金属積層造形・産業用CT関連銘柄を見る際は、金属3Dプリンターの有無だけでなく、材料、熱源、造形監視、熱処理、切削、表面改質、非破壊検査までを一つの製造工程として捉える必要があります。テーマとの事業上の直接性が特に高いのは、L-PBF、DED、加工サービス、X線CTを組み合わせるニコン、電子ビームPBF装置と造形モニタリングを持つ日本電子、造形と切削を統合するDMG森精機、ワイヤDED装置を商用化した三菱電機です。
サプライチェーンでは、オークマの複合加工、島津製作所の産業用X線CT、山陽特殊製鋼とプロテリアルの金属粉末、新東工業の研磨・ピーニング・残留応力評価が重要です。これらは装置メーカーではなくても、航空宇宙、エネルギー、医療向け部品を量産品質へ引き上げる工程に関係します。
一方、多くの企業が金属AM関連の売上、受注、販売台数を独立開示していません。政策採択、研究開発、展示会出展、試作成功だけで業績拡大を判断することはできません。今後は、認証材料の増加、顧客部品での量産採用、設備稼働率、粉末出荷量、CT検査のライン導入、保守・ソフトウェア収入、関連事業のセグメント開示を確認する必要があります。
本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。
金属積層造形と産業用CTの関連テーマの整理
テーマの概要
金属積層造形、いわゆる金属AMは、金属粉末や金属ワイヤをレーザー、電子ビーム、アークなどで溶融し、三次元データに沿って一層ずつ部品を形成する製造技術です。本記事では一般向けの樹脂3Dプリンターや、金型用途だけを主目的とする装置ではなく、航空宇宙、防衛、発電・エネルギー、医療機器など、高い強度、耐熱性、再現性が求められる分野を中心に扱います。
工程は造形装置だけで完結しません。合金設計と粉末製造、レーザーや電子ビームによる溶融、温度・溶融池・電子像などの監視、応力除去や熱処理、サポート除去、切削、研磨、X線CTによる内部欠陥検査、検査データの保存と品質保証が必要です。特に航空機や医療用インプラントでは、「形を作れたこと」と「繰り返し同じ品質で量産できること」は別の課題です。
初心者が誤解しやすい点は、3Dプリンターを導入すれば直ちに完成品を量産できるわけではないことです。造形条件は材料、部品形状、装置、積層方向ごとに異なり、後処理や検査を含めた工程全体の認証が必要になります。そのため、装置販売だけでなく、材料データ、プロセス監視、切削・研磨、非破壊検査、トレーサビリティーの価値が高まります。
なぜ今注目されているのか
日本では、経済産業省が金属積層造形の普及拡大と活用促進に向けた検討を進めています。NEDOの経済安全保障重要技術育成プログラムでは、2024年度から2028年度を想定した開発として、造形技術、金属粉末、設計、実機実証、品質保証の標準化、認証基準までを統合して扱うプロジェクトが採択されました。単に国産プリンターを開発するのではなく、重要部品を国内で設計・製造・検査できる体制の構築が意識されています。
2025年には、ニコンがJAXAの宇宙戦略基金事業で、将来ロケット向けの大型・高精度金属AM技術に関する課題へ採択されたと公表しました。また、島津製作所もNEDO事業で、高出力青色レーザーと精密ワイヤ供給を組み合わせた統合型レーザー金属積層造形技術の開発を進めています。こうした動きは、ロケット、航空エンジン、タービン、熱交換器など、複雑な内部流路を持つ高付加価値部品の国内製造基盤を整える取り組みと位置づけられます。
一方、政策支援や研究開発の採択は、そのまま量産受注や売上拡大を意味しません。航空宇宙や医療では材料特性の蓄積、工程認証、顧客認定に長い期間を要します。今後は「装置が完成したか」だけでなく、認証材料の拡大、顧客部品での量産採用、稼働率、保守契約、検査工程とのデータ連携を確認する必要があります。
日本株で関連銘柄を見る視点
中核事業型は、金属AM装置や産業用CTを実際に販売し、加工・検査サービスまで提供する企業です。重要サプライチェーン型には、粉末、レーザー、電子ビーム、工作機械、表面処理、試験・検査装置を供給する企業が含まれます。周辺恩恵型は、AM部品を利用する航空宇宙・エネルギー企業や、保守、認証、ソフトウェアなどを通じて間接的な需要を取り込む企業です。
思惑先行注意型は、研究発表や実証実験への参加は確認できても、商用製品、受注、量産、顧客採用、継続的な事業体制が確認できない企業です。「テーマに関係していること」と「企業全体の業績への影響が大きいこと」は同じではありません。大手企業ではAM事業が戦略分野でも、連結売上高に占める比率が小さいことがあります。反対に、規模は小さくても工程上不可欠な技術を持つ企業もあります。
本記事では、造形装置を販売しているか、工程で不可欠な材料・後処理・検査を提供しているか、公式資料が具体的か、需要拡大が販売・受注へつながる構造を説明できるかを基準に関連度を判定しました。
関連銘柄一覧
| 表示順 | 関連度 | 位置づけ | 証券コード | 会社名 | 市場区分 | 関連する理由 | 注目ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | A | 中核事業型 | 7731 | ニコン | 東証プライム | L-PBF、DED、加工サービス、産業用X線CTを同一グループで提供する | AMとCTを組み合わせた工程全体の品質保証、宇宙用途 | デジタルマニュファクチャリングの個別売上は限定開示 |
| 2 | A | 中核事業型 | 6951 | 日本電子 | 東証プライム | 電子ビームPBF方式のJAM-5200EBMを商用展開し、造形監視機能を備える | チタン、ニッケル基合金、高融点材料と航空宇宙・医療用途 | 装置販売台数、AM単独の売上・受注は非開示 |
| 3 | A | 中核事業型 | 6141 | DMG森精機 | 東証プライム | レーザーPBFとDED・切削複合機の双方を製品化している | 造形と仕上げ加工の一体化、世界販売・保守網 | AMは工作機械製品群の一部で業績寄与は不明 |
| 4 | A | 中核事業型 | 6503 | 三菱電機 | 東証プライム | ワイヤ・レーザーDED方式のAZ600を販売している | センサーを使った造形制御、補修・大型部品用途 | 企業全体に占める金属AM事業の規模は小さいとみられる |
| 5 | B | 重要サプライチェーン型 | 6103 | オークマ | 東証プライム | LMD、切削、研削、レーザー焼入れを一台に統合するLASER EXを展開 | 航空機ブリスク、難削材、補修工程の集約 | AM専用機メーカーではなく販売規模も非開示 |
| 6 | B | 重要サプライチェーン型 | 7701 | 島津製作所 | 東証プライム | 産業用X線CTを販売し、金属AM試料の内部欠陥評価実績も持つ | CT品質管理と青色レーザーDEDの研究開発 | DED技術は開発段階で、現時点の収益寄与は不明 |
| 7 | B | 重要サプライチェーン型 | 5481 | 山陽特殊製鋼 | 東証プライム | 3Dプリンター用金属粉末NOVASHAPEと造形・CT評価体制を持つ | 粉末製造から試作、材料評価、内部欠陥検査までの支援 | AM粉末単独の販売額や顧客構成は非開示 |
| 8 | B | 重要サプライチェーン型 | 5486 | プロテリアル | 東証プライム | AM向け耐食・高強度合金粉末ADMUSTERを展開する | エネルギー・化学プラント向け耐食材料、量産適用 | 粉末事業全体に占めるAM材料の比率は不明 |
| 9 | B | 重要サプライチェーン型 | 6339 | 新東工業 | 東証プライム | 金属AM品の粉末除去、研磨、ピーニング、残留応力評価を提供する | 疲労強度、表面粗さ、量産時の品質安定化 | AM向け後処理の売上規模や受注額は非開示 |
銘柄別解説
ニコン(7731)|関連度A・中核事業型
会社概要
ニコンはカメラ、半導体・FPD露光装置、ヘルスケア、産業計測などを展開する精密機器企業です。現在はデジタルマニュファクチャリングを戦略事業の一つに位置づけ、金属AM装置、加工受託、光加工、産業用X線CTを組み合わせた事業を構築しています。大型L-PBF装置はドイツ子会社Nikon SLM Solutions AG、DED装置やX線CTはニコンの技術・製品群を活用します。
テーマとの関連性
2025年2月に稼働したNikon AM Technology Center Japanには、大型L-PBF装置「NXG XII 600」、高精度DED装置「Lasermeister LM300A」、X線CT装置「XT H320」が導入されました。同拠点では、装置販売だけでなく、DfAM設計支援、試作、補修提案、造形条件の開発、検査までを提供します。
X線CTでは、完成品を切断せず、内部形状、気孔、収縮、異物、内部欠陥を三次元で確認できます。金属AMでは造形方向や溶融条件により内部欠陥が生じるため、CT結果を造形条件へ戻す工程設計が重要です。ニコンはAM装置とCTを同一グループ内に持つことで、造形、計測、検証を一体で提案できる点が特徴です。
2025年にはJAXAの宇宙戦略基金事業で、将来ロケット向けの大型・高精度金属AM技術に関する課題へ採択されたと公表しています。ただし、採択は研究開発段階を示すものであり、ロケット部品の量産受注や売上計上を意味するものではありません。
関連事業は戦略分野ですが、AM装置、CT、受託加工を合算した売上高や受注額は開示されていません。大型装置の販売件数、サービス拠点の稼働率、航空宇宙顧客での認定取得が業績への接続を判断する確認点になります。
関連度Aの判定理由: 金属AMのL-PBF、DED、受託加工、X線CTを実際に提供し、宇宙用途を含む事業開発を進めています。装置から非破壊検査までの直接性と一次情報の具体性が高いためAとしました。
注目ポイント
- NAMTC Japanにおける試作、工程開発、受託加工の案件数と設備稼働率が今後の確認点になります。
- 大型L-PBF装置とX線CTを組み合わせた品質保証が、航空宇宙・防衛分野の顧客認定へ接続するかが注目されます。
- 装置販売後の保守、ソフトウェア、加工条件開発、検査サービスによる継続収益の拡大を確認したいところです。
- JAXA関連開発が実機部品の評価、認証、量産へ進むかは中長期的な確認事項です。
注意点
- デジタルマニュファクチャリング事業のうち、金属AM・CT関連だけの売上や利益は開示されていません。
- 航空宇宙分野は顧客認定に時間がかかり、研究採択から量産まで長期間を要する可能性があります。
- 大型AM装置は受注単価が高い一方、案件ごとの変動が大きくなりやすい事業です。
- 海外の大手AM装置、CT、計測ソフトウェア企業との競争があります。
- 買収した海外事業との統合、販売網の構築、収益性改善を継続して確認する必要があります。
参考情報
- ニコン|「Nikon AM Technology Center Japan」を埼玉県行田市に開設|2025年2月4日|NXG XII 600、LM300A、XT H320の導入とAMサービス提供を確認
URL:https://www.jp.nikon.com/company/news/2025/0204_01/ - ニコン|JAXA宇宙戦略基金事業への採択に関する発表|2025年2月27日|将来ロケット向け大型・高精度金属AM技術の開発を確認
URL:https://www.jp.nikon.com/company/news/2025/0227_01/ - 日本取引所グループ|東証上場銘柄一覧|2026年8月6日確認|証券コード7731、東証プライム上場を確認
URL:https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/tvdivq0000001vg2-att/data_j.xls
日本電子(6951)|関連度A・中核事業型
会社概要
日本電子は、電子顕微鏡、分析機器、半導体関連装置、医用機器などを展開する電子光学機器メーカーです。電子銃、電子ビーム制御、真空、計測・分析技術を基盤に、電子ビームPBF方式の金属3Dプリンター「JAM-5200EBM」を製品化しています。金属AMは同社全体では一製品群ですが、既存の電子ビーム技術と材料分析技術を横断的に活用できる事業です。
テーマとの関連性
JAM-5200EBMは、真空中で敷き詰めた金属粉末を電子ビームにより選択溶融するEB-PBF装置です。高出力、高速走査、予熱、真空プロセスを利用できるため、チタン合金、ニッケル基合金、高融点金属、純銅などの造形に対応します。公式資料では、チタン合金を航空宇宙・生体医療、ニッケル基合金を航空宇宙・発電向けの材料として説明しています。
同装置は、反射電子を利用した造形面モニタリングにより、造形中の異常や欠陥を把握する機能を持ちます。完成後のCT検査だけに頼らず、各層の造形状態を記録することは、原因追跡や品質保証の基礎になります。また、航空宇宙向け品質マネジメント規格に対応する製造体制についても公式情報で示されています。
装置の顧客導入事例は確認できますが、JAM-5200EBMの販売台数、受注残、売上高は独立して開示されていません。量産採用の広がりを判断するには、導入先の用途、認証材料の増加、造形部品の継続生産を確認する必要があります。
関連度Aの判定理由: 電子ビーム方式の金属AM装置を実際に販売し、航空宇宙、医療、発電向け材料と造形監視機能を公式に示しています。製品との直接性と技術的な裏付けが強いためAとしました。
注目ポイント
- チタン、ニッケル基合金、純銅、高融点金属に対応する材料ラインアップの拡大が注目されます。
- 反射電子モニタリングのデータが、品質記録や欠陥判定へどこまで利用されるかが確認点です。
- 顧客導入が研究・試作設備にとどまらず、量産設備へ移行するかを確認したいところです。
- 電子顕微鏡や分析装置を含めた材料評価提案が、装置販売の差別化につながる可能性があります。
注意点
- 金属AM装置だけの売上、利益、受注台数は開示されていません。
- EB-PBFは真空装置や粉末管理を必要とし、導入・運用コストが高くなる可能性があります。
- 適用材料や形状によってはレーザーPBF、DED、切削加工などが代替技術になります。
- 航空宇宙・医療向けでは装置性能だけでなく、材料・工程・部品単位の認証が必要です。
- 日本電子全体では電子顕微鏡や半導体関連装置の業績影響が大きく、AM事業の寄与は現時点では不明です。
参考情報
- 日本電子|電子ビーム金属3Dプリンター装置入門|発表日記載なし、2026年8月6日確認|方式、材料、用途、JAM-5200EBMの特徴を確認
URL:https://www.jeol.co.jp/products/science/3d.html - 日本電子|JAM-5200EBM製品情報|発表日記載なし、2026年8月6日確認|EB-PBF装置と造形監視技術を確認
URL:https://www.jeol.co.jp/products/scientific/3d/JAM-5200EBM.html - 日本取引所グループ|東証上場銘柄一覧|2026年8月6日確認|証券コード6951、東証プライム上場を確認
URL:https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/tvdivq0000001vg2-att/data_j.xls
DMG森精機(6141)|関連度A・中核事業型
会社概要
DMG森精機は、旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、自動化システム、デジタルサービスを世界展開する工作機械メーカーです。金属AMでは、パウダーベッド方式の「LASERTEC SLM」と、DEDと5軸切削・旋削を組み合わせた「LASERTEC DED hybrid」を製品化しています。造形だけでなく、完成寸法までの切削を同一設備で行える点が工作機械メーカーとしての特徴です。
テーマとの関連性
LASERTEC SLMは、金属粉末を一層ずつ敷き、レーザーで選択溶融する装置です。小型・精密部品向けの機種から複数レーザーを搭載した機種まで展開しています。一方、LASERTEC DED hybridは、金属粉末を供給しながらレーザーで肉盛りし、そのまま5軸切削や旋削で仕上げる構成です。2026年にも第二世代DED複合機の製品情報が更新されており、商用製品群として継続展開されていることが確認できます。
金属AM品は造形後の表面が粗く、寸法公差を満たすために切削仕上げを必要とすることが一般的です。同社の複合機は、造形と切削の間でワークを付け替えずに加工できるため、位置ずれの低減、工程集約、補修加工に向きます。医療部品の加工事例も公開されていますが、用途別の受注額や量産採用件数は確認できません。
AMは同社の幅広い工作機械ポートフォリオの一部です。工作機械販売網、保守体制、CAM・デジタル技術を活用できる一方、AMだけの売上や利益は開示されていません。
関連度Aの判定理由: レーザーPBFとDEDの両方式を商用展開し、切削仕上げまで統合した設備を継続販売しています。金属AM工程の中核と後工程の双方へ直接関係するためAとしました。
注目ポイント
- SLMとDEDを顧客用途に応じて提案できる製品幅が強みです。
- 造形、旋削、5軸切削を一工程にまとめることで、補修や多品種少量生産への接続が注目されます。
- 世界の販売・保守拠点を活用し、航空宇宙・医療顧客の量産設備へ採用されるかが確認点です。
- CAM、工程シミュレーション、機械データ管理との統合が継続収益につながるかを確認したいところです。
注意点
- AM関連売上、販売台数、受注残は独立して開示されていません。
- 主力の工作機械需要は設備投資循環の影響を受けます。
- PBF装置では海外専業メーカーとの競争があります。
- DED複合機は高機能である一方、導入価格、操作教育、工程設計が普及の制約になり得ます。
- 航空宇宙・医療用途への対応と、実際の認証部品の量産採用は区別する必要があります。
参考情報
- DMG森精機|Additive Manufacturing製品一覧|2026年8月6日確認|SLM、DEDの現行製品群を確認
URL:https://www.dmgmori.co.jp/en/products/list/contents_type%3D113 - DMG森精機|LASERTEC 12 SLM|2022年2月4日更新|パウダーベッド方式のレーザー金属積層造形機を確認
URL:https://www.dmgmori.co.jp/products/machine/id%3D4367 - 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス|2026年8月6日確認|証券コード6141、東証プライム上場を確認
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=6141
三菱電機(6503)|関連度A・中核事業型
会社概要
三菱電機は、FAシステム、電力システム、社会インフラ、ビルシステム、空調、半導体などを展開する総合電機メーカーです。金属AMでは、金属ワイヤとレーザーを組み合わせるDED方式の「AZ600」を製品化しています。企業全体では小規模な製品群と考えられますが、レーザー加工、CNC、サーボ制御、センサー、FA技術を一体化できる点が特徴です。
テーマとの関連性
AZ600は市販の溶接ワイヤを供給し、レーザーで溶融しながら積層する装置です。粉末方式に比べ、材料の飛散が少なく、材料利用率を高めやすい特性があります。5軸制御と回転テーブルを利用し、既存部品への肉盛り、補修、大型形状の造形に対応します。公式発表では、自動車、船舶、航空機などの部品製造・補修を用途として挙げています。
同社は各種センサーで造形状態を検知し、加工条件と軸速度を連動させるプロセス制御を説明しています。独自の点造形により、入熱を細かく制御し、熱ひずみや酸化を抑える設計です。これは造形条件の安定化に関係しますが、完成部品の内部欠陥保証には別途CTや材料試験が必要です。
AZ600は商用販売されているため研究段階だけの技術ではありません。ただし、販売台数、顧客別用途、量産稼働、AM関連売上は開示されていません。大手企業の一製品であるため、装置販売が増えても連結業績への影響が限定的となる可能性があります。
関連度Aの判定理由: ワイヤ・レーザーDED装置を実際に販売し、造形監視、5軸制御、補修・航空機用途との接点を確認できます。企業内重要度は高くないものの、テーマとの直接性が高いためAとしました。
注目ポイント
- ワイヤDEDの材料効率、安全性、補修適性が、航空機・エネルギー部品へ評価されるかが注目されます。
- 造形状態を検知するセンサーとCNC制御の高度化が差別化につながる可能性があります。
- 既存FA顧客への販売網を使い、試作設備から生産設備へ導入が進むかが確認点です。
- 青色・高出力レーザーなど、熱源技術の進歩を製品へ取り込めるかを確認したいところです。
注意点
- AZ600の販売台数、受注額、関連売上は開示されていません。
- DEDはPBFより表面精度が低くなりやすく、造形後の切削が必要です。
- ワイヤの供給安定性、入熱制御、形状精度が適用範囲を左右します。
- 航空機用途への提案と、認証済み量産部品への正式採用は同じではありません。
- 三菱電機全体への業績寄与は現時点では限定的または不明です。
参考情報
- 三菱電機|ワイヤ・レーザ金属3Dプリンター「AZ600」|2023年10月公開|センサー、造形制御、点造形技術を確認
URL:https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/the-art-of-manufacturing/technologies/cutting-edges54/index.html - 三菱電機|AZ600製品仕様|2026年8月6日確認|DED方式、ストローク、レーザー出力、標準装備を確認
URL:https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/faspec/detail.page?category=ex&formNm=AZ600&id=spec&kisyu=%2Fam - 三菱電機|ワイヤ・レーザ金属3Dプリンター発売発表|2022年2月24日|航空機、船舶、自動車部品などの用途を確認
URL:https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2022/0224.html
オークマ(6103)|関連度B・重要サプライチェーン型
会社概要
オークマは、旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、CNC装置などを展開する工作機械メーカーです。自社開発CNCと工作機械を組み合わせる総合力を持ち、LASER EXシリーズでは、切削、研削、金属積層造形、レーザー焼入れ、コーティングを一台へ集約しています。金属AMは主力工作機械事業の一用途であり、専業装置メーカーではありません。
テーマとの関連性
LASER EXは、金属粉末をレーザーで溶融・堆積するLMD方式を用い、造形後に同一機内で5軸切削や研削を行います。公式サイトでは、インコネルなどの耐熱合金を積層し、航空エンジンで使用されるブリスクを加工する例が示されています。異種金属の積層、既存部品への機能性材料の付加、補修にも対応します。
切削量を減らし、高価な耐熱合金の材料使用量を抑える構造は、航空宇宙やエネルギー機器との相性があります。一方、AM専用装置ではなく、複合加工機の付加機能としての位置づけです。販売台数やAM機能を使用する顧客比率は開示されていません。
関連度Bの判定理由: 航空機部品を想定したLMD・切削複合機を商用展開しており直接性は高いものの、AM関連の事業規模と業績寄与が確認できないためBとしました。
注目ポイント
- 航空機ブリスクやタービン部品における耐熱合金の材料削減効果が注目されます。
- 積層、切削、研削、熱処理を一台にまとめる工程集約が受注へ接続するかが確認点です。
- 補修用途での導入実績や、異種材料積層の顧客事例を確認したいところです。
- 自社CNCと加工条件データを活用した再現性向上が差別化につながる可能性があります。
注意点
- 金属AM機能付き工作機械の販売台数や売上は非開示です。
- 高機能複合機は導入価格、操作技術、保守負担が大きくなる可能性があります。
- 造形部の内部品質を保証するには、別工程のCTや材料試験が必要です。
- 航空機向け加工事例が、そのまま認証部品の量産採用を意味するわけではありません。
- 企業業績は工作機械全体の設備投資循環の影響を強く受けます。
参考情報
- オークマ|LASER EXシリーズ|発表日記載なし、2026年8月6日確認|積層造形、切削、研削、焼入れの複合化を確認
URL:https://www.okuma.co.jp/english/product/laserex/ - オークマ|航空機産業向けブリスク加工ソリューション|発表日記載なし、2026年8月6日確認|LMDと5軸切削の適用例を確認
URL:https://www.okuma.co.jp/english/technology-solution/industry/aircraft/blisk.php - 日本取引所グループ|東証上場銘柄一覧|2026年8月6日確認|証券コード6103、東証プライム上場を確認
URL:https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/tvdivq0000001vg2-att/data_j.xls
島津製作所(7701)|関連度B・重要サプライチェーン型
会社概要
島津製作所は、分析計測機器、医用機器、航空機器、産業機器を展開する精密機器メーカーです。金属AMとの関係では、マイクロフォーカスX線CT、材料試験機、硬度計、X線分析装置など、造形品の内部欠陥、寸法、組成、強度を評価する装置を提供しています。さらに、NEDO事業で青色レーザーを利用したワイヤDED技術の開発にも参画しています。
テーマとの関連性
産業用X線CTは、金属部品を破壊せず、内部の気孔、割れ、異物、寸法、複雑流路を三次元で観察する装置です。島津製作所は金属AMで造形したTi-6Al-4V試験片をCT撮影し、内部の空隙と疲労特性の関係を評価した事例を公開しています。これはCTが単なる外観検査ではなく、材料強度や造形条件の検証に使われることを示します。
2025年10月にはマイクロフォーカスX線CT「inspeXio 7000」を発売し、大型部品、高密度材料、研究開発・品質管理に対応するとしています。同製品の販売目標は発売後1年間で40台ですが、この数字は全用途を対象としており、金属AM向けだけの目標ではありません。
また、NEDOの経済安全保障重要技術育成プログラムでは、2024年度から2028年度を対象に、6kW級の青色レーザーと精密ワイヤ供給を利用する統合型レーザー金属積層造形技術を開発しています。ただし、これは研究開発段階であり、商用装置の販売開始や売上計上時期は確認できません。
関連度Bの判定理由: 産業用CTという品質保証工程で商用製品を持ち、金属AM試料の評価実績も確認できます。一方、金属AM専用売上は非開示で、DED装置は開発段階のためBとしました。
注目ポイント
- inspeXio 7000などの産業用CTが、AM量産ラインの品質管理へ採用されるかが注目されます。
- CT、材料試験、硬度、元素分析を組み合わせた総合評価提案が差別化につながる可能性があります。
- 青色レーザーDED技術が実証から商用装置、受託加工へ進むかは今後の確認点です。
- CTデータと造形条件を結びつける解析・品質保証ソフトウェアの展開を確認したいところです。
注意点
- 産業用CTの販売先は電池、自動車、電子部品など幅広く、金属AM向け売上は区分されていません。
- DED開発は研究期間中であり、販売開始、受注、量産時期は未確認です。
- 高密度・大型金属部品ではX線透過能力と解像度の両立が課題になります。
- CT検査だけで材料強度や寿命を完全に保証できるわけではなく、破壊試験や工程記録も必要です。
- 分析計測事業全体に対する金属AM関連の業績寄与は不明です。
参考情報
- 島津製作所|マイクロフォーカスX線CTシステム「inspeXio 7000」を発売|2025年10月21日|大型部品、内部観察、品質管理用途を確認
URL:https://www.shimadzu.co.jp/news/2025/v9fhrxu9-wtv0xd5.html - 島津製作所|機械加工評価解析ソリューション|発表日記載なし、2026年8月6日確認|CT、材料試験、欠陥解析の製品群を確認
URL:https://www.shimadzu.co.jp/messe/exhibition/machining/products/ - 島津製作所|物体の内部を非破壊で観察できるX線CTシステム|2022年6月7日|CTの原理、品質管理、3Dデータ利用を確認
URL:https://www.shimadzu.co.jp/today/20220607-1.html
山陽特殊製鋼(5481)|関連度B・重要サプライチェーン型
会社概要
山陽特殊製鋼は、軸受鋼などの特殊鋼、粉末、素形材を製造する鉄鋼メーカーです。粉末事業では、真空溶解と不活性ガスアトマイズを利用して、低酸素、高純度、流動性に配慮した金属粉末を製造しています。金属AM向けには「NOVASHAPE」シリーズを展開し、粉末製造だけでなく、試作造形、材料試験、X線CT評価まで対応しています。
テーマとの関連性
金属PBFでは、粉末の粒径分布、球形度、流動性、酸素量が、粉末の敷き詰め状態や造形欠陥に影響します。同社は真空溶解・ガスアトマイズ設備を持ち、小ロットの試作からトン単位の量産まで対応すると説明しています。Fe基、Ni基などの合金粉末を扱い、3Dプリンター用途としてSUS316L、SUS630相当材、625系、718系などを掲載しています。
NOVASHAPEでは、金属3Dプリンター2台、ニコン製X線CT、引張・疲労・衝撃・耐食試験設備などを活用し、粉末、造形、内部欠陥評価まで支援する体制を示しています。航空・宇宙、医療などを対象市場として挙げる資料も確認できます。
ただし、NOVASHAPEの売上高、販売数量、航空宇宙・医療向けの比率、主要顧客は開示されていません。粉末事業全体の中でAM粉末がどの程度を占めるかも公開情報だけでは判断できません。
関連度Bの判定理由: AM専用粉末を販売し、造形試作、内部欠陥CT、材料試験まで公式に確認できます。サプライチェーン上の重要性は高い一方、売上規模と顧客採用が非開示のためBとしました。
注目ポイント
- 小型から2トン級までのアトマイズ設備を使い、試作から量産へ移行できる点が注目されます。
- Ni基耐熱合金など、航空宇宙・エネルギー向け粉末の採用状況が確認点です。
- 粉末販売に加え、造形条件、CT、疲労・耐食試験を提供する支援体制が差別化につながる可能性があります。
- 顧客固有の合金設計や認証材料への対応が受注へ接続するかを確認したいところです。
注意点
- AM粉末単独の売上高、出荷量、受注額は開示されていません。
- 粉末品質だけでなく、造形装置、レーザー条件、再利用回数が最終品質へ影響します。
- ニッケル、コバルトなどの原料価格や調達環境の影響を受ける可能性があります。
- 航空宇宙・医療向けでは材料認証と顧客ごとの工程認定が必要です。
- 特殊鋼事業全体に比べ、AM粉末の企業業績への寄与は限定的または不明です。
参考情報
- 山陽特殊製鋼|金属粉末・粉末成形品カタログ|発行日記載なし、2026年8月6日確認|NOVASHAPE、アトマイズ設備、造形・CT評価体制を確認
URL:https://www.sanyo-steel.co.jp/product/metallic_powder/images/pdf/metallic_powder2410.pdf - 山陽特殊製鋼|Sanyo Special Steel Report 2023|2023年|航空・宇宙、医療、3Dプリンター用金属粉末の事業方針を確認
URL:https://www.sanyo-steel.co.jp/social/pdf/2023/2023_all.pdf - 山陽特殊製鋼|事業紹介|2023年|粉末事業とNOVASHAPEのラインアップ拡充方針を確認
URL:https://www.sanyo-steel.co.jp/social/pdf/2023/2023_03.pdf
プロテリアル(5486)|関連度B・重要サプライチェーン型
会社概要
プロテリアルは、特殊鋼、航空・エネルギー材料、磁性材料、電線、自動車部品などを扱う高機能材料メーカーです。金属AM向けには「ADMUSTER」シリーズを展開し、耐食性、高強度、高融点など、用途別に設計した合金粉末を提供しています。金属AMは材料技術を活用する成長分野の一つですが、連結業績に占める規模は開示されていません。
テーマとの関連性
ADMUSTERには、耐食性ニッケル基合金、マルエージング鋼、高機能合金などがあります。特に耐食合金C21Pは、化学プラント、半導体製造、医薬品中間体、石油・ガスなど、腐食性の高い環境向けの部品を想定しています。同社は2022年の発表で、C21Pを使用した金属AM部品について顧客で量産適用が始まっていると説明しました。
2025年には水素関連展示会で、耐食性と耐水素脆化特性を持つAM用粉末を展示しています。これはエネルギー分野との具体的な接点ですが、展示会への出展だけで売上拡大を判断することはできません。顧客部品の量産継続、粉末出荷量、採用用途を確認する必要があります。
同社は材料選定や試作支援も行っていますが、ADMUSTERの売上高、利益、顧客別構成は非開示です。AM粉末の需要が増えれば材料販売へつながる構造は明確ですが、企業全体への寄与を判断できる情報は限られます。
関連度Bの判定理由: 金属AM専用の耐食・高強度粉末を実際に提供し、エネルギー・化学分野で量産適用の説明もあります。ただし、事業規模が非開示であるためBとしました。
注目ポイント
- 耐食・耐水素脆化材料が、水素、石油・ガス、化学プラント部品へ採用されるかが注目されます。
- 粉末販売だけでなく、材料選定、試作、造形条件の支援へ広げられるかが確認点です。
- C21Pなど量産適用が示された材料について、採用顧客・用途の拡大を確認したいところです。
- 航空・エネルギー材料に関する既存顧客基盤との相乗効果が受注へ接続する可能性があります。
注意点
- ADMUSTER単独の売上、利益、粉末出荷量は開示されていません。
- 量産適用の発表はあるものの、顧客名、部品数、受注規模は公表されていません。
- 材料特性が優れていても、装置ごとの造形条件確立と顧客認証が必要です。
- ニッケル、モリブデン、コバルトなどの原料価格変動が収益性へ影響する可能性があります。
- 企業全体では幅広い材料事業を展開しており、金属AM市場拡大の影響は限定的となる可能性があります。
参考情報
- プロテリアル|Metal Powder for 3D Printing ADMUSTER Series|発表日記載なし、2026年8月6日確認|耐食・高強度AM材料の製品群を確認
URL:https://www.proterial.com/e/products/3d_printer/admuster.html - プロテリアル|ADMUSTER C21Pの量産適用|2022年10月3日|耐食合金粉末と顧客での量産適用開始を確認
URL:https://www.proterial.com/e/press/backnumber/2022/n1003.html - プロテリアル|Hydrogen Technology Expo Europe 2025出展|2025年10月15日|水素用途向けAM粉末の展示を確認
URL:https://www.proterial.com/e/press/2025/n1015.html
新東工業(6339)|関連度B・重要サプライチェーン型
会社概要
新東工業は、鋳造設備、表面処理装置、投射材、環境設備、検査・評価装置などを展開する機械メーカーです。金属AMでは、造形装置そのものよりも、造形後の粉末除去、研磨、ブラスト、ショットピーニング、残留応力測定、表面評価に関係します。装置、投射材、加工サービス、評価を一体で提供できることが特徴です。
テーマとの関連性
金属AM品は、表面に積層痕や付着粉末が残り、内部流路や複雑形状では粉末除去が難しくなります。また、造形時の熱履歴により引張残留応力が生じ、疲労強度や割れに影響することがあります。新東工業は、バレル研磨やブラストによる平滑化、ピーニングによる圧縮残留応力の付与、X線による残留応力測定を提供しています。
同社はSOLIZEと連携し、解析、金属積層造形、表面処理、評価・検証をワンストップで提供する「スマートAMソリューションズ」を展開しています。試作だけでなく受託生産品を対象とする事業説明があるため、単発の研究発表より事業化の具体性があります。
航空機部品では、タービンブレード、ディスク、ギアなどにショットピーニングが使われます。同社は航空機向けピーニング装置、投射材、加工条件、モニタリングシステムも提供しています。ただし、金属AM向け後処理の売上高や受注額は公表されていません。
関連度Bの判定理由: 金属AM品に特化した表面処理、疲労強度改善、残留応力評価、受託サービスを提供しています。造形装置の中核ではありませんが、量産品質に不可欠な後工程との関係が強いためBとしました。
注目ポイント
- 航空宇宙部品で求められる疲労強度と残留応力管理への接続が注目されます。
- 粉末除去、研磨、ピーニング、評価を一体で自動化できるかが確認点です。
- SOLIZEとのワンストップサービスが試作から継続生産へ移行するかを確認したいところです。
- 表面処理条件と検査結果を記録する品質管理システムの展開が差別化につながる可能性があります。
注意点
- 金属AM向け表面処理の売上高、受注額、顧客数は開示されていません。
- 表面処理は重要ですが、部品単価に占める金額は造形装置や材料より小さい可能性があります。
- 部品形状や材質によって最適処理が異なり、標準化が難しい場合があります。
- X線残留応力測定は表面・表層評価であり、CTによる内部欠陥検査とは役割が異なります。
- 新東工業全体では鋳造設備など既存事業の影響が大きく、AM需要だけで業績を判断できません。
参考情報
- 新東工業|金属積層造形品の面粗度・強度改善|発表日記載なし、2026年8月6日確認|研磨、ピーニング、X線応力測定、ワンストップサービスを確認
URL:https://www.sinto.co.jp/product/surface/function_purpose/metal-am/ - 新東工業|表面改質技術・ショットピーニング|発表日記載なし、2026年8月6日確認|航空機部品、工程管理、モニタリングを確認
URL:https://www.sinto.co.jp/product/surface/technology/peening/ - 新東工業|表面処理事業|発表日記載なし、2026年8月6日確認|装置、投射材、加工サービス、表面評価の事業構造を確認
URL:https://www.sinto.co.jp/product/surface/
Cランク:間接的な関係または思惑先行に注意したい企業
今回はCランクを設けていません。金属AMや産業用CTとの接点を示す研究発表、展示、実証だけがある企業は複数確認できますが、商用製品、継続的なサービス、材料供給、具体的な工程上の役割まで確認できない企業を追加すると、テーマとの関係より思惑が先行するおそれがあるためです。
また、航空宇宙・防衛企業を「金属AM部品の潜在顧客」という理由だけで関連銘柄へ含めることも避けました。実際の部品採用、量産、設備投資を一次情報で確認できない限り、顧客業界に属することだけでは採用基準を満たしません。
今回は除外・参考扱いとした銘柄
| 証券コード | 会社名 | 判定 | 除外・参考扱いとした理由 |
|---|---|---|---|
| 6143 | ソディック | 参考 | 金属粉末PBFと切削を組み合わせた商用装置を持つ一方、確認できた主用途は金型分野が中心で、本記事が対象とする航空宇宙・防衛・エネルギー・医療への具体的接点が相対的に弱いためです。 |
| 5471 | 大同特殊鋼 | 参考 | AM向け金属粉末は確認できますが、公開情報で確認しやすい用途は金型関連が中心です。対象4分野での量産採用や売上寄与を十分に確認できなかったため、一覧には含めませんでした。 |
| 5727 | 東邦チタニウム | 除外 | チタン粉末事業はありますが、確認した製品情報だけでは金属AM用粉末としての供給、粒度管理、造形装置での採用を明確に確認できませんでした。 |
| 7011 | 三菱重工業 | 参考 | 過去にLAMDAなどの金属積層造形技術は確認できますが、調査基準日時点の商用装置販売、事業体制、親会社への売上寄与を十分に確認できませんでした。潜在的な利用企業であることだけを理由に採用していません。 |
| 5704 | JMC | 参考 | 産業用CT受託サービスと金属3Dプリンター品の評価実績は確認できますが、3Dプリンター事業は樹脂造形の比重が高く、対象4分野の金属AM品質保証に関する継続売上を確認できませんでした。 |
| ― | EOS、GE系AM事業、Materialiseなど | 海外企業 | 金属PBF装置、航空宇宙向けAM、品質保証ソフトウェアで重要ですが、日本国内上場企業ではないため関連銘柄一覧の対象外です。 |
| ― | 松浦機械製作所、SOLIZE | 非上場 | 金属AM装置・受託造形・工程設計で重要な企業ですが、調査基準日時点で日本の証券取引所に上場する普通株式ではないため対象外です。 |

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