送電線高度化とGETsを日本株で整理する

送電線高度化・GETs関連株を日本株で見ると、本命に近いのは住友電工、日立、三菱電機、フジクラのように、HTLS電線、OPGW、系統監視、デジタル変電所、STATCOM、位相調整といった中核技術を一次情報で確認できる企業です。一方で、古河電工、東光高岳、明電舎、富士電機は、送変電部品、IEC 61850対応監視制御、SVC、更新工事向け機器など、サプライチェーンやデジタル化で重要です。東京エネシスのような施工・保守企業は、テーマ拡大が実際の設備更新に移ったときの受け皿として見やすい銘柄です。反対に、ダイヘンのように電力系統管理高度化への接点はあっても、主戦場が受配電寄りの企業は、GETs本流との距離を慎重に見たいところです。今後の確認点は、受注公表、採用案件、設備投資、関連売上の切り出し、IEC 61850対応更新の広がり、再導体化案件の具体化です。テーマ性だけでなく、どの企業が実際に売上へつなげやすい構造を持つかを、公開情報で一つずつ確認していくことが大切です。 

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

送電線高度化とGETsテーマの整理

テーマの概要

GETsは、新しい送電線を大量に建てる前に、既にある送電網の使い方を高度化して送電可能量や運用効率を高める技術群です。代表例としては、既設線を高容量低たるみ電線に張り替える再導体化、天候や温度を踏まえて実際の送電余力を見直す線路レーティング高度化、潮流を調整する電力制御機器、設備状態や電流・気象を捉える監視センサー、IEC 61850対応のデジタル変電所などが挙げられます。DOEはGETsを、既存送電網の容量・効率・信頼性を改善する低コストな選択肢として整理しており、NRELもDLRやPower Flow Controllersを中核に位置づけています。初心者が誤解しやすい点は、GETsが新しい発電設備ではなく、送配電のボトルネックをほどく技術だということです。つまり関連株を見るときは、発電会社よりも、電線、変電、監視制御、通信、施工の企業を見たほうがテーマとの距離を把握しやすくなります。 

なぜ今注目されているのか

注目の理由は、電力需要が増える一方で、新しい送電線建設には長い時間がかかるからです。DOEは、新規送電線の整備には計画、立地、許認可、地域合意などで長年を要しうる一方、GETsは既存設備の能力を比較的低コストで引き上げ得るとしています。加えて、FERCは2021年のOrder No. 881で、近接期間の送電サービス評価においてAmbient-Adjusted Ratingsを導入する最終規則を決定し、線路定格の運用高度化を制度面から後押ししました。さらに、データセンター需要の増加が送電制約を押し上げています。DOEは2024年報告で、米国のデータセンター負荷が過去10年で約3倍となり、2028年までにさらに2〜3倍になる可能性を示しました。IEAも2026年時点の分析で、世界のデータセンター電力消費は2030年に約945TWhへ倍増し、米国がその増加分の最大シェアを占めると見ています。こうした背景から、新設送電線だけでなく既設系統の増容量・見える化・制御高度化が政策と投資の両面で重視されています。 

日本株で関連銘柄を見る視点

日本株でこのテーマを見るときは、まず中核事業型と重要サプライチェーン型を分けるのが有効です。中核事業型は、高容量低たるみ電線、OPGW、監視システム、デジタル変電所、位相調整・無効電力補償など、GETsの中心装置を自ら持つ企業です。重要サプライチェーン型は、変電所監視制御装置、IEC 61850対応機器、送変電部品、工事・保守などを通じて、GETs導入に不可欠な役割を担います。周辺恩恵型は施工、保守、設備更新、検査、通信などで恩恵を受ける企業です。一方で、思惑先行注意型は、接点は確認できても、売上規模や受注、量産・採用段階が見えにくい企業です。ここで重要なのは、テーマに関係していることと、その企業の業績に与える影響が大きいことは同じではない、という点です。たとえば大手総合電機は技術的にはど真ん中でも、会社全体では一事業にすぎない場合があります。逆に中堅の電線・変電メーカーは、関連事業の比率が高く、テーマとの結びつきが見えやすいことがあります。 

関連銘柄一覧

表示順関連度位置づけ証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A中核事業型5802住友電気工業東証プライム低たるみ増容量電線、OPGW、架空送電線監視システムを一体で持つ。再導体化と監視の両方を押さえる。GETs単体売上は非開示。
2A中核事業型6501日立製作所東証プライム子会社Hitachi Energyがデジタル変電所、位相調整変圧器、保護制御を展開。全球での受注残が大きい。親会社は巨大で関連比率を見極めたい。
3A中核事業型6503三菱電機東証プライム電力系統監視制御、IEC 61850対応デジタル変電所技術、STATCOM受注実績がある。国内外の電力流通事業増加を確認。関連売上の細分開示は限定的。
4A中核事業型5803フジクラ東証プライム増容量電線、低たるみインバ電線、OPGWを展開し、再導体化に直結する。エネルギー事業部門の開示がある。全社成長の主役は情報通信で、テーマ比率は限定。
5B重要サプライチェーン型5801古河電気工業東証プライムOPGW、送変電機材、架空送電部品を供給し、監視・通信・接続面で関与。送電部品子会社体制に整理済み。GETsど真ん中商品の収益規模は見えにくい。
6B重要サプライチェーン型6617東光高岳東証プライムIEC 61850対応のデジタル変電所向け監視制御装置を納入。老朽更新需要との接続が見やすい。配電寄り案件も多く、広義のテーマ株。
7B重要サプライチェーン型6508明電舎東証プライム変電所監視制御、保護制御、SVC、IoT化変電所実証を進める。監視・保守高度化との相性が良い。GETs単独の受注・売上開示はない。
8B重要サプライチェーン型6504富士電機東証プライムIEC 61850対応IED/MUとSVCを持ち、デジタル変電所や電圧制御に関与。デジタル変電所の部品提供に適性。送電線そのものより変電所側比重が高い。
9B周辺恩恵型1945東京エネシス東証プライム超高圧変電所工事、保護制御試験、送電・地中送電設計で実装面を担う。導入工事・更新需要の受け皿。機器メーカーではなく工事会社。
10C周辺恩恵型6622ダイヘン東証プライムSVC・STATCOMや特高受変電システムを持つが、送電本流より受配電色が強い。電力系統管理高度化への接点はある。GETs直結部分の収益寄与が読みづらい。

銘柄別解説

住友電気工業(5802)|関連度A・中核事業型

会社概要

住友電気工業は、非鉄金属大手で、環境エネルギー・情報通信・自動車・エレクトロニクスなど幅広い分野を持つ企業です。GETsとの関係では、環境エネルギー分野の中でも架空送電線・機器・システムが直接的です。住友電工は自社サイトで「国内の総合架空送電線メーカー」と位置づけており、架空送電線、OPGW、架空機器を一体で扱っています。上場区分は東証プライムです。 

テーマとの関連性

住友電工は、GETsの中でも再導体化・増容量・監視の三つを一社で押さえている点が強みです。公式製品ページでは、TACSR/AC、ZTACSR/ACが既存ACSR比で約1.6〜1.8倍、XTACIR/ACなどのインバ電線が同サイズACSRの弛度を維持したまま約1.8〜2倍の送電容量増加を可能にするとしています。これはHTLS高容量低たるみ電線と再導体化の中核に当たります。また、OPGWは既存送電線路を活用して光通信機能を持たせるものとして展開されており、監視・通信基盤の整備に直結します。さらに、架空送電線監視システムでは、電流センサー、位相分布、気象情報、カメラ情報を用いた故障個所標定や状況把握を提供しており、線路監視の高度化にもつながります。加えて、2020年には既設地中送電線の遮蔽層を通信路として使う遠隔監視システムを開発し、東電PG運用設備での採用も公表しました。もっとも、架空送電線や監視システムだけの売上・利益は個別開示されていません。そのため、テーマとの直接性は高い一方、業績寄与の定量把握は今後の確認点になります。 

関連度Aの判定理由: 再導体化向け増容量低たるみ電線、OPGW、送電線監視システムというGETsの中核要素を一次情報で確認でき、テーマ拡大が受注や更新需要に接続しやすいためです。 

注目ポイント

  • 低たるみ増容量電線は、新線建設ではなく既設ルート活用に向くため、GETsの中心概念と相性が良い点です。 
  • OPGWと監視システムを合わせて持つため、電線の張り替え後に監視・通信まで含めた提案につながる余地があります。 
  • 中期経営計画2028では「エネルギー」を注力分野と位置づけており、送電・受変電需要の取り込みが継続確認点になります。 

注意点

  • GETs関連の売上規模や受注額の切り出し開示は見当たりません。公開情報だけでは、テーマ拡大の利益貢献額までは判断しにくい状況です。 
  • 住友電工は大企業で事業領域が広いため、GETsが注目されても会社全体への影響は他事業動向に左右されます。 
  • 電力インフラ案件は工期が長く、採用から売上計上まで時間差が出やすい点も見ておきたいところです。 

参考情報

  • 住友電気工業株式会社|架空送電線・機器・システム|現行掲載|架空送電線、OPGW、架空機器を展開する総合架空送電線メーカーであることを確認。
  • 住友電気工業株式会社|架空送電線|現行掲載|XTACIR/ACなどのインバ電線が、同サイズACSRの弛度を維持しつつ約1.8〜2倍の送電容量増加を可能とすることを確認。
  • 住友電気工業株式会社|架空送電線監視システム|現行掲載|電流センサ、位相分布、気象情報、カメラを用いた送電線監視を確認。
  • 住友電気工業株式会社|世界初の地中送電線遠隔監視システムを開発|2020年8月17日|東電PG運用設備での温度監視採用を確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 5802|確認日不明|住友電気工業が東証プライム上場であることを確認。

日立製作所(6501)|関連度A・中核事業型

会社概要

日立製作所は総合電機大手で、上場区分は東証プライムです。GETsとの関係では、連結子会社Hitachi Energyの存在が大きく、同社はデジタル変電所、変圧器、系統保護制御、HVDC、系統安定化設備など送配電インフラを広く扱います。Hitachiは2022年にHitachi Energyを完全子会社化しており、送電機器需要は近年の業績説明でも重要な伸び要因として扱われています。 

テーマとの関連性

GETsの技術要素で日立が特に強いのは、デジタル変電所と潮流制御・位相調整です。Hitachi Energyの公式ページでは、デジタル変電所は空気絶縁・ガス絶縁変電所の新設・改造に適用可能で、保守計画や運用効率の高度化に寄与すると説明されています。さらに、同社はPhase-Shifting Transformersを公式製品として掲げており、これは交流送電網の効率改善と潮流制御に使われる設備です。日立本体の保護制御ページでも、送電線保護、変電所の各機器保護、系統安定化システム、周波数変換や直流連系などを提供するとしています。業績面では、2025年度の連結売上増加要因として強い送電機器需要が挙げられ、期末のHitachi Energy受注残高は9.2兆円と開示されました。もっとも、GETs関連の売上だけを切り出した開示はありません。親会社全体はIT・産業・鉄道なども大きく、投資家向けにはHitachi Energyの存在感は大きい一方、GETs単独の寄与を読むには受注残や設備投資動向の継続観察が必要です。 

関連度Aの判定理由: デジタル変電所、位相調整変圧器、保護制御というGETs中核技術を、完全子会社Hitachi Energyを通じて公式に確認でき、しかも送電機器需要が親会社業績資料でも重要項目として示されているためです。 

注目ポイント

  • 位相調整変圧器まで含めて製品群が厚く、潮流制御系の数少ない日本企業グループとして見やすい点です。 
  • Hitachi Energyの受注残は大きく、送配電投資拡大が親会社ベースでも無視できない規模になっています。 
  • 日本国内でもフルデジタル変電所システム導入事例が出ており、変電所デジタル化の実装力を確認しやすい企業です。 

注意点

  • 上場しているのは日立製作所であり、Hitachi Energy単体への純粋投資ではありません。ITや鉄道など他事業の影響も大きい点は押さえたいところです。 
  • 大型送配電案件は受注から納入まで長く、受注残がそのまま短期の利益拡大を意味するわけではありません。 
  • 日本株としてはテーマ直接性は高いものの、純粋なGETs専業ではないため、企業比較では中堅電線・変電企業と見え方が異なります。 

参考情報

  • 株式会社日立製作所|Hitachi to Make Hitachi Energy a Wholly Owned Subsidiary|2022年9月30日|Hitachi Energy完全子会社化を確認。
  • 日立エナジー|デジタル変電所|現行掲載|デジタル変電所が新設・改造に適用可能であることを確認。
  • Hitachi Energy|Phase-shifting transformers|現行掲載|位相調整変圧器を公式製品として展開していることを確認。
  • 株式会社日立製作所|2025年度連結決算|2026年4月27日|強い送電機器需要が増収要因であり、Hitachi Energy受注残9.2兆円を確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 6501|確認日不明|日立製作所が東証プライム上場であることを確認。

三菱電機(6503)|関連度A・中核事業型

会社概要

三菱電機は総合電機大手で、東証プライム市場上場です。GETsとの関係では、電力系統監視制御システム、変電所デジタル化、保護リレー、STATCOMなどが関係します。業績開示では、インフラ部門のエネルギーシステム事業で国内外の電力流通事業が増加したと説明されています。つまり、テーマとの接点は単なる研究開発ではなく、現在の事業として確認できます。 

テーマとの関連性

三菱電機は、GETsの中でもデジタル変電所と系統安定化機器で直接性があります。公式の電力系統監視制御システムページでは、中央給電所から給電制御所、配電系統自動化まで、電力流通の監視制御を支えると説明しています。技報では、変電所デジタル化と系統運用高度化を実現するデータ利活用、IEC 61850対応、IoT/AI活用が詳しく示されています。さらに、保護制御・監視高度化を図るエッジデバイスMELPRO-iや、保護リレーMELPRO-C3/HBのIEC 61850対応も確認できます。加えて、2023年には東北電力ネットワーク向けに世界最大級クラスのSTATCOMを受注しており、三菱電機自身が「大容量送電時の系統事故時の同期安定性向上」を目的とした案件と説明しています。これはGETsの「潮流制御・系統安定化」側面に明確に合致します。なお、関連事業の売上・受注額がGETs単位では開示されていない点は同社も同様です。 

関連度Aの判定理由: 系統監視制御、IEC 61850対応デジタル変電所技術、STATCOM受注実績というGETsの中核要素を一次情報で確認でき、実証ではなく受注・納入段階に接続しているためです。 

注目ポイント

  • 単なる制御盤ではなく、給電制御・変電所運用・データ活用まで含む監視制御の厚みがあります。 
  • STATCOMは送電増強を伴わずに安定度向上を狙う文脈で説明されており、GETs的な考え方と親和性があります。 
  • インフラ部門のエネルギーシステム事業が国内外の電力流通で増加しており、関連需要を追いやすい状態です。 

注意点

  • 総合電機のため、テーマとの距離は近くても、会社全体の株式評価は防衛・FA・空調など他事業でも左右されます。 
  • デジタル変電所関連は案件ごとの個別性が高く、採用拡大が直ちに大量反復受注になるとは限りません。 
  • GETs関係の製品群は確認できる一方、関連売上の切り出し開示は限定的です。 

参考情報

  • 三菱電機株式会社|電力系統監視制御システム|現行掲載|中央給電所システム、給電制御所システム、配電系統自動化システムを確認。
  • 三菱電機技報|変電所のデジタル化と系統運用高度化を実現するデータ利活用|2025年6月|デジタル変電所構成、IoT/AI活用を確認。
  • 三菱電機株式会社|東北地域の電力安定化に貢献する自励式静止型無効電力補償装置を受注|2023年3月28日|東北電力NW向けSTATCOM受注を確認。
  • 三菱電機株式会社|2025年度連結決算概要|2026年4月28日|エネルギーシステム事業が国内外の電力流通事業で増加したことを確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 6503|確認日不明|三菱電機が東証プライム上場であることを確認。

フジクラ(5803)|関連度A・中核事業型

会社概要

フジクラは非鉄金属メーカーで、情報通信と電力分野の両方で存在感を持つ企業です。上場区分は東証プライムです。GETsの観点では、子会社フジクラエナジーシステムズを通じて架空送電線、増容量電線、低たるみインバ電線、OPGW、送電関連部品を供給しています。2026年3月期決算では、エネルギー事業部門の売上高は1,570億円、営業利益は189億円でした。 

テーマとの関連性

フジクラは、GETsのうちHTLS・再導体化・監視通信基盤との接続が明確です。公式の送電事業ページには、設備効率運用の製品群として「増容量電線(インバ電線)」「低風圧電線(PLY電線)」「低損失電線」が並んでいます。オーバーヘッド送電線の技術資料でも、既設電線を張り替えるだけで送電容量を増やせる増容量低弛度電線を扱ってきたことが説明されています。また、OPGWは送電線路を利用した長距離通信ネットワークの基盤として広く説明されており、既設送電網の見える化や監視通信に欠かせない部材です。決算面でも、エネルギー事業部門は独立したセグメントとして開示されているため、総合電機よりは関連事業の存在感を追いやすい企業です。ただし、足元の全社成長は情報通信事業の寄与が大きく、GETsがそのままフジクラ全社の主テーマだとは言い切れません。 

関連度Aの判定理由: 増容量低たるみ電線とOPGWを公式に確認でき、既設線の張り替え・再導体化というGETsの中核用途に直接つながるためです。エネルギー事業部門の開示もあり、業績との接続を比較的追いやすい点を評価しました。 

注目ポイント

  • 電線そのものの増容量化という、GETsの中でも最も分かりやすい中核部材を持っています。 
  • OPGWまで手掛けているため、送電線の張り替えと通信基盤整備を同時に提案しやすい構造です。 
  • エネルギー事業部門の売上・利益が開示されており、テーマ関連の事業重要度を他社より追いやすい点も利点です。 

注意点

  • 全社収益の主役は足元で情報通信事業であり、GETs関連だけが株式評価を決める構図ではありません。 
  • 増容量電線やOPGWの個別受注額・個別シェアまでは開示されていません。 
  • 送電投資は案件の大型・長期化が進みやすく、売上計上タイミングにブレが出る点は見ておきたいところです。 

参考情報

  • 株式会社フジクラエナジーシステムズ|送電事業|現行掲載|架空送電線、OPGW、増容量電線、低風圧電線、低損失電線を確認。
  • フジクラ技報|送電線事業部|2000年|既設電線を張り替えるだけで送電容量を増やせる増容量低弛度電線を確認。
  • フジクラ技報|NZ-DSFを適用した金属管ルース型OPGW|2001年|OPGWが長距離通信ネットワークに広く採用されていることを確認。
  • 株式会社フジクラ|2026年3月期決算短信|2026年5月14日|エネルギー事業部門売上高1,570億円、営業利益189億円を確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 5803|確認日不明|フジクラが東証プライム上場であることを確認。

古河電気工業(5801)|関連度B・重要サプライチェーン型

会社概要

古河電気工業は非鉄金属大手で、東証プライム上場です。エネルギーインフラ事業では、超高圧・高圧地中線、海底線、架空送電部品などを扱います。GETsとの関係では、OPGW、送変電機材、接続部品、架空送電部品が中心です。なお2023年には、架空送電部品事業をグループ会社の古河電工パワーシステムズへ移管しています。 

テーマとの関連性

古河電工は、GETsど真ん中のHTLS単体で見るより、通信・接続・送電部品のサプライチェーンで見ると分かりやすい企業です。公式製品ページでは、送変電機材・架空配電機材として電線接続材、振動防止技術、各種試験対応を提供しています。別ページでは、OPGW用付属品や発熱管理向けの感温シールなどを扱っており、既設送電線の監視・保全・通信基盤で接点があります。古いが公式技術資料では、XTACIRなどのインバ心耐熱アルミ電線やOPGWの実用化・採用についても確認できます。ただし、現行のIRではGETsをそのまま項目名にしているわけではなく、関連売上は「エネルギーインフラ事業」や「架空送電部品」などの広い括りに埋もれています。そのため、関連性は強いものの、業績接続の見え方はAランク勢より一段落ちます。 

関連度Bの判定理由: OPGW、送変電機材、架空送電部品という一次情報は十分ですが、現時点の開示ではGETs中核製品としての売上寄与や量産案件の見え方がAランクほど明確ではないためです。 

注目ポイント

  • OPGWや接続部品は、線路監視・通信・保守高度化の裏側を支える必需品です。 
  • 架空送電部品を子会社に移管しており、送電部品の事業運営体制が整理されている点は確認しておきたいポイントです。 
  • 電力基幹網整備や再エネ連系の文脈で、エネルギーインフラ事業を継続強化している点も見えます。 

注意点

  • GETsの主要論点であるHTLS・DLR・潮流制御のうち、現在の公式開示で前面に出ているのはOPGWや部品類が中心です。 
  • 関連売上・受注額の個別開示は確認できません。 
  • グループ会社経由の製造販売も多く、親会社への業績接続を読むにはセグメント全体で見る必要があります。 

参考情報

  • 古河電気工業株式会社|送変電機材・架空配電機材|現行掲載|送電設備の接続材料や接続工具を確認。
  • 古河電工パワーシステムズ株式会社|その他|現行掲載|OPGW用付属品、感温シールなどを確認。
  • 古河電気工業株式会社|架空送電部品・剛体トロリ事業を古河電工パワーシステムズへ譲渡|2023年9月29日|架空送電部品事業の移管を確認。
  • 古河電気工業株式会社|エネルギーインフラ事業 説明資料|2025年6月4日|エネルギーインフラ事業の主な製品に架空送電部品を確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 5801|確認日不明|古河電気工業が東証プライム上場であることを確認。

東光高岳(6617)|関連度B・重要サプライチェーン型

会社概要

東光高岳は東証プライム上場の電力機器メーカーで、変圧器、遮断器、開閉器、配電盤、監視制御装置、工事施工などを手掛けています。統合報告書では、「電力ネットワークをトータルにサポートする機器やソリューション」を掲げており、変電所の更新・デジタル化に近い企業です。 

テーマとの関連性

GETsとの関係では、東光高岳はデジタル変電所向け監視制御装置で存在感があります。技術資料では、同社がIEC 61850に対応した監視制御システムを開発・市場投入し、東京電力パワーグリッドの岬町変電所でステーションレベルのマルチベンダ構成を実現したことが説明されています。別資料でも、配電用変電所遠方監視制御装置を2019年8月から納入していること、従来の制御ケーブルを光伝送化し、異メーカー機器との接続を可能にしたことが示されています。これはGETsの中でも、デジタル変電所・監視制御・更新コスト低減に直結する要素です。一方で、同社はHTLS電線や位相調整変圧器のようなど真ん中機器というより、変電所デジタル化を支えるサプライヤーです。したがってBランクとしました。 

関連度Bの判定理由: IEC 61850対応監視制御装置の納入実績まで確認できる一方、テーマの中心が変電所デジタル化に寄っており、GETs全体を牽引する電線・潮流制御の主役ではないためです。 

注目ポイント

  • 変電所の老朽更新とデジタル化が進む局面では、監視制御装置の更新需要を拾いやすい企業です。 
  • 異メーカー接続を前提としたIEC 61850対応は、マルチベンダ化の流れと相性が良い点です。 
  • 電力機器事業には監視制御装置・工事施工も含まれており、変電所更新の周辺収益も見やすい構造です。 

注意点

  • 監視制御装置は重要ですが、GETsの中核である再導体化や位相調整に対しては周辺寄りです。
  • 配電用変電所案件の記述も多く、送電系統本流のGETsだけを表す銘柄ではありません。 
  • 関連事業の詳細受注額やデジタル変電所案件の累積規模は、公開情報では十分に追えません。 

参考情報

  • 株式会社東光高岳|IEC61850対応のデジタル変電所向け監視制御システム|2021年7月7日|IEC 61850対応監視制御システムを開発・販売していることを確認。
  • 東光高岳技報|IEC 61850対応遠方監視制御装置|2021年|東京電力PG向け納入と光伝送化を確認。
  • 東光高岳技報|デジタル変電所の実現に向けたIEC 61850対応監視制御装置|2023年|岬町変電所への導入を確認。
  • 株式会社東光高岳 統合報告書2024|2024年|電力機器事業に変圧器・遮断器・開閉器・配電盤・監視制御装置・工事施工を含むことを確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 6617|確認日不明|東光高岳が東証プライム上場であることを確認。

明電舎(6508)|関連度B・重要サプライチェーン型

会社概要

明電舎は東証プライム上場の重電メーカーで、電力・エネルギー、社会インフラ、水処理などを手掛けています。GETsとの接点は、変電・配電システム、電力用監視制御設備、保護制御、無効電力補償装置、IoT化変電所にあります。 

テーマとの関連性

明電舎は、送電線そのものよりも変電所・運用・保守の高度化で関係が深い企業です。公式の製品ページでは、変電所監視制御システムを通じた集中監視制御を提供しています。2021年には、沼津事業所の新特高変電所をIoT化し、クラウドとAIを使ったデータ収集・解析、点検業務省力化、設備状態診断の実証環境とすることを発表しました。加えて、明電舎は以前からIEC 61850など次世代エネルギーシステムの国際標準化に取り組んできたことを技術資料で示しています。また、SVCの開発資料もあり、無効電力補償による電圧維持技術を保有しています。もっとも、こうした技術群がどれだけ商用受注・売上に結びついているかは開示が限定的です。よってBランクとしました。 

関連度Bの判定理由: 監視制御、IoT化、SVC、IEC 61850というGETs周辺の重要技術を公式資料で確認できる一方、テーマ中心製品の売上接続や大型受注の開示がAランクほど明確ではないためです。 

注目ポイント

  • 変電所のデータ活用・保守省力化を実設備で進めている点は、デジタル変電所テーマと相性が良いです。 
  • IEC 61850や通信標準に早くから取り組んでおり、相互運用性が重要になる更新案件で見やすい企業です。 
  • SVC技術を持つため、無効電力補償・電圧維持の系統安定化側面にも接点があります。 

注意点

  • 公式に確認できる情報の多くは技術・製品紹介で、商用規模や利益寄与の開示は限定的です。
  • 事業は水処理や電鉄などにも広く、GETs一本で評価しにくい企業です。 
  • 実証や社内設備活用と、外販受注の拡大は分けて見たいところです。 

参考情報

  • 株式会社明電舎|電力系統監視制御システム|現行掲載|変電所の集中監視制御システムを確認。
  • 株式会社明電舎|「スマート保安」の実現に向けた沼津事業所内特高変電所IoT化|2021年9月2日|クラウド、IoT、AIによるデータ収集・点検省力化を確認。
  • 明電時報|広い容量帯に対応する無効電力補償装置(SVC)の開発|2012年|SVC構成と制御を確認。
  • 明電時報|次世代エネルギーシステムに関わる国際標準化|2013年|IEC 61850への取り組みを確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 6508|確認日不明|明電舎が東証プライム上場であることを確認。

富士電機(6504)|関連度B・重要サプライチェーン型

会社概要

富士電機は東証プライム上場の電機メーカーで、エネルギーマネジメントやパワエレ機器、社会インフラ機器を広く展開しています。GETsとの接点は、IEC 61850対応IED/MU、デジタル変電所化、SVCなど、主に変電所側のデジタル化と電圧制御です。 

テーマとの関連性

富士電機の公式ページでは、IED(Intelligent Electronic Device)として、計測・監視・通信・制御・保護を一つのユニットに搭載し、次世代の変電所のデジタル化を実現すると説明しています。IEC 61850を採用したIEDとMUをラインアップしている点は、デジタル変電所の構成要素として分かりやすいです。また、電力流通ソリューションのSVCでは、磁束制御型可変リアクトルを配電用・変電所電圧調整機器に適用し、既存設備に短時間で施工できること、地上設置・柱上設置の実績があることを開示しています。別ページでは、SVCが送電・鉄鋼・非鉄用途の電圧変動抑制にも対応できると説明されています。もっとも、同社は監視制御機器と電圧制御装置の部品供給者という側面が強く、GETs全体を代表する銘柄というよりは重要サプライチェーンと見るのが自然です。 

関連度Bの判定理由: デジタル変電所の構成部品とSVCを公式に確認でき、テーマの重要部分を押さえている一方、送電線増容量や潮流制御の主役というより変電所サイドのサプライヤーだからです。 

注目ポイント

  • IEC 61850対応IED/MUは、デジタル変電所の標準化・更新需要と結びつきやすい分野です。 
  • SVCは既設設備への短時間施工をうたっており、新設より更新・補強の文脈で見やすい製品です。 
  • 送電線そのものではなく、監視・制御・電圧調整の面からテーマに入るため、周辺需要の拾い方が分かりやすい企業です。 

注意点

  • 公式ページで確認できるSVCの実績は、配電・変電所寄りが中心です。送電本流での大型採用は別途確認したい分野です。 
  • GETs関連製品だけの売上や受注は非開示で、全社業績への影響度は見えにくい状況です。 
  • 総合電機に近い事業構造のため、他の産業機器需要の影響も受けます。 

参考情報

  • 富士電機株式会社|IED(Intelligent Electronic Device)|現行掲載|IEC 61850採用のIED、MUで変電所のデジタル化を実現することを確認。
  • 富士電機株式会社|電力流通ソリューション SVC|現行掲載|磁束制御型SVCを変電所電圧調整機器に適用していることを確認。
  • 富士電機株式会社|無効電力補償装置/フリッカ補償装置|現行掲載|送電を含む幅広い用途でSVCを展開していることを確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 6504|確認日不明|富士電機が東証プライム上場であることを確認。

東京エネシス(1945)|関連度B・周辺恩恵型

会社概要

東京エネシスは東証プライム上場の建設会社で、発電、変電、送電、情報通信などの工事・保守を手掛けます。GETsテーマでは、製品メーカーというより、導入・更新・施工・保護制御試験を担う実装側の企業です。超高圧変電所工事、地中・架空送電の設計、保護制御技術を提供している点が特徴です。 

テーマとの関連性

GETsは装置があれば終わりではなく、既設系統にどう入れ込むかが重要です。その意味で東京エネシスは、送電線張り替えや監視制御装置更新、変電所デジタル化の実装面で恩恵を受けうる企業です。公式ページでは、変電設備の設計・施工管理、保護・制御技術、総合試験技術を提供し、超高圧変電所工事も請け負うとしています。海外関係の会社案内でも、架空・地中送電、送電鉄塔設計、導体サイジング、ケーブルジョイント設計などを確認できます。IR資料では、FY2025中間期の電力市場売上のうち変電分野が16%を占めており、変電分野の設備新設・増設工事が堅調と説明しています。機器メーカーではないためAランクにはしませんが、更新需要の施工受け皿としてBランクに位置づけました。 

関連度Bの判定理由: GETsを構成する機器そのものは持たない一方、超高圧変電所工事や保護制御試験など、導入・更新に必須の役割を公式資料で確認できるためです。 

注目ポイント

  • 送電線・変電所更新が増えるほど、工事・試験・施工管理の需要は積み上がりやすい構造です。 
  • 保護制御技術者を多く抱える点は、デジタル変電所移行でも強みになりやすいです。 
  • 機器メーカー銘柄と異なり、設備投資が実際に動いた時の受け皿として見ると分かりやすい企業です。

注意点

  • メーカーではないため、GETsテーマが注目されても、どの案件をどれだけ受注できるかは別問題です。
  • 変電分野は会社全体の一部であり、発電・原子力・その他市場の動向も業績に影響します。 
  • 施工会社なので、部材価格や人手不足、工期遅延の影響も見ておきたいところです。 

参考情報

  • 株式会社東京エネシス|変電|現行掲載|変電設備の設計・施工管理、保護・制御技術、総合試験技術を確認。
  • ABTS ENESYS ENGINEERING 会社案内|Company Brochure|2025年ごろ公開確認|架空および地中送電の設計・エンジニアリング業務を確認。
  • 株式会社東京エネシス|2026年3月期中間期決算 及び経営活動の現況|2026年5月29日|電力市場売上における変電分野の比率と堅調さを確認。
  • 日本取引所グループ|銘柄情報 1945|確認日不明|東京エネシスが東証プライム上場であることを確認。

ダイヘン(6622)|関連度C・周辺恩恵型

会社概要

ダイヘンは東証プライム上場の電機メーカーで、電力機器、ロボット、溶接機、半導体関連機器を展開しています。GETsとの接点は、特高受変電システム、電力監視システム、SVC、STATCOM、エネルギーマネジメントです。2026年度会社説明会資料では、エネルギーマネジメント事業の売上規模も開示されています。 

テーマとの関連性

ダイヘンは、送電線増容量やデジタル変電所の主役というより、受配電・配電・電圧補償側からGETsに接点を持つ企業です。公式ページでは、特高受変電設備から電力監視システムまで特高変電所をトータルに提案するとしています。また、SVCやSTATCOMの資料では、6kV高圧配電線路の電圧降下補償や再エネ連系に伴う電圧変動調整を主用途としています。統合報告書でも、再生可能エネルギー活用や電力系統管理高度化に貢献する電力機器、分散電源を制御・管理するシステムや機器を開発・提供すると説明しています。ただし、この位置づけはGETsとの接点はあるが、送電本流のテーマ直結とは言い切りにくい段階です。受配電・配電寄りであること、具体的な送電網高度化案件の開示が限られることから、Cランクとしました。 

関連度Cの判定理由: 電力系統管理高度化への接点は公式に確認できるものの、SVC・STATCOMの主用途が配電・受変電寄りで、送電線高度化・GETs本流への直接性はA・Bランクより弱いためです。 

注目ポイント

  • 再エネ連系や電圧変動対策に向けた補償装置を持ち、系統安定化需要の周辺では見やすい企業です。 
  • エネルギーマネジメント事業は一定規模があり、電力分野が会社内で小さすぎるわけではありません。 
  • 柱上変圧器や電圧調整器など、配電側の更新需要とも結びつきやすい銘柄です。 

注意点

  • GETsの中核論点であるHTLS・再導体化・デジタル変電所の主役ではないため、テーマとの距離は一段落ちます。
  • 公式資料で確認できるSTATCOM/SVCは、配電線路や受変電設備向けの説明が中心です。 
  • 関連製品の売上や送電向け案件の規模は、公開情報だけでは判断しにくい状況です。 

参考情報

  • 株式会社ダイヘン|特高受変電システム|現行掲載|特高受変電設備から電力監視システムまで提案していることを確認。
  • 株式会社ダイヘン|電力監視システム|現行掲載|特高や高圧の受変電システム向け電力監視を確認。
  • 株式会社ダイヘン|無効電力補償装置(SVC)/STATCOMカタログ|現行掲載確認|配電線路の電圧補償・電圧変動軽減用途を確認。
  • DAIHEN REPORT 2025|2025年|電力系統管理高度化に貢献する電力機器・エネルギーマネジメントを確認。
  • 日本取引所グループ|東証上場会社情報サービス 6622|確認日不明|ダイヘンが東証プライム上場であることを確認。

今回は除外・参考扱いとした銘柄

証券コード会社名判定除外・参考扱いとした理由
6641日新電機上場廃止送電・変電・SVCでテーマ重要度は高いが、2023年4月27日付で東証プライム市場を上場廃止しており、調査基準日時点の関連銘柄一覧対象外。
5805SWCC参考高圧ケーブルや特別高圧関連製品は持つが、公式サイトで「アルミ架空送電線事業からの撤退」が確認でき、GETs中核の架空送電線再導体化テーマでは主役に置きにくい。

上場廃止となった日新電機は、技術的には本来かなり重要な企業ですが、今回の条件では一覧から外しました。SWCCは特別高圧関連製品や接続部品で接点はあるものの、架空送電線再導体化の主力候補として採用するには根拠が弱いと判断しています。 

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