夏に食欲や食べたいものが変わる理由をわかりやすく解説

暑い日に食べたくなるものが変わるのは、単なる気分だけではなく、体温調節、発汗による水分と電解質の変化、食後の熱産生、消化の負担、そして味や香りの感じ方が関係しているためです。特に、冷たいもの、さっぱりしたもの、水分の多いもの、酸味や塩気のあるものは、暑いときに「補いたい」「食べやすい」と感じやすくなります。もっとも、強い食欲不振や吐き気、めまい、意識がぼんやりする感じがある場合は、普通の夏の変化ではなく、脱水や熱中症などへの注意が必要です。 

暑い日に食べたくなるものが変わるのはなぜか

暑い日は体がまず「熱を逃がすこと」を優先するためです。環境省は、暑いときには皮膚血流を増やし、汗の蒸発によって熱を逃がすと説明しています。その一方で、食事をすると消化や代謝で熱が生まれるため、重い食事や量の多い食事がいつもよりつらく感じられることがあります。さらに、汗で水分やナトリウムなどの電解質が失われるので、水分の多い食品や塩気のあるものに意識が向きやすくなります。 

また、暑い日の食べたいものの変化は、体が不足を補いたい反応と、感覚的に食べやすく感じる反応の両方が重なって起こります。たとえば、スイカやトマト、きゅうりのような水分の多い食べ物は、補給の面で納得しやすい例です。一方で、そうめん、冷やし中華、冷奴、ゼリーなどは、温度、のどごし、脂っこさの少なさ、匂いの軽さといった「食べやすさ」の要素が大きいと考えられます。研究でも、暑熱環境では食欲が抑えられたり、暑い環境でのエネルギー摂取が下がったりする可能性が示されています。 

ただし、食欲の変化がすべて問題というわけではありません。暑い日に少し軽いものを選びたくなるのは珍しいことではありませんが、ほとんど食べられない状態が続く、吐き気や頭痛、めまい、尿の減少、意識の変化があるといった場合は、一般的な夏の食欲変化とは分けて考える必要があります。CDCは熱疲労で頭痛、吐き気、めまい、口渇、発汗、尿量低下などがみられるとし、熱射病では混乱、意識障害、けいれんなどを重いサインとして挙げています。

暑さで食欲が変わる体の仕組み

体温調節と食欲の関係

暑い環境では、体は皮膚の血流を増やし、汗を蒸発させて熱を逃がそうとします。環境省のマニュアルでも、暑いときには末梢血管の拡張と発汗が体温調節の中心であり、汗の蒸発による気化熱が重要だと説明されています。つまり、暑い日に体が優先しているのは食べることより、体温を上げすぎないことに近い状態です。 

ここで出てくるのが、食事誘発性熱産生です。これは、食事をしたあとに、消化・吸収・代謝の過程でエネルギー消費と熱産生が増える現象のことです。レビューでは、食事誘発性熱産生は食事量や栄養素構成の影響を受け、特にたんぱく質の割合が高い食事で大きくなりやすいと整理されています。暑い日に食べると余計に暑い気がすると感じる背景には、この仕組みもあります。 

ただし、暑さによる食欲変化を食事誘発性熱産生だけで説明するのは正確ではありません。実験研究では、30℃の環境で昼食時の自由摂取量が下がった一方、消化管ホルモンだけでは説明しきれない部分もありました。また、暑さで主観的な食欲が抑えられても、食事量自体は大きく変わらない条件もあります。つまり、暑さによる食欲変化は実在するが、強さや出方には個人差が大きいと見るのが妥当です。 

汗で水分と電解質が失われる

汗をかくと、水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質も失われます。環境省は熱中症の仕組みとして、水分や塩分が失われて脱水状態に傾くことを挙げています。レビューでも、発汗は水と電解質の喪失を伴い、汗の量やナトリウム濃度には個人差が大きいとされています。 

このため、暑い日に水分の多い食品や飲み物、汁気のあるもの、ある程度の塩気があるものがしっくり来ると感じるのは不自然ではありません。さらに、脱水気味の条件では、水分の多い食品への欲求が強まりやすいことも実験で示されています。ただし、塩分の感じ方や欲求は一様ではなく、同じ研究では空腹感や総エネルギー摂取量が大きく変わらない場面もありました。 

ここで大切なのは、汗をかいたら塩分を多く取ればよいと単純化しないことです。CDCは、激しい発汗で起こる熱けいれんでは水分と塩分の喪失が関わると説明する一方、塩タブレットは避けるよう記載しています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の食塩相当量の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満で、高血圧や慢性腎臓病の重症化予防では男女とも6.0g/日未満としています。持病がある人では、自己判断で塩分を増やす方向に寄せないことが重要です。 

暑い日は消化に重いものが負担に感じやすい

暑い日に揚げ物や焼肉、大盛りの定食が重く感じやすいのは、胃腸が必ず弱っているからとは限りません。理由は一つではなく、暑さの中で体が熱放散を優先していること、食後の熱産生、脂っこさや匂いの強さ、食べる量の多さ、睡眠不足や疲労の重なりなどが関係していると考えたほうが実感に近いです。厚生労働省の睡眠ガイドでも、夏の寝室温の上昇は睡眠時間短縮や睡眠効率低下と関連するとされています。睡眠の乱れが重なると、食欲の感じ方も変わりやすくなります。 

ここで注意したいのは、夏のこってりがつらいを熱産生だけで説明しないことです。食事誘発性熱産生は、むしろ高たんぱく食で大きくなりやすいとされます。一方で、脂質の多い食品は口当たりや香り、エネルギー密度、食べ進める速さに影響し、重さの感覚につながりやすいと考えられています。また、16時間の暑熱曝露では高脂肪食品に対する嗜好の一部が下がった可能性も報告されています。つまり、こってりが嫌になるのは、代謝・感覚・心理の複合です。 

冷たいものやさっぱりしたものが食べやすい理由

冷たい麺や冷奴、サラダ、果物、ゼリーなどが食べやすく感じやすいのは、温度そのものに加えて、のどごし、脂っこさの少なさ、匂いの軽さ、噛む負担の小ささ、調理や配膳の手間が少ないことまで含めた感覚的な要因が大きいからです。食物摂取は味だけでなく、匂い、温度、食感、粘度など複数の感覚で決まり、食物選択や摂取行動に影響します。 

また、水は飲み物だけでなく食べ物からも摂取されます。EFSAは、総水分摂取量には飲料だけでなく食品中の水分も含まれると整理しており、欧州では食事由来の水分が総摂取量の20〜30%程度を占めるとされています。暑い日に果物や野菜、汁物がありがたいと感じやすい背景には、この食事由来の水分という視点もあります。 

ただし、冷たいものを食べれば必ず体に良いとは言えません。飲食物の温度は胃の運動に影響しうることが研究で報告されており、冷たい飲み物や食べ物で腹部の違和感や食欲のムラが出やすい人もいます。したがって、冷たいものは食べやすい手段ではあっても、取りすぎるほど良いものではありません。胃腸が弱い人や、冷たいものばかりで食事が単調になる人は特に偏りに注意が必要です。 

酸味 香味 辛味を欲しくなる理由

酢、梅、レモンなどの酸味は、暑い日にさっぱり感じる代表です。背景の一つとして、酸味は唾液分泌を強く刺激しやすいことが知られています。古典的なレビューでは、酸味刺激は他の基本味と比べて高い唾液流量を生じやすいと整理されています。口の中が乾きやすい日や、食べ物が進みにくい日ほど、酸味がきっかけになって食べやすさを感じる人がいるのは説明しやすい現象です。 

しょうが、みょうが、大葉、ねぎなどの香味や、香辛料の効いた料理も、暑いときに好まれやすいことがあります。匂いや味、食感といった感覚刺激は、食物選択や食欲の方向づけに関わります。とくに香りは、食べ始める前の期待や食べられそうという感覚にも影響します。つまり、香味を欲しくなるのは、栄養不足のサインというより、食欲を立ち上げやすい刺激として働く面が大きいと考えられます。 

辛いものについては、発汗との関係から暑い日に向くと語られがちですが、ここは単純化しないほうが安全です。カプサイシンには発汗や温感に関係する生理作用があり、人では辛いもの摂取による味覚性発汗が古くから知られています。ただし、汗で熱を逃がすには蒸発が必要で、多湿・無風では蒸発しにくくなります。環境省も、高温・多湿・風が弱い環境では汗の蒸発が不十分になり、熱中症が起こりやすいと説明しています。つまり、辛いものの発汗を必ず体を冷やすと言い切るのは不正確です。胃腸が弱い人、体調が悪い人、子どもでは刺激が負担になることもあります。 

暑い日に食べたくなりやすいものを理由別に整理

以下は、医学的に必ず欲しくなると断定する表ではなく、暑い日に食べやすく感じられやすい理由の整理です。背景には、体温調節、発汗による水分と電解質の変化、感覚的な食べやすさ、消化負担の回避などが重なっています。 

食べたくなりやすいもの主な理由注意点
冷たい麺のどごしがよく、温度と口当たりの面で食べやすい麺だけに偏ると栄養が偏りやすい
水分の多い果物や野菜食事由来の水分を取りやすいそれだけで食事全体を置き換えすぎない
味噌汁や塩気のあるもの発汗で失う水分・電解質を意識しやすい塩分制限が必要な人は個別判断が必要
酢の物や梅、レモン酸味で唾液が出やすく、さっぱり感じやすい胃が弱い人には刺激になることがある
ゼリーや冷たいデザート冷たく、噛む負担が少なく、口に入れやすい糖分中心になりやすい
辛いもの刺激で食欲が立つ人もいる発汗が必ず有利とは限らず、胃腸負担に注意

表のポイントは、「体が欲しているもの」と「食べやすいから手が伸びるもの」は同じではないということです。たとえば、冷たい麺は水分や口当たりの面では助けになりますが、たんぱく質や野菜が不足しやすいことがあります。逆に、塩気のあるものは大量発汗の日には納得感がありますが、通常の食生活ですでに塩分が多い人にとってはたくさん追加する理由にはなりません。 

夏バテ 脱水 熱中症との違い

まず整理したいのは、普通の範囲の夏の食欲変化と、体調不良のサインは同じではないということです。暑い日に食欲が少し落ちる、温かい定食より冷たい麺が食べやすい、酸味が欲しくなる、といった変化は珍しくありません。一方で、食べられない状態が続く、飲んでも楽にならない、症状が強いというときは、別の見方が必要です。 

「夏バテ」は一般によく使われる言葉ですが、単一の医学的病名というより、暑さ、睡眠不足、冷房と外気の温度差、栄養の偏り、疲労などが重なった不調を指して使われることが多い言い方です。厚生労働省の睡眠ガイドでは、夏の寝室温上昇が睡眠時間の短縮や睡眠効率低下につながるとされており、暑さは食欲だけでなく休養の質にも影響します。 

一方、脱水や熱中症では、食欲不振に加えて、頭痛、めまい、吐き気、強いだるさ、口渇、尿量の低下、まっすぐ歩きにくい、意識がぼんやりするなどが問題になります。CDCは、熱疲労を過剰な発汗による水分と塩分の喪失への反応と説明し、熱射病では混乱、意識障害、けいれん、非常に高い体温などを重いサインとしています。環境省のマニュアルでも、返事がおかしい、意識がない、歩けない、頭痛、吐き気などは受診や救急要請を考える目安として整理されています。 

危険サインがある場合は、食事だけで何とかしようとしないことが大切です。日本救急医学会のガイドラインでも、重症側では意識障害や高体温への早急な対応が重視されています。特に、子ども、高齢者、妊娠中の人、持病のある人、屋外作業者、運動中の人はリスクの出方が異なります。環境省とWHOはいずれも、高齢者や子ども、心・肺・腎の疾患がある人などを特に注意が必要な層として挙げています。 

注意するポイント

暑い日の食欲低下は気合い不足ではない

暑い日の食欲低下は、気持ちの問題だけで片づけるべきではありません。体は暑さの中で発汗と皮膚血流を増やし、体温を保とうとしています。その状態で食後の熱産生や重い食事が重なると、いつもより食欲が落ちても不思議ではありません。とはいえ、長引く、あるいは他の症状を伴う場合は別問題として考える必要があります。 

冷たいものだけに偏ると栄養が不足しやすい

冷たいものは食べやすさの面で助けになりますが、食べやすいことと、栄養のバランスがよいことは別です。たとえば冷たい麺は主食としては入りやすくても、それだけではたんぱく質や野菜、ミネラルが不足しやすくなります。暑い日は無理に重い食事を目指す必要はありませんが、入りやすいものに何を足すかという視点のほうが現実的です。 

塩分補給は多ければよいではない

発汗が多い場面では電解質も意識されますが、だからといって誰もが塩分を増やせばよいわけではありません。CDCは心疾患がある人や低ナトリウム食の人では熱けいれん時の扱いに注意を促していますし、厚生労働省の食事摂取基準には一般の目標量と、高血圧・慢性腎臓病の重症化予防の量が示されています。高血圧、腎臓病、心疾患がある人は、医師からの指示を優先すべきです。 

辛いもの 酸っぱいものが合うかは人による

酸味や香辛料で食欲が出る人はいますが、それが万人向けとは言えません。酸味は唾液分泌の助けになることがありますが、胃の不快感がある人には刺激になることがあります。辛味も発汗との関係が語られますが、高湿度では汗が蒸発しにくく、さらに胃腸が弱い人には負担になりえます。自分に合うかどうかは、体調や環境次第です。 

暑い日に食事を考えるときの現実的な見方

考え方としては、まず食べやすさを確保しつつ、偏りを少しずつ減らすのが現実的です。暑い日に食欲が低いとき、冷たい麺や果物、冷奴のような入りやすいものを選ぶこと自体は自然です。ただ、そのまま単品で終わる日が続くと不足が出やすいので、たんぱく質や野菜を足す発想が役立ちます。これは治療指示ではなく、一般的な食事の組み立ての見方です。 

また、水分の多い食品は、飲み物だけに頼らない補給手段になります。EFSAは総水分摂取量に食品中の水分も含めており、研究でも食事由来の水分は無視できません。暑い日にスープ、果物、野菜、豆腐などが入りやすいのは、食感だけでなく水分面でも意味があります。 

汗を多くかく日には、水分だけでなく電解質のことも頭に置く必要があります。ただし、通常の食事で十分な人もいれば、屋外作業や長時間運動のように失う量が大きい人もおり、必要量は一律ではありません。JMAや環境省は、熱中症警戒アラート時に水分補給と塩分補給、休憩、涼しい環境の確保を呼びかけています。ふだんから塩分制限がある人は、医療者の指示のほうが優先です。 

無理に重い食事を食べる必要はありませんが、極端な食欲不振が続く、水分は取れても食事がほとんど入らない、吐き気やだるさが強いという場合は注意が必要です。食欲変化を夏だから仕方ないで済ませず、体からのサインとして見ていくことが大切です。 

今後さらに知っておきたい視点

暑さは気温だけでは決まりません。気象庁が使う暑さ指数(WBGT)は、気温、湿度、日射量などをもとにした指標で、熱中症予防の目安として使われます。とくに湿度が高く、風が弱い環境では汗が蒸発しにくく、同じ気温でもつらさや危険度が変わります。 

また、屋外作業、運動、睡眠不足、冷房環境、食事回数の乱れなどで、暑さによる食欲変化の出方は変わります。高齢者や子どもは暑さに気づきにくかったり、体温調節やのどの渇きの反応が弱かったりするため、周囲の見守りも重要です。環境省は高齢者で「暑いと感じにくくなる」「のどの渇きを感じにくくなる」と説明しています。 

なお、2026年も気象庁と環境省の熱中症警戒アラートが提供されており、気象庁は2026年4月22日からの提供開始を案内しています。暑い日の食欲変化を考えるときも、体感だけでなくWBGTや警戒アラートを確認する習慣が役立ちます。 

よくある疑問Q&A

Q. 暑い日に食べたくなるものが変わるのはなぜですか。
A. 主な理由は、体が熱を逃がすことを優先するためです。暑いときは皮膚血流や発汗で体温調節を行い、食事後には消化や代謝で熱も生まれます。そのため、重い食事を避けたくなったり、水分の多いもの、冷たいもの、さっぱりしたものが入りやすく感じられたりします。 

Q. 暑い日に冷たいものを欲しくなるのは自然ですか。
A. 自然な反応として説明しやすい面があります。冷たさ、のどごし、匂いの軽さ、脂っこさの少なさは食べやすさに直結しやすいからです。ただし、冷たいものが誰にでも合うわけではなく、摂りすぎると胃腸症状や食事の偏りにつながる人もいます。 

Q. 夏に酸っぱいものや梅干しを食べたくなるのはなぜですか。
A. 酸味は唾液分泌を刺激しやすく、口の中をさっぱり感じやすいため、暑い日に食べやすく感じる人がいます。また、梅干しは塩気のイメージとも結びつきやすい食品です。ただし、胃が弱い人には刺激になることがあり、塩分が多い製品もあるため体に良いから多く食べるという見方は避けたほうがよいです。 

Q. 暑い日に塩気のあるものが欲しくなるのは脱水のサインですか。
A. 発汗で水分とナトリウムが失われるため、塩気を意識しやすくなることはあります。ただし、「塩気が欲しい=脱水」とは限りませんし、逆に脱水でも塩味欲求が強く出ない人もいます。大量発汗の場面では電解質補給が重要ですが、持病がある人は自己判断で塩分を増やさないことが大切です。 

Q. 暑い日にこってりしたものを食べたくないのはなぜですか。
A. 暑い時期は、食後の熱産生に加えて、脂っこさ、強い匂い、量の多さ、疲労や睡眠不足が重なり、重く感じやすくなります。研究でも、暑熱環境で食欲や高脂肪食品への報酬価値が変わる可能性が示されています。ただし、感じ方にはかなり個人差があります。 

Q. 夏バテと熱中症はどう違いますか。
A. 夏バテは一般に使われる言葉で、暑さ、睡眠不足、冷房、疲労、食事の偏りなどが重なった不調を指して使われることが多い表現です。一方、熱中症は高温環境で体温調節がうまくいかなくなり、場合によっては重症化する病態です。混乱、意識障害、けいれんのような重い症状は、夏バテの延長と考えず、緊急性を意識すべきサインです。 

Q. 食欲がないときは水分だけ取っていればよいですか。
A. 水分はとても重要ですが、それだけで十分とは言えません。食事にはエネルギーやたんぱく質、ビタミン、ミネラルも含まれます。短時間なら軽い食事でしのぐこともありますが、食欲不振が続くと栄養面の不足が重なりやすいため、水分だけで長く済ませる発想は安全ではありません。 

Q. 辛いものは暑い日に向いていますか。
A. 辛味で食欲が出る人はいますし、発汗が起こることもあります。ただし、汗の冷却効果は蒸発できてこそ活きるため、高湿度では有利とは限りません。さらに、胃腸が弱い人や体調不良があるときには負担になることがあります。誰にでも向くとは考えないほうがよいです。 

Q. 子どもや高齢者の夏の食欲低下で注意することはありますか。
A. あります。高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくく、子どもは体温調節機能が未熟なため、本人の訴えだけでは分かりにくいことがあります。食欲低下に加えて元気がない、尿が少ない、ぼんやりする、ぐったりするなどがあれば、早めの対応を考える必要があります。 

Q. どんな症状があるときは医療機関に相談したほうがよいですか。
A. 強い吐き気、繰り返す嘔吐、頭痛、めまい、ふらつき、尿量低下、返事がおかしい、意識がぼんやりする、歩けない、けいれん、意識消失などがある場合は注意が必要です。混乱や意識障害は熱射病の重いサインとして扱われています。食事だけで様子を見るのではなく、医療機関や救急相談の利用を検討してください。 

まとめ 暑い日の食欲変化は体の反応として考える

暑い日に食べたくなるものが変わるのは、体温調節、水分と電解質の変化、消化負担、味や香り、食感の感じ方が重なっているためです。冷たいもの、さっぱりしたもの、酸味、水分の多いもの、塩気のあるものは、暑い日に「補いたい」「食べやすい」と感じられやすい傾向があります。けれども、冷たいものや塩分に偏ればよいわけではなく、体調や持病、発汗量によって考え方は変わります。強い食欲不振、吐き気、めまい、意識の変化があるときは、普通の夏の食欲変化と混同せず、公的機関の熱中症情報を確認しながら早めに対応することが大切です。

参考

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