走行中ワイヤレス給電関連の日本株は、機器を出すダイヘン、道路側を握る大成建設・大林組、車両側制御を担うデンソーが本命に近い整理です。サプライチェーンでは、SWCC、大日本印刷、古河電気工業、東洋電機製造がコイル・部材・電源変換器の観点で追いやすく、関西電力や東亜道路工業は周辺インフラや運用面の恩恵銘柄として見やすいです。一方で、研究紹介やキーワードだけで買われやすい銘柄は思惑先行になりやすいため、今後は公道常設化、万博/NEDO後の継続案件、量産採用、規格整備、受注や事業開示を確認したいところです。
本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。
テーマの整理
テーマの概要
走行中ワイヤレス給電関連とは、道路に埋め込んだ送電コイルや送電電極から、EVやEVバス、物流車へ走行中に非接触で電力を送る技術群を指します。単なるEV充電器ではなく、車両側の受電装置、地上側のコイル・インバータ、道路への埋設工法、耐久性評価、運行管理、エネルギーマネジメントまで含めたシステム産業として見るのが実態に近いテーマです。日本では磁界結合系だけでなく電界結合系の研究も進み、公道実証や万博実証まで進んだことで、商用EV・物流・バス・道路インフラを横断する投資テーマとして整理しやすくなってきました。
なぜ今注目されているのか
背景には、商用EVの電池大型化と充電停車時間の課題があります。IEAによると、電動トラック販売は2025年に世界で40万台超、販売比率9%まで拡大し、電動バス販売も2024年に30%増えました。日本でも2023年に柏の葉で日本初の公道実証が始まり、2025年の道路法改正では道路の脱炭素化施設として「走行中給電施設」が制度面で位置づけられました。さらに、SAEのJ2954やJ2954/2、IEC 61980系など無線給電の標準化が進み、重車両向け無線給電の土台も整いつつあります。
日本株で関連銘柄を選ぶ視点
日本株で見ると、本命に近いのは、公式資料で走行中ワイヤレス給電の製品・道路・車両システムを明示し、公道や商用車まで実証している企業です。次に重要なのが、コイル、リッツ線、シート型受電部材、電源変換器などを担うサプライチェーン企業。さらに、EMS、道路施工、標準化、運行管理で恩恵を受けやすい周辺企業があります。逆に、展示会出展や研究紹介だけで、受注・実証・中計での位置づけが見えにくい銘柄は、思惑先行になりやすいと整理すると見分けやすくなります。
関連銘柄一覧
| 表示順 | 関連度 | 証券コード | 会社名 | 市場区分 | 関連する理由 | 注目ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | A | 6622 | ダイヘン | 東証プライム | 走行中ワイヤレス給電を公式製品として展開し、実証・標準化にも深く関与。 | 製品・万博/NEDO・協議会の三拍子。 | 関連売上の定量把握は難しい。 |
| 2 | A | 1801 | 大成建設 | 東証プライム | 無線給電道路「T-iPower Road」を開発し、高速走行実証まで進める。 | 道路側技術の独自色が強い。 | 本格導入には道路投資判断が必要。 |
| 3 | A | 1802 | 大林組 | 東証プライム | 高速道路本線実証や万博実証、NEDO案件で道路実装を担う。 | 公共インフラ実装の当事者。 | 業績への寄与時期は読みづらい。 |
| 4 | A | 6902 | デンソー | 東証プライム | 走行中無線給電システムを開発し、2029年度市場投入を目指す。 | 車両側制御・量産視点がある。 | 巨大企業の中ではテーマ比率が小さい。 |
| 5 | B | 5805 | SWCC | 東証プライム | 日本初の公道実証で非接触給電コイルユニットが採用された。 | コイル・リッツ線の供給力。 | 実証から量産採用へ進むか確認が必要。 |
| 6 | B | 9503 | 関西電力 | 東証プライム | DWPTを含むEVバス運行・充電制御、協議会設立、万博実証に関与。 | EMS/FMSとインフラ運用面。 | 純粋テーマ株ではなく本業が大きい。 |
| 7 | B | 7912 | 大日本印刷 | 東証プライム | EV向けワイヤレス給電用シート型コイルを開発・実証。 | 薄型・軽量コイルの部材力。 | 走行中給電への直接収益化はこれから。 |
| 8 | B | 5801 | 古河電気工業 | 東証プライム | 走行中給電向けMHz帯電力伝送や電界結合型WPTを研究。 | 高周波・電界結合の技術蓄積。 | R&D色が強く収益化時期は不透明。 |
| 9 | B | 1882 | 東亜道路工業 | 東証プライム | 非接触給電舗装の実用化を掲げ、東京ベイeSG採択も受けた。 | 舗装会社ならではの道路実装。 | 現時点では開発色が濃い。 |
| 10 | B | 6505 | 東洋電機製造 | 東証スタンダード | ワイヤレス給電システムを製品化し、公道実証にも参加。 | 車上・地上設備の組み合わせ提案。 | 小型株でテーマ性が先行しやすい。 |
| 11 | C | 6963 | ローム | 東証プライム | SiCパワーモジュールで走行中直接ワイヤレス給電研究に関与。 | SiC×EV×WPTの技術接点。 | 研究段階の印象が強く業績連動を追いにくい。 |
銘柄別解説
ダイヘン(6622)|関連度A
会社概要
ダイヘンは、変圧器などの電力機器、産業用ロボット、溶接機、高周波電源、ワイヤレス給電システムを手掛ける電機メーカーです。電力インフラとパワーエレクトロニクスの両方に強みがあり、EV関連では有線充電だけでなく無線給電を製品として前面に出している点が特徴です。東証プライム上場企業として確認できます。
今回のテーマとの関連性
ダイヘンは公式サイトで「走行中ワイヤレス給電」を製品メニューとして掲げ、道路に埋め込んだ送電コイルからEVへ非接触で給電する仕組みを明示しています。さらに、関西電力・大林組とともにNEDO関連の技術開発と大阪・関西万博での実証に関わり、2024年にはEVワイヤレス給電協議会の発起企業にも名を連ねました。
A判定理由:製品、実証、標準化活動の三つが一次情報で確認でき、テーマの中心プレーヤーとして追いやすいためです。
注目ポイント
- 公式に「走行中ワイヤレス給電」を製品ページで掲載しており、テーマとの接点が最も明確です。
- 大阪・関西万博のEVバス実証では、EMSや走行中給電を組み合わせた大規模実証の一角を担いました。
- EVワイヤレス給電協議会の発起企業で、規格整備や社会インフラ化の議論に継続関与しています。
注意点
- 実証や製品の存在は確認しやすい一方で、走行中給電単独の売上や受注額は確認できる範囲では細かく分かれていません。
- 社会実装には道路管理者、車両側メーカー、電力会社、規格団体との連携が必要で、単独で伸びるテーマではありません。
- NEDO資料でもプロジェクトは2030年頃までの長いスケジュール感で整理されており、短期の業績寄与を決め打ちしにくい点には注意が必要です。
参考情報
- 会社公式サイト「走行中ワイヤレス給電」:製品概要と想定用途の確認。
- 2024年4月17日・6月10日 EVワイヤレス給電協議会関連リリース:社会インフラ化・標準化への関与の確認。
- NEDO・大阪・関西万博関連資料:EVバス、EMS、DWPT実証の位置づけ確認。
大成建設(1801)|関連度A
会社概要
大成建設は建築・土木を中核とする大手ゼネコンで、環境・インフラ・都市開発分野の技術開発にも積極的です。東証プライム市場の上場企業で、道路や舗装の実証設備も保有しており、建設会社の中では走行中ワイヤレス給電を独自テーマとして見せやすい立場にあります。
今回のテーマとの関連性
大成建設は、舗装道路に埋設した送電電極からEVへ無線で給電する「T-iPower Road」を開発してきました。2025年には新設した舗装テストトラックで、国内初として時速0~60kmで走行するEVへ最大10kWの連続無線給電を実施し、高速道路への適用可能性を示しています。また、国土交通省の技術研究開発にも採択され、施工・更新・メンテナンスに在来工法を活用できる技術を確立したと説明しています。
A判定理由:道路そのものをテーマの中核技術にしており、実証の進み具合も一次情報で追いやすいためです。
注目ポイント
- 建設会社でありながら、道路側システムを自社開発テーマとして継続している点がわかりやすい強みです。
- 60km/h・10kWの国内初実証は、停車中無線給電から一段進んだ材料として見られやすいポイントです。
- MLIT研究で、舗装内コイルの耐久性や施工更新技術の現実解が検討されている点は、社会実装の壁の一つを押さえています。
注意点
- 技術が成立しても、広い道路区間へ常設するには費用対効果や交通量、利用率の議論が欠かせません。
- 制度面では道路管理者との調整や道路脱炭素化計画への位置づけが重要で、導入判断が長期化しやすいテーマです。
- 大成建設全体から見ると、当初は新規技術の位置づけにとどまりやすく、業績寄与は段階的に確認したいところです。
参考情報
- 2025年7月18日 大成建設ニュース:60km/h・10kWの高速走行実証の確認。
- 国土交通省「走行中の電気自動車に連続的に無線給電を行う道路の実用化に関する研究」:施工・維持管理面の確認。
- 会社公式「会社概要」:企業基礎情報の確認。
大林組(1802)|関連度A
会社概要
大林組は建築・土木・開発を手掛ける大手ゼネコンで、物流施設や都市インフラ、次世代モビリティ分野の実証にも積極的です。東証プライム上場企業として確認でき、道路・都市開発と実証フィールドを結びつけやすい立場にあります。
今回のテーマとの関連性
大林組は、関西電力・ダイヘンとともにNEDOの走行中ワイヤレス給電システムと都市全体EMSの技術開発に取り組み、2025年にはベストコラボレーション賞を受賞しています。さらに、2026年には国内初の高速道路本線における自動走行・自動運転トラック向けワイヤレス給電道路の実証開始を公表しており、万博のEVバス実証にも関与しています。
A判定理由:道路実装、商用車実証、官民プロジェクトの三点がそろっており、インフラ側の本命候補として整理しやすいためです。
注目ポイント
- 高速道路本線でのトラック向け実証は、物流用途へテーマが広がるかを見るうえで重要です。
- NEDO表彰案件として、エンドユーザー連携を含む社会実装型のプロジェクトである点が確認できます。
- 万博のEVバス実証は、バス・道路・充電制御を組み合わせた実運用に近い材料として見やすいです。
注意点
- ゼネコンの新技術案件は、技術成功と受注拡大の間に時間差が出やすい点に注意したいところです。
- 道路実装は制度、標準化、保守責任の整理が必要で、一気に全国展開するテーマではありません。
- 物流・高速道路向けでは耐久性や安全性の要求水準がさらに高く、実証の継続結果を見たい段階です。
参考情報
- 大林組公式リリース:高速道路本線におけるワイヤレス給電道路実証の確認。
- 大林組公式リリース:NEDO省エネルギー技術開発賞受賞の確認。
- 大阪・関西万博公式「EVバス」ページ:万博実証との関係確認。
デンソー(6902)|関連度A
会社概要
デンソーは自動車部品分野の大手で、電動化、熱マネジメント、ADAS、制御ソフトまで広い開発領域を持つ企業です。東証プライム上場企業であり、車両側の制御と量産技術に強みがあるため、走行中ワイヤレス給電では「道路と車両の協調制御」を担う位置づけとして見やすい銘柄です。
今回のテーマとの関連性
デンソーは公式コンテンツで「走行中無線給電システム」を紹介し、道路インフラと車両を連携させて走行中に給電することで、電池サイズの最適化や航続距離不安の解消を目指すとしています。2026年公表の「CORE 2030」では、2029年度の市場投入を目指すと明記しました。加えて、柏の葉での日本初公道実証でも共同研究グループの参加企業として名前が確認できます。
A判定理由:車両側技術としての直接性が高く、しかも中期視点の市場投入目標まで公式に示しているためです。
注目ポイント
- 2029年度市場投入を目指すという具体的な時期目標が、他社より一歩踏み込んだ開示です。
- 走行中給電を、電池の小型化や充電時間ゼロという価値提案で整理している点は投資家にも理解しやすいです。
- 技術レビューではタイヤ内中継コイル方式など、車両側の独自構成まで研究していることが確認できます。
注意点
- 市場投入目標はあくまで計画であり、規格、実証、顧客採用の進み具合で前後する可能性があります。
- デンソーは事業規模が非常に大きく、テーマ成功がすぐに会社全体の数字へ直結するかは別問題です。
- 道路側プレーヤーとの協調が前提のため、単独受注だけを追う見方はしにくいテーマです。
参考情報
- 「デンソーグループ2030年中期経営計画『CORE 2030』」関連ページ:市場投入目標の確認。
- DRIVEN BASE「EVは“走りながら充電”できるのか」:技術の考え方の確認。
- 柏の葉スマートシティ公道実証の共同研究グループ紹介:実証参加の確認。
SWCC(5805)|関連度B
会社概要
SWCCは電線・ケーブルを中核として、エネルギー・インフラ分野の製品を展開する企業です。東証プライム上場で、高周波用途に使うリッツ線や非接触給電用コイルなど、走行中ワイヤレス給電の中核部材に近い製品を持っています。インフラ向けの技術蓄積をそのままテーマに結びつけやすい銘柄です。
今回のテーマとの関連性
SWCCは、東京大学グループの共同研究として進められた日本初の電気自動車への公道走行中給電実証で、自社の非接触給電コイルユニットが採用されたと公表しています。また、道路埋設型の送電コイルを設置したことも別リリースで明らかにしています。製品面では、リッツ線と非接触給電用コイルを自動車関連製品として案内しています。
B判定理由:道路・車両をつなぐコイル供給の要所にいる一方、システム主幹企業ではなくサプライチェーン銘柄としての性格が強いためです。
注目ポイント
- 日本初の公道実証で採用品が明示されており、テーマとの接点が分かりやすいです。
- リッツ線や非接触給電用コイルは、無線給電効率に直結する部材として確認しやすいポイントです。
- 道路埋設型送電コイルまで対応しており、単なる素材ではなくユニット供給まで踏み込んでいます。
注意点
- 実証採用は材料になりますが、量産採用や継続受注へつながるかは今後の確認事項です。
- サプライチェーン銘柄は、最終システムの採用遅れがそのまま部材需要の遅れにつながりやすい面があります。
- 価格競争や銅・線材コストの管理も、テーマ成長だけでは見落としやすい点です。
参考情報
- 2023年10月3日ニュースリリース:公道実証への採用確認。
- 2023年7月3日お知らせ:道路埋設型送電コイルの設置確認。
- 自動車関連製品ページ:リッツ線・非接触給電用コイルの確認。
関西電力(9503)|関連度B
会社概要
関西電力は電力・ガスを主力とする大手ユーティリティ企業で、近年はEV充電、スマートモビリティ、EMSなど周辺サービスにも事業領域を広げています。東証プライム上場企業であり、走行中ワイヤレス給電では道路や車両そのものよりも、エネルギーマネジメントや実装の運用側で存在感があります。
今回のテーマとの関連性
関西電力は、ダイヘン・大林組と組んで、走行中給電システムが導入された都市全体へのエネルギーマネジメント技術を開発すると2021年に公表しました。2022年にはGI基金で、EVバスの運行管理とEMS、DWPTを組み合わせた実証スケジュールを示し、2024年にはEVワイヤレス給電協議会の発起企業にも加わっています。2025年の大阪・関西万博でも、EVバスのEMSと走行中給電実証に取り組みました。
B判定理由:テーマへの関与は強い一方で、収益源は機器販売ではなく運用・制度・エネルギー管理寄りであり、本命株というより周辺中核株として見た方が整理しやすいためです。
注目ポイント
- DWPTを普通充電・急速充電と並ぶ充電方式としてEMS/FMSの中に組み込んでいる点が特徴です。
- 協議会の発起企業として、標準化や制度設計の議論に近い位置にいます。
- 万博実証で、実運行に近いEVバスと充電制御の組み合わせを経験した点は先行材料です。
注意点
- 本業は電力事業であり、走行中ワイヤレス給電だけで会社を評価する見方は適しにくい銘柄です。
- 事業化は政策、規制、道路実装の進展に左右されやすく、公共プロジェクト色も強いです。
- 運用基盤側の役割は重要ですが、機器メーカーのような直接受注とは見え方が異なります。
参考情報
- 2021年11月19日プレスリリース:都市EMSと走行中給電開発の確認。
- 2022年7月20日プレスリリース:EVバス、EMS、DWPTの実証スケジュール確認。
- 2024年4月17日・2026年1月の資料:協議会設立と万博実証の確認。
大日本印刷(7912)|関連度B
会社概要
大日本印刷は印刷・情報技術を基盤に、包装、建材、エレクトロニクス、モビリティ部材まで領域を広げる企業です。東証プライム上場で、EV向けでは薄型・軽量のシート技術を応用したワイヤレス給電用コイルを展開しています。印刷会社という業種イメージより、部材メーカーとしての見方が重要です。
今回のテーマとの関連性
DNPは、送電側・受電側の双方に対応するEV向けワイヤレス給電用シート型コイルを開発し、薄型・軽量化や漏洩磁界低減を特徴として打ち出しています。2023年にはダイヘン・双日と、ワイヤレス充電機能を搭載した商用EVで国内初の登録認可取得と公道実証開始を公表しました。公式ページでは「走行中に給電できる未来」も視野に市場創出へ取り組むとしています。
B判定理由:コイル部材としては重要ですが、現時点では道路側システムそのものではなく、サプライチェーン銘柄として捉えるのが妥当だからです。
注目ポイント
- シート型コイルは従来のリッツ線型より薄型・軽量で、車両側・地上側の双方に使える点がわかりやすい強みです。
- 商用EVの公道実証まで進んでおり、単なる研究発表で終わっていません。
- 公式に「走行中に給電できる未来」を視野に入れると明記しているため、静止中ワイヤレス給電から先の展開も追いやすいです。
注意点
- 現時点で主に見えるのは部材・実証段階で、道路埋設型DWPTの主要受注としてはまだ見えにくい面があります。
- 標準化や採用方式の違いによって、求められるコイル仕様が変わる可能性があります。
- DNP全体では事業ポートフォリオが広く、テーマだけで業績を読むのは早計になりやすいです。
参考情報
- ワイヤレス給電用シート型コイル 製品ページ:製品特長の確認。
- 2023年3月14日ニュースリリース:商用EV公道実証の確認。
- モビリティ紹介ページ:将来的な走行中給電視野の確認。
古河電気工業(5801)|関連度B
会社概要
古河電気工業は、メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波の四つのコア技術を持ち、情報通信、エネルギーインフラ、自動車部品などへ展開する企業です。東証プライム上場で、ワイヤレス給電は高周波・自動車電装の交点として見やすいテーマです。
今回のテーマとの関連性
古河電工は、走行中給電に向けたMHz帯電力伝送技術の開発を技術論文で公表し、電界結合方式による10kW級大電力伝送を達成したと説明しています。2021年には大林組と電動キックボード向けワイヤレス充電ポートシステムを実証開始し、2025年の自動車部品事業説明会でも無線給電をテーマに挙げています。
B判定理由:技術開発の直接性は高いものの、現時点では走行中給電の量産売上というより、研究開発と周辺実装が先行しているためです。
注目ポイント
- 電界結合方式という、磁界結合系とは異なる技術ルートを持っている点が差別化要素です。
- 10kW級伝送の技術蓄積が公式技術資料で確認でき、単なるアイデア段階ではありません。
- マイクロモビリティ向けの実証も進めており、商用化の入り口を複数持っています。
注意点
- 走行中給電そのものはR&D色が強く、量産採用の時期を読み切るのは難しいテーマです。
- 電界結合方式は制度・安全基準・実装方式の議論とセットで進むため、普及速度に不確実性があります。
- 会社全体ではインフラ・通信・自動車電装に事業が分散しており、テーマだけで全社を評価しにくい面があります。
参考情報
- 古河電工時報「走行中給電に向けたMHz帯電力伝送技術の開発」:技術到達点の確認。
- 2021年12月7日リリース:電動キックボード向けWPT実証の確認。
- 2025年 自動車部品事業説明会:無線給電の位置づけ確認。
東亜道路工業(1882)|関連度B
会社概要
東亜道路工業は道路舗装を主力とする建設会社で、舗装材料や維持補修のノウハウを背景に、次世代道路インフラのテーマへも踏み込んでいます。東証プライム上場企業で、走行中ワイヤレス給電を「未来の舗装」の一つとして中期計画やIR資料で扱っている点が特徴です。
今回のテーマとの関連性
東亜道路工業は、中期経営計画で「走行中ワイヤレス給電技術などの次世代インフラへの挑戦」を掲げています。さらに、東京都の東京ベイeSGプロジェクトで「非接触給電舗装の実用化」が採択され、東京理科大学と共同で延長30mのDWPTシステムを設置する実証を進めています。決算関連資料でも、路面太陽光発電と並べて走行中ワイヤレス充電技術への取り組みを説明しています。
B判定理由:道路実装側としてテーマとの親和性は高い一方、現時点では開発・実証段階で、業績寄与の見え方は限定的だからです。
注目ポイント
- 舗装会社が前面に出ているため、コイル埋設や保守、更新コストの議論と相性が良い銘柄です。
- 東京ベイeSG採択で、実証フィールドを持つ案件として追いやすくなっています。
- 中計とIR資料の両方で言及があり、単発の展示テーマで終わっていない点は確認しやすいです。
注意点
- 現時点では実用化を目指す研究・実証の段階であり、本格受注フェーズとは言いにくいです。
- 実装コストの低減が普及の鍵と公的研究でも示されており、採算面の検証は重要です。
- 道路会社の本業は舗装・維持補修であるため、テーマに対する過度な純度期待は避けたいところです。
参考情報
- 2025年1月6日お知らせ:東京ベイeSGプロジェクト採択の確認。
- 2024年5月10日 中期経営計画:走行中ワイヤレス給電技術の位置づけ確認。
- 2025年3月期決算短信・2026年資料:IRでの継続言及確認。
東洋電機製造(6505)|関連度B
会社概要
東洋電機製造は鉄道車両用電機品、産業用モーター・インバータ、車載用電機品などを手掛ける電気機器メーカーです。東証スタンダード上場で、モータードライブ技術を基盤に、ワイヤレス給電システムを製品ページで紹介している点が特徴です。
今回のテーマとの関連性
東洋電機製造は、最大給電電力25kW、給電効率90%以上のワイヤレス給電システムを公式製品ページで案内しています。そこでは、東京大学との共同研究で「世界で初めて道路に敷設したコイルからインホイールモータへの走行中給電による実車走行」で培った技術を活用すると説明しています。2023年の柏の葉公道実証にも参加し、2015年・2017年にもワイヤレスインホイールモータ関連の成果を公表しています。
B判定理由:技術・製品の直接性は高いものの、会社全体への影響度や量産採用の見え方がまだ限定的だからです。
注目ポイント
- 製品ページで給電電力や効率まで示しており、技術の具体性が高いです。
- 道路側と車上側の最適な組み合わせ提案が可能とされ、実装設計寄りの立ち位置があります。
- 公道実証への参加実績があり、研究だけでなく社会実験の当事者として追えます。
注意点
- 東証スタンダード銘柄でテーマ性が強く出やすく、材料先行の値動きには注意が必要です。
- 現在の主力は鉄道・産業機器であり、走行中給電がすぐ主力事業になるわけではありません。
- 実証参加と量産採用の間には距離があり、採用先・継続案件の確認が重要です。
参考情報
- ワイヤレス給電システム 製品ページ:仕様と位置づけの確認。
- 2023年10月3日お知らせ:柏の葉公道実証参加の確認。
- 2015年・2017年ニュースリリース:ワイヤレスインホイールモータ開発の経緯確認。
ローム(6963)|関連度C
会社概要
ロームはパワー半導体やLSIを主力とする半導体メーカーで、特にSiC分野の存在感で知られます。東証プライム上場企業で、ワイヤレス給電でもICやパワーデバイスの視点から技術テーマを持っていますが、走行中ワイヤレス給電では現時点で研究・要素技術寄りの見方が適しています。
今回のテーマとの関連性
ロームは公式R&Dページで、「走行中直接ワイヤレス給電」においてSiCパワーモジュールがインホイールモータへ貢献すると紹介しています。2019年には東京大学、ブリヂストン、日本精工、東洋電機製造と共同で、第3世代走行中ワイヤレス給電インホイールモータを開発したと公表しました。
C判定理由:技術的な接点は明確ですが、現時点では研究・共同開発の色が強く、テーマ拡大が業績へどう結びつくかを一次情報だけで追いにくいためです。
注目ポイント
- SiCパワーデバイス企業として、走行中ワイヤレス給電の高効率化文脈で名前が挙がりやすいです。
- 公式に直接ワイヤレス給電インホイールモータの共同開発実績を公表しています。
- 無線給電そのもののIC・電源制御技術も持っており、周辺デバイス企業としての理解はしやすいです。
注意点
- 公開情報の中心はR&D紹介で、量産採用や売上寄与の見え方は限定的です。
- 「SiC」「EV」「ワイヤレス給電」というキーワードの広がりだけで、テーマ純度を高く見積もりすぎない方が安全です。
- 走行中給電の中核プレーヤーというより、要素技術の一角として整理した方が実態に近い銘柄です。
参考情報
- ローム公式R&Dページ「走行中直接ワイヤレス給電によりEVの航続距離を無限大に!」:技術テーマの確認。
- 2019年10月10日ニュースリリース:第3世代走行中ワイヤレス給電IWM開発の確認。
- ワイヤレス給電製品ページ:無線給電デバイスの基礎確認。
今回は除外・参考扱いとした銘柄
| 会社名 | 理由 |
|---|---|
| ブリヂストン | 公道実証やワイヤレス給電タイヤのコンセプト展示は確認できるが、現時点では本業業績との連動や量産ロードマップが追いにくく、今回は参考扱いとしました。 |
| NIPPO | 走行中給電技術が過去資料では見られるものの、2022年3月29日付で上場廃止済みのため対象外です。 |

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