ブルーカーボン関連の日本株と藻場再生の見方

ブルーカーボン関連銘柄を日本株で見ると、まず本命に近いのは五洋建設、東亜建設工業、若築建設、不動テトラのような、藻場再生や浅場・干潟造成を直接扱うマリコン・海洋土木系です。次に、日本製鉄、JFEホールディングスは鉄鋼スラグなどの基盤材を供給するサプライチェーン銘柄として整理しやすく、応用地質は海洋観測や広域藻場調査、MRVの周辺恩恵株として見るのが自然です。一方で、テーマ売上が独立開示されにくい銘柄や、実証段階のニュースが先行しやすい銘柄は思惑が膨らみやすいため、公式資料で「何を提供しているか」「制度や案件にどう接続しているか」を確認したいところです。今後は、Jブルークレジットの蓄積、港湾のブルーインフラ整備、藻場計測の標準化がどこまで案件化につながるかを追うことが、ブルーカーボンと藻場再生の日本株を見るうえで重要になります。 

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

ブルーカーボン関連テーマの整理

テーマの概要

ブルーカーボンとは、海草藻場、海藻藻場、干潟・湿地、マングローブ林などの海洋生態系に吸収・貯留される炭素を指します。日本の株式テーマとして見る場合の中心は、海そのものを吸収源として増やす事業です。具体的には、アマモ場やコンブ・ワカメなどの藻場を再生する工事、干潟や浅場の造成、海藻が付きやすい港湾構造物の開発、藻場の分布や吸収量を測る海洋観測・モニタリングなどが関わります。水産庁も藻場は水質浄化、生物多様性の維持、幼稚仔魚の保育場など多面的な役割を持つと整理しており、脱炭素と豊かな海づくりが重なるテーマとして見られています。国交省港湾局でも、藻場・干潟や生物共生型港湾構造物をブルーインフラと位置づけ、全国で整備や計測手法の高度化を進めています。 

なぜ今注目されているのか

足元で注目が高まっている理由は、制度・インベントリ・計測基盤の3点です。まず国土交通省は、港湾分野で2022年度から「命を育むみなとのブルーインフラ拡大プロジェクト」を進めています。次に、日本では2024年4月から海草藻場と海藻藻場の吸収量が温室効果ガスインベントリに計上され、2024年提出の年次報告では両者合計で約35万t-CO2の吸収量が報告されました。さらにJブルークレジット制度では、2025年までに61プロジェクト、471件の取引があったと手引きで整理され、制度面でも裾野が広がっています。加えて、2026年には国交省がBDASやグリーンレーザー計測マニュアルを公表しており、藻場の見える化とMRVの整備が前進しています。 

日本株で関連銘柄を選ぶ視点

ブルーカーボン関連銘柄は、直接施工する会社、部材や基盤材を供給する会社、計測・調査・コンサルを担う会社に分けると整理しやすくなります。Aランクは、藻場造成や干潟造成、Jブルークレジット取得、公式技術ページなどでテーマとの直接性を追いやすい企業です。Bランクは、鉄鋼スラグ、海藻着生基盤、海洋調査、広域藻場調査などサプライチェーン上で重要でも、企業全体から見ると寄与がまだ限定的な企業です。逆に、単にクレジットを購入しただけ、構想や展示会の紹介止まり、親会社への利益連動が一次情報で追いにくいケースは、思惑先行になりやすいため慎重に見たいところです。 

関連銘柄一覧

表示順関連度証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A1893五洋建設プライム藻場造成技術とJブルークレジット取得を公式開示。 海洋土木の中核企業で、藻場造成の実装に近い。テーマ専業ではなく、関連売上の単独開示は限定的。 
2A1885東亜建設工業プライム藻場・干潟造成、直立護岸のブルーカーボン創出を継続開示。 横浜港や伊勢湾での案件があり、実証から実装に近い。マリコンの中では有力だが、全社業績の主役は建設全体。 
3A1888若築建設プライム藻場基盤材の実証と函館港の藻場造成実証研究に参画。 ニッチだがテーマとの接点が明確で、一次情報で追いやすい。実証色がまだ強く、横展開の確認が必要。 
4A1813不動テトラプライムブロック環境事業で藻場造成技術や栄養塩供給材を開発。 海洋構造物と藻場再生をつなぐ独自技術を持つ。実海域での継続検証が前提で、テーマ寄与は個別確認型。 
5B1812鹿島建設プライム大型海藻の種苗生産・藻場再生技術を開発し、Jブルークレジット取得にも関与。 技術力は高いが、全社では大型総合建設の一部テーマ。直接性はあるが、業績インパクトを一次情報で測りにくい。 
6B5401日本製鉄プライム鉄鋼スラグ製品で藻場再生を行い、Jブルークレジット認証を取得。 施工本体ではなく、基盤材・部材供給の本命候補。鉄鋼本業が大きく、テーマ寄与は局所的。 
7B5411JFEホールディングスプライム子会社JFEスチールが藻場・干潟でJブルークレジット認証を取得。 藻場だけでなく干潟にも広げている点が特徴。持株会社であり、テーマは子会社起点で追う必要がある。 
8B9755応用地質プライム海洋調査会社の子会社化や広域藻場調査技術の開発を確認。 MRV・海洋観測の裾野拡大で周辺恩恵を受けやすい。施工銘柄ではなく、テーマ売上の把握はとくに難しい。 

銘柄別解説

五洋建設(1893)|関連度A

会社概要

五洋建設は1896年創業の総合建設会社で、海の土木から出発し、現在も海洋土木で高い存在感を持つマリコンです。会社概要では、建設工事の設計・請負、コンサルタント、測量、地域・都市開発、海洋開発などを営業品目として掲げています。社長メッセージでも、海の土木を原点に国内外へ領域を広げてきたと説明しており、今回テーマの「藻場・浅場・港湾環境」の現場に近い企業といえます。 

今回のテーマとの関連性

五洋建設は、カルシア改質土を用いた浅場造成をブルーカーボン・ブルーインフラ関連技術として明示し、藻場創出や漁場再生、Jブルークレジット発行証書の受領を公式サイトで紹介しています。2025年の決算説明資料でも、GX推進の一項目として藻場造成とJブルークレジット取得を挙げており、単なる研究ではなく自社技術として位置づけている点が強みです。さらに2026年には、函館港での藻場造成実証研究の幹事企業として参加企業一覧にも名前が出ています。
A判定理由:海洋土木の主戦場に近く、藻場造成技術・Jブルークレジット・実証研究の3点が一次情報で確認できるためです。テーマの拡大が、海洋土木受注や環境技術の横展開につながりやすい位置にあります。 

注目ポイント

  • 海洋土木、浚渫、浅場造成といった既存の強みが、そのまま藻場再生テーマの施工領域に重なっています。 
  • カルシア改質土を使った藻場造成でJブルークレジットを取得しており、制度面まで接続できている点は確認しやすい注目点です。 
  • 国交省が進めるブルーインフラ拡大や計測基盤整備の流れは、施工と維持管理の需要を長く支える可能性があります。 

注意点

  • 会社全体では総合建設会社であり、ブルーカーボン関連が業績の中心とまでは確認できません。 
  • テーマ関連売上や利益の単独開示は、確認できる範囲では限定的です。今後は案件数や継続性を個別に追いたいところです。 
  • Jブルークレジットは維持管理やモニタリングを前提とする制度であり、認証取得だけで収益性を即断しにくい点には注意が必要です。 

参考情報

  • 会社概要ページ:営業品目、規模、会社の基本情報の確認。 
  • 生物多様性、水域環境ページ:ブルーカーボンやJブルークレジットへの関与を確認。 
  • カルシア改質土ページ:藻場造成技術とJブルークレジット取得の確認。 
  • 2025年5月決算説明資料:GX推進の中での藻場造成の位置づけを確認。 
  • 2026年6月18日ニュース:函館港の藻場造成実証研究への参画確認。 

東亜建設工業(1885)|関連度A

会社概要

東亜建設工業は、海上土木、陸上土木、浚渫・埋立、建築工事などを手がける総合建設会社です。会社概要でも、海上土木と浚渫・埋立が主な事業として明示されており、海域環境の整備や港湾工事との親和性が高い企業です。マリコンとして長年蓄積した施工ノウハウを持ち、港湾・沿岸域の環境再生に取り組みやすい立ち位置にあります。 

今回のテーマとの関連性

東亜建設工業は、サステナビリティページで「ブルークレジットの創出」を掲げ、藻場造成など海洋環境の改善とブルーカーボン創出に取り組んでいると説明しています。技術ページでも干潟・藻場・浅場造成のソリューションを提示しています。さらに、2025年には伊勢湾内の藻場造成事業、横浜港の直立護岸を活用したブルーカーボン創出プロジェクトを公表しており、技術・実証・案件化の流れが比較的見えやすい銘柄です。
A判定理由:藻場・干潟造成を公式の技術サービスとして提示し、実際のプロジェクトも複数の一次情報で追えるためです。テーマとの直接性が高く、単なる概念紹介にとどまりません。 

注目ポイント

  • 「ブルークレジットの創出」を公式に掲げており、テーマをESG・事業の両面で扱っています。 
  • 横浜港の直立護岸活用プロジェクトは、既存港湾構造物を吸収源化する視点で差別化しやすい取り組みです。 
  • 伊勢湾でのアマモ場造成は、港湾・物流の現場とブルーカーボンを結びつける事例として見やすいです。 

注意点

  • 会社全体の軸は総合建設であり、ブルーカーボン単独の収益規模は確認できる範囲では限定的です。 
  • 実証・共同事業の段階にある案件も多く、継続受注や標準化の進展を確認する必要があります。 
  • 制度面ではJブルークレジットや港湾政策の後押しがある一方、認証・測定・維持管理の手間が前提になります。 

参考情報

  • 会社概要ページ:事業内容とマリコンとしての位置づけの確認。 
  • 自然再生ページ:干潟・藻場・浅場造成技術の確認。 
  • ブルークレジットの創出ページ:サステナビリティ上の位置づけを確認。 
  • 2025年1月8日プレスリリース:伊勢湾内の藻場造成事業の確認。 
  • 2025年12月25日プレスリリース:横浜港のブルーカーボン創出プロジェクトの確認。 

若築建設(1888)|関連度A

会社概要

若築建設は1890年創業で、海上土木を原点とするマリンコントラクターです。会社概要では、国内外建設工事、海洋開発、地域・都市開発、環境整備・保全などを事業内容に掲げています。社長あいさつでも、海洋土木技術を核として港湾・空港・橋梁など海洋・臨海部のプロジェクトを手がけてきたと説明しており、藻場再生テーマとの相性は高い企業です。 

今回のテーマとの関連性

若築建設は2025年2月、産業副産物・一般廃棄物起源の材料を使った低環境負荷型藻場基盤材の現場実証研究を開始したと発表しました。さらに2026年6月には、函館港西防波堤カルシア改質土浅場での藻場造成実証研究に参画したことを公表しています。サステナビリティ面でもブルーカーボンへの取り組みを明記しており、テーマとの結びつきは比較的明確です。
A判定理由:大手マリコンほど知名度は高くないものの、藻場基盤材の実証と港湾実証研究が一次情報で確認でき、直接施工・技術側の銘柄として位置づけやすいためです。 

注目ポイント

  • 藻場再生を「低環境負荷型藻場基盤材」という具体的な材料技術で示している点がわかりやすいです。 
  • 函館港の実証研究に参加しており、港湾脱炭素化の文脈で実海域データを積み上げています。 
  • ブルーカーボンをサステナビリティ施策としても開示しており、単発ニュースで終わりにくい見方ができます。 

注意点

  • 実証研究の比重が高く、商用展開の広がりは今後の案件開示で確認したいところです。 
  • 会社全体では建設事業全般を手がけており、ブルーカーボン単独の業績寄与は把握しにくいです。 
  • 材料技術が有望でも、実際の施工地適合性や維持管理コストは海域条件に左右されます。 

参考情報

  • 会社概要ページ:事業内容と上場区分の確認。 
  • コーポレートレポート2025案内:開示姿勢とサステナビリティ資料の確認。 
  • 2025年2月10日プレスリリース:低環境負荷型藻場基盤材の現場実証研究の確認。 
  • 2026年6月18日ニュース:函館港の藻場造成実証研究への参画確認。 
  • SDGs対応の取組ページ:ブルーカーボンへの取り組み方針の確認。 

不動テトラ(1813)|関連度A

会社概要

不動テトラは、土木事業、地盤事業、ブロック環境事業を中核とする土木系ゼネコンです。海洋土木と消波ブロック型枠賃貸の「テトラ」由来を持ち、陸上・海洋の両土木に強みがあります。ブロック環境事業では、水際線における技術・設計サービスや、生態系を守る製品販売も行っており、港湾構造物と藻場再生の接点を持ちやすい企業です。 

今回のテーマとの関連性

不動テトラはコーポレートレポートで、藻場造成技術、植食性魚類による食害対策技術、海藻の栄養塩供給素材「イオンカルチャー」などを紹介しています。2025年版では、海藻類の着生を促進させたブロックと栄養成分供給により、ブルーカーボン生態系である藻場の安定創出に向けた取り組みを継続すると明記しています。2026年には函館港の藻場造成実証研究への参画も開示しました。
A判定理由:海洋構造物そのものに藻場再生機能を持たせる技術を公式に開示しており、材料・構造・施工が一体でテーマとつながっているためです。 

注目ポイント

  • ブロック環境事業を持つため、港湾・海岸構造物の生物共生化と相性が良いです。 
  • イオンカルチャープレートなど、海藻成長を促す独自素材を持っている点は差別化材料として見られます。 
  • 藻場造成だけでなく食害対策や高精度観測まで含めた多角的アプローチを示しています。 

注意点

  • 技術は魅力的でも、案件化のスピードや採算性は海域条件や発注環境の影響を受けやすいです。 
  • 会社全体では地盤・土木も大きく、ブルーカーボンが主力収益とはいえません。 
  • 継続的なモニタリングや維持管理が前提のため、単発の設置だけで成果を判断しにくい面があります。 

参考情報

  • 会社概要ページ:事業内容、規模の確認。 
  • 事業紹介ページ:ブロック環境事業の位置づけ確認。 
  • コーポレートレポート2025:ブルーカーボン関連技術の確認。 
  • 2026年6月18日ニュース:函館港の藻場造成実証研究への参画確認。 

鹿島建設(1812)|関連度B

会社概要

鹿島建設は国内大手の総合建設会社で、土木建築工事全般に加え、地域・都市開発、海洋開発、環境整備など広い領域を手がけています。採用サイトや会社概要でも、企画・開発から設計、施工、維持まで幅広いバリューチェーンを持つことが示されており、技術開発力の厚い大手ゼネコンとして位置づけられます。 

今回のテーマとの関連性

鹿島は、地域固有の大型海藻類の種苗生産システムを確立し、藻場の再生・保全技術として公式サイトで紹介しています。港湾海域では、陸上で生産したアラメ幼体を付着させた種糸を漁礁ユニットに取り付けて短期間で藻場を創る技術を示しています。また、葉山アマモ協議会として2024年もJブルークレジット取得に貢献したと公表しました。
B判定理由:技術の直接性は高い一方、会社全体では超大型総合建設の一部テーマであり、業績への寄与度を一次情報だけで測りにくいためです。 

注目ポイント

  • 地域固有種の大型海藻を対象にした種苗生産まで踏み込んでいる点は、単なる造成より一段深い技術です。 
  • Jブルークレジットの取得実績があり、制度との接続も確認できます。 
  • 港湾海域や洋上風力の環境保全にも応用余地があると会社が示しています。 

注意点

  • 鹿島全体では事業領域が広く、藻場再生の売上寄与は確認できる範囲では限定的です。 
  • 個別技術の価値は高くても、施工件数や継続案件がどれだけ積み上がるかは別に確認が必要です。 
  • ブルーカーボンだけで評価すると、総合建設各社の中でテーマ性が相対的に先行して見えやすい面があります。 

参考情報

  • 会社概要ページ:事業領域と総合建設会社としての位置づけ確認。 
  • 統合報告書2025案内:開示資料の所在確認。 
  • 藻場再生・保全技術ページ:技術内容の確認。 
  • 2024年3月27日ニュース:Jブルークレジット取得への貢献確認。 

日本製鉄(5401)|関連度B

会社概要

日本製鉄は国内最大級の鉄鋼メーカーで、製鉄事業を中核に、エンジニアリング、ケミカル・マテリアル、システムソリューションなどの事業を展開しています。会社概要では製鉄が中心であることが明確ですが、グループ事業内容にはインフラや環境関連のエンジニアリングも含まれています。 

今回のテーマとの関連性

日本製鉄は、鉄鋼スラグ製品「ビバリー®ユニット」を使った藻場再生「海の森づくり」を継続しており、北海道増毛町での事業についてJブルークレジット認証を受けたと公表しています。サステナビリティの海の森づくりページでも、ブルーカーボン認証を明記しています。つまり日本製鉄は、藻場造成そのものの施工会社ではなく、藻場再生の基盤材を提供するサプライチェーン銘柄として見るのが自然です。
B判定理由:テーマとの接点は明確でJブルークレジット取得実績もありますが、主力はあくまで鉄鋼であり、ブルーカーボンは部材供給・実証の色が強いためです。 

注目ポイント

  • 藻場再生を支える鉄鋼スラグ製品という材料面の本命候補として位置づけやすいです。 
  • Jブルークレジット認証まで進んでおり、単なる研究で終わっていません。 
  • 施工会社が増えるほど、材料・基盤材の需要拡大余地を考えやすい構図です。 

注意点

  • 会社全体の業績は鉄鋼市況や大型設備投資の影響が大きく、ブルーカーボンだけで見ると全体像を見誤りやすいです。 
  • 藻場再生関連の売上・利益の単独開示は、確認できる範囲では限定的です。 
  • 藻場造成の継続性は、地域連携や漁協・自治体との協働に依存する面があります。 

参考情報

  • 会社概要ページ:事業内容、企業規模の確認。 
  • 統合報告書ページ:IR資料の所在確認。 
  • 海の森づくりページ:ブルーカーボン・Jブルークレジットの確認。 
  • 2022年11月17日ニュース:増毛町でのJブルークレジット取得確認。 

JFEホールディングス(5411)|関連度B

会社概要

JFEホールディングスは、JFEスチール、JFEエンジニアリング、JFE商事を傘下に持つ持株会社です。企業概要では、グループ全体の戦略機能とリスク管理を担うグループ本社と説明されており、今回テーマで直接関係するのは主に子会社のJFEスチールです。つまり、銘柄としては親会社を買う形になるが、テーマの実体は子会社にある点を先に押さえておきたいところです。 

今回のテーマとの関連性

JFEスチールは、鉄鋼スラグ製品を使った藻場造成でJブルークレジット認証を取得し、2026年には干潟でもJブルークレジット認証を取得したと公表しました。岩国市神東地先では、海藻・海草藻場の創出・拡大により6年間で81.4tのCO2吸収量が認証されたとしています。さらに2025年には千葉県保田漁港でブルーカーボン創出実証事業に関する協定も締結しました。
B判定理由:藻場・干潟の両方で実績がある一方、上場会社としては持株会社であり、テーマはJFEスチール経由で把握する必要があるためです。 

注目ポイント

  • 藻場だけでなく、干潟でもJブルークレジット認証を取得しており、テーマの幅が広いです。 
  • 鉄鋼スラグ製品を「環境資材」として活用するストーリーが明確で、材料供給銘柄として理解しやすいです。 
  • 産官学連携や自治体との協定が多く、プロジェクト化の経路が見えやすい点は注目点になります。 

注意点

  • 上場会社はJFEホールディングスであり、実際のテーマ案件は子会社JFEスチール側で追う必要があります。 
  • 鉄鋼事業全体に比べると、ブルーカーボン関連はまだニッチな位置づけです。 
  • 施工会社への材料供給や共同事業の性格が強く、案件ごとの継続性を確認したい銘柄です。 

参考情報

  • JFEホールディングス企業概要:持株会社としての位置づけ確認。 
  • JFE GROUP REPORT 2025:グループ開示資料の所在確認。 
  • JFEスチール「海とツナグ」ページ:鉄鋼スラグ製品の海づくり用途確認。 
  • 2023年1月10日ニュース:岩国市の藻場造成とJブルークレジット取得確認。 
  • 2026年3月23日ニュース:干潟でのJブルークレジット認証確認。 

応用地質(9755)|関連度B

会社概要

応用地質は、地盤・防災・環境分野を軸に、調査、解析、計測機器、コンサルティングを手がける企業です。会社概要では、地盤調査、自然災害リスク調査、環境保全・環境リスク対応、情報収集・販売、各種測定機器やソフトウェア開発まで含む幅広い事業を展開しています。建設そのものではなく、「測る・調べる・評価する」側の会社です。 

今回のテーマとの関連性

応用地質は2023年末に三洋テクノマリンの子会社化を発表し、同社について海洋測量・地質調査、環境アセスメント、水産振興、ブルーカーボン・コンサルティングを幅広く手がける海の総合コンサルタントと説明しました。2026年版会社案内では、海洋3社が港湾インフラ、海底ケーブル、沿岸観光、ブルーカーボンなど海洋分野の調査・情報ニーズを幅広くカバーすると記載しています。また、OYOフェアでは広域藻場調査技術の開発を紹介しており、藻場の分布把握やMRVの領域で周辺恩恵を受けやすい銘柄です。
B判定理由:施工の本命ではありませんが、海洋観測・広域調査・コンサルは制度運用に不可欠であり、テーマの裾野拡大に連動しやすいためです。 

注目ポイント

  • ブルーカーボンは「作る」だけでなく「測る」ことが重要で、応用地質はその観測・調査側に位置します。 
  • 三洋テクノマリンの取り込みで、海洋分野の調査・環境アセス・ブルーカーボン支援の領域が広がりました。 
  • 国交省のBDASや計測マニュアル整備は、広域藻場調査や海洋モニタリング需要の下支えになり得ます。 

注意点

  • 施工会社ではないため、藻場造成そのものの受注増を直接取りにいく銘柄ではありません。 
  • テーマ関連売上の単独開示は、確認できる範囲ではとくに限定的です。 
  • 周辺サービス銘柄としては有望でも、テーマ株としては思惑先行になりやすい側面があります。 

参考情報

  • 会社概要ページ:事業内容と上場区分の確認。 
  • 事業紹介ページ:防災・環境・エネルギーの事業軸確認。 
  • 2023年12月27日ニュース:三洋テクノマリン子会社化の確認。 
  • 2026年版会社案内:海洋3社がブルーカーボン分野をカバーする旨の確認。 
  • OYOフェア2024:広域藻場調査技術の紹介確認。 

今回は除外・参考扱いとした銘柄

会社名理由
東洋建設藻場造成やJブルークレジット取得の一次情報は豊富でしたが、JPXでは2025年12月16日付で上場廃止済みのため、今回の「日本の上場企業」条件から外しました。 
パスコ藻場分布調査や海域モニタリングの観点では有力でしたが、JPXでは2025年1月7日付で上場廃止済みです。 
ID&Eホールディングス藻場創生支援システム「MobaDAS」はテーマ性が高いものの、2025年5月13日付で上場廃止済みのため参考扱いとしました。 
大林組ブルーカーボンや藻場づくりの研究・実証は確認できますが、一次情報だけでは今回テーマ単独の事業寄与を追いにくいため採用を見送りました。 

コメント

タイトルとURLをコピーしました