
土日にやることがないとき、必要なのは休日を全部埋めることではありません。まず確認したいのは、今日の体力がどれくらい残っているか、そして休日が終わるころにどんな感覚を持ちたいかです。そこから条件に合う行動を一つだけ選び、最初の30分を決めるほうが、予定を詰め込むより動きやすい場合があります。選択肢が多いほど選びやすくなるとは限らない、という研究知見ともこの考え方は合います。
予定がない休日に焦りを感じる人もいます。周囲の外出やイベントがSNSで目に入りやすかったり、休みの日まで何か成果を出すべきと感じたりすると、休みたい気持ちと、何もしない不安がぶつかりやすくなります。ただ、その感じ方には個人差があり、一人で過ごすこと自体が問題というわけではありません。 ソリチュード(自分の意思で一人になり、静かな時間を過ごしている状態)はロンリネス(人とのつながりが足りないと感じる、寂しさや孤独感)と同じではなく、自分で選んだ一人時間は落ち着きや回復につながることもあります。
この記事では、有意義な休日を忙しい休日や生産的な休日と同じ意味にしません。総務省の社会生活基本調査では、休養・くつろぎや趣味・娯楽の時間は長期的に増加傾向と整理されていますが、内閣府の2025年調査では生活満足度も社会とのつながり満足度も単純に右肩上がりではありませんでした。時間があることだけで満足が決まるわけではないからこそ、何をするか以上に、どう選ぶかが重要になります。
このあと紹介するのは、「3分で決める休日選択法」と「アンカー1つ+余白」の設計です。大量の候補から理想の一日を探すのではなく、今の自分に合う一つを決めるための実用的な方法として読んでください。
土日にやることがないときは、休日全体を埋めなくてよい
土日にやることがないと感じたとき、まず知っておきたいのは、休日の満足度はたくさん予定を入れたかだけでは決まりにくいということです。余暇研究では、余暇参加と主観的幸福感の関連が確認されている一方、その間には満足感や自律性、回復、意味づけなどの心理的な要因が入ると整理されています。時間的ゆとりの研究でも、時間に追われていない感覚は幸福感と関係しやすいと報告されています。
総務省「令和3年社会生活基本調査」では、週全体でみた主な行動のうち「休養・くつろぎ」「趣味・娯楽」の時間は長期的に増加傾向と整理されています。一方、内閣府の2025年「満足度・生活の質に関する調査」では、生活満足度は5.79で前年より0.10ポイント低下し、「社会とのつながり」の満足度も低下しました。つまり、自由時間の存在そのものと、休日への納得感は同じではありません。予定が少ない日でも、自分に合う時間を選べれば満足につながる余地があります。
そこで本記事では、休日を全部設計するのではなく、今日の体力と休日後に得たい感覚から一つ選ぶ考え方を提案します。得たい感覚は、回復したい、整えたい、達成したい、刺激がほしい、少しつながりたい、の五つです。ここから逆算すると、何をすべきかではなく今日は何が合うかで決めやすくなります。
もう一つの軸が、「アンカー1つ+余白」です。アンカーとは、その日に必ずやる予定を一つだけ決めること。たとえば「午前中に図書館へ行く」「昼に一品だけ料理する」「夕方に30分歩く」といったレベルで十分です。残りは未定のまま残し、休む、延長する、別のことに変える余白にします。選択過多研究では、選択肢の多さの効果は一様ではなく、複雑さや好みの不確かさが強いときは決めにくさが生じやすいとされています。だからこそ、一つだけ固定する設計が現実的です。
予定がない休日に焦りや罪悪感が生まれる理由
予定がない休日に焦るのは、意思が弱いからと決めつける話ではありません。焦りや罪悪感が生まれる背景には、見えやすい他人の休日、休日にも成果を求める空気、自由時間の判断コスト、平日の疲労が重なっている場合があります。
ひとつは、SNSで見せやすい休日が可視化されやすいことです。外出、旅行、イベント、会食などは投稿されやすく、家で休んだ時間や、静かに整えた時間は見えにくい傾向があります。SNS上の社会的比較に関するレビューでも、上方比較はウェルビーイング(心・体・人間関係などが良好で、満たされた状態)の低下や自己評価の揺れに結びつく場合があると整理されていますが、影響は利用の仕方や個人差に左右されます。つまり、SNSに出てくる休日像が多数派や標準とは限りません。
もうひとつは、休日にも生産性を求める規範です。他のネット記事でも「副業」「ポイ活」「自分磨き」が有意義な休日として前面に出る構成が見られました。もちろんそうした過ごし方が合う人もいますが、有意義と生産的は同じ言葉ではありません。余暇研究では、回復、意味、関係、自律、熟達感など、休日がもたらす価値は複数あります。娯楽そのものや、何も急がない時間も、休日の正当な機能です。
また、自由時間は多いほど楽とは限りません。選択過多のメタ分析は、選択肢が多いこと自体の平均効果はほぼゼロだが、条件によっては選びにくさが強まると示しています。別のレビューでも、選択肢の複雑さ、課題の難しさ、好みの不確かさ、決定目標が、選びにくさの出方を左右すると整理されています。休日に候補を大量に並べられても動けないのは、怠慢ではなく決める負荷が高いからかもしれません。
さらに、平日の疲れが強いと、何かしたいと、何もしたくないが同時に起こります。厚生労働省の睡眠ガイドは、睡眠関連症状が生活習慣による場合もあれば睡眠障害による場合もあり、本ガイドを実践しても十分な睡眠がとれない、休養感が得られない、日中の眠気が強いなどの症状が続く場合は医師に相談するよう示しています。休日に動けない日を、すぐに性格の問題だと断定しないほうが安全です。
3分で決める 一人休日の選び方

休日は理想の一日を考えるより、最初の30分を決めるほうが動きやすいです。以下の順番で一つずつ絞ると、候補の数を減らせます。
現在の状態から選ぶ休日の方向性
| 体力 | 得たい感覚 | 向いている活動 | 最初の一歩 | 避けたい計画の立て方 |
|---|---|---|---|---|
| 低い | 回復 | 昼寝、入浴、音楽、温かい飲み物、短い散歩 | 水を飲んで20分だけ横になる | 朝から外出前提で埋める |
| 低い | 整う | 机上だけ片付ける、洗濯1回、翌週の持ち物確認 | タイマー15分で一か所だけ整える | 家中を一気に片付ける |
| 普通 | 達成 | 映画1本、読書1冊、料理1品、ゲーム目標1つ | 作品やレシピを一つだけ決める | 複数の趣味を同時進行する |
| 普通 | 刺激 | 近所の新しい道、図書館の知らない棚、数駅移動 | 行き先を一か所だけ決める | 一日中移動する前提にする |
| 高い | つながり | 公開講座、趣味イベント、家族・知人への短い連絡 | 参加条件や時間だけ確認する | 予定を何件も詰める |
この表は人格診断ではありません。その日の状態確認です。ポイントは、体力→得たい感覚→範囲→予算→最初の30分の順で決めることです。選択課題を小さく分けると、判断負荷を下げやすくなります。
今日の体力を確認する
体力は「低い・普通・高い」の三段階で十分です。低い日は、回復か整える方向を優先し、遠出や長時間のイベントを先に選ばないほうが失敗しにくいです。厚労省の身体活動・運動ガイド2023も、「今より少しでも多くからだを動かす」「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにする」「体調が悪い時は無理をしない」としています。低体力の日には、大きく頑張るより、少し立つ、少し歩く、少し伸ばす、の発想が合います。
休日後に得たい感覚を一つ選ぶ
得たい感覚は一つに絞ります。回復したい日に達成感まで同時に求めると、必要以上に候補が増えます。余暇研究では、余暇が主観的幸福感に寄与する経路として、回復、自律、熟達、意味、つながりが整理されています。今日いちばん欲しいものを一つ選べば、活動案はかなり絞れます。
範囲と予算を決める
範囲は「家の中・近所・少し遠出」の三択、予算は「0円・少額・自由」の三択で十分です。ここで候補を増やすのではなく減らします。家から出たくない日に、美術館とカフェとショッピングを同時候補にすると、準備コストが急に上がります。
最初の30分だけ決める
最後に決めるのは、休日全体ではなく最初の30分です。映画なら作品を一本選んで再生する、整えるなら机の上だけ15分片付ける、刺激なら図書館へ行って一棚だけ見る。ここまで決めると、始めるハードルが下がります。始めてから延長するか、休むかは、その時点で決めて構いません。
状態別 一人でもできる休日の過ごし方

ここでは、行動案を増やしすぎないために、五つの目的別に整理します。全部やる前提ではなく、一つ選べば十分です。
休日の過ごし方比較
| 活動 | 目的 | 所要時間 | 予算 | 準備負担 | 外出 | 向いている状態 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20分の昼寝 | 回復 | 20〜30分 | 0円 | ほぼ不要 | なし | 眠気・だるさがある日 | 長く寝すぎると夜に響くことがあります |
| 入浴・足湯 | 回復 | 20〜40分 | 0〜少額 | 少し必要 | なし | 冷え、緊張感がある日 | のぼせやすい人は無理をしない |
| 机上だけ片付ける | 整う | 15〜30分 | 0円 | ほぼ不要 | なし | 全部は無理だが少し整えたい日 | 家全体を目標にしない |
| 映画を1本見る | 達成 | 2時間前後 | 0〜少額 | ほぼ不要 | 任意 | 外出気力はないが没頭したい日 | 作品選びに時間をかけすぎない |
| 図書館で一棚だけ見る | 刺激 | 30〜90分 | 0円 | 少し必要 | あり | ひとりで静かに刺激がほしい日 | 閉館時間は公式確認が必要 |
| 家族や知人へ短い連絡 | つながり | 5〜15分 | 0円 | ほぼ不要 | なし | 深い会話は重いが接点はほしい日 | 返信を義務にしない |
回復したいとき
意図的に昼寝する(20〜30分|0円|体力低|準備ほぼ不要|眠気が強い日に向きます。夜の睡眠に響くほど長くしないのが無難です)。
入浴や足湯をする(20〜40分|少額|体力低|準備少し必要|体を温めて区切りを作りたい日に向きます)。
スマートフォンを別の部屋に置いて休む(15〜60分|0円|体力低|準備ほぼ不要|SNS比較で疲れやすい日に向きます)。
好きな音楽を通して聴く(30〜60分|0円|体力低|準備ほぼ不要|何かを見るのもしんどい日に向きます)。
近所をゆっくり歩く(10〜30分|0円|体力低〜普通|準備少し必要|気分転換はしたいが遠出は重い日に向きます。厚労省の身体活動ガイドも、少しでも身体を動かすことを重視しています)。
簡単な食事を作ってゆっくり食べる(30〜60分|少額|体力低〜普通|準備少し必要|食事のリズムを整えたい日に向きます)。
整えたいとき
机の上だけ片付ける(15〜20分|0円|体力低|準備ほぼ不要|散らかりが気になるが大掃除は無理な日に向きます)。
衣類を一か所だけ整理する(20〜40分|0円|体力普通|準備少し必要|迷う服を減らしたい日に向きます)。
来週の食事を1食分だけ準備する(30〜60分|少額|体力普通|準備少し必要|平日を少し楽にしたい日に向きます)。
財布や固定費を確認する(20〜40分|0円|体力普通|準備少し必要|不安を減らしたい日に向きます)。
写真やファイルを一つのフォルダだけ整理する(15〜30分|0円|体力低〜普通|準備ほぼ不要|部屋は触りたくないが頭を整えたい日に向きます)。
翌週に必要なものを玄関にまとめる(10〜15分|0円|体力低|準備ほぼ不要|月曜朝の負担を減らしたい日に向きます)。
達成感が欲しいとき
本や漫画を1冊読む(30分〜2時間|0円〜少額|体力普通|準備少し必要|静かに没頭したい日に向きます)。
映画や配信作品を1本最後まで見る(90〜150分|0円〜少額|体力低〜普通|準備ほぼ不要|達成の区切りを作りやすい活動です)。
ゲームの目標を一つ決めて進める(30分〜2時間|0円〜少額|体力低〜普通|準備ほぼ不要|「何となく延々と」より満足度を得やすいです)。
料理や菓子を1品作る(40〜90分|少額|体力普通|準備少し必要|結果が残る活動がしたい日に向きます)。
短い文章、絵、写真を一つ仕上げる(30〜120分|0円|体力普通|準備少し必要|娯楽として作る日に向きます)。
オンライン講座を1章だけ進める(20〜60分|0円〜少額|体力普通|準備少し必要|自己投資でなく「気になっていたから」で十分です)。
新しい刺激が欲しいとき
普段使わない道を歩く(20〜40分|0円|体力普通|準備少し必要|大きな外出は重いが変化はほしい日に向きます)。
図書館で知らない棚を見る(30〜90分|0円|体力普通|準備少し必要|低コストで刺激を得やすい活動です)。
博物館や美術館の常設展を一つ見る(1〜3時間|少額|体力普通|準備少し必要|静かな刺激がほしい日に向きます)。
近所の店で普段選ばないものを一つ買う(15〜30分|少額|体力低〜普通|準備少し必要|小さな変化で記憶の目印を作りたい日に向きます)。
電車で数駅だけ移動する(1〜3時間|少額|体力普通|準備少し必要|遠出する気力はないが家からは離れたい日に向きます)。
建築、歴史、植物などテーマを決めて歩く(30〜120分|0〜少額|体力普通〜高い|準備少し必要|目的のある散歩をしたい日に向きます)。
小さな変化でも休日の記憶を区切る役割はあり得ますが、新しいことをしなければ無駄とまでは言えません。
少しつながりたいとき
家族や知人に短い連絡をする(5〜15分|0円|体力低|準備ほぼ不要|深い会話は重いが接点はほしい日に向きます)。
オンラインコミュニティをのぞく(10〜30分|0円|体力低〜普通|準備ほぼ不要|会話までしたくない日に向きます)。
公開講座や地域の催しを調べる(15〜30分|0円|体力普通|準備少し必要|今日は調べるだけでも構いません)。
ボランティア情報を確認する(15〜30分|0円|体力普通|準備少し必要|すぐ参加ではなく、選択肢を持つ段階です)。
店員や地域の人と軽い会話が生まれやすい場所へ行く(30〜60分|少額|体力普通|準備少し必要|弱いつながりがほしい日に向きます)。
趣味の公開イベントに一人で参加する(1〜3時間|少額|体力普通〜高い|準備やや必要|少し外向きのエネルギーがある日に向きます)。
内閣府の2025年調査では、おおむね半数がサードプレイスを持つと答え、数が多いほど「生活の楽しさ・面白さ」「社会とのつながり」の満足度が高い傾向がみられました。ここで言うつながりは、親密な人間関係づくりだけではなく、弱いつながりや居場所感を含みます。
30分 半日 1日で作る休日プラン

現実的な休日プランはやることの量より、負荷の調整が先です。ここでは、移動や準備も含めて詰め込みすぎない形で例を示します。
体力が低い日の30分プラン
水を飲む。カーテンを開ける。20分だけ横になる。起きたら温かい飲み物を用意して、スマホを見ずに5分だけ座る。
これで終わりでもかまいません。厚労省の睡眠ガイドは、休養感が得られない状態が続くときは生活習慣だけでなく睡眠障害の可能性も考える必要があるとしています。回復が最優先の日に、達成課題を後から足さなくても大丈夫です。
家から出たくない日の半日プラン
午前は映画1本か読書1冊のどちらか一つに決めます。昼は簡単な食事を一品だけ作る。食後に15分だけ机上を片付け、残りは自由です。
「見る・食べる・少し整える」の三つで十分です。娯楽は役に立つかどうかだけで評価しなくてよく、余暇研究でも没頭や回復はウェルビーイングの重要な経路です。
少し外出したい日の半日プラン
家を出る用事は一つだけにします。たとえば、図書館で一棚だけ見る。帰りに近所の店で飲み物を買う。帰宅後は何も予定を入れない。
移動先を一か所に絞ると、準備と判断の負担が減ります。刺激が欲しい日でも、複数スポットを回る計画は疲労とズレやすいです。
お金をかけない1日プラン
朝は30分散歩。昼前に洗濯や掃除を一か所だけ済ませる。昼食後は家にある本・映画・ゲームから一つ選んで没頭する。夕方に翌週の持ち物をまとめて終了です。
0円でも、回復・整理・達成の三つを少しずつ入れられます。総務省の調査でも、趣味・娯楽や休養・くつろぎは生活時間の重要な構成要素です。
新しい刺激が欲しい1日プラン
午前は電車で数駅だけ移動し、図書館、美術館、知らない商店街など一か所だけ歩きます。昼食後に気になったことをメモか写真で一つ残し、夕方以降は家で休みます。
新しい刺激を入れる日でも、一日中外にいる必要はありません。小さな変化を一つ入れて、その後に余白を残すほうが、疲れと満足のバランスを取りやすいです。
何も決めたくない日のアンカー1つ+余白プラン
アンカーは夕方に20分歩くだけにします。それ以外は何も決めません。もし歩けなければ、家の中でストレッチ3分に置き換えてもかまいません。
厚労省のアクティブガイド2023は、今より少しでも多く動くこと、座りっぱなしを減らすことを重視しています。このプランの意図は、完璧な休日を作ることではなく、ゼロか百かの考え方を避けることです。
何もしない休日は無駄なのか
何もしない休日は、無条件で無駄とは言えません。大事なのは、意図して休んだのか、選べないまま後悔したのかを分けて考えることです。
まず、有意義と生産的は同じではありません。勉強、副業、自己投資のように成果が見えやすい活動は、確かに達成感を得やすいです。しかし、余暇研究では、回復や自律、意味、関係も同じくウェルビーイングに関わる要素として扱われています。何も足さない時間でも、今日は休養を選ぶと決めたなら、それは受け身の失敗ではなく、自分の状態に合わせた選択です。
時間的ゆとりの研究でも、時間に追われていない感覚は主観的幸福感と結びつきやすいと報告されています。だから、予定の少なさそのものを欠点とみなす必要はありません。実際、ひとりで過ごすことと孤独を感じることは別で、ソリチュードは自律的に選ばれたときに肯定的に経験されやすい面があります。一人で静かにいる休日は、それだけで失敗と決まるわけではありません。
ただし、休むことを過度に美化しないことも大切です。厚生労働省の睡眠ガイドは、睡眠や休養感の低下が続き、日中生活に影響する場合は、生活習慣の見直しだけでなく医療機関相談を促しています。また、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、電話、SNS、メールによる相談窓口を案内しています。数週間から数か月単位で強い意欲低下や孤独感、睡眠や食事の大きな変化が続くなら、休日の工夫だけで抱え込まない選択肢も必要です。
自分に合う休日は 予定の多さより選び方で決まる
この記事の結論はシンプルです。土日にやることがないとき、必要なのは、立派な休日を作ることではなく、今の自分に合う一つを選ぶことです。
そのための手順は、体力を三段階で見る、休日後に得たい感覚を一つ選ぶ、範囲と予算を決める、最初の30分を決める、の四つです。さらに、休日全体は「アンカー1つ+余白」で設計する。これなら、疲れている日でも、候補が多すぎて決められない日でも、動き出しやすくなります。選択過多研究が示すように、選択肢を増やすことと選びやすさは同義ではありません。
明日のために成果を残すことだけが休日の目的ではありません。回復する、整える、達成する、刺激を得る、少しつながる。そのどれが必要かは日によって変わります。充実した休日とは、人に説明しやすい予定があることより、自分が必要としていた時間を自分で選べたことなのかもしれません。
意欲低下や孤独感が長く続く場合
休日だけでなく平日にも強い苦痛が続く、睡眠や食事が大きく乱れる、日常生活や学業・仕事に支障が出ている、といった状態が続く場合は、一般的な休日術では足りないことがあります。厚生労働省の睡眠ガイドは、症状が継続し日中生活に影響する場合の受診を勧めています。働く人であれば「こころの耳」の相談窓口も利用できます。医療や相談につなぐことは、大げさなことではなく、生活を立て直す選択肢の一つです。
よくある疑問Q&A
Q.土日に一人で何をすればよいですか。
まず「体力」と「得たい感覚」を一つずつ決めるのがおすすめです。体力が低いなら回復か整える、普通以上なら達成か刺激、少し外向きのエネルギーがあるならつながりを選びやすくなります。大量の候補から選ぶより、一つに絞って最初の30分を決めるほうが動きやすいです。選択過多研究でも、複雑な選択は判断を重くしやすいとされています。
Q.お金をかけずにできることはありますか。
あります。近所を歩く、図書館に行く、机上だけ片付ける、家にある本や映画を最後まで見る、翌週の持ち物をまとめる、短い連絡をするなどは、0円またはほぼ0円で実行しやすい案です。総務省の社会生活基本調査でも、趣味・娯楽や休養・くつろぎは生活時間の中で大きな位置を占めています。
Q.家から出たくない日はどう過ごせばいいですか。
「外出しない」前提で、回復・整え・達成のどれかを一つ選ぶと決めやすいです。映画を1本見る、20分だけ昼寝する、食事を一品作る、机上だけ片付ける、音楽を通して聴くといった案は、準備負担が低く始めやすいです。家にいる休日を怠けとみなす必要はありません。
Q.何もしない休日は無駄ですか。
無条件ではありません。意図して休んだのか、決められず後悔が残ったのかで意味が変わります。余暇研究は、回復や自律も休日の正当な機能として扱っています。一方で、休養感の低下や強い意欲低下が長く続くなら、別の配慮が必要です。
Q.休日に寝て終わるのは悪いことですか。
一時的な疲れが強い週なら、回復を優先する休日があっても不自然ではありません。ただし、長時間寝ても休養感がない、夜の睡眠が乱れる、平日にも強い眠気が残るなら、生活習慣だけでなく睡眠障害の可能性も含めて考える必要があります。厚労省は、症状が続き日中生活に影響する場合の相談を勧めています。
Q.一人で外出する場所はどう選べばよいですか。
「近所で済む」「会話が少なくてよい」「滞在時間を自分で調整できる」という条件で選ぶと失敗しにくいです。図書館、美術館の常設展、広めの公園、行き慣れた喫茶店、数駅だけの移動などは、負荷を調整しやすい候補です。目的は一か所に絞るほうが、疲れにくくなります。
Q.予定がないと不安になるのはなぜですか。
周囲の休日がSNSで見えやすいこと、休日にも成果を求める価値観、自由時間の選択コスト、平日の疲れが重なると、不安が強まることがあります。SNS比較に関するレビューでも、比較がソリチュードに影響する可能性は整理されていますが、個人差があります。全員に起きるとは限りません。
Q.休日の後悔を減らすにはどうしたらいいですか。
前日に完璧な予定表を作るより、当日の朝に「体力・得たい感覚・範囲・予算」を決めて、最初の30分だけ設定するほうが現実的です。さらに、アンカーを一つだけ置き、残りを余白にすると、できなかったことより、選んだ一つができた感覚を持ちやすくなります。
Q.何もしたくない状態が続くときはどうすればいいですか。
数日単位の疲労なら回復を優先してもよいですが、数週間以上続く、日常生活に支障がある、睡眠や食事が大きく変わる、強い苦痛がある場合は、休日の工夫だけで抱え込まないほうが安全です。厚生労働省の「こころの耳」には電話・SNS・メール相談があり、睡眠の悩みが主なら医療機関相談も選択肢になります。
参考
- 総務省統計局(2022年8月31日)「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の概要」総務省統計局、
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/gaiyoua.pdf - 内閣府 政策統括官(経済社会システム担当)(2025年9月)「満足度・生活の質に関する調査報告書2025 概要」内閣府、
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku/summary25.pdf - 内閣府 政策統括官(経済社会システム担当)(2025年9月30日)「満足度・生活の質に関する調査報告書2025」内閣府、
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku/report09.pdf - OECD(2020年3月)“How’s Life? 2020: Measuring Well-being” OECD,
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https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352250X20300464 - 買いクル編集部(2025年10月27日)「社会人の休日の過ごし方!一人でも充実・有意義に楽しむコツを解説」買いクル、
https://kaikuru.com/column/weekend-ideas-for-workers - レッツエンジョイ東京編集部(2026年1月11日)「『暇な休日、何しよう?』大人の一人遊び15選」レッツエンジョイ東京、
https://www.enjoytokyo.jp/article/110460/ - マイナビバイトTIMES編集部(2024年10月18日)「休日の過ごし方60選!一人・友人・カップル別ランキング」マイナビバイトTIMES、
https://baito.mynavi.jp/times/baito/knowhow/20241018-24513/ - dジョブ スマホワーク編集部(閲覧時点の掲載ページ)「社会人の休日の過ごし方ランキングTOP5!自分磨きしたい人も必見」dジョブ スマホワーク、
https://sw.djob.docomo.ne.jp/topics/knowhow_holiday_sugoshikata_180703.html - 日総工産(閲覧時点の掲載ページ)「平日休み何する? 一人でも楽しめる有意義な過ごし方10選」日総工産、
https://www.717450.net/special/knowledge/weekdaysoff_holidayspend.html - 快活CLUB(2026年4月6日)「男性1人でも楽しめるおすすめの休日の過ごし方24選!」快活CLUB、
https://www.kaikatsu.jp/column/040519.html

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