韓国株式市場は、AIブームの影響を強く受けていますが、中心にあるのはAIアプリ企業ではなく、HBMやDRAMといったAIインフラ向けメモリ半導体です。韓国市場ではサムスン電子とSKハイニックスの存在感が非常に大きく、半導体株の上昇がKOSPI全体の上昇として見えやすい構造があります。実際の需要は存在しますが、株価は将来期待も先回りして織り込みやすいため、実需とバブル的な期待を分けて見ることが重要です。したがって、韓国株を理解するうえでは、国全体の景気だけでなく、メモリ価格、AIデータセンター投資、指数構成、為替、外国人資金フローまで確認する必要があります。
韓国株式市場はAIバブルとどう関係しているのか
韓国株式市場はAIアプリの中心市場というより、AIインフラ向け半導体の受益市場としてAIブームと結び付いています。生成AIの普及で、Microsoft、Alphabet、AmazonなどがデータセンターやAI計算資源への投資を拡大し、その結果としてNVIDIAのデータセンター売上が急増し、GPUと組み合わせて使われるHBMやサーバー向けDRAMの需要が韓国企業に波及する、という構造です。
この構造を韓国市場側から見ると、サムスン電子とSKハイニックスの比重が高いため、半導体株の上昇がKOSPI全体の上昇として見えやすくなります。2026年5月29日時点のMSCI Korea Indexではサムスン電子が33.73%、SKハイニックスが28.62%を占め、両社で6割超でした。米国上場の韓国株ETFであるEWYでも、2026年3月31日時点でサムスン電子22.35%、SKハイニックス18.78%と、上位二銘柄で4割超です。Reutersは2026年5月6日時点で、両社がKOSPI時価総額の44%を占めると報じています。
つまり、韓国株はAI成長の受益市場である一方で、半導体サイクルに強く左右される市場でもあります。見かけ上は国別分散投資に見えても、実態はかなりメモリ半導体とAIインフラに寄った市場だと理解した方が実態に近いです。
韓国株式市場の基本としてKOSPIとKOSDAQをどう見るか
KOSPIは韓国の主力市場で、KRXの資料では大企業・代表企業が中心の市場として位置付けられています。一方、KOSDAQは比較的若く成長性の高い企業で構成され、ソフトウェア、バイオ、ヘルスケア、エンターテインメントなどの比重が大きい市場です。したがって、韓国株式市場と一言でいっても、KOSPIとKOSDAQでは市場の性格がかなり異なります。
グローバル投資家がよく参照するMSCI Koreaは、韓国の大型株・中型株を対象にし、韓国株ユニバースの約85%をカバーすると説明しています。そのMSCI Koreaでサムスン電子とSKハイニックスの比率が極めて高いことは、韓国市場の「指数は広く見えても、実際には大型半導体株への依存が大きい」という特徴をよく示しています。EWYでも情報技術セクターの比率は44.91%で、金融や消費関連を大きく上回っています。
韓国市場のもう一つの特徴は、輸出依存度の高さと外国人投資家の影響の大きさです。韓国銀行は2026年5月の経済見通しで、2026年の成長は堅調な半導体サイクルに支えられる一方、不確実性は半導体サイクルと中東情勢によって大きいとしています。また、韓国銀行の金融政策説明では、ウォン相場が外国人の国内株売りやドル高の影響で1ドル=1,500ウォン近辺まで変動したことに言及しています。つまり、韓国株を読むには、企業業績だけでなく、輸出・為替・資金フローを一体で見る必要があります。
AIバブルとは何かを韓国株に関係する範囲で整理する
ここでいうAIバブルとは、AI関連企業やAIインフラ、AIテーマに対する期待が株価や設備投資額に大きく反映される状態を指します。ただし、上がっているから全部バブルと言うのは正確ではありません。現在のAI相場には、NVIDIAのデータセンター売上急増、MicrosoftやAlphabetの巨額CapEx、AmazonのAI投資など、明確な実需が存在します。
韓国株に関係するAIバブルのルートは比較的はっきりしています。生成AIの利用拡大がクラウド企業のデータセンター投資を増やし、その結果としてAI GPUやAIアクセラレーター需要が伸び、GPUに必要なHBMやサーバー向けDRAM需要が増え、SKハイニックスやサムスン電子の業績期待が高まり、KOSPIにも波及するという流れです。この意味で韓国株は、AIアプリの本丸ではなく、AIブームの土台を支える部材・メモリ側の受益者です。
ドットコムバブルとの違いもあります。ドットコム期には収益化前の企業が多く、期待先行が非常に大きかった一方、現在はデータセンター建設、GPU調達、HBM供給契約、メモリ価格上昇といった実需がはっきり確認されています。ただし、将来需要をかなり前倒しで織り込むという意味では、現在のAI相場にもバブル的な要素があります。株価は実績だけでなく、期待の後ろ倒しではなく前倒しで動くからです。
なぜ韓国株はAI半導体ブームで注目されるのか
最大の理由は、韓国がメモリ半導体に強い国だからです。HBMはHigh Bandwidth Memoryの略で、SKハイニックスはこれを「複数のDRAMを垂直接続し、従来DRAMより大幅に高速化した高付加価値メモリ」と説明しています。Samsung SemiconductorもHBM4を、AIシステムの進化を支える高帯域メモリとして訴求しています。HMBはAI GPUに密接に組み込まれるため、GPU需要が増えるほど重要性が増しやすい製品です。
SKハイニックスは、2026年4月発表の1Q26決算で売上高52.5763兆ウォン、営業利益37.6103兆ウォン、純利益40.3459兆ウォンの過去最高を公表し、その背景として強いAI需要を挙げました。さらに同社は2026年6月、NVIDIAと次世代メモリの複数年技術提携を発表し、同月には次世代HBM4Eのサンプル出荷も公表しています。これは、SKハイニックスがAIメモリの最前線で評価されていることを示します。
サムスン電子も2026年1Q決算で、Device Solutions部門の売上高81.7兆ウォン、営業利益53.7兆ウォンを計上し、メモリ事業がAI向け高付加価値需要と平均販売価格上昇で過去最高収益を更新したと説明しました。さらに、同社はNVIDIAのVera Rubin向けHBM4とSOCAMM2の量産販売開始に触れ、AIインフラ拡大のなかでメモリ需要が引き続き強いと見ています。サムスンはスマートフォンや家電も持つ多角企業ですが、AI相場では半導体部門が最も注目されやすい構図です。
韓国のマクロ面でも、半導体は非常に重要です。Reutersが伝えた韓国の公式貿易統計では、2026年5月の半導体輸出は前年同月比169.4%増の371.6億ドルで月次過去最高となり、6月上旬の速報でも半導体輸出は188.4%増と極めて強い伸びでした。韓国銀行も、2026年成長を支える主因として半導体サイクルを挙げています。つまり、韓国半導体株は単なる株式テーマではなく、輸出・成長率・税収にも波及するマクロ要因です。
AIブームからKOSPIへ波及するルート
波及ルートをできるだけ単純に言い換えると、生成AIの利用拡大 → クラウド各社のCapEx増加 → AI GPU増産 → HBM・DRAM需要増加 → 韓国メモリ企業の業績期待上昇 → KOSPI上昇です。Microsoftは2026年度3Qの設備投資が319億ドルで、その約3分の2が主にGPU・CPUなどの短寿命資産向けだったと説明しています。Alphabetは2026年のCapExを1,800億〜1,900億ドルと見込み、その大半を技術インフラに充てると説明しました。Amazonも、保有設備投資の増加が主にAI投資を反映すると開示しています。
その受け皿であるNVIDIAは、2026年度1Qのデータセンター売上が752億ドル、前年同期比92%増と発表しました。NVIDIAのようなAI計算基盤企業の伸びが、HBMや高性能DRAM需要を押し上げ、韓国のメモリ企業の売上・利益見通しを押し上げる、という関係です。サムスン電子やSKハイニックスの決算説明でも、AIインフラ拡大が高付加価値メモリ需要を支えていると明言されています。
ただし、このルートは常に一直線ではありません。AI需要が伸びても、メモリ価格が落ちれば利益率は低下しますし、設備増強が一斉に進むと需給が緩む可能性があります。実際、TrendForceは2026年1QのDRAM業界売上急増を契約価格の急騰が支えたとしつつ、これは価格変動の影響も大きいと示しています。さらに株価は、好決算でも期待ほどではないと評価されれば下がります。つまり、AI需要と株価は一対一では結び付きません。
韓国株は本当にAIバブルなのか
実需として見られる部分
AIデータセンター投資、HBM需要、サーバー向けDRAM需要、半導体輸出増、企業決算改善は、公開資料で確認できる実需です。NVIDIAのデータセンター売上増、Microsoft・Alphabet・AmazonのAIインフラ投資、サムスン電子・SKハイニックスのメモリ事業好調、韓国の半導体輸出急増は、いずれも実体のある需要を示しています。さらにWSTSの2026年春見通しでは、世界半導体市場はメモリ主導で大幅上方修正され、AIインフラとHBMが成長ドライバーとされました。なお、WSTSの数字は予測であって実績ではない点には注意が必要です。
期待先行として見られる部分
一方で、HBMの高成長が長期間続く前提、クラウド企業のCapExが高水準で持続する前提、メモリ価格が中長期で高止まりする前提は、まだ確定した事実ではありません。Alphabetは2027年にCapExをさらに増やす考えを示していますが、それでも需要見通しは景気とAI収益化次第で変わります。韓国銀行も、見通しの大きな不確実要因として半導体サイクルを挙げています。
バブル的に見える部分
指数上昇が一部の大型株に偏っている点は、バブル的な見え方を強めます。2026年5月6日にはKOSPIが初めて7,000を超えましたが、Reutersはその際、サムスン電子とSKハイニックスがKOSPI時価総額の44%を占めていたと伝えました。また、韓国ではAI相場の急変時に信用取引やレバレッジETFの増加がボラティリティを拡大させる懸念も報じられています。指数が上がっていても、実際には二大半導体株の上昇が大半を説明している可能性があるわけです。
まだ判断が難しい部分
今後の持続性はまだ判断が難しいです。AI需要がどこまで続くのか、HBM需給がいつ緩むのか、サムスン電子のHBM競争力がどこまで改善するのか、SKハイニックスの優位がどの程度続くのか、米国クラウド大手のAI投資がどこで鈍化するのかは、現時点で断定できません。ここから先は推測を含みますが、韓国株の評価はAIの有無よりもメモリ価格と供給能力のバランスで大きく変わる可能性があります。
サムスン電子とSKハイニックスの違い
SKハイニックスは、韓国株の中でもAIメモリ需要への感応度が高い企業です。HBMでの存在感が大きく、NVIDIAとの技術提携やHBM4Eサンプル出荷のように、AIアクセラレーターとの連動が強い情報が株式市場で評価されやすい特徴があります。その分、メモリ市況の変化や特定顧客への依存、技術競争の変化にも敏感です。
サムスン電子は、韓国市場全体に対する影響がより大きい企業です。AI相場ではメモリ部門とHBMが注目されますが、同社はスマートフォン、家電、ディスプレイ、システムLSI、ファウンドリなど多角的な事業を持っています。そのため、AI相場における純粋なHBM感応度ではSKハイニックスより薄まる一方、指数への影響力はなお非常に大きいと言えます。
比較の結論としては、SKハイニックスはAIメモリ需要へのレバレッジが高い企業、サムスン電子は韓国市場全体への寄与度が極めて大きい企業と整理できます。どちらもAIバブルと韓国株を理解するうえで不可欠ですが、リスクの種類は同じではありません。
日本株と米国株と台湾株との違い

韓国株は、AIインフラの中でもメモリ半導体に強い市場です。MSCI KoreaやEWYの構成からも、その中心がサムスン電子とSKハイニックスであることは明白です。つまり、韓国株は「AI相場の受益者」ではありますが、その受益の中身はHBM、DRAM、NAND、サーバーメモリに強く偏っています。
米国株は、AIブームの需要創出側です。NVIDIAがGPUとAI計算基盤を押さえ、Microsoft、Alphabet、Amazonがクラウドとデータセンター投資を担います。したがって米国株は、AIモデル・クラウド・GPU・ソフトウェアまで含む「AIの本流」に近い市場です。
台湾株は、AIブームの先端製造側です。EWTでは情報技術が69.39%と極めて高く、TSMCが21.67%を占めます。TSMC自身も2026年1QにHPCが売上の61%を占め、AI・HPC向けの構造需要を背景にCapExレンジ上限方向を見込むと説明しています。つまり、台湾株は「AI半導体をつくる側」であり、韓国株の「AIメモリを供給する側」とは役割が異なります。
日本株は、AI半導体の装置・検査・サプライチェーン側の色合いが強いです。EWJでは情報技術比率は13.48%にとどまり、上位銘柄は自動車・金融・総合電機が中心です。そのうえで、東京エレクトロンは成膜、塗布現像、エッチング、洗浄などの半導体製造装置を供給し、アドバンテストは半導体試験装置で世界的な存在感を持っています。つまり、日本株はAI半導体の中心そのものより、その製造・検査を支える周辺基盤としての位置付けが強いと言えます。
韓国株のリスクとして何を見ておくべきか
第一に、AI設備投資の減速リスクです。Microsoft、Alphabet、Amazonが現在は巨額投資を続けていますが、この投資が減速すれば、NVIDIAのGPU需要に影響し、その先でHBMやサーバーDRAMにも波及します。韓国株はAI需要の一次受益ではなく、米国CapExの二次受益である点を忘れない方がよいです。
第二に、メモリ半導体の供給過剰リスクです。TrendForceは2026年1QのDRAM売上急増を価格上昇が支えたと指摘しましたが、これは逆にいえば、価格局面が反転したとき利益変動が大きいことを意味します。韓国銀行も、半導体サイクルが今後の韓国経済の主要な不確実性だと明記しています。
第三に、指数集中リスクです。2026年3月末のEWYではサムスン電子とSKハイニックスで41.13%、MSCI Koreaでは2026年5月末に両社で62.35%でした。韓国株ETFや指数商品を使っても、見た目ほど分散されていない可能性があります。
第四に、為替リスクです。韓国銀行は2026年春、ドル高と外国人株売りのなかでウォンが1ドル=1,500ウォン近辺まで変動したと説明しています。日本の読者にとっては、韓国株が上がっても、円ベースでは為替要因で見え方が変わります。
第五に、地政学・規制リスクです。韓国銀行は2026年春の見通しで中東情勢を含む外部ショックを重視しましたし、投資家は米中対立、対中半導体規制、中国需要、台湾海峡リスク、北朝鮮リスクも意識します。これらはメモリ需給だけでなく、リスク資産全体の評価倍率にも影響します。
第六に、期待先行リスクです。2026年6月にはKOSPIが急落し、サーキットブレーカーが発動する場面もありました。Reutersは、米金利観測の変化がテック中心の韓国市場を直撃したと伝えています。AIテーマが強い相場ほど、外部金利やセンチメント悪化で値動きが大きくなりやすい点は無視できません。
誤解しやすい論点
まずありがちな誤解は、韓国株全体がAI株であるという見方です。実際には、恩恵は半導体、とくにメモリ関連に偏りやすく、KOSDAQや内需株まで一律に同じ恩恵を受けるわけではありません。
次の誤解は、AI需要が伸びれば韓国株は必ず上がるという見方です。実際には、AI需要が伸びても、株価がすでに期待を織り込んでいる場合や、メモリ価格・供給・為替が逆風の場合には、株価反応は別になります。
三つ目は、HBM需要は永遠に伸び続けるという見方です。HBMの重要性は高いものの、需給、競争、歩留まり、顧客認証、次世代規格移行などで収益性は変わり得ます。サムスン電子とSKハイニックスの競争関係も固定ではありません。
四つ目は、AIバブルなら全部危険であるという二元論です。現在のAI相場には、実需と期待が同居しています。重要なのは、どの部分が実際の設備投資や受注に裏付けられ、どの部分が将来期待の前借りなのかを分けることです。
五つ目は、韓国株ETFなら十分に分散されているという見方です。EWYの上位保有比率を見ると、韓国ETFでも二大半導体株への依存が大きく、国別分散と業種分散は同義ではありません。
今後チェックすべき指標
半導体関連では、HBMの出荷・サンプル供給・量産コメント、DRAM価格、NAND価格、メモリ在庫、韓国の半導体輸出、サムスン電子とSKハイニックスの決算、NVIDIAのデータセンター売上を追うのが重要です。とくにメモリ市況は企業業績の振れ幅を大きくします。
市場関連では、KOSPI、KOSDAQ、ウォン相場、外国人投資家の売買動向、韓国株ETFの保有構成、KOSPIのバリュエーション、信用取引残高や売買代金を見ておくと、過熱度を把握しやすくなります。実際、韓国銀行はウォンと外国人売買の連動を説明しており、Reutersは信用取引増加がボラティリティ要因だと報じています。
マクロ・政策面では、韓国銀行の経済見通し、韓国の輸出統計、世界半導体市場の見通し、米国の対中半導体規制、韓国政府の半導体政策を確認すると、短期の値動きよりも構造変化を追いやすくなります。2026年6月には韓国政府が巨額の半導体・AI投資構想を示しましたが、Reutersは同時に市場が供給過剰懸念を意識したとも伝えています。
今後の見通しを三つのシナリオで考える
ここから先は、公開情報をもとにした条件付きシナリオ整理であり、将来予測の断定ではありません。
楽観シナリオ
AIデータセンター投資が続き、HBM需要が想定以上に拡大し、メモリ価格が高水準を維持し、サムスン電子とSKハイニックスの収益改善が続き、外国人資金流入が戻るなら、韓国半導体株が引き続き市場を支え、KOSPIも底堅く推移する可能性があります。ただし、この場合でも過熱感は強まりやすく、価格変動はむしろ大きくなり得ます。
中立シナリオ
AI需要は伸びる一方、株価にはかなり織り込み済みで、メモリ価格は上昇と調整を繰り返し、設備投資増で需給が少しずつ緩む場合です。この場合は、指数全体よりも企業ごとの受注、認証、製品ミックス、コスト競争力の差が強く意識され、AI関連なら何でも評価される局面は薄れていく可能性があります。
慎重シナリオ
米国のAI設備投資が鈍化し、HBMやDRAMの供給過剰が意識され、メモリ価格が下落し、為替や地政学リスクが強まり、外国人が韓国株を売り越す場合です。この場合、サムスン電子とSKハイニックスの下落がKOSPI全体に強く波及し、AIテーマの期待先行部分が剥落する可能性があります。指数商品やETFも集中リスクの影響を受けやすくなります。
読者はどう考えればよいか
韓国株を見る際は、韓国という国への漠然とした投資と考えるより、半導体集中市場として見るほうが実態に近いです。まず、サムスン電子とSKハイニックスの比率を確認し、次にHBMだけでなくDRAM・NAND・メモリ価格全体を見ることが大切です。さらに、米国AI株、台湾株、日本半導体株と役割が違うことを比較すると、韓国株の位置付けが明確になります。
また、AI需要が伸びるかどうかだけでなく、その期待が株価にどこまで織り込まれているかを見る必要があります。ETFや投資信託を使う場合も、中身の構成銘柄とセクター比率を確認した方が、見かけの分散に惑わされにくくなります。個別の投資判断は、リスク許容度、資産配分、為替、手数料、税制を踏まえ、必要に応じて金融専門家に相談するのが適切です。
結論として韓国株式市場とAIバブルをどう見るべきか
韓国株式市場は、AIインフラ向け半導体需要の影響を強く受けています。中心にあるのはAIアプリではなく、HBM・DRAMなどのメモリ半導体です。しかも韓国市場はサムスン電子とSKハイニックスへの集中度が高いため、韓国株全体の上昇に見える局面でも、実際には二大半導体株が主役になっていることが少なくありません。
したがって、本テーマを理解するには、「AI需要」「メモリ価格」「企業決算」「指数構成」「為替」「外国人投資家動向」を合わせて見ることが重要です。実需は確かにありますが、将来期待を先取りした過熱も起こり得ます。韓国株式市場とAIバブルをめぐる議論は、投資助言としてではなく、構造理解とリスク整理として捉えるのが最も実務的です。
よくある疑問Q&A
Q.韓国株式市場はなぜAIバブルと関係しているのですか?
韓国市場はAIアプリ企業の集積地というより、HBMやDRAMなどAIインフラ向けメモリ半導体の供給地としてAIブームとつながっています。米国クラウド大手のCapEx増加とNVIDIAのGPU需要増が、サムスン電子とSKハイニックスの業績期待を押し上げ、その結果としてKOSPIにも波及しやすくなっています。
Q.韓国株は本当にAIバブルなのですか?
一部にはバブル的な期待がありますが、すべてを空想とみなすのは適切ではありません。現在は、データセンター投資、GPU需要、HBM供給、半導体輸出、企業決算改善といった実需が確認できます。そのうえで、どこまでが実需で、どこからが期待先行かを分けて考える必要があります。
Q.KOSPIが上がる理由は何ですか?
韓国市場ではサムスン電子とSKハイニックスの存在感が大きく、半導体株の上昇が指数全体を押し上げやすい構造があります。加えて、ウォン相場、外国人資金流入、半導体輸出の改善もKOSPIの追い風になります。
Q.SKハイニックスがAI相場で注目される理由は何ですか?
HBMでの存在感が大きく、AI GPUに近いポジションにいるからです。2026年にはNVIDIAとの技術提携やHBM4Eサンプル出荷も公表しており、AIメモリ需要への感応度が高い企業と見られています。
Q.サムスン電子とSKハイニックスの違いは何ですか?
SKハイニックスはメモリ、とくにHBMの純度が高く、AI需要への感応度が高い企業です。サムスン電子はメモリ以外にスマートフォン、家電、ディスプレイ、ファウンドリなども持つ多角企業で、韓国市場全体への影響力がより大きいのが特徴です。
Q.HBMとは何ですか?
HBMはHigh Bandwidth Memoryの略で、複数のDRAMを垂直方向に接続して高い帯域を実現する高性能メモリです。AIシステムでは大量データを高速で処理する必要があるため、GPUやAIアクセラレーターと組み合わせて使われることが増えています。
Q.AIバブルが崩れると韓国株はどうなりますか?
AI設備投資の減速、メモリ価格の下落、外国人売り、ウォン安が重なると、サムスン電子やSKハイニックスの下落がKOSPI全体に波及しやすくなります。韓国株ETFも大型半導体株への集中が大きい場合、想定以上に指数連動で影響を受ける可能性があります。
Q.韓国株と日本の半導体株は何が違いますか?
韓国株はHBM・DRAMなどメモリ半導体への依存度が高く、日本株は製造装置や検査装置などサプライチェーン側の比重が大きい傾向があります。たとえば東京エレクトロンは製造装置、アドバンテストは試験装置で存在感があります。
Q.韓国株ETFならリスクは低いですか?
必ずしもそうとは言えません。EWYのような代表的ETFでも、サムスン電子とSKハイニックスで4割超を占めています。ETFは個別株より分散されますが、韓国株ETFは国別分散と見えて、実際には半導体集中になっていることがあります。
Q.今後どの指標を見ればよいですか?
HBM供給、DRAM価格、半導体輸出、サムスン電子とSKハイニックスの決算、NVIDIAデータセンター売上、韓国ウォン、外国人売買動向、韓国銀行の経済見通しを優先して見ると、韓国株の実需と過熱の両方を追いやすくなります。
参考
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Reuters(2026)「South Korea’s KOSPI craters nearly 9% as tech stocks tumble」Reuters, https://www.reuters.com/world/asia-pacific/south-koreas-kospi-craters-nearly-9-fed-fears-hammer-tech-stocks-2026-06-08/, 閲覧日:2026年06月30日
Reuters(2026)「Chip rout puts Korea’s ‘ant’ investors to the test as margin debt soars」Reuters, https://www.reuters.com/business/finance/chip-rout-puts-koreas-ant-investors-test-margin-debt-soars-2026-06-08/, 閲覧日:2026年06月30日

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