つ点はテーマとの親和性が高いです。
判定理由:CO2可視化とCFP算定を公式プロダクトとして提供しているためA評価です。削減設備ではなく、管理・算定の実務基盤に位置づく点が今回のテーマと合います。 

注目ポイント

  • EcoNiPassがCO2排出量可視化を専用サービスとして打ち出している点。 
  • 請求書・会計データとの突合まで含めた実務寄りの設計である点。 
  • CFP算定オプションを追加し、製品単位管理へ広げている点。 
  • MotionBoardなど既存データ可視化製品との親和性も見どころです。 

注意点

  • 確認できる範囲では、GX-ETS対象大企業の導入比率やテーマ売上規模の定量開示は見当たりません。 
  • 競争相手には排出量可視化専業SaaSも多く、価格や機能競争は見たいところです。 
  • 帳票・BIの本業評価と、カーボン会計DX評価が混ざりやすい点には注意が必要です。 

参考情報

  • ウイングアーク1st公式:会社概要
  • ウイングアーク1st IR:株式情報
  • ウイングアーク1st公式:EcoNiPass
  • ウイングアーク1st公式:CFP算定オプション開始ニュース
  • ウイングアーク1st公式:CO2可視化ソリューション紹介

横河電機(6841)|関連度A

会社概要

横河電機は、制御・計測・産業DXを主軸とする大手計装メーカーです。工場やプラント向けの制御システム、計測機器、保守、コンサルティングに強く、プロセス産業での存在感が大きい企業です。証券コードは6841、東証プライム市場に上場しています。GX-ETSで対象になりやすいエネルギー多消費産業との接点が多い点は重要です。 

テーマとの関連性

「OpreX Carbon Footprint Tracer」は、計装システムや電力モニタなどの一次データを収集し、CO2排出量を算出・レポート化するクラウドサービスです。公式説明では、法規制対応、Scope1〜3の排出管理、プロセス製造業向けPCF管理まで踏み込み、SAP系ソフトとの連携やISO14067検証取得事例も示しています。GX-ETSの対象になりやすい化学、素材、鉄鋼、エネルギー分野では、「机上の概算」ではなく現場データに根ざした算定証跡が重要になりやすく、横河の強みが出やすい領域です。
判定理由:公式にCO2算定・レポート・法規制対応を掲げる製品があり、しかも一次データ収集と強く結びついているためA評価です。特に対象業種との相性が高い点を評価しました。 

注目ポイント

  • OpreX Carbon Footprint Tracerが一次データベースの算定を前面に出している点。 
  • 法規制対応とScope1〜3管理を公式にうたっている点。 
  • プロセス産業に強く、GX-ETS対象候補業種との接点が多い点。 
  • ISO14067検証関連でも製品名が確認でき、実務運用の深さを追いやすい点。 

注意点

  • 会社全体では制御、測定、新事業など幅広く、テーマ寄与は全社業績の一部です。 
  • 顧客は大型製造業中心になりやすく、案件化まで時間を要する可能性があります。 
  • 炭素会計SaaS専業と比べると、投資家がテーマ性をすぐ理解しにくい面があります。 

参考情報

  • 横河電機公式:Company Overview
  • 横河電機 IR関連開示
  • 横河デジタル公式:OpreX Carbon Footprint Tracer
  • 横河電機公式:OpreX Carbon Footprint Tracer リリース
  • 横河電機公式:ISO14067関連ニュース

日立製作所(6501)|関連度A

会社概要

日立製作所は、デジタル、エナジー、モビリティ、インダストリーを柱とする日本有数の総合電機・社会インフラ企業です。Lumadaを軸にデータ活用や業務変革支援を強めており、大企業向けのIT・OT統合案件に強みがあります。上場市場は東証プライム市場、証券コードは6501です。企業規模が大きく、顧客層も広いため、GX関連テーマでは「社会実装力」が見どころになります。 

テーマとの関連性

日立には「ESGマネジメントサポートサービス(ESG-MSS)」があります。これは、ESGデータの収集、分析、開示を支援し、エラーチェックや内部統制機能でデータの信頼性向上も担うと説明されています。GX-ETSの本質が、継続的な算定・報告・監査対応であることを考えると、単なる可視化ではなく内部統制や開示実務まで見据えた仕組みを持つ点は重要です。日立の大企業向け導入力を踏まえると、制度対応で複数部門・子会社をまたぐデータ管理が必要な企業ほど相性が出やすいと考えられます。
判定理由:公式にESGデータの収集・分析・開示・内部統制まで確認できるためA評価です。制度対応の運用面に近いポジションを持ちます。 

注目ポイント

  • ESG-MSSが収集から分析、開示まで一連の業務を支援する点。 
  • エラーチェックや内部統制機能を打ち出している点。 
  • 大企業向けIT・OT統合提案の実行力がある点。 
  • Lumada案件との接続で、データ基盤全体の大型案件化が注目点になります。 

注意点

  • 事業領域が非常に広く、テーマ関連の業績寄与を切り分けにくいです。 
  • 環境データ管理専業ではないため、テーマ性が株価材料として見えにくい局面があります。 
  • 大型案件中心だと受注から売上化まで時間差が出やすい点も確認したいところです。 

参考情報

  • 日立公式:会社概要
  • 日立 IR:株主・投資家向け情報
  • 日立公式:ESGマネジメントサポートサービス
  • 日立 統合報告書・サステナビリティ関連ページ
  • 日立 コーポレートガバナンス報告書

富士通(6702)|関連度A

会社概要

富士通は、国内外でITサービス、クラウド、コンサルティング、ハードウェアを展開する大手ICT企業です。近年はFujitsu Uvanceを掲げ、社会課題解決型のDX・SX支援を強めています。上場市場は東証プライム市場、証券コードは6702です。製造業やサプライチェーン領域でのデータ連携力がテーマ上の焦点になります。 

テーマとの関連性

富士通は「ESG Management Platform」を通じて、ESGデータの収集・可視化・分析・シミュレーションを行うと説明しています。さらに2024年には、IHI・みずほ銀行との連携案件で、J-クレジット創出時のCO2削減データをAIで分析し、経営高度化に活用する仕組みを公表しました。加えて、サプライチェーン上のPCF計算・データ交換では、国際的な枠組みPACT準拠やサプライヤーデータ連携実証も実施しています。GX-ETS単体だけでなく、排出量取引、クレジット、サプライチェーン可視化を横断するプラットフォーム型として見やすい銘柄です。
判定理由:公式にESG管理プラットフォームとCO2/PCFデータ連携の実装例が確認できるためA評価です。制度対応の周辺まで含めた広がりがあります。 

注目ポイント

  • ESG Management Platformで収集・可視化・分析・シミュレーションまで対応する点。 
  • J-クレジット関連のCO2削減データ活用案件を公表している点。 
  • PACT準拠のPCFデータ交換実証に取り組んでいる点。 
  • 製造業のサプライチェーン脱炭素まで射程に入れている点。 

注意点

  • テーマの射程が広く、どのサービスがどのくらい収益化しているかは見えにくいです。 
  • 海外案件・実証色の強い開示もあり、日本国内のGX-ETS案件寄与は個別確認が必要です。 
  • 会社全体ではAI、ネットワーク、サービスなど事業領域が多岐にわたります。 

参考情報

  • 富士通公式:会社概要
  • 富士通 IR:株主・投資家の皆様
  • 富士通公式:ESG Management Platform 関連発表
  • 富士通公式:J-クレジット関連連携発表
  • 富士通公式:サプライチェーンCO2可視化関連発表

アバントグループ(3836)|関連度B

会社概要

アバントグループは、連結会計、経営管理、開示支援を軸とするソフトウェア・コンサルティンググループです。企業価値向上に役立つソフトウェア会社を掲げ、経営情報システムやディスクロージャー実務に強みを持っています。証券コードは3836、東証プライム市場に上場しています。炭素会計専業ではないものの、非財務情報開示の実務基盤に近い位置づけです。 

テーマとの関連性

アバントは2023年に「ESG情報収集テンプレート」を提供開始し、AVANT Cruise上で非財務情報の収集、自動集計、レポーティングをワンストップで実行できるとしています。GX-ETSでは排出量そのものの算定が要ですが、実務の負荷は本社・子会社・各部門から情報を集め、整形し、説明できる状態にすることにあります。その意味で、同社は炭素会計そのものよりも、Disclosure Opsに近いBランク銘柄として整理しやすい企業です。
判定理由:ESG情報収集・集計・レポーティングを公式に提供しているためB評価です。一方で、排出量取引やCO2算定専業ではないためAには置いていません。 

注目ポイント

  • ESG情報収集テンプレートで実務フローを効率化できる点。 
  • 連結会計・経営管理の既存顧客基盤との親和性が高い点。 
  • 開示実務に強い会社であり、将来の非財務開示厳格化との相性を見やすい点。 

注意点

  • GHG算定専用サービスではなく、ESG開示全般の一部として捉える必要があります。 
  • テーマの伸びが業績へどの程度効くかは、現時点の開示だけでは見えにくいです。 
  • 投資家が「炭素会計銘柄」と単純化しすぎると、思惑先行になりやすい点に注意したいところです。 

参考情報

  • アバントグループ公式:会社概要
  • アバントグループ IR:株式基本情報
  • アバント公式:ESG情報収集テンプレート
  • アバント関連セミナー資料
  • アバントグループ公式:製品・サービス一覧

TIS(3626)|関連度B

会社概要

TISは、金融、産業、公共など幅広い分野でシステム構築や運用を手がける大手SI企業です。東証プライム市場上場で、証券コードは3626です。2026年7月1日を効力発生日として、子会社インテックとの吸収合併に伴い商号を「TISI株式会社」に変更する予定である点には注意が必要です。 

テーマとの関連性

TISは2022年に、丸紅のScope3可視化・最適化プラットフォーム構築を支援したと公表しました。これは、調達に伴うCO2排出量を可視化し、環境負荷も踏まえたサプライヤー選定やシミュレーションを行うものです。つまり、TISは専用SaaSというより、企業ごとの実務に合わせて炭素管理基盤を構築するSI・導入支援型の銘柄と見るのが自然です。制度本格化で、大企業が既存ERPや会計・SCMとつなぐ需要が出るなら、こうしたSI企業は周辺恩恵を受けやすいポジションです。
判定理由:Scope3可視化基盤の公式構築実績があるためB評価です。ただし、自社プロダクトの主力テーマというより案件対応色が強いためAではありません。 

注目ポイント

  • 丸紅向けScope3可視化・最適化プラットフォーム構築実績。 
  • 既存システムとの接続を含むSI案件に強い点。 
  • 非財務情報開示の実務セミナーも行っており、周辺知見を蓄積している点。 

注意点

  • パッケージ製品としての炭素会計色は強くありません。 
  • 商号変更予定があるため、記事更新時は名称の反映漏れに注意が必要です。 
  • テーマ関連受注を業績から切り分けにくい点は押さえておきたいところです。 

参考情報

  • TIS公式:会社概要
  • TIS IR:株式基本情報
  • TIS公式:丸紅のScope3可視化・最適化プラットフォーム構築
  • TIS公式:非財務情報開示関連セミナー
  • TIS適時開示:2026年7月の商号変更予定

BIPROGY(8056)|関連度B

会社概要

BIPROGYは、日本初の商用コンピュータ時代から続く大手システムインテグレーターで、クラウド、アウトソーシング、システム開発、ネットワーク提供などを展開しています。証券コードは8056、東証プライム市場上場です。大企業向けSIと業務運用の実装力が強みで、特定分野の自社SaaSだけでなく、他社プロダクトを含む統合提案にも強さがあります。 

テーマとの関連性

BIPROGYは公式サイトで、GHG排出量の管理・開示を含むESGソリューションを掲げています。加えて、統合型SXプラットフォーム「booost Sustainability」をサービスとして扱っており、自社およびサプライヤーのサステナビリティ情報を一元管理すると説明しています。つまり、自社単独SaaSというより、導入・連携・運用を含めて企業のサステナビリティERP化を支援するSI型として見やすい銘柄です。
判定理由:公式にGHG管理・開示支援と統合型SXプラットフォーム提供を確認できるためB評価です。ただし自社専業プロダクト主体ではないためAにはしていません。 

注目ポイント

  • GHG排出量管理・開示を含むESGソリューションを明示している点。 
  • booost Sustainabilityを通じて、自社・サプライヤーの情報一元管理を扱う点。 
  • 大手SIとして導入・運用支援まで巻き取れる点。 

注意点

  • 収益寄与の中心が自社プロダクトか導入支援か、切り分けは見えにくいです。 
  • サステナビリティERP市場では、専業SaaSとの競争もあります。 
  • 業績全体では金融・流通・公共など本業の大型案件動向も大きく影響します。 

参考情報

  • BIPROGY公式:会社概要
  • BIPROGY IR FAQ:証券コード・市場区分
  • BIPROGY公式:ESGソリューション
  • BIPROGY公式:booost Sustainability
  • BIPROGYサステナビリティレポート

HORIBA(6856)|関連度B

会社概要

HORIBAは、分析・計測機器を主力とするグローバル企業で、エネルギー・環境、バイオ・ヘルスケア、先端材料・半導体の三分野を掲げています。ガス分析や環境計測での実績が厚く、証券コード6856、東証プライム市場に上場しています。GX-ETSのような制度では、ソフトだけでなく何をどう測るかの現場装置も重要になるため、計測系として見逃しにくい企業です。 

テーマとの関連性

HORIBAは、連続排出監視システム(CEMS)やスタックガス分析計を展開し、固定排出源の排出監視・報告に対応する装置群を持っています。公式にはCO2、N2O、CH4などのリアルタイム測定や、排出監視が各国規制で求められる産業向け用途を説明しています。GX-ETSで求められるのは日本制度上の算定・報告ですが、対象企業の中には、将来的に排出量データの証跡強化や実測精度向上を重視する先も出てくるとみられ、計測インフラの側面から関連づけられます。
判定理由:ソフトウェア直結ではないものの、排出量の実測・監視を支える計測基盤として重要なためB評価です。制度対応の“土台”寄りの銘柄です。 

注目ポイント

  • CEMSなど連続排出監視向け製品を持つ点。 
  • CO2、N2O、CH4などGHG測定への対応。 
  • 分析・計測分野での中長期的な位置づけがはっきりしている点。 

注意点

  • 管理・開示ソフトのような制度直撃銘柄ではありません。 
  • 業績は半導体や自動車試験、医用など他分野要因の影響も大きいです。 
  • 日本のGX-ETS対応でどの程度導入が増えるかは、確認できる範囲ではまだ読みにくいです。 

参考情報

  • HORIBA公式:会社概要
  • HORIBA IR:株式情報
  • HORIBA公式:Continuous Emission Monitoring System
  • HORIBA公式:Nitrous Oxide Monitoring
  • HORIBA Report 2024-2025

日本取引所グループ(8697)|関連度C

会社概要

日本取引所グループは、東京証券取引所、大阪取引所、東京商品取引所などを傘下に持つ市場運営会社です。証券コードは8697、東証プライム市場上場です。株式・デリバティブ・商品先物などの市場運営が本業で、投資家にはJPXとして認知されています。カーボン領域では、価格形成や取引参加者基盤といった市場インフラ面が焦点です。 

テーマとの関連性

JPXは、東京証券取引所でカーボン・クレジット市場を運営しています。もっとも、公式にも記載がある通り、これは上場株式等の金融商品市場とは異なる市場であり、GX-ETSの排出枠市場そのものではありません。したがって、本テーマでは直接銘柄というより、日本の炭素取引インフラが広がる際の周辺恩恵・制度整備の受け皿として見るのが自然です。制度面の蓄積や参加者拡大が進むほど、炭素価格の可視化や市場慣行の整備に寄与する余地があります。
判定理由:排出量取引の周辺インフラとしては重要ですが、GX-ETSの中核ソフト・算定DXではないためC評価です。思惑だけで本命視しない見方が必要です。 

注目ポイント

  • カーボン・クレジット市場の運営主体である点。 
  • 参加者数や累計売買高など、制度浸透の周辺指標を追いやすい点。 
  • 中期経営計画でもカーボン・クレジット市場の活性化が触れられている点。 

注意点

  • JPXの市場はGX-ETSの排出枠市場そのものではありません。 
  • 業績の大半は株式・デリバティブなど本業市場に依存します。 
  • テーマ株としては思惑先行になりやすく、過度な直結視は避けたいところです。 

参考情報

  • JPX公式:株主になると
  • JPX公式:カーボン・クレジット市場
  • JPX公式:制度概要
  • JPX公式:カーボン・クレジット市場の日報・累計売買高関連
  • JPX中期経営計画

今回は除外・参考扱いとした銘柄

会社名理由
NTTデータグループC-Turtleはテーマ適合度が高いものの、2025年9月26日付で上場廃止済みであり、今回の「日本の上場企業のみ」という条件から除外。 
SCSK2025年3月に非財務情報管理ソリューションを開始したが、2026年3月12日付で上場廃止済みのため除外。 
シェルパ・アンド・カンパニーSmartESGはテーマ性が高いが、確認できる範囲では未上場。参考企業にとどめるのが妥当。 
日本オラクル製品面ではESG報告・サステナビリティ管理に合致するが、グローバル製品主導で日本のGX-ETS案件寄与を切り分けにくいため今回は見送り。 
アズビルCO2削減効果やエネルギーマネジメントの実績はあるが、今回の主題である「排出量取引・カーボン会計DX」よりは制御・省エネ寄りと判断。 

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