医療DX・電子カルテ/PHR関連の日本株を一次情報で整理

医療DX・電子カルテ/PHR関連の日本株を整理すると、本命に近いのは、電子カルテやPHRが主力製品・主力事業として確認しやすいPHCホールディングス、EMシステムズ、ソフトウェア・サービス、ソフトマックス、CEホールディングス、メドレー、Welbyです。サプライチェーンや周辺基盤として重要なのは、クリニックDXやデータ流通に関わるエムスリー、JMDC、富士通で、周辺恩恵という見方ならPHR実装を進めるエムティーアイも外しにくいです。一方で、医療DXは政策テーマとして注目を集めやすいため、PoC・提携・実証だけで業績連動を語るのは早い銘柄には注意が必要です。今後は、標準仕様への準拠、クラウド移行の実績、導入件数の継続開示、患者データと医療機関データの連携がどこまで実売上に変わるかを確認したいところです。

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

  1. テーマの整理
    1. テーマの概要
    2. なぜ今注目されているのか
    3. 日本株で関連銘柄を選ぶ視点
  2. 関連銘柄一覧
  3. 銘柄別解説
    1. PHCホールディングス(6523)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    2. EMシステムズ(4820)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    3. ソフトウェア・サービス(3733)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    4. ソフトマックス(3671)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    5. CEホールディングス(4320)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    6. メドレー(4480)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    7. Welby(4438)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    8. エムスリー(2413)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    9. エムティーアイ(9438)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    10. JMDC(4483)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    11. 富士通(6702)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
  4. 今回は除外・参考扱いとした銘柄

テーマの整理

テーマの概要

医療DX・電子カルテ/PHR関連は、単に紙カルテをデジタル化する話ではありません。診療所や病院の電子カルテ、レセコン、電子処方箋、オンライン資格確認、医療機関間の情報共有、さらに患者本人が自分の健診結果や受診履歴、バイタルデータを管理・共有するPHRまでを含む広いテーマです。日本では、内閣官房の工程表のもとで「全国医療情報プラットフォーム」「電子カルテ情報の標準化等」「診療報酬改定DX」が進められ、2026年3月には厚生労働省が電子カルテ及びレセコンの標準仕様(基本要件)を公表しました。従来の個別最適・閉じた院内システムから、標準化・連携・クラウド運用へ軸足が移りつつある点が、このテーマの核心です。

なぜ今注目されているのか

足元で注目される理由は、政策と実装が同時進行しているためです。厚労省は2025年1月の資料で、病院システムをクラウド型へ刷新し、2030年までのできる限り早い時期に希望する病院が導入できる環境整備を目指す方向性を示しました。さらに2026年3月には、電子カルテ・レセコンの標準仕様の基本要件を公開しています。加えて、経済産業省はPHR社会実装加速化事業を進め、情報連携基盤「PHR CYCLE」を用いたユースケース創出を後押ししました。つまり、制度・標準化・ユースケース実証が重なり、単なる未来の話から導入・置き換え・接続設計の話へ移ってきたことが大きいです。

日本株で関連銘柄を選ぶ視点

このテーマで銘柄を選ぶときは、まず「電子カルテやPHRを直接売っているか」を見ます。次に、制度対応や標準仕様への追随力、クラウド化、患者アプリとの接続、データ連携基盤といった標準化時代に強い設計を確認します。加えて、導入件数や継続率などの運用実績、テーマ関連売上の開示有無、全社業績に占める重要度も重要です。公的資料が示す方向性は、個別カスタマイズの積み上げより、共通仕様・API・データ連携に乗りやすい企業を相対的に選びやすくする流れです。PoCや提携のニュースだけでなく、実際に何を売り、どこまで継続収益化できるかを見分けたいところです。

関連銘柄一覧

No.関連度証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A6523PHCホールディングス東証プライムWEMEX/Medicomブランドでレセコン・電子カルテを直接提供制度対応製品、医療機関の既存基盤、クラウド移行グループ全体では他事業も大きい
2A4820EMシステムズ東証プライムクリニック・薬局向けシステムとクラウド電子カルテを提供厚生行政対応、既存顧客基盤、ARPU上昇余地政策特需の反動や導入一巡に注意
3A3733ソフトウェア・サービス東証スタンダード病院向け「e-カルテ」など医療情報システムを中核展開病院向け基幹システムの実装力、受注残・月次確認病院案件は検収時期で業績がぶれやすい
4A3671ソフトマックス東証スタンダードWeb型電子カルテを中心に病院向けシステムを展開クラウド化、AI文書作成、標準化への接続余地個別案件依存と人員拡大負担に注意
5A4320CEホールディングス東証スタンダード子会社を通じて病院向け電子カルテ「MI.R.A.Is」を展開中小病院の未導入余地、国内実績、継続保守病院投資サイクルと案件集中の影響
6A4480メドレー東証プライムCLINICS・MALL・患者アプリ群で医療機関と患者を接続電子カルテと患者接点を一体提供、AI活用多角化でテーマ寄与の見え方が変わる
7A4438Welby東証グロースPHRプラットフォームそのものを主力事業として展開PHR純度の高さ、疾患別アプリ、標準化追い風事業規模が小さく収益安定性を要確認
8B2413エムスリー東証プライムM3デジカルとデジスマ診療でクリニックDXを展開導入件数の積み上がり、患者アプリ連携全社では他事業が大きく純粋度は下がる
9B9438エムティーアイ東証プライムCARADAや健診支援アプリでPHR連携を担うPHR実証、健診・薬局接点、ヘルスケア拡大電子カルテ本体ではなく周辺寄り
10B4483JMDC東証プライムPep Upや電子カルテデータ活用基盤でPHR・医療データ連携に関与保険者基盤、医療機関支援、データ価値電子カルテ売り切り型ではなく間接度がある
11B6702富士通東証プライム病院・診療所向け電子カルテとEHR/PHR活用基盤を展開顧客基盤、標準化対応、データ活用の厚み会社全体に占めるテーマ比率は限定的

銘柄別解説

PHCホールディングス(6523)|関連度A

会社概要

同社は日本発のヘルスケア企業グループで、糖尿病関連、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの各領域を持つ持株会社です。統合報告書ではHealthcare Solutions Domainを主に国内向け事業と位置づけており、医療IT子会社WEMEXを通じて医療機関・薬局向けシステムを展開しています。市場区分は東証プライムで、医療DXテーマではこの国内医療IT領域が焦点になります。

今回のテーマとの関連性

テーマとの接点は非常に明確です。WEMEXはMedicomブランドのレセコン・電子カルテを扱い、2025年10月にはグループ内再編で事業統合を進めました。さらに、医療DXで需要が続くオンライン資格確認や電子処方箋に対応するハイブリッドクラウド型電子カルテを展開しており、制度変更がそのまま製品更新需要につながりやすい構図です。A判定理由:電子カルテ・医療事務システムを公式に直接提供しており、制度対応との結びつきも強く確認できるためです。医療DXの普及が受注や入替需要に比較的つながりやすい位置にあります。 

注目ポイント

  • WEMEX/Medicomブランドで、電子カルテとレセコンを同時に押さえる製品構成を持つ点。
  • オンライン資格確認、電子処方箋など制度対応の更新需要を取り込みやすい点。
  • グループ再編後は、国内医療IT事業の見せ方が以前より分かりやすくなった点。
  • 医療機関の基幹システムは入れ替え頻度が低く、保守・更新が積み上がりやすい事業特性に注目できます。

注意点

  • 同社全体では糖尿病機器や診断分野も大きく、医療ITのテーマ純度は専業各社より下がります。
  • 電子カルテ関連の売上や利益が細かく開示されるわけではなく、確認できる範囲では事業寄与の見極めに限界があります。
  • 標準仕様やクラウド移行が進むほど、既存顧客を守りながら新仕様へ投資を続ける必要があります。
  • 制度対応需要は追い風ですが、特需の山が過ぎた後の平準化も見ておきたいところです。

参考情報

  • PHC Holdings 企業概要:上場市場、会社概要、事業構成の確認
  • Integrated Report 2025|Healthcare Solutions Domain:ヘルスケアIT、WEMEX、Medicom関連事業の位置づけ確認
  • PHCグループ 新会社「WEMEX」設立リリース|2023年1月:Medicomブランド、レセコン・電子カルテ事業の確認
  • 電子カルテシステム「Medicom-HRf Hybrid Cloud」発売リリース|2023年4月:ハイブリッドクラウド型電子カルテ、制度対応製品の確認
  • WEMEX関連統合のお知らせ|2025年10月:医療IT事業のグループ内再編・統合状況の確認

EMシステムズ(4820)|関連度A

会社概要

同社は調剤システム、医科システム、介護/福祉システムを中心に展開する医療・福祉向けIT企業です。東証プライム上場で、薬局向けの印象が強い一方、医科システム事業ではクリニック向けに電子カルテなどを提供しています。有価証券報告書でも医科システムの主要製品を電子カルテシステム等のクリニック向けシステムと明記しており、医療DXとの接点は一次情報で確認しやすい銘柄です。

今回のテーマとの関連性

医療DXとのつながりは、制度対応と顧客基盤の両面で強いです。クラウド型電子カルテ「MAPs for CLINIC」を持ち、直近の中期経営計画では全国医療情報プラットフォームや電子カルテ情報共有サービス、標準化の進展を前提に研究開発リソースを配分する方針を示しています。決算説明資料でも、電子処方箋・オンライン資格確認関連のオプション導入が業績の押し上げ要因として言及されています。A判定理由:電子カルテを直接提供し、かつ医療DX政策を自社の事業計画に落とし込んでいることが公式資料で確認できるためです。テーマ拡大が既存顧客単価や更新需要に比較的つながりやすいと見られます。 

注目ポイント

  • クリニック向けクラウド電子カルテを持ち、レセコンや周辺業務まで含めて提供できる点。
  • 政策対応を中期計画に明記しており、制度変更を収益機会として捉えている点。
  • 電子処方箋・オンライン資格確認など、既存顧客への追加導入がARPU上昇につながりやすい点。
  • 調剤・医科・介護をまたぐ顧客基盤があり、周辺業務との連携提案をしやすい点。

注意点

  • 2025年決算資料では電子処方箋導入一巡の影響も示されており、政策需要の反動には注意が必要です。
  • クリニックDX市場は競争が激しく、価格・機能・サポート体制の比較が続きやすい分野です。
  • 制度変更が追い風になる一方、制度スケジュールの遅れは売上認識の後ろ倒し要因になり得ます。
  • 医科だけでなく調剤も重要な会社なので、テーマ純度だけを見ると専業電子カルテ企業よりは分散しています。

参考情報

  • 株主・株式情報:証券コード、市場区分、株式基本情報の確認
  • 2025年12月期 通期決算説明資料|2026年2月:電子処方箋、オンライン資格確認関連需要、セグメント状況の確認
  • 中期経営計画 FY2025〜FY2027:医療DX政策、全国医療情報プラットフォーム、電子カルテ情報共有サービスへの対応方針確認
  • 有価証券報告書関連資料|2026年3月:医科システム、調剤システム、介護/福祉システムの事業概要確認
  • MAPs for CLINIC 製品ページ:クラウド型電子カルテ・クリニック向けシステムの内容確認

ソフトウェア・サービス(3733)|関連度A

会社概要

同社は創業以来、医療情報システムに特化してきた企業で、東証スタンダード上場です。公式サイトでは病院業務をトータルに支援する「e-カルテ」をはじめとする医療情報システムの開発・販売を掲げており、決算短信でも事業セグメントは医療情報システム事業の単一セグメントです。テーマとの距離感が非常に近い、病院向け電子カルテの専業色が強い銘柄といえます。

今回のテーマとの関連性

同社の関連性は、製品そのものが電子カルテである点にあります。新版e-カルテを中心に、オーダリング、画像、看護・介護系の周辺システムまで病院基幹業務を広くカバーしています。2025年中間期決算短信では、全国医療情報プラットフォームや医療DXへの対応が業界環境として言及されており、制度の進展が新規・更新双方の案件化を促しやすい立場です。A判定理由:主力製品が病院向け電子カルテであり、テーマの中核を直接担っているためです。全社業績も医療情報システムに集中しており、テーマ純度が高いと整理できます。 

注目ポイント

  • 電子カルテを核に、病院向け医療情報システムを一体提供できる専業色の強さ。
  • 単一セグメントで医療情報システムに集中しており、テーマ寄与を追いやすい点。
  • 全国医療情報プラットフォームなど制度進展が、病院の刷新需要を後押ししやすい点。
  • 受注・売上・保守の積み上がりを、決算と月次資料で比較的追いやすい点。

注意点

  • 病院案件は大型で、検収時期の前後で売上や利益の見え方がぶれやすい傾向があります。
  • 病院はカスタマイズ要件が重く、導入後のサポート負担や開発負担が重くなりやすい分野です。
  • 制度・標準化の方向が追い風でも、各病院の更新投資タイミングは必ずしも一斉ではありません。
  • 専業である分、テーマの追い風も逆風も業績に出やすい点は確認しておきたいところです。

参考情報

  • ソフトウェア・サービス 公式サイト:医療情報システム専業企業としての事業概要確認
  • 2025年10月期 決算短信:医療情報システム事業、業績、単一セグメントの確認
  • e-カルテ 製品ページ:病院向け電子カルテ・基幹システムの製品内容確認
  • 2025年10月期 第2四半期決算短信:医療DX、全国医療情報プラットフォーム等への言及確認
  • IR情報ページ:決算資料・月次情報・開示資料の確認

ソフトマックス(3671)|関連度A

会社概要

同社は鹿児島を本拠とする医療情報システム企業で、病院向けのWeb型電子カルテを主力にしています。有価証券報告書では2004年に電子カルテ販売を開始し、2011年にWeb型電子カルテシステムの開発・販売を開始した沿革が確認できます。2025年12月26日付で市場区分をグロースからスタンダードへ変更しており、確認時点では東証スタンダード上場です。

今回のテーマとの関連性

同社は病院向けWeb型電子カルテの純度が高い企業です。成長可能性資料では、Web型電子カルテ「PlusUs-カルテV3」をオンプレ/クラウド双方で提供し、クラウド基盤の拡大を進めていることが示されています。さらに2025年6月にはHEMILLIONS、ソフトバンクと、医療情報の標準化や流通を踏まえた生成AI文書作成ソリューションの共同検討を開始しました。A判定理由:主力が電子カルテそのものであり、かつ標準化・AI文書作成といった次の医療DXテーマにも接続しているためです。テーマの伸長が製品高度化と案件獲得に結びつきやすい位置にあります。 

注目ポイント

  • Web型電子カルテを長く磨いてきた専業性の高さ。
  • 医療情報の標準化・流通を見据えた生成AI文書作成の共同検討。
  • クラウドとオンプレ双方を持ち、移行需要に対応しやすい点。
  • 市場区分変更後は、成長性だけでなく収益の安定性や実行力も合わせて見られやすくなります。

注意点

  • 病院向け案件は個別性が高く、売上計上のタイミングがぶれやすい分野です。
  • AIや標準化の取り組みは注目されやすい一方、現時点ではPoC段階のものもあり、即業績に直結するとは限りません。
  • 人員確保や開発投資の負担が、短期的には利益率を圧迫する可能性があります。
  • 市場区分変更はポジティブにも見られますが、それ自体でテーマの本質が変わるわけではありません。

参考情報

  • 有価証券報告書|2026年3月:会社沿革、電子カルテ事業、市場区分変更時期の確認
  • 事業計画及び成長可能性に関する事項|2025年3月:Web型電子カルテ「PlusUs-カルテV3」、クラウド展開の確認
  • 生成AI文書作成ソリューション共同検討リリース|2025年6月:医療情報の標準化、生成AI活用、共同検討の確認
  • IRニュースページ:適時開示、市場区分変更、決算関連資料の確認
  • 2026年12月期 決算短信関連資料|2026年2月:足元業績、医療情報システム事業の確認

CEホールディングス(4320)|関連度A

会社概要

同社は「医療を中心としたヘルスケアをITの力で支援する」ことを掲げる持株会社で、東証スタンダード上場です。個人投資家向け資料では、事業の中核である病院向け電子カルテが国内TOP3に入る納入実績を持つと説明しています。グループ中核子会社CSIが病院向け電子カルテを担っており、病院の情報システム刷新や中小病院の未導入余地がテーマになります。

今回のテーマとの関連性

関連性の中心は、CSIが提供する電子カルテ「MI.R.A.Is」群です。小規模医療機関向けクラウド型電子カルテ「MI.R.A.Is/QS」も展開しており、直近決算資料では300床未満の病院で電子カルテ導入率が約半分にとどまると整理しています。標準化・クラウド化が進む局面では、中小病院向けの更新・新規導入余地が注目されます。A判定理由:電子カルテがグループ中核事業として公式資料で確認でき、未導入病院の市場余地もIRで明示されているためです。テーマとの直接性、事業重要度ともに高い部類です。 

注目ポイント

  • 病院向け電子カルテがグループの中核で、テーマとの結び付きが分かりやすい点。
  • 300床未満の病院では未導入余地がまだ大きいと、会社資料で整理している点。
  • 小規模医療機関向けクラウド型電子カルテも用意し、市場裾野を広げている点。
  • 最新の中間期資料では、電子カルテ導入状況を継続開示しており、テーマ進捗を追いやすい点。

注意点

  • 病院案件中心のため、大型案件の有無で四半期ごとの見え方が変わりやすいです。
  • 中小病院の投資余地は大きいものの、更新判断は地域医療再編や病院経営環境にも左右されます。
  • 持株会社であるため、電子カルテ以外の周辺事業も含めて全体業績を確認する必要があります。
  • 国内TOP3の実績は会社説明資料ベースであり、外部統計との比較までは確認できる範囲が限られます。

参考情報

  • 基本情報:証券コード、市場区分、株式基本情報の確認
  • 個人投資家向け会社説明資料|2025年2月:病院向け電子カルテ事業の中核性、納入実績の確認
  • 2026年9月期 第2四半期決算補足説明資料|2026年5月:電子カルテ案件、導入状況、足元業績の確認
  • MI.R.A.Is/QS 製品ページ:小規模医療機関向けクラウド型電子カルテの確認
  • 2025年9月期 決算短信:連結業績、事業状況、リスク確認

メドレー(4480)|関連度A

会社概要

同社は人材・医療プラットフォーム事業を展開する東証プライム企業で、医療プラットフォーム事業では医療機関と患者・生活者の双方をつなぐプロダクト群を持っています。公式ページでは、全国2万を超える病院・診療所・歯科・薬局と、1000万人以上が登録する患者向けプロダクトを展開すると説明しており、医療機関側と患者側をまたぐ設計が特徴です。

今回のテーマとの関連性

同社は診療所向け「CLINICS」、病院向け電子カルテ「MALL」、患者向けアプリ「melmo」などを「MEDLEY AI CLOUD」として束ね始めており、電子カルテとPHR的な患者接点を一体で捉えやすい銘柄です。2025年11月にはCLINICSでカルテ・文書作成を支援するAI機能、同年12月にはMALL向けAI文書作成アシストを開始しました。MALLは2025年3月時点で約200施設導入、利用継続率98%と会社が開示しています。A判定理由:電子カルテ、病院システム、患者アプリを同一プラットフォームで直接展開しており、テーマの中核を複数面から押さえているためです。 

注目ポイント

  • 電子カルテだけでなく、予約・問診・決済・患者アプリまで一体で提供できる点。
  • 「MEDLEY AI CLOUD」として、医療機関側と患者側のデータ導線をまとめ始めている点。
  • CLINICS、MALLの双方でAI文書作成支援を進めている点。
  • MALLは導入施設数や継続率が開示されており、実装力を追いやすい点。

注意点

  • 同社は医療DXだけでなく人材事業も大きいため、全社業績の見え方はテーマ単独では決まりません。
  • CLINICSやMALLの個別損益が詳細に見えるわけではなく、確認できる範囲ではテーマ売上の厳密な切り分けに限界があります。
  • 多機能一体型は強みですが、その分プロダクト開発や品質維持の難度も上がります。
  • AI機能は注目されやすい一方、普及速度と課金への反映は今後確認が必要です。

参考情報

  • メドレー 企業サイト:会社概要、事業全体像の確認
  • 医療機関と患者・生活者をつなぐプロダクト:CLINICS、MALL、患者向けサービスの全体像確認
  • IR・株式情報:証券コード、市場区分、株式基本情報の確認
  • MALL関連リリース|2023年10月:病院向け電子カルテMALLの導入施設数・継続率の確認
  • CLINICS AIアシスト リリース|2025年11月:電子カルテ・文書作成支援AI機能の確認
  • MALL向けAI文書作成アシスト リリース|2025年12月:病院向けシステムへのAI機能追加の確認

Welby(4438)|関連度A

会社概要

同社は「患者さんや家族が自ら医療情報の記録・保存を行い、医療関係者と共有するPHRプラットフォーム」を提供する東証グロース上場企業です。会社概要ページでは事業内容を疾患ソリューションサービス、マイカルテサービスと記載しており、電子カルテベンダーというより、患者起点のPHR専業に近い位置づけです。医療DXの中でも、患者側データの利活用という別の軸を持つのが特徴です。

今回のテーマとの関連性

テーマとの関連は、PHRそのものが中核事業である点にあります。公式サイトでは、患者が記録したデータを医療者が確認し、双方向コミュニケーションで治療継続を支援する仕組みを打ち出しています。2025年のリリースでも、PHRサービス事業協会の活動を通じてPHRの社会実装を加速させる方針を示しました。A判定理由:PHRが同社の主力事業であり、テーマとの接点が最も明確な純粋度の高い企業の一つだからです。電子カルテ本体ではなくとも、PHR領域の中核銘柄として整理できます。 

注目ポイント

  • PHRプラットフォーム専業に近く、テーマ純度が高い点。
  • 疾患別アプリやマイカルテを通じ、患者データと医療者の接点を作っている点。
  • PHRの社会実装や業界横断連携が進むほど、存在感が高まりやすい点。
  • 制度・標準化の話を記事に入れやすく、テーマ理解の中心に置きやすい銘柄です。

注意点

  • 事業規模は大きくなく、収益の安定性は大型上場企業より確認事項が多いです。
  • PHRは期待先行になりやすく、ユーザー基盤や案件の中身を個別に見ないとテーマ株化しやすい分野です。
  • 電子カルテ本体を売る企業ではないため、電子カルテ更新需要を直接取り込む構造ではありません。
  • パートナー連携が重要な事業なので、単独でのスケールの限界も意識して見たいところです。

参考情報

  • Welby 公式サイト:PHRプラットフォーム、疾患ソリューション、マイカルテサービスの確認
  • 会社概要:会社基本情報、事業内容の確認
  • IR・有価証券報告書ページ:開示資料、事業概要、リスク情報の確認
  • PHR社会実装関連リリース|2025年5月:PHRサービス事業協会との関係、PHR社会実装方針の確認
  • 経済産業省 PHR社会実装加速化事業:PHR制度・実証事業の政策背景確認

エムスリー(2413)|関連度B

会社概要

同社は医療従事者向けインターネットサービスを中核に、製薬企業支援、治験、医療現場DXなどを手がける東証プライム企業です。会社概要では事業内容を「インターネットを利用した医療関連サービスの提供」とし、全社としては非常に幅広い事業を持ちます。そのため、医療DX銘柄ではありますが、電子カルテテーマだけを切り出して見ると専業企業とは性格が異なります。

今回のテーマとの関連性

関連事業としては、クラウド電子カルテ「エムスリーデジカル」と、患者アプリ・予約・問診・決済などをまとめた「デジスマ診療」が分かりやすいです。2026年3月期第4四半期説明資料では、M3デジカルの導入施設数が約9,600件、管理カルテ数が約4.7億枚と示されており、クリニックDX領域ではかなり存在感があります。B判定理由:電子カルテ事業は直接的ですが、全社では治験や製薬支援など他事業の比重が大きく、テーマ純度はA群より一段下がるためです。とはいえ、導入件数の積み上がりは無視しにくい水準です。 

注目ポイント

  • M3デジカルの導入件数が積み上がっており、クリニックDXの実装力を確認しやすい点。
  • 電子カルテと患者アプリ、予約・問診・決済を接続できる点。
  • 医師基盤を持つ企業らしく、診療現場の周辺サービスと組み合わせやすい点。
  • クラウド電子カルテ市場でのポジションを会社が強く訴求している点。

注意点

  • 全社の業績変動は、電子カルテ以外の事業要因にも大きく左右されます。
  • クリニックDXの伸びがあっても、全社PL上では相対的に見えにくい可能性があります。
  • クリニック向け市場は競争が激しく、値付けや機能競争も続きやすい分野です。
  • 導入件数が目立つ分、相場ではテーマ先行で見られやすい側面もあります。

参考情報

  • 企業情報:会社概要、事業内容、市場区分の確認
  • 2026年3月期 第4四半期決算説明資料|2026年5月:M3デジカル導入施設数、管理カルテ数、クリニックDXの進捗確認
  • エムスリーデジカル 公式サイト:クラウド電子カルテの製品内容確認
  • デジスマ診療 公式サイト:予約、問診、決済、患者アプリ連携サービスの確認
  • 厚生労働省 電子カルテ標準仕様ページ:電子カルテ標準化の政策背景確認

エムティーアイ(9438)|関連度B

会社概要

同社はモバイル・コンテンツ事業で知られる東証プライム企業ですが、近年はヘルスケア事業を成長分野として位置づけています。IRの事業概要では、個人を中心としたヘルスケアデータ(PHR)を実現させることを掲げており、2026年9月期1Q説明資料でも主なヘルスケアサービス一覧を開示しています。医療DXテーマでは、電子カルテ本体よりもPHRと健診・薬局接点の企業として見るのが適切です。

今回のテーマとの関連性

同社の中心は「CARADA」と「CARADA健診サポート」です。公式ヘルスケア事業ページでは、CARADAを生活者のPHRを企業・薬局・健診機関とつなぐハブと位置づけています。さらに2024年には、経産省のPHR社会実装加速化事業の実証事業者として、CARADA健診サポートと他社PHRデータの連携実証に採択されました。B判定理由:PHRとの直接的な接点は強いものの、電子カルテ本体の中核ベンダーではなく、全社でも他事業があるためです。テーマ拡大の恩恵は見込める一方、業績寄与の見え方はA群より限定的です。 

注目ポイント

  • PHRを個人・健診機関・薬局などにつなぐハブとして自社が位置付けている点。
  • CARADA健診サポートは、結果閲覧や予約・問診など健診前後の導線を持つ点。
  • 経産省のPHR実証に採択され、制度・実証面との接続が確認しやすい点。
  • ヘルスケア事業を中長期の収益貢献領域として開示している点。

注意点

  • 電子カルテベンダーではないため、電子カルテ標準化の本丸需要を直接取り込む構造ではありません。
  • PHRは制度面の期待が大きい一方、収益化には時間がかかりやすい領域です。
  • 全社では他事業も大きく、PHRテーマのインパクトが見えにくい場合があります。
  • 実証や採択のニュースだけでなく、導入先拡大がどこまで継続するかを追いたいところです。

参考情報

  • 会社情報:会社概要、事業内容の確認
  • IR 事業概要:ヘルスケア事業、PHR関連事業の位置づけ確認
  • 2026年9月期 第1四半期決算説明資料:ヘルスケア事業の進捗、主要サービスの確認
  • ヘルスケア事業ページ:CARADA、PHR、健診・薬局連携の確認
  • CARADA健診サポート:健診結果閲覧、予約・問診などPHR周辺サービスの確認
  • PHR社会実装加速化事業 採択リリース:経産省実証事業、PHRデータ連携の確認

JMDC(4483)|関連度B

会社概要

同社は医療統計データサービスを手がける東証プライム企業で、健康保険組合、自治体、医療機関向けにヘルスビッグデータ事業を展開しています。IRでは上場市場をプライムと明記し、会社概要でも医療統計データサービスを主業としています。電子カルテを自社で大きく売る企業というより、医療データを統合・利活用する企業として理解すると整理しやすい銘柄です。

今回のテーマとの関連性

テーマとの接点はPHRと電子カルテデータ活用の両面です。JMDCは保険者向けPHRサービス「Pep Up」を持ち、2026年3月には「Pep Up for WORK」をPHR統合型の健康管理システムへ刷新すると発表しました。また、グループ会社を通じて電子カルテデータの集約・活用にも取り組み、2026年3月期第3四半期説明資料では「医療提供者向け」事業規模の成長も示しています。B判定理由:PHR・医療データ基盤としての関連は強い一方、電子カルテの直接販売が中核ではなく、テーマとの距離はA群より一段間接的だからです。 

注目ポイント

  • Pep Upが民間PHRとして既に保険者基盤を持っている点。
  • 医療機関向けには、電子カルテデータの集約・分析・臨床研究支援へ広がっている点。
  • PHRを企業向け健康管理まで横展開し、データ循環の範囲を広げている点。
  • 電子カルテ企業との提携によるエコシステム拡大を進めている点。

注意点

  • データ利活用企業であるため、電子カルテ置換需要をそのまま受ける銘柄ではありません。
  • PHRやデータ基盤の価値は高い一方、事業の理解に時間がかかり、思惑だけで語られやすい面があります。
  • 医療データ利活用は法制度・匿名加工・同意設計の影響を受けやすい分野です。
  • テーマ性は高いですが、電子カルテ専業のように売上連動を単純に見にくい点は押さえておきたいです。

参考情報

  • 株式関連情報:証券コード、市場区分、株式基本情報の確認
  • 会社概要:医療統計データサービス、ヘルスビッグデータ事業の確認
  • Pep Up紹介ページ:保険者向けPHRサービスの内容確認
  • PHRページ:PHRサービスの位置づけ確認
  • 2026年3月期 第3四半期決算説明資料|2026年2月:医療提供者向け事業、データ事業の進捗確認
  • Pep Up for WORK リニューアルリリース|2026年3月:PHR統合型健康管理システムへの展開確認

富士通(6702)|関連度B

会社概要

同社は国内大手ITサービス企業で、東証プライム上場です。全社では幅広いITサービスを展開していますが、ヘルスケア分野でも大規模病院、中小病院、診療所向けのソリューションを包括的に展開しています。投資家ページではTSE Prime:6702を明記し、ヘルスケア領域のページでは電子カルテ、音声入力、Web問診などを組み合わせた医療DX支援を打ち出しています。

今回のテーマとの関連性

同社は診療所向け「HOPE LifeMark-TX」などの電子カルテを提供し、病院・診療所のデジタル化支援を進めています。さらに2023年には、大学病院で電子カルテに蓄積されたEHRを含む個人健康データ(PHR)の活用推進に合意したほか、Healthy Living Platformでは医療機関の診療データや個人のバイタル情報をクラウド上に集約する構想を示してきました。B判定理由:電子カルテ・EHR/PHR連携基盤を直接持つ一方、会社全体では他事業が圧倒的に大きく、テーマ寄与の見え方は限定的だからです。政策・標準化の恩恵を受ける基盤企業として見るのが適切です。 

注目ポイント

  • 病院から診療所まで幅広い顧客層に電子カルテを提供している点。
  • EHRとPHRをつなぐデータポータビリティの取り組みが確認できる点。
  • 医療データをクラウドに集約し活用する基盤設計を持つ点。
  • 標準化や大規模システム刷新局面では、既存顧客基盤を持つ大手SIとして存在感を持ちやすい点。

注意点

  • 全社売上に占める医療DXテーマの比率は限定的で、テーマ純度は高くありません。
  • 大型案件や公共性の高い案件は進捗が長期化しやすく、短期で収益寄与を読みにくい面があります。
  • 標準化が追い風でも、医療分野以外の全社要因のほうが株式評価に影響しやすい可能性があります。
  • 大手ゆえにテーマで物色される純粋株とは値動きの性格が異なります。

参考情報

  • 富士通 IRページ:上場企業としての基本情報、全社事業構成の確認
  • ヘルスケア関連ページ:診療所向けデジタル化支援、電子カルテ・Web問診等の確認
  • 診療所向けデジタル化支援ページ:医療機関向けソリューション、地域医療連携基盤の確認
  • EHR/PHR活用推進プレスリリース|2023年1月:電子カルテに蓄積されたEHRとPHR活用の確認
  • Healthy Living Platform関連リリース|2023年6月:医療データ・個人健康データのクラウド集約構想の確認

今回は除外・参考扱いとした銘柄

会社名理由
NTTデータグループ医療DX・電子カルテ情報活用の実績は確認できる一方、2025年9月26日付で上場廃止となっているため。

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