CEコマース・リコマース関連銘柄を見る際は、「サーキュラーエコノミー」という大きな言葉から探すよりも、製品がどの経路で次の利用者へ渡るのかを確認すると企業間の違いが見えやすくなります。2026年4月の循環経済行動計画、5月の関東経済産業局CEコマースガイドブック、8月公表の地域資源循環モデル調査によって、CEコマースは行政・地域政策でも具体的な商流として扱われる段階へ進んでいます。
事業上の直接性が特に高いのは、メルカリの二次流通プラットフォーム、BuySell Technologiesの買取再販、ハードオフとトレジャー・ファクトリーの店舗型総合リユース、コメ兵ホールディングスのブランドリコマース、エアークローゼットのシェアリング・サブスクリプション、マーケットエンタープライズのネット型買取と自治体連携です。これらはCEコマースが拡大した際に、GMV、買取量、販売量、会員数、店舗数など企業側のKPIへ比較的直接接続する構造があります。
一方、オークネットは消費者向け店舗ではなく業者間二次流通のインフラ、キヤノンはメーカーによる再製造、ヤマダホールディングスは中古家電の回収・修理・再商品化という異なる立場にあります。いずれも一次情報で商用事業を確認できるものの、CE関連部分が連結業績に占める比率まで確認できるとは限りません。
今後確認したいのは、政策文書の数そのものではなく、中古品の買取量、GMV、店舗出店、会員継続率、在庫回転、海外販売、再生品生産量、自治体経由の利用件数が実際に増えるかです。また、真贋・品質保証、物流費、修理コスト、在庫価格、店舗投資、顧客獲得費など、CEコマース特有のコストも同時に見る必要があります。
特に注意したいのは、環境テーマとの接点だけを理由に企業業績まで結びつけないことです。エアークローゼットのようにCEコマースとの直接性が極めて高くても2026年6月期は営業赤字となった企業があります。一方、キヤノンのように商用化された高度な再製造事業を持っていても、関連売上が全社に占める比率は公開情報だけでは判断できません。「テーマとの直接性」「関連事業の企業内重要度」「収益化の段階」の三つを分けて見ることが、CEコマース・リコマース関連の日本株を比較するうえで重要です。
本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。
- CEコマース・リコマース関連テーマの整理
- 関連銘柄一覧
- 銘柄別解説
- メルカリ(4385)|関連度A・中核事業型
- BuySell Technologies(7685)|関連度A・中核事業型
- ハードオフコーポレーション(2674)|関連度A・中核事業型
- コメ兵ホールディングス(2780)|関連度A・中核事業型
- トレジャー・ファクトリー(3093)|関連度A・中核事業型
- エアークローゼット(9557)|関連度A・中核事業型
- マーケットエンタープライズ(3135)|関連度A・中核事業型
- オークネット(3964)|関連度B・重要サプライチェーン型
- ゲオホールディングス(2681)|関連度B・中核事業型
- キヤノン(7751)|関連度B・周辺恩恵型
- ヤマダホールディングス(9831)|関連度B・周辺恩恵型
- 今回は除外・参考扱いとした銘柄
CEコマース・リコマース関連テーマの整理
テーマの概要
CEコマースは、サーキュラーエコノミーを「商流」の側から実装する考え方です。本記事では、新品を販売して廃棄後に素材としてリサイクルする流れだけではなく、シェア・レンタルで一つの商品を繰り返し利用する、不要品を買い取って別の利用者へ販売する、CtoC取引を仲介する、点検・修理・クリーニング・再製造によって再び商品化するといった、製品価値をできるだけ長く維持する事業を中心に扱います。関東経済産業局も2026年5月に、自治体とCEコマース事業者との連携を想定したガイドブックを公開しています。
サプライチェーンで見ると、入口には買取・回収・出品があり、その後に査定、真贋判定、点検、クリーニング、修理、再生、在庫管理が続きます。出口は実店舗、EC、CtoCマーケットプレイス、業者間オークション、海外輸出、レンタルなどです。BuySellは買取から個人向け販売、BtoBオークションまでを展開し、ハードオフは買い取った商品を点検・クリーニングして再商品化しています。オークネットは中古デジタル機器やブランド品などのBtoB二次流通インフラを担います。
初心者が特に混同しやすいのが「リユース」と「リサイクル」です。CE全体には両方が含まれますが、本記事のCEコマースは、金属やプラスチックまで分解して再資源化する工程よりも前にある、製品・部品としての価値を保持したまま循環させる内側のループに重点を置きます。そのため、廃棄物処理・素材再生を主力とする企業は、従来型の「リサイクル関連銘柄」としては重要でも、本記事では原則として中核銘柄にしていません。
なぜ今注目されているのか
2026年は政策面でCEを「環境対策」だけでなく産業・地域経済の仕組みに落とし込む動きが一段進んだ年です。政府は2026年4月21日に「循環経済行動計画」を決定し、関東経済産業局は5月29日に自治体がCEコマース事業者との連携方法や事例を理解するためのガイドブックを公開しました。さらに同局の「CEコマースの活用による地域の資源循環モデル構築可能性調査」も2026年8月に経済産業省の委託調査報告書として掲載されています。
ここで重要なのは、政策が「リサイクル設備への投資」だけを意味していないことです。自治体にとって、まだ使用できる家具・家電・衣料品などを廃棄物として回収する前に民間の買取・再流通サービスへ接続できれば、廃棄物抑制との接点が生まれます。マーケットエンタープライズの「おいくら」は2026年6月期末時点で336自治体と連携し、同社公表値で連携自治体の人口カバー率は49.7%に達しています。これはCEコマースが民間同士の中古売買だけでなく、行政サービスとの接点を持ち始めている具体例です。
海外展開も確認点です。メルカリは2026年6月期の越境事業GMVを1,122億円、Mercari全体GMVの約9%と公表しています。トレジャー・ファクトリーはタイ、台湾、米国に続く地域への展開を中期経営計画に掲げ、キヤノンは2026年4月から米国で複合機の再生事業を本格化しました。中古品・再生品の需要を国内市場だけで判断しにくくなっている点も、現在のリコマースを見るうえで重要です。
ただし、CE政策の進展そのものが企業の増収・増益を保証するわけではありません。企業ごとに、取扱高が手数料収入へ変わるのか、買い取り量が販売につながるのか、レンタル資産の稼働率が上がるのか、再生品の販売数量が増えるのかという「収益への変換経路」を確認する必要があります。
日本株で関連銘柄を見る視点
中核事業型は、二次流通、買取再販、レンタルなどCEコマースそのものから売上を得る企業です。メルカリ、BuySell Technologies、ハードオフコーポレーションなどが典型です。各社とも実際に商用サービスを運営しており、テーマ拡大と取引・買取・販売量の関係を説明しやすい企業です。
重要サプライチェーン型は、再流通を成立させるBtoBオークション、査定、再生設備、物流、データ基盤などを提供します。オークネットのような業者間流通プラットフォームは、消費者から見えにくくても二次流通の中間インフラとして重要です。
周辺恩恵型は、大企業の一部門で再生品・中古品を扱うケースです。キヤノンの複合機再生、ヤマダホールディングスの中古家電再商品化などは商用事業として確認できますが、企業全体の売上に占めるCEコマース部分の比率が確認しにくく、中核専業企業とは分けて見る必要があります。
思惑先行注意型は、実証実験や小規模な取り組みだけが確認でき、売上・受注への接続が見えない企業です。今回の採用銘柄ではCランクに該当する企業を無理に加えませんでした。「テーマに関係していること」と「企業業績への影響が大きいこと」は同じではありません。 ここを分けることがCEコマース関連銘柄を見るうえで最も重要です。
関連銘柄一覧
| 表示順 | 関連度 | 位置づけ | 証券コード | 会社名 | 市場区分 | 関連する理由 | 注目ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | A | 中核事業型 | 4385 | メルカリ | 東証プライム | CtoCを中心とする二次流通マーケットプレイスが主要事業 | 国内GMV、越境流通、取引体験・信頼性向上 | GMV成長率、競争、取引安全性 |
| 2 | A | 中核事業型 | 7685 | BuySell Technologies | 東証グロース | 出張・店舗買取から再販、BtoBオークションまでリユースを一気通貫で展開 | 買取量、店舗網、グループ統合 | M&A統合、在庫、コンプライアンス |
| 3 | A | 中核事業型 | 2674 | ハードオフコーポレーション | 東証プライム | 家電・楽器・家具などの買取、点検、クリーニング、再販売が会社の中核 | 店舗網、商品再生、FC・海外展開 | 仕入れ確保、人員、在庫管理 |
| 4 | A | 中核事業型 | 2780 | コメ兵ホールディングス | 東証スタンダード | ブランド・ファッション中古の買取・販売が連結売上の大部分 | 買取網、ブランド中古、在庫回転 | 相場変動、真贋、在庫資金 |
| 5 | A | 中核事業型 | 3093 | トレジャー・ファクトリー | 東証プライム | 総合・衣料・スポーツ等のリユース店舗とECを中核事業として展開 | 年30~40店出店方針、海外、査定DX | 出店、人材、在庫・粗利 |
| 6 | A | 中核事業型 | 9557 | エアークローゼット | 東証グロース | 月額ファッションレンタルという「利用率を高める」CEコマースモデル | メンズ展開、循環物流、会員獲得 | 2026年6月期赤字、物流・在庫負担 |
| 7 | A | 中核事業型 | 3135 | マーケットエンタープライズ | 東証スタンダード | ネット型買取再販と自治体連携型「おいくら」を展開 | 自治体336、リユース事業利益 | 他事業の損益、加盟店・買取量 |
| 8 | B | 重要サプライチェーン型 | 3964 | オークネット | 東証プライム | 中古車、スマホ、ブランド品等のBtoB二次流通インフラを運営 | 業者間オークション、海外流通 | 取扱カテゴリーが広くCE純度は分散 |
| 9 | B | 中核事業型 | 2681 | ゲオホールディングス | 東証プライム | セカンドストリートを中心に国内外で総合リユースを拡大 | 国内外出店、衣料・服飾中古 | グループ事業が多角化、店舗投資 |
| 10 | B | 周辺恩恵型 | 7751 | キヤノン | 東証プライム | 使用済み複合機の部品再利用・再製造を商用展開 | 米国再生事業、標準生産方式 | 全社業績への寄与非開示 |
| 11 | B | 周辺恩恵型 | 9831 | ヤマダホールディングス | 東証プライム | 中古家電を買い取り、点検・修理して再商品化するグループ内循環を構築 | 再生拠点、店舗網、中古家電需要 | 連結売上に占める規模非開示 |
銘柄別解説
メルカリ(4385)|関連度A・中核事業型
会社概要
メルカリはフリマアプリ「メルカリ」を中心に、個人が不要品を出品し別の利用者が購入できるマーケットプレイスを展開する企業です。JPXでは東証プライム市場の情報・通信業として上場が確認できます。会社側はMarketplaceを主要事業の一つとして位置づけ、年間GMVは1兆円を超える規模です。自社で中古品を大量に買い取って在庫販売する会社というより、膨大な売り手と買い手を接続して二次流通市場そのものを形成するプラットフォーム型という点が特徴です。
テーマとの関連性
CEコマースとの関係は非常に直接的です。家庭に眠っている商品を個人間で再流通させるため、新品の所有者から次の利用者への移転をデジタル上で可能にしています。つまり、素材リサイクルに移行する前に「製品のまま使用期間を延ばす」というCEコマースの中心的な機能を担っています。メルカリ側もインパクトレポート等でリユースによる廃棄回避や環境負荷低減効果を継続的に測定しています。
2026年時点で注目したいのは国内取引だけではありません。会社発表では、2026年6月期の越境事業GMVは1,122億円となり、過去4年間で約19倍、「メルカリ」全体GMVの約9%まで拡大しました。国内の中古品を海外需要へ接続できることは、CEコマースにおける「買い手市場の拡張」という意味を持ちます。ただし、GMVはそのまま売上高ではないため、企業業績を見る際には取扱高と実際の収益を混同しないことが重要です。
一方、経営側はMarketplaceや米国事業のGMV成長率が目標を下回った点も説明しており、二次流通市場全体が拡大しても、メルカリ自身の取扱高が常に同じペースで成長するとは限りません。
関連度Aの判定理由: 二次流通プラットフォームそのものを主要事業として商用展開し、GMVという形で需要拡大との接続状況も追跡できます。テーマとの直接性、一次情報の量、収益化までの距離がいずれも近いためAとしました。
注目ポイント
- Marketplaceの国内GMVが再び安定成長へ向かうかが基本的な確認点です。
- 越境事業GMVは2026年6月期に1,122億円まで拡大しており、日本の中古商品を海外需要へ接続する動向に注目です。
- 高額品を含め、取引時の品質・真正性・安心感をどこまで高められるかが、中古品への心理的障壁を下げるうえで重要になります。
- AIを含むプロダクト改善によって出品・購入の摩擦を減らせるかも、取扱高への接続を見るポイントです。会社は2026年6月期にAI-Native Companyとしての基盤構築を重点施策としていました。
注意点
- 「リユース市場の成長」と「メルカリのGMV成長」は同義ではありません。
- CtoCプラットフォームでは詐欺、模倣品、不適切出品などへの安全対策が継続課題です。
- GMVと連結売上高・利益を混同しないよう注意が必要です。
- 国内外で競合サービスやブランド自身の認定中古販売が増える可能性があります。
- Marketplaceや米国事業では2026年6月期にGMV成長率が会社目標を下回ったことも開示されています。
参考情報
- 株式会社メルカリ|事業内容|発表日記載なし・2026年8月30日確認|Marketplaceを中心とした事業内容、年間GMV等を確認。
URL:https://about.mercari.com/ir/strategy/business-description/ - 株式会社メルカリ|決算情報|2026年6月期決算掲載・2026年8月30日確認|最新決算資料の公開状況を確認。
URL:https://about.mercari.com/ir/library/results/ - 株式会社メルカリ|「メルカリ ポップカルチャー越境トレンドレポート 2026」|2026年8月8日|越境事業GMV1,122億円、全体GMVに占める比率等を確認。
URL:https://about.mercari.com/press/news/articles/20260807_xb_acgereport/ - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|4385、東証プライムの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=4385
BuySell Technologies(7685)|関連度A・中核事業型
会社概要
BuySell Technologiesは、出張買取、店舗買取、宅配買取などで中古品を仕入れ、個人向けEC・店舗販売、卸売、業者間オークションを通じて再流通させるリユース企業です。会社側は「中古品の買取・販売を行うリユース事業」を明確に掲げ、2026年時点では全国500拠点を超える店舗買取網と出張買取を中心事業としています。バイセルのほか、福ちゃん、WAKABA、タイムレスなど複数ブランドをグループ内に持ちます。
テーマとの関連性
CEコマースとの関係は、単なる環境活動ではなく本業そのものです。一般消費者から商品を買い取る「回収・仕入れ」、査定、販売先の選定、自社EC、店舗販売、卸売、BtoBオークションまでをグループ内で保有しており、CtoBtoC型リコマースのサプライチェーンを広くカバーしています。
さらに同社はサーキュラーパートナーズに参画し、2025年にはCEコマースビジネス推進のためのガイドで事例企業として紹介されたことを公式に発表しています。この点は「リユース会社だから関連銘柄」という推測ではなく、CEコマース政策側との具体的な接点が確認できる材料です。
2026年上期も事業は商用拡大段階にあります。同社発表の決算リリースでは、2026年12月期上期の営業利益が前年同期比90.8%増となり、中期経営計画最終年度の営業利益目標を引き上げています。ただし、この業績拡大をCE政策だけの効果とみなすことはできず、既存店舗の拡大、M&A、買取単価、在庫販売など複数要因を分けて見る必要があります。
関連度Aの判定理由: 買取・販売・オークションが企業グループの中心事業で、CEコマース事例としての公式掲載も確認できます。二次流通拡大が買取量・販売量へつながる構造も明確なためAです。
注目ポイント
- 出張買取と全国500拠点超の店舗網を組み合わせ、家庭内に眠る商品を仕入れられる点が供給力の重要な要素です。
- 自社EC、店舗、ライブコマース、卸売、古物オークションと販売出口を複線化しています。
- M&Aで取り込んだブランド・店舗網の統合が、仕入れ量と販売効率にどうつながるかが確認点です。
- CEコマースの公式事例になっており、政策・自治体側でリユースが社会インフラ化する流れとの接点があります。
注意点
- 急速なM&Aではシステム、人材、査定基準、店舗運営の統合作業が発生します。
- 買取後に自社在庫を持つため、商品価格の変動や在庫回転が利益に影響します。
- 訪問買取は顧客対応・コンプライアンス体制の維持が特に重要です。
- ブランド品、貴金属などは市況・相場変動の影響を受ける可能性があります。
- 政策によるCE推進を、そのまま同社業績の増加要因とみなすことはできません。
参考情報
- BuySell Technologies|事業紹介|発表日記載なし・2026年8月30日確認|出張・店舗買取、販売、BtoBオークションなどを確認。
URL:https://buysell-technologies.com/business/ - BuySell Technologies|サーキュラーエコノミーのビジネスモデル事例として紹介されました|2025年6月4日|サーキュラーパートナーズ参加、CEコマースガイド掲載を確認。
URL:https://buysell-technologies.com/announcement/202506044830/ - BuySell Technologies|IR決算情報|2026年8月30日確認|2026年12月期決算関連資料の掲載先を確認。
URL:https://buysell-technologies.com/ir/settlement/ - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|7685、東証グロースの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=7685
ハードオフコーポレーション(2674)|関連度A・中核事業型
会社概要
ハードオフコーポレーションは、楽器、オーディオ、家電、家具、衣料、ホビーなど幅広い中古品を買い取り、点検・クリーニングして販売するリユース企業です。会社自身がIRページで「ハードオフコーポレーションはリユースの会社です」と説明しており、リユースが一部門ではなく企業のアイデンティティそのものです。2024年11月にはグループ店舗数が1,000店を突破し、2026年3月期の国内外チェーン売上高は会社公表値で805億円です。
テーマとの関連性
特にCEコマースとの親和性が高いのは、「買って売る」だけではなく再商品化工程を持つことです。同社は店舗で買い取った商品に点検・クリーニングを施し、この工程を社内で「生産」と位置づけています。これは、まだ利用可能な製品を廃棄せず、必要な手入れをして再び市場へ戻すという、リペア・リファービッシュに近い機能です。
また、全国47都道府県の店舗網に加え、米国、台湾、タイなど海外にも展開しています。CEコマース拡大が同社の業績につながる経路は比較的理解しやすく、買取客増加→中古在庫増加→販売機会拡大→店舗・オンライン売上という流れです。ただし、良質な中古在庫を十分な価格で確保できるかが利益率を左右します。
関連度Aの判定理由: リユースが企業の中核そのものであり、買取、再商品化、販売を商用規模で継続しています。CEコマース拡大と店舗取扱高の接続も明確なためAです。
注目ポイント
- 1,000店を超えるグループ店舗網は、商品を仕入れる入口と販売する出口の双方として機能します。
- 家電や楽器など、状態確認・再商品化の付加価値をつけやすい商材を扱います。
- 点検・クリーニングという再生工程が中古品への品質不安を下げられるかが重要です。
- 海外店舗の採算性と出店ペースも確認点になります。
注意点
- 中古品は新品のように計画生産できず、仕入れ数量・商品構成を完全にはコントロールできません。
- 店舗網の拡大には人材、賃料、設備など固定費が伴います。
- FCを含む大規模な店舗網ではサービス品質の均一化も確認点です。
- 商材ごとの在庫回転や値下げ管理が利益率に影響します。
参考情報
- ハードオフコーポレーション|ひと目でわかるハードオフコーポレーション|発表日記載なし・2026年8月30日確認|リユース企業としての位置づけ、点検・クリーニング、店舗数等を確認。
URL:https://www.hardoff.co.jp/ir/individual/hitome/ - ハードオフコーポレーション|決算説明会資料・動画|2026年8月30日確認|最新決算資料の公開ページを確認。
URL:https://www.hardoff.co.jp/ir/library/briefing/ - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|2674、東証プライムの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=topsearch&topSearchStr=2674
コメ兵ホールディングス(2780)|関連度A・中核事業型
会社概要
コメ兵ホールディングスは、KOMEHYOを中心に時計、バッグ、ジュエリー、衣料などのブランド・ファッション中古品を買い取り、国内外で販売するリユースグループです。持株会社ですが、テーマとの接点はグループのブランド・ファッション事業に明確にあります。2027年3月期第1四半期の会社資料では、連結売上高658.2億円のうちブランド・ファッション事業の売上構成比が97.6%とされており、CEコマース関連事業の企業内重要度が非常に高い企業です。
テーマとの関連性
ブランド中古では、商品の回収・買取だけでなく、査定、真贋確認、価格形成、在庫管理、販売チャネルが競争力になります。新品価格が高い時計・宝飾品・バッグは、製品を長期間使用し複数所有者間で循環させやすく、リコマースと相性のよい市場です。
同社の2027年3月期第1四半期では、ブランド・ファッション事業売上高642.69億円、営業利益33.79億円が開示されています。関連事業の規模が不明な大企業とは異なり、今回のテーマと連結業績がほぼ同じ方向を向いていることが特徴です。
一方で、ブランド中古は仕入れ価格や金・時計等の相場、海外需要、為替によって在庫評価や販売粗利が変化します。CE市場の拡大だけを見ず、買取額、在庫回転、売上総利益率を同時に見る必要があります。同社自身も在庫の増加や有利子負債との関係を決算資料で説明しています。
関連度Aの判定理由: ブランド・ファッション事業が2027年3月期第1四半期売上の97.6%を占め、企業全体の業績とリコマースが直接結びついています。一次情報で事業重要度まで確認できるためAです。
注目ポイント
- 国内買取専門店の出店が中古品の仕入れ能力をどこまで高めるかが重要です。
- 国内だけでなく海外販売を活用し、商品ごとに最適な需要へ接続できるかが注目点です。
- 買取額、在庫回転率、売上総利益率は業績への接続を見る重要なKPIです。
- 高額中古品に不可欠な査定・真贋能力を維持できるかを確認したいところです。
注意点
- 時計、金、ジュエリーなどの商品相場が仕入れ・販売粗利に影響します。
- 在庫拡大には運転資金が必要で、借入金の動向も確認点です。
- 海外販売の拡大に伴い為替変動の影響が増える可能性があります。
- 模倣品対策や真贋判定の失敗は信用リスクにつながります。
- リユース市場が拡大するほど同業他社との買取競争も激しくなる可能性があります。
参考情報
- コメ兵ホールディングス|2027年3月期第1四半期決算説明資料|2026年8月13日|BF事業の売上・営業利益、売上構成比97.6%等を確認。
URL:https://komehyohds.com/ir/upload_file/m000-/J_2027_1Qhosoku.pdf - コメ兵ホールディングス|直近の業績|2026年8月30日確認|リユース業界・ブランドリユース事業の業績説明を確認。
URL:https://komehyohds.com/ir/finance/recent_results.html - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|2780、東証スタンダードの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=2780
トレジャー・ファクトリー(3093)|関連度A・中核事業型
会社概要
トレジャー・ファクトリーは、総合リユース、衣料、スポーツ・アウトドアなど複数の専門業態を展開し、実店舗を買取・販売拠点であると同時にEC販売拠点として活用する企業です。2026年4月公表の中期経営計画では、リユース事業を明確に「コア」と位置づけ、店舗ネットワークの拡大、海外市場、M&A、DXを成長軸としています。JPXでは東証プライム上場です。
テーマとの関連性
CEコマースとの接点は買取から再販売までの商流そのものです。2027年2月期~2029年2月期の中期経営計画では、リアルの買取・販売拠点かつEC販売拠点となる店舗を連結で年間30~40店のペースで出店し、リユースネットワークを拡大する方針を示しています。
同社はタイ、台湾、米国に続く新地域への展開も掲げています。中古品は地域によって供給と需要のバランスが異なるため、海外チャネルは販売先の拡大という意味を持ちます。また、2026年3月には「査定DX・真贋室」を設置し、グループ横断AIプロジェクトも開始しています。中古品は一品ごとの状態が異なるため、査定と真贋の効率化は新品小売とは異なる重要な業務基盤です。
同社は2029年2月期に売上高710億円、営業利益63.8億円を計画していますが、この計画はCE市場拡大だけを前提としたものではなく、新規出店、海外、M&A、DXなど複数施策によるものです。
関連度Aの判定理由: 会社自身がリユースを「コア」と明示し、店舗・EC・海外・M&Aへの具体的な成長投資を示しています。関連性だけでなく事業重要度と設備・出店投資まで確認できるためAです。
注目ポイント
- 年間30~40店ペースの出店方針が実際の買取・販売能力拡大につながるかが確認点です。
- 海外販売地域の拡大で中古在庫の販売先を多様化できるかに注目です。
- 「査定DX・真贋室」とAI活用が査定時間・精度・在庫回転改善につながるかが確認点です。
- リユース周辺企業へのM&Aによるシナジーも重要です。
注意点
- 会社自身が中計上、新店物件を想定通り確保できない場合に計画へ影響する可能性を挙げています。
- 多店舗展開には人員採用・教育コストが必要です。
- 中古商品の仕入れ量・構成は消費者の売却行動に左右されます。
- 海外展開では現地認知、物流、為替、店舗採算の不確実性があります。
- M&Aは取得後の統合に失敗すると期待したシナジーが生まれない可能性があります。
参考情報
- トレジャー・ファクトリー|中期経営計画 2027年2月期~2029年2月期|2026年4月9日|コアとなるリユース事業、年間30~40店出店、海外・M&A・DX方針を確認。
URL:https://www.treasurefactory.co.jp/ir/pdf/2026_strategy_jp.pdf - トレジャー・ファクトリー|中期経営計画 2024年2月期~2026年2月期|過去計画|従来からリユース成長・M&A・DXを掲げていた点を確認。
URL:https://www.treasurefactory.co.jp/ir/pdf/Mid-term_version-2024.02-2026.02.pdf - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|3093、東証プライムの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=3093
エアークローゼット(9557)|関連度A・中核事業型
会社概要
エアークローゼットは、月額制ファッションレンタル「airCloset」を中心に展開する企業です。プロのスタイリストが顧客に衣料品を選定し、返却された衣料をクリーニングして次の利用者へ貸し出す循環型モデルを構築しています。会社は自ら、サーキュラーエコノミーに立脚したサービス開発を継続すると説明しています。JPXでは東証グロース市場に上場しています。
テーマとの関連性
中古品を所有者Aから所有者Bへ移すメルカリ型とは異なり、エアークローゼットは一つの資産を複数顧客が順番に利用して稼働率を高めるタイプのCEコマースです。月額課金のため、売上への接続は会員数、会員継続率、ARPU、衣料在庫の回転効率などを通じて起こります。
同社はRFIDによる個品管理、独自WMS、クリーニング工程などを備え、返却された洋服を最短1日で再貸し出し可能にする循環物流を構築していると説明しています。CEコマースでは、商品そのものだけでなく「回収→洗浄→再出荷」というリバースロジスティクスが競争力になることを示す例です。
2026年にはファッションレンタル事業が東京都のサーキュラーエコノミー推進補助事業に採択され、5月には男性向け月額制ファッションレンタル「airCloset Men’s」を開始しました。政策との接点と顧客層拡大の双方が確認できます。
ただし、2026年6月期は売上高51.75億円に対して営業損失2.34億円となっており、テーマ性が高くても収益性が自動的に確保されるわけではない好例でもあります。
関連度Aの判定理由: シェアリング・サブスクリプション型CEコマースが会社の主力事業であり、循環物流まで自社の重要機能として構築しています。収益モデルとの距離も近いためAです。
注目ポイント
- 女性向けで構築した循環型インフラを男性向けへ横展開できるかが注目点です。
- 会員数だけでなく、長期継続率と1着当たりの利用回数を確認したいところです。
- RFID、WMS、クリーニング、返却物流の効率化が収益性に直結します。
- 東京都CE推進補助事業の成果が、実際の事業拡大へつながるかが確認点です。
注意点
- 2026年6月期は営業赤字であり、テーマ拡大と利益成長を分けて見る必要があります。
- レンタル資産を保有するため、稼働率が低い在庫は収益性を悪化させます。
- 往復配送、クリーニング、倉庫作業など、物理オペレーションのコスト負担があります。
- 新規顧客獲得に広告費をかけても継続率が低ければ採算が悪化します。
- 政策補助は事業採算そのものを保証するものではありません。
参考情報
- エアークローゼット|個人投資家の皆様へ|2026年8月30日確認|月額サブスク、循環物流、RFID、WMS、CEへの位置づけを確認。
URL:https://corp.air-closet.com/ir/individual/ - エアークローゼット|ファッションレンタル事業が東京都サーキュラーエコノミー推進補助事業に採択|2026年3月31日|政策支援との接点を確認。
URL:https://corp.air-closet.com/news/press-release/260331/ - エアークローゼット|「airCloset Men’s」提供開始|2026年5月28日|男性向け月額レンタルへの事業領域拡大を確認。
URL:https://corp.air-closet.com/news/press-release/260528/ - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|9557、東証グロースの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=topsearch&topSearchStr=9557
マーケットエンタープライズ(3135)|関連度A・中核事業型
会社概要
マーケットエンタープライズは、ネット型リユースを中核の一つとし、「高く売れるドットコム」などを通じて家電、楽器、農機具を含む中古品を買い取り、EC・オークション等で再販売する企業です。「おいくら」では一般消費者と全国のリユースショップをつなぐプラットフォームも提供しています。JPXでは東証スタンダード市場に上場しています。
テーマとの関連性
同社の特徴はCtoCでは扱いづらい「大型・高額・大量」の商品をCtoBtoCで扱っている点です。会社が中古品を介在して品質を担保し、複数EC・オークションへ販売する構造を持ちます。中古農機具では海外販売も展開しており、家庭用品だけに限らないリコマースを構築しています。
2026年6月期のネット型リユース事業は売上高131.83億円、セグメント利益13.53億円でした。「おいくら」の自治体連携は期末336自治体、人口カバー率49.7%です。関連事業の売上・利益・行政連携数が具体的に開示されているため、テーマとの接点を数値で追いやすい点は大きな特徴です。
自治体との連携は、粗大ごみとして廃棄される前に売却可能な品物を民間リユースへ誘導する仕組みと捉えられます。2026年の関東経済産業局によるCEコマース地域モデル調査とも方向性が近い事業です。ただし、「おいくら」の自治体数が増えることがどの程度同社の利益増に結びつくかは別途確認が必要です。
関連度Aの判定理由: ネット型リユースの実売上・セグメント利益が開示され、自治体連携型の二次流通プラットフォームも商用化されています。政策、商流、業績の接続を比較的具体的に追えるためAです。
注目ポイント
- 「おいくら」の自治体連携が336からどこまで拡大するかが確認点です。
- 自治体連携増加が実際の買取依頼、加盟店売上、プラットフォーム収益へつながるかを見たいところです。
- 大型家電・楽器・農機具など、CtoCでは扱いづらい商材での優位性が重要です。
- 中古農機具などの海外需要開拓も販売出口の拡大につながる可能性があります。
注意点
- 同社はリユース以外の事業も持つため、ネット型リユース好調が連結利益へそのまま反映されるとは限りません。
- 自治体連携数と収益額は同じ指標ではありません。
- 大型商品は保管・輸送コストが高くなる可能性があります。
- 加盟リユース店のサービス品質もプラットフォームの信頼性に影響します。
- 買取量増加時には査定・物流処理能力の増強が必要になる可能性があります。
参考情報
- マーケットエンタープライズ|事業紹介|2026年8月30日確認|ネット型リユース、「高く売れるドットコム」「おいくら」等を確認。
URL:https://www.marketenterprise.co.jp/business - マーケットエンタープライズ|直近の業績|2026年8月30日確認|2026年6月期ネット型リユース売上・利益、自治体336、人口カバー率49.7%を確認。
URL:https://www.marketenterprise.co.jp/ir/finance/finance_01.html - マーケットエンタープライズ|決算説明会|2026年8月14日|2026年6月期通期決算説明資料の公開を確認。
URL:https://www.marketenterprise.co.jp/ir/library/library_05.html - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|3135、東証スタンダードの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=3135
オークネット(3964)|関連度B・重要サプライチェーン型
会社概要
オークネットは、中古車、スマートフォン・PCなどのデジタル機器、ブランド品、バイクなどについてBtoBオークションや流通サービスを展開する企業です。消費者向け店舗が主役ではなく、プロの事業者間で中古商品を効率的に流通させる市場インフラを持つ点が特徴です。JPXでは東証プライム上場です。
テーマとの関連性
ライフスタイルプロダクツセグメントには「デジタルプロダクツ事業」と「ファッションリセール事業」があり、前者では中古スマートフォン・PCなどのオークションと付随サービスを提供しています。一次流通で使用された商品を業者間市場で値付けし、次の販売業者へ移すため、CEコマースの「中間卸売市場」に相当します。
中古商品の市場を大きくするには、消費者向けマーケットプレイスだけでなく、仕入れた在庫を事業者間で移動させる流動性が重要です。オークネットはその部分に位置します。ただし、同社は中古品以外を含む複数カテゴリーのオークション事業を持つため、企業全体を「CEコマース専業」と評価することはできません。
関連度Bの判定理由: 二次流通に不可欠なBtoB市場インフラを商用展開しており直接性は高い一方、会社全体では複数分野を扱います。テーマの重要な中流プレーヤーとしてBとしました。
注目ポイント
- 中古スマートフォン・PCの流通量増加がオークション利用へつながるかが注目です。
- ファッションリセールの海外・toC展開は成長戦略上の確認点です。
- 二次流通価格データの蓄積は査定・価格形成インフラとして価値を持つ可能性があります。
- BtoB市場の参加事業者・取扱量の拡大を確認したいところです。
注意点
- CEに直接関係しないオークションカテゴリーもあり、連結業績との純粋な連動は限定されます。
- 中古端末やブランド品の流通量は新品市場・景気にも影響されます。
- オークションは参加者数と出品量の双方が必要なネットワーク型ビジネスです。
- 品質・真正性・データ消去など中古デジタル特有の信頼性確保が重要です。
参考情報
- オークネット|企業公式サイト|2026年8月30日確認|中古車、デジタル機器、ブランド品等のBtoBオークション・循環型ビジネスを確認。
URL:https://www.aucnet.co.jp/ - オークネット|セグメント情報|2026年8月30日確認|デジタルプロダクツ、ファッションリセールの事業区分を確認。
URL:https://ir.aucnet.co.jp/ja/ir/finance/segment.html - オークネット|デジタルプロダクツ事業|2026年8月30日確認|中古PC・スマートフォンの国内外オークションを確認。
URL:https://www.aucnet.co.jp/digital/digital-products/ - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|3964、東証プライムの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=3964
ゲオホールディングス(2681)|関連度B・中核事業型
会社概要
ゲオホールディングスは、GEO、2nd STREETなどを展開する持株会社です。今回のCEコマースとの主要な接点は、衣料、服飾雑貨、家具、家電などを買い取り販売する「セカンドストリート」と、スマートフォン・ゲーム機器等の中古取扱いです。JPXでは東証プライム市場に上場しています。
テーマとの関連性
2nd STREETは、消費者から中古商品を仕入れ、店舗・ECを通じて再販売する典型的な買取再販型リコマースです。会社は国内外で2nd STREETを中心とするリユース店舗の出店を進めており、2026年8月時点でもスーパーセカンドストリートを含む新店開業やタイ出店などを継続的に発表しています。
このためテーマとの直接性自体はA候補に近い水準です。一方、ゲオグループ全体では新品販売、レンタル等を含む複数事業を展開しており、リユース専業のハードオフやBuySellより企業全体へのテーマ純度は低くなります。公開財務情報では2nd STREETを衣料・家電等の買取販売店舗として明確に定義しています。
なお、2026年6月には子会社に対する消費者庁の措置命令に関する開示も行われています。テーマとは別ですが、リユース小売を評価する際には成長性だけでなく、表示・販売を含むコンプライアンス管理も確認すべき項目です。
関連度Bの判定理由: セカンドストリートという大規模な商用リユース事業を持ち直接性は高いものの、持株会社全体では事業が多角化しています。企業全体のテーマ純度を考慮してBとしました。
注目ポイント
- 国内2nd STREETの出店数と既存店販売の推移を確認したいところです。
- タイなど海外店舗の拡大が中古在庫の販売チャネル拡大につながるかが注目です。
- 衣料だけでなく家電・家具・ラグジュアリーなどカテゴリーを横断できる点が特徴です。
- 大型店「スーパーセカンドストリート」の拡大による店舗生産性を確認したいところです。
注意点
- グループ内にCEコマース以外の事業があり、テーマ拡大と連結業績は一対一では連動しません。
- 大規模店舗展開には賃料、人件費、設備投資が伴います。
- 中古衣料・雑貨の大量在庫を効率的に回転させる必要があります。
- 海外出店では地域ごとの中古品需要、物流、為替の影響を受けます。
- 2026年6月の子会社に関する消費者庁措置命令のようなコンプライアンス事項も継続確認が必要です。
参考情報
- ゲオホールディングス|財務情報|2026年8月30日確認|2nd STREET、GEOの店舗定義等を確認。
URL:https://www.geonet.co.jp/ir/financial/ - ゲオホールディングス|IR情報|2026年8月30日確認|国内外セカンドストリートの最新出店情報を確認。
URL:https://www.geonet.co.jp/ir/ - ゲオホールディングス|決算説明資料|2026年8月6日|2027年3月期第1四半期決算説明資料の公開を確認。
URL:https://www.geonet.co.jp/ir/library/presentation/ - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|2681、東証プライムの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=topsearch&topSearchStr=2681
キヤノン(7751)|関連度B・周辺恩恵型
会社概要
キヤノンはカメラ、プリンティング機器、医療機器などを世界展開する大手電機メーカーです。今回のテーマでは新品販売ではなく、使用済み複合機を回収し、分解、洗浄、部品交換、再組立てして再び製品として市場へ投入するリマニュファクチャリング(再製造)が対象です。JPXでは東証プライム市場に上場しています。
テーマとの関連性
キヤノンエコテクノパークでは、回収した複合機を部品レベルまで分解し、洗浄・再生する工程を展開しています。中古品をほぼそのまま再販売するリユースとは異なり、メーカー自身が品質を回復させて再製品化するため、CEコマースの中でも再製造・リファービッシュ側に位置します。
2026年3月10日には、米国で複合機再生事業を同年4月から本格始動すると発表しました。日本やドイツなどで培った標準生産方式を米国へ展開するもので、研究・実証ではなく商用事業拡張の段階であることが確認できます。
一方、キヤノンは巨大な総合電機メーカーです。再生複合機の売上高・利益を独立して確認できる開示は限定的で、CEコマース市場が拡大した場合に連結業績へどの程度寄与するかは公開情報だけでは判断できません。
関連度Bの判定理由: リマニュファクチャリングを長年商用化し、2026年には米国で事業を拡張しているため技術・事業の直接性は高い一方、企業全体に占める収益的重要度が確認しにくいためBです。
注目ポイント
- 2026年4月に始動した米国複合機再生事業がどの程度拡大するかが確認点です。
- 日本・欧州などで構築した標準生産方式を各地域へ横展開できるかに注目です。
- メーカー自身による部品管理・品質保証は、一般中古事業者との差別化要因になり得ます。
- 新品販売後の回収網を、再生品供給の安定化に活用できるかが重要です。
注意点
- 再生複合機だけの売上高・利益は確認できず、全社業績への寄与は不明です。
- 新品複合機との価格差が小さければ再生品需要が伸びにくい可能性があります。
- 回収、分解、洗浄、再組立てには物流・人件費が必要です。
- オフィス印刷量そのものの長期的な変化も需要に影響します。
- 「CE関連技術を持つ」ことと「キヤノン株の業績ドライバーになる」ことは分けて考える必要があります。
参考情報
- キヤノン|米国での複合機再生事業を本格始動|2026年3月10日|2026年4月からの米国展開、標準生産方式の横展開を確認。
URL:https://global.canon/ja/news/2026/20260310.html - キヤノン|キヤノンエコテクノパーク|2026年8月30日確認|複合機の分解・洗浄・再生工程を確認。
URL:https://global.canon/ja/environment/ecotechnopark/ - キヤノン|プリンティング事業の環境への取り組み|2026年8月30日確認|複合機の再製造・部品再利用の位置づけを確認。
URL:https://global.canon/ja/sustainability/environment/business/printing/ - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|7751、東証プライムの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=7751
ヤマダホールディングス(9831)|関連度B・周辺恩恵型
会社概要
ヤマダホールディングスは家電小売を中核に住宅、金融、環境関連などを展開する持株会社です。CEコマースとの接点は、グループで中古家電を買い取り、専用拠点で点検・洗浄・修理したうえで再販売する家電リユース事業です。新品家電を売るだけでなく、販売後の商品を回収して再び商品として販売する流れをグループ内に構築しています。JPXでは東証プライム上場です。
テーマとの関連性
同社の資源循環ページでは、グループ企業シー・アイ・シーなどを中心に、中古家電の買取から再商品化、販売までの流れを構築していることが確認できます。再商品化では商品チェック、クリーニング、修理等を実施し、商品によって保証を付けて販売します。家電のリコマースでは安全性や故障不安が普及障壁になりやすいため、メーカー・大手小売に近い品質管理機能は重要です。
さらに「くらしまるごと戦略」では、2025年6月にヤマダ西日本リユースセンター山口を稼働させ、中古家電の生産能力拡大を図っています。したがって、単なる環境方針ではなく、実際に設備を用いて再生品を生産する商用段階です。
ただし、ヤマダホールディングス全体は非常に規模が大きく、リユース家電単独の売上・利益が独立開示されているわけではありません。このため直接性は高いものの業績重要度の確認が難しく、Bとしています。
関連度Bの判定理由: 中古家電の買取・修理・再商品化・販売を実際に行い、再生拠点への投資も確認できます。一方、連結業績に占めるリユース部分の規模が不明であるためBです。
注目ポイント
- 東西のリユース拠点を活用し、再商品化台数を拡大できるかが確認点です。
- 全国規模の家電店舗網は、買取入口と再生品販売出口の双方として利用できる可能性があります。
- 修理・クリーニング・保証によって中古家電への品質不安を下げられるかが重要です。
- 新品販売と中古買取を組み合わせ、買い替え時に旧製品を回収できる構造が注目されます。
注意点
- リユース事業単独の売上高・利益は公開情報で確認できません。
- 全社規模が大きいため、再生家電が増えても連結業績への寄与は限定的である可能性があります。
- 家電の再生には修理人員、部品、物流、在庫スペースが必要です。
- 低価格新品との価格差が小さい場合、中古品の競争力が低下する可能性があります。
- 製品安全や保証対応のコストも重要です。
参考情報
- ヤマダホールディングス|廃棄物削減と資源循環|2026年8月30日確認|中古家電の買取、再商品化、販売フローを確認。
URL:https://www.yamada-holdings.jp/csr/csr302.html - ヤマダホールディングス|くらしまるごと戦略|2026年8月30日確認|ヤマダ西日本リユースセンター山口など再生拠点の展開を確認。
URL:https://www.yamada-holdings.jp/company/corp008.html - ヤマダホールディングス|YAMADA GREEN|2026年8月30日確認|中古家電の買取・再商品化・販売を含む環境事業を確認。
URL:https://www.yamada-holdings.jp/csr/green.html - JPX|東証上場会社情報サービス|2026年8月30日確認|9831、東証プライムの上場状態を確認。
URL:https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/StockSearch.do?method=&topSearchStr=9831
今回は除外・参考扱いとした銘柄
| 証券コード | 会社名 | 判定 | 除外・参考扱いとした理由 |
|---|---|---|---|
| 9278 | BOOKOFFグループホールディングス | 参考 | 総合リユース企業として本テーマとの接点は強く、2026年8月30日時点で東証プライム上場も確認できる。ただしハードオフ、ゲオ、トレジャー・ファクトリーと事業モデルが重なるため、11社に絞る編集上の理由で詳細対象外とした。関連性が弱いという意味ではない。 |
| 9247 | TREホールディングス | 除外 | 既存サイトでも資源循環関連として登場するが、本記事は素材リサイクル・廃棄物処理ではなく、製品のまま利用期間を延ばすCEコマースを中心に定義したため中核一覧から外した。 |

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