地熱発電・温泉熱利用関連の日本株を整理

地熱発電・温泉熱利用関連の日本株を整理すると、本命に近いのは既設地熱の運営や建設中案件を公式に確認できる電源開発、九州電力、東北電力、北海道電力、INPEX、出光興産です。サプライチェーンでは、タービンやバイナリー設備の富士電機・三菱重工業、温泉発電やEPCのJFEホールディングス、調査・適地選定の応用地質が見やすい銘柄です。一方、石油資源開発や大林組のように、技術や調査で接点があっても、案件の商業化や全社業績への反映がまだ読みづらい銘柄は、思惑先行に注意して見たいところです。今後は、環境アセスメントの進捗、掘削結果、設備受注、PPAやFIT後の収益モデル、温泉熱の地域熱供給事例の増加を継続確認したいテーマです。 

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

  1. テーマの整理
    1. テーマの概要
    2. なぜ今注目されているのか
    3. 日本株で関連銘柄を選ぶ視点
  2. 関連銘柄一覧
  3. 銘柄別解説
    1. 電源開発(9513)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    2. 九州電力(9508)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    3. 東北電力(9506)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    4. 北海道電力(9509)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    5. INPEX(1605)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    6. 出光興産(5019)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    7. 富士電機(6504)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    8. 三菱重工業(7011)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    9. JFEホールディングス(5411)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    10. 石油資源開発(1662)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    11. 応用地質(9755)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    12. 大林組(1802)|関連度C
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
  4. 今回は除外・参考扱いとした銘柄

テーマの整理

テーマの概要

地熱発電は、地下の蒸気や熱水を取り出して発電する再生可能エネルギーで、天候に左右されにくいベースロード電源として位置づけやすいのが特徴です。一方、温泉熱利用は、温泉の熱をそのまま捨てず、バイナリー発電、給湯、暖房、農業ハウス、融雪などへ段階的に使う取り組みを指します。環境省の改訂ガイドラインでも、温泉熱は地域資源として、発電だけでなく面的な熱供給や個別建物での温水利用まで幅広く整理されています。日本は地熱資源量が大きい一方、導入量はまだ限定的で、「地熱発電関連銘柄」「温泉熱利用関連銘柄」を調べる際は、発電事業者だけでなく、タービン、掘削、地質調査、EPC、保守まで見る必要があります。 

なぜ今注目されているのか

注目材料は政策と技術の両面にあります。第7次エネルギー基本計画は2025年2月に閣議決定され、2040年度の電源構成見通しで地熱を1〜2%程度と位置づけ、導入加速に向けた具体的な計画・目標づくりを進める方針を示しました。NEDOも2030年の地熱設備容量最大1.55GWを目標に研究開発を継続しており、資源エネルギー庁は2025年に次世代型地熱のロードマップ検討を進めています。加えて、環境省は2025年3月に「温泉熱有効活用に関するガイドライン」を改訂し、2026年も普及セミナーを開催しており、温泉地の脱炭素と地域活性化を同時に進める文脈が強まっています。 

日本株で関連銘柄を選ぶ視点

日本株でこのテーマを見るときは、まず「実際に地熱発電所を運営・建設している本命に近い銘柄」、次に「タービン、バイナリー設備、EPC、掘削、地質調査などのサプライチェーン銘柄」、最後に「温泉熱利用や地域分散型エネルギーの拡大で周辺恩恵を受けうる銘柄」に分けると整理しやすくなります。本稿では、公式資料で発電所名、出力規模、建設段階、納入実績、事業主体、調査進捗まで確認できるものをA寄り、接点はあるが全社業績への寄与が読み取りにくいものをB/Cに置いています。なお、企業説明で「地熱」「温泉熱」が一言触れられるだけで、案件名や収益構造が見えない場合は、思惑先行に注意して見たいところです。 

関連銘柄一覧

No.関連度証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A9513電源開発プライム山葵沢・鬼首・安比の3地点を運営し、高日向山で新規開発も進む。 既設運営に加え、新規案件と掘削体制の両方を追いやすい。地熱は全社の一部で、開発は長期化しやすい。
2A9508九州電力プライム九電グループは全国の地熱設備量の約4割を保有し、既設地熱由来のPPAも始めている。 八丁原など国内有力資産を抱え、実績が厚い。2026年10月予定の持株会社化公表など体制変化に注意。 
3A9506東北電力プライムグループの地熱設備容量は全国の約3割とされ、地熱4地点を東北自然エネルギーへ集約した。 地熱資産の集約で事業の見通しが追いやすくなった。グループ全体では他電源・制度要因の影響が大きい。
4A9509北海道電力プライム森発電所に加え、還元熱水を使う森バイナリー発電所を運営し、留寿都でも資源量調査を継続。 既設地熱+温泉熱に近いバイナリー利用の両方がある。新規案件は調査段階で、商業化まで時間を要しやすい。
5A1605INPEXプライム秋田県のかたつむり山発電所を建設中で、北海道の尖峰周辺地域でも探鉱を進める。 地下資源開発の知見を地熱へ転用しやすい。株価や業績は原油・ガス市況の影響が依然大きい。
6A5019出光興産プライム滝上で蒸気供給とバイナリー発電を行い、秋田県小安地域でも新規地熱発電所を建設中。 長年の地熱実績があり、国内案件の継続性を確認しやすい。地熱単独の開示は限られ、全社では石油関連要因が大きい。
7A6504富士電機プライムフラッシュ方式とバイナリー方式の両方の地熱発電設備を持ち、2025年にも地熱設備受注を公表。 発電事業者ではなく設備側からテーマを追える。国内市場が大きくはなく、受注は案件ごとの波がある。
8B7011三菱重工業プライム地熱発電用蒸気タービンの製品ラインアップを持ち、累計100台超・300万kW超の納入実績を掲げる。 大型蒸気タービンの技術力が地熱でも活きる。全社から見ると地熱の売上インパクトは限定的。
9B5411JFEホールディングスプライム子会社JFEエンジニアリングが地熱発電事業と温泉発電を手がけ、森バイナリーや土湯温泉でも実績がある。 温泉熱利用まで含めて追える数少ない上場親会社。親会社は鉄鋼要因が大きく、テーマ純度は中位。
10B1662石油資源開発プライム石油・ガス探鉱開発と親和性の高い分野として地熱を位置づけ、北海道や東北で調査を進めてきた。 掘削・地下評価の知見がテーマに直結しやすい。主要利益源は依然として油ガス事業で、思惑先行に注意。
11B9755応用地質プライム地熱・温泉の開発や利用に関わる調査・コンサルティング、再エネ熱利用支援を公式に展開。 発電設備ではなく地質・適地選定の側面から追える。テーマ売上の開示が限られ、業績寄与を測りにくい。
12C1802大林組プライム北海道の京極北部・ルスツ地域で地熱開発調査を進めているが、全社では建設事業が中心。 地熱開発の初期段階に関わる点は確認しやすい。商業化不確実性が高く、テーマ性だけで評価しにくい。

銘柄別解説

電源開発(9513)|関連度A

会社概要

電源開発は、火力・水力・風力・送電線などを持つ発電事業者で、再エネの中では地熱をベースロード電源として扱っています。2026年3月末時点の資料では、地熱発電は3地点・計40MW(持分出力ベース)で、山葵沢、鬼首、安比の運営・保有を確認できます。統合報告書でも、既設運営に加えて新規開発を進める方針が示されています。 

今回のテーマとの関連性

同社は単なる「再エネの一種」としてではなく、実際に国内で地熱発電所を運営し、新規地点の調査・環境アセスメントまで進めています。2025年3月には高日向山地域地熱発電計画の計画段階環境配慮書を公表し、2025年11月には地熱坑井向け最新式掘削リグ導入も発表しており、発電所本体だけでなく掘削サプライチェーン確保にも踏み込んでいます。判定理由:既設運営、新規開発、掘削体制の3点を一次情報で確認できるため、A評価としました。 

注目ポイント

  • 既設3地点の運営実績があり、「地熱をやる会社」ではなく「すでに地熱を動かしている会社」として見やすい点が注目されやすいです。 
  • 高日向山地域は2025年に配慮書段階へ進んでおり、新規案件の前進を追いやすい構図です。 
  • 掘削リグ導入は、案件形成のボトルネックになりやすい掘削需給への対応として確認しておきたい材料です。 

注意点

  • 全社でみると火力発電の規模が大きく、地熱だけで業績や株価を説明しにくい点には注意が必要です。 
  • 地熱開発は掘削、資源量評価、環境アセスメント、地元調整に時間がかかりやすい事業です。 
  • 新規案件が進んでも、商業運転までの期間は長く、短期のテーマ期待だけで見ないほうが整理しやすいでしょう。 

参考情報

  • J-POWERグループ統合報告書2025:既設3地点と高日向山地域の開発状況を確認。 
  • 2026年3月期決算説明資料:2026年3月末時点の地熱発電設備一覧を確認。 
  • 2025年3月5日プレスリリース:高日向山地域地熱発電計画の配慮書公表を確認。 
  • 2025年11月13日プレスリリース:地熱坑井向け掘削リグ導入を確認。 

九州電力(9508)|関連度A

会社概要

九州電力は九州を地盤とする大手電力会社で、再エネ分野では九電みらいエナジーを中心に地熱・水力・風力・太陽光を広く展開しています。2025年のサステナビリティ資料では、日本最大級の八丁原発電所を含め、九電グループは全国の地熱発電設備量の約4割を保有するとしています。地熱の歴史と運転実績の厚さが特徴です。 

今回のテーマとの関連性

同社グループは、八丁原、滝上、山川、大霧など既設地熱を持ち、2026年にはこれら既設地熱由来の電力を使うオフサイトコーポレートPPAも公表しました。発電所一覧にも八丁原、大岳、滝上、山川、大霧、各種バイナリーが並んでおり、地熱発電と温泉熱・未利用熱活用の両面からテーマを追いやすい企業です。判定理由:国内有力の既設地熱資産群を持ち、公式資料で地点名・容量・活用方法を確認しやすいためA評価です。 

注目ポイント

  • 八丁原を中心とする長期の運転実績があり、国内地熱の代表銘柄として把握しやすい存在です。 
  • 既設地熱を活用したPPAの開始は、「再エネ価値の販売」まで含めて地熱の使い道が広がっている点として見ておきたいところです。 
  • 発電所一覧にはバイナリー設備も含まれており、低温熱や未利用熱の有効活用まで視野に入れやすい構成です。 

注意点

  • 業績や株価は、地熱よりも原子力、火力燃料費、料金制度などの影響を強く受けやすい点は押さえておきたいです。 
  • 2026年3月に、2026年10月予定の単独株式移転による純粋持株会社体制への移行が公表されており、組織再編の動きも確認が必要です。 
  • 既設資産が多いぶん、新規大型増設よりも更新・高度利用が主な論点になりやすい可能性があります。確認できる範囲では、新規大規模案件の開示は限定的です。 

参考情報

  • サステナビリティレポート2025:九電グループの地熱設備量の位置づけを確認。 
  • 九電みらいエナジー公式「発電所一覧」:地熱発電所・バイナリー設備の一覧を確認。 
  • 2026年4月27日プレスリリース:既設4か所の地熱発電所を使ったPPAを確認。 
  • 2026年3月26日公表資料:持株会社体制移行予定を確認。 

東北電力(9506)|関連度A

会社概要

東北電力は東北・新潟を供給区域とする電力会社で、再エネ分野では東北自然エネルギーが中核を担っています。公式資料では、グループの地熱発電設備容量は全国の約3割とされ、2024年7月には葛根田2号、上の岱、澄川、柳津西山の4地点を東北自然エネルギーへ譲渡・集約しました。地熱保有量の厚さが特徴です。 

今回のテーマとの関連性

同社は地熱をグループの有力再エネの一角として位置づけており、2025年12月には東北自然エネルギーが松川地熱発電所の営業運転開始も公表しました。資産集約と新規運転開始の両方が確認できるため、単なる「保有しているだけ」で終わらず、再編後の地熱事業の整理が進んでいる点がテーマ上の強みです。判定理由:地熱資産量が大きく、グループ内再編と新規稼働の両面を一次情報で確認できるためA評価としました。 

注目ポイント

  • グループの地熱設備容量が全国の約3割という位置づけは、国内の代表的な地熱グループと見やすい材料です。 
  • 2024年の資産集約で、地熱事業の受け皿が明確になり、今後の開発や運営の追跡がしやすくなりました。 
  • 2025年の松川地熱発電所営業運転開始は、既存資産管理だけでなく、新たな動きが続いている点として確認したいところです。 

注意点

  • 東北電力の投資判断では、地熱よりも原子力稼働、燃料価格、規制・料金制度の影響が大きくなりやすい点に注意が必要です。 
  • 地熱事業は東北自然エネルギーへ集約されているため、親会社単体の開示だけでは採算の見え方が限られる場面があります。 
  • 既設資産は成熟局面のものも多く、更新費用や保守負担は継続的に見ておきたいポイントです。確認できる範囲では、その詳細は個別案件ベースの確認が必要です。 

参考情報

  • 東北電力公式「再生可能エネルギー等に対する取り組み」:全国約3割の地熱設備容量を確認。 
  • 2024年度供給計画資料:地熱4地点の東北自然エネルギーへの譲渡を確認。 
  • 2025年12月9日お知らせ:松川地熱発電所の営業運転開始を確認。 
  • 2022年10月7日開示:地熱発電事業のグループ内再編方針を確認。 

北海道電力(9509)|関連度A

会社概要

北海道電力は北海道を供給区域とする電力会社です。地熱では、茅部郡森町で1982年11月運転開始の森発電所(25,000kW)を持ち、さらに2023年11月には還元熱水を使う森バイナリー発電所(2,000kW)が営業運転を始めました。既設地熱と低温熱利用の両方を持つ点が特徴です。 

今回のテーマとの関連性

森バイナリー発電所は、既設の森発電所から地中へ戻す還元熱水に含まれる未利用熱エネルギーを使う仕組みで、地熱発電と温泉熱利用の中間にあるようなテーマ性を持ちます。さらに2025年には大林組と共同で留寿都村の資源量調査を継続しており、既設運営と新規開発調査の両方を確認できます。判定理由:運転中の地熱資産と未利用熱活用、さらに新規調査まで確認できるためA評価です。 

注目ポイント

  • 森発電所と森バイナリー発電所の組み合わせにより、高温資源の発電と低温域の有効活用をまとめて追える点がわかりやすいです。 
  • 森バイナリーは還元熱水の有効活用であり、温泉熱利用・未利用熱活用を考える読者にも理解しやすい事例です。 
  • 2025年度の留寿都調査は、北海道内での新規案件形成の進捗を見るうえで注目点になります。 

注意点

  • 地熱の絶対規模は大きくなく、全社の収益性は電力料金、燃料費、他電源の動向に左右されます。 
  • 留寿都のような新規案件は資源量調査段階であり、商業化が確約されているわけではありません。 
  • 地熱資源は地域合意や環境配慮が重要で、調査進展がそのまま早期事業化に結びつくとは限りません。 

参考情報

  • 北海道電力公式「森発電所」:運転開始年と出力を確認。 
  • 北海道電力公式「森バイナリー発電所」:還元熱水の利用と営業運転開始を確認。 
  • 2025年4月16日お知らせ:留寿都村における地熱発電資源量調査を確認。 

INPEX(1605)|関連度A

会社概要

INPEXは日本最大級の上流エネルギー企業で、石油・天然ガス開発を主軸にしつつ、再生可能エネルギーにも案件を広げています。公式プロジェクト一覧では、国内外の地熱案件を明示しており、日本では秋田県のかたつむり山発電所地熱発電事業と、北海道の尖峰周辺地域地熱発電事業を掲載しています。 

今回のテーマとの関連性

かたつむり山発電所は建設中で、発電容量14.990MW、INPEX地熱開発の持分は42.5%、商業運転開始は2027年3月予定とされています。尖峰周辺地域では100%出資で探鉱中であり、ムアララボ、ランタウ・ドゥダップなど海外商業運転案件も持ちます。地下資源評価・掘削の知見が地熱でも活きやすい企業といえます。判定理由:国内建設中案件と探鉱案件を両方持ち、公式サイトで進捗・規模・出資比率まで確認できるためA評価です。 

注目ポイント

  • かたつむり山発電所は、案件名、出力、持分、運転開始予定まで開示されており、テーマの進捗を追いやすいです。 
  • 尖峰周辺地域の探鉱案件があり、国内地熱の案件パイプラインを確認できます。 
  • 海外商業運転案件を持つため、地熱事業の実務経験を国内にも見立てやすい点が注目点になります。 

注意点

  • 全社の主力収益は依然として原油・天然ガスであり、地熱テーマだけで株価を説明するのは難しい局面があります。 
  • かたつむり山の商業運転は2027年3月予定で、足元の収益寄与は限定的と見ておく必要があります。 
  • 探鉱段階の案件は、資源評価や地元調整の結果次第で進み方が変わり得ます。 

参考情報

  • INPEX公式「プロジェクト」:地熱案件一覧を確認。 
  • INPEX公式「かたつむり山発電所 地熱発電事業」:国内建設案件の詳細を確認。 
  • INPEX公式「尖峰周辺地域地熱発電事業」:探鉱案件の状況を確認。 
  • INPEX公式「ムアララボ地熱事業」「ランタウ・ドゥダップ地熱発電事業」:海外商業運転案件を確認。 

出光興産(5019)|関連度A

会社概要

出光興産は石油精製・販売、資源、機能材などを展開する総合エネルギー企業です。地熱は資源セグメントの事業として整理されており、1970年代から地熱資源調査に取り組み、1996年に滝上発電所への蒸気供給、2017年に滝上バイナリー発電所の単独操業を開始したと公式に説明しています。 

今回のテーマとの関連性

現在は秋田県小安地域で新しい地熱発電所を建設中で、同社は「小安地域での地熱発電は調査開始から運転開始予定まで16年」を要する長期事業だと説明しています。2022年の建設段階移行時リリースでは、約15MW相当の地熱流体の安定生産見込みとFIT認定予定も示されました。判定理由:蒸気供給、バイナリー、建設中案件まで一次情報で確認でき、テーマとの直接性が高いためA評価です。 

注目ポイント

  • 滝上での蒸気供給とバイナリー発電という、地熱資源の多段的な使い方を確認できます。 
  • 小安地域の建設中案件は、出力見込みや支援制度の活用まで公式に開示されており、進捗を追いやすい案件です。 
  • 同社自身が長い開発期間を説明しているため、地熱案件の特色を理解する材料としても有用です。 

注意点

  • 全社では石油・石炭製品や資源市況の影響が大きく、地熱単独の影響度は限定的です。 
  • 地熱事業の個別収益やセグメント寄与は詳しくは開示されておらず、テーマ売上を数値で追いにくい面があります。確認できる範囲では、案件ベースの開示が中心です。 
  • 小安案件のように、自然公園・豪雪地帯・地域調整などでリードタイムが長くなりやすい点は押さえておきたいです。 

参考情報

  • 出光興産公式「地熱発電」:事業の沿革と現在の取り組みを確認。 
  • 2022年6月6日リリース:秋田県湯沢市における地熱発電所建設の概要を確認。 
  • 出光興産公式「新規開発への取り組み」:小安地域の長期開発プロセスを確認。 
  • 出光興産公式「事業の強み」:滝上蒸気供給とバイナリー操業の実績を確認。 

富士電機(6504)|関連度A

会社概要

富士電機は受配電機器、パワー半導体、計測機器、エネルギー設備などを手がける電機メーカーです。地熱分野では、公式サイトにフラッシュ方式とバイナリー方式の両方のラインアップを持つことを明示しており、発電事業者ではなく設備メーカーとしてテーマを追える代表格です。 

今回のテーマとの関連性

同社は1960年以来、蒸気タービンや発電機などの地熱発電設備を世界各国へ納入してきたとし、2025年5月にはインドネシアのムアララボStage-2向け地熱発電設備受注を公表しました。バイナリーでは2,000kWのシステムを早くから展開し、低温資源向けの装置も公式に掲載しています。判定理由:地熱・温泉熱利用に直結する設備を直接供給しており、直近受注も確認できるためA評価です。 

注目ポイント

  • フラッシュ方式とバイナリー方式の両対応で、高温資源から低温資源までテーマの幅を取り込みやすい点が強みです。 
  • 2025年の受注開示があり、地熱設備が現在進行形の事業であることを確認しやすいです。 
  • 低温資源向けバイナリーの製品ラインアップは、温泉熱利用の文脈でも見やすいポイントです。 

注意点

  • 地熱は有望なテーマでも、全社業績の中心は他事業であり、地熱だけの寄与度は限定的です。 
  • 装置受注は大型案件ごとで波が出やすく、四半期ごとの見え方がばらつく可能性があります。 
  • 国内地熱市場だけでは件数に限りがあるため、海外案件の比重や為替影響も確認したいところです。 

参考情報

  • 富士電機公式「Geothermal Power Generation」:フラッシュ方式・バイナリー方式の製品概要を確認。 
  • 2025年5月9日ニュースリリース:ムアララボStage-2向け地熱設備受注を確認。 
  • 富士電機公式カタログ一覧:バイナリー製品ラインアップを確認。 
  • 2015年ニュースリリース:バイナリー設備の容量展開を確認。 

三菱重工業(7011)|関連度B

会社概要

三菱重工業は、エナジー、プラント、防衛・宇宙、物流機器などを手がける総合機械メーカーです。パワー事業では蒸気タービンを幅広く展開しており、公式ページでは火力、原子力に加えて地熱発電用蒸気タービンも明示されています。大規模・高信頼性のタービン技術が強みです。 

今回のテーマとの関連性

同社の地熱タービン製品ページでは、累計100台以上、300万kW以上の納入実績を掲げています。国内でも大岳地熱発電所向け更新工事完了を公表しており、地熱の主役である蒸気タービンを供給する立場です。ただし、会社全体でみると地熱専業ではなく、テーマ寄与は設備受注ベースで見る必要があります。判定理由:製品はど真ん中ですが、全社業績への比重が読み取りにくいためB評価としました。 

注目ポイント

  • 地熱発電のコア機器である蒸気タービンを供給しているため、案件組成の拡大が間接的に関連しやすいです。 
  • 腐食性や不純物を含む地熱蒸気に対応する設計技術を公式に説明しており、技術面の参入障壁は高い領域です。 
  • 更新需要にも関与できるため、新設だけでなく既設リプレースの文脈でも見ておきたい銘柄です。 

注意点

  • 全社の事業領域が広く、地熱テーマだけで業績を語るのは難しい構造です。 
  • 地熱の受注や納入は大型案件ごとで、継続的な積み上がり型の見え方にはなりにくい面があります。 
  • 直近の地熱専用開示は多くはなく、追跡には製品ページや個別案件ニュースの確認が必要です。 

参考情報

  • 三菱重工パワー事業公式「地熱発電用蒸気タービン」:納入実績と製品概要を確認。 
  • 三菱重工パワー事業公式「蒸気タービン」:地熱を含むラインアップを確認。 
  • 2020年10月5日ニュースリリース:大岳地熱発電所向け更新工事完了を確認。 

JFEホールディングス(5411)|関連度B

会社概要

JFEホールディングスは、鉄鋼、エンジニアリング、商社機能を持つ持株会社です。今回のテーマで見るべきなのは子会社JFEエンジニアリングで、同社は地熱発電システム、地熱発電事業、地域エネルギー事業を展開しています。親会社全体では鉄鋼色が強い一方、地熱・温泉熱利用との接点ははっきりしています。 

今回のテーマとの関連性

JFEエンジニアリングは、松尾八幡平地熱発電所への出資・EPC、土湯温泉16号源泉バイナリー発電所への取り組み、森バイナリー発電所のEPC、さらに2024年には別府市の自家発用地熱発電所更新工事完了も公表しています。発電後の熱水を温泉供給に利用する事例まで見られるため、地熱発電だけでなく温泉熱利用まで含めて追いやすいのが特徴です。判定理由:接点は強いものの、上場親会社ではテーマ純度が中位のためB評価としました。 

注目ポイント

  • 温泉発電・地熱発電・EPCを同じ企業グループで見られるため、テーマの裾野を理解しやすいです。 
  • 森バイナリーや別府の更新工事など、温泉熱・未利用熱活用の実例を確認できます。 
  • JFEホールディングス自身も、エンジニアリング事業で地熱・太陽光・風力など再エネ事業を展開すると開示しています。 

注意点

  • 上場会社として見た場合、鉄鋼市況や原料価格、製鉄事業の影響が非常に大きい点は無視できません。 
  • 地熱案件は子会社ベースの個別開示が多く、親会社セグメントでの寄与度を測りにくい面があります。 
  • EPC・更新工事は案件単位の色合いが強く、継続的な積み上がりを確認するには受注開示を追う必要があります。 

参考情報

  • JFEエンジニアリング公式「地熱発電システム」:温泉発電と松尾八幡平の事例を確認。 
  • JFEエンジニアリング公式「地熱発電事業」:松尾八幡平の事業概要を確認。 
  • JFEホールディングス公式「気候変動問題への取り組み」:グループとしての地熱事業の位置づけを確認。 
  • 2024年9月30日ニュースリリース:別府市の更新工事完了を確認。 

石油資源開発(1662)|関連度B

会社概要

石油資源開発は、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産、販売を中核に据える上流企業です。会社概要では、再エネ分野として太陽光・風力・地熱・バイオマスその他の再生可能エネルギーの開発も事業内容に含めています。地下評価や掘削の技術基盤が強みの会社です。 

今回のテーマとの関連性

公式の再生可能エネルギー開発ページでは、地熱は石油・天然ガスの探鉱・開発と親和性が高い分野であり、近年は北海道や東北地方を中心に実施可能性調査を進めていると説明しています。過去には武佐岳地域での構造試錐井調査も公表しており、「掘る・評価する」側の知見を持つ関連銘柄として整理しやすい企業です。判定理由:直接運転中の主力地熱資産は確認しにくい一方、探鉱・掘削技術の接点は明確なためB評価としました。 

注目ポイント

  • 地熱を石油・天然ガス開発との技術的親和性が高い分野と公式に位置づけている点がわかりやすいです。 
  • 北海道や東北での調査実績があり、案件初期の地下評価に強い会社として見やすいです。 
  • 系統用蓄電池など再エネ周辺分野も広げており、再エネ拡大の周辺企業としても見られます。 

注意点

  • 確認できる範囲では、現在の主要利益を地熱が担っているわけではなく、株価は油ガス要因の影響が大きいです。 
  • 地熱案件は調査・実現可能性検討が中心で、商業運転資産としての見え方は強くありません。 
  • 「掘削に強い」というイメージだけでテーマ本命視すると、思惑先行になりやすい点には注意したいです。 

参考情報

  • 石油資源開発公式「再生可能エネルギー開発」:地熱の位置づけを確認。 
  • 石油資源開発公式「基本情報」:事業内容に地熱開発が含まれることを確認。 
  • 2013年8月23日ニュース:武佐岳地域の構造試錐井掘削開始を確認。 
  • 石油資源開発公式「技術情報」:周辺分野としての地熱開発を確認。 

応用地質(9755)|関連度B

会社概要

応用地質は、地質・地盤・防災・環境分野を主力とするサービス会社です。再エネ関連では洋上風力、再エネ熱、地熱などの調査・コンサルティングを展開しており、「地下を可視化する」技術を活かすタイプの銘柄です。設備メーカーではなく、案件初期の適地選定や調査に強みがあります。 

今回のテーマとの関連性

公式には「地熱発電支援サービス」を掲げ、地熱・温泉の開発や利用に関わる調査・コンサルティングを提供すると説明しています。加えて、再生可能エネルギー熱の利用支援サービスも展開しており、地熱発電そのものだけでなく、温泉熱を含む再エネ熱利用の導入支援までカバーしています。判定理由:テーマへの接点は明確で、しかも温泉熱利用にも触れている一方、全社業績への寄与は読み取りにくいためB評価です。 

注目ポイント

  • 地熱・温泉の調査とコンサルを公式に掲げており、案件初期の重要工程に関与します。 
  • 再エネ熱利用支援も行っているため、発電偏重ではなく温泉熱利用の側面からも見やすいです。 
  • 気候変動対応の機会として、地熱などの適地選定・ソリューション提供拡大を自社で示しています。 

注意点

  • 受注や売上のうち、地熱・温泉熱案件がどの程度を占めるかは確認できる範囲では限定的です。 
  • コンサル・調査会社のため、案件が進んでも後工程の設備投資額ほど業績インパクトが大きく見えにくいことがあります。 
  • 地熱テーマの高まりがすぐに大幅受注につながるとは限らず、実務の進捗を丁寧に追う必要があります。 

参考情報

  • 応用地質公式「地熱発電支援サービス」:地熱・温泉の開発・利用支援を確認。 
  • 応用地質公式「再生可能エネルギー分野」:再エネ熱利用支援と地熱支援を確認。 
  • 応用地質公式「気候変動への対応」:地熱等の適地選定機会の拡大を確認。 

大林組(1802)|関連度C

会社概要

大林組は国内大手ゼネコンで、建築・土木が収益の中心です。一方で、グリーンエネルギー事業として太陽光、風力、バイオマス、小水力、地熱なども展開しており、地熱では北海道の京極北部地域とルスツ地域で調査開発を進めています。建設会社の中では接点がはっきりした例です。 

今回のテーマとの関連性

同社の地熱ページでは、JOGMEC助成を活用し、京極北部地域とルスツ地域で井戸掘削や地熱貯留層調査を進めていると説明しています。北海道電力との共同調査も公表済みで、地熱案件形成の初期段階にはしっかり関与しています。ただし、上場株として見ると建設本業の比重が圧倒的に大きく、テーマの業績連動性は限定的です。判定理由:接点は公式で確認できる一方、収益面では周辺恩恵の色合いが強いためC評価としました。 

注目ポイント

  • 京極北部とルスツの2地域で、地熱開発調査を公式に進めている点は確認しやすいです。 
  • 北海道電力との共同調査があり、実案件の初期段階に関与していることが明確です。 
  • グリーンエネルギー事業を自社の事業領域として掲げているため、建設以外の成長テーマを見る入口にはなります。 

注意点

  • 全社業績は建設受注や不動産・海外案件などの影響が大きく、地熱テーマだけで評価しにくい銘柄です。 
  • 現在の地熱案件は調査段階であり、商業運転や収益化の時期は確認できる範囲では見通しが限定的です。 
  • 地熱関連として名前が出やすい一方、テーマ性だけで買われると実態以上に思惑先行になりやすいタイプです。 

参考情報

  • 大林組公式「地熱発電」:京極北部・ルスツ地域での調査内容を確認。 
  • 北海道電力2025年4月16日お知らせ:留寿都村での共同調査を確認。 
  • 大林組公式「Reliability」:グリーンエネルギー事業内での地熱の位置づけを確認。 

今回は除外・参考扱いとした銘柄

会社名理由
鉱研工業温泉・地熱掘削機や温泉開発事業で関連性は強いものの、2025年11月17日に上場廃止済みであり対象外です。 
東芝地熱タービンで名前が挙がりやすい企業ですが、2023年12月20日に上場廃止済みのため、現在の日本株記事の対象外としました。 
JFEエンジニアリング地熱・温泉発電では重要な実務主体ですが非上場子会社のため、今回は上場親会社のJFEホールディングスで整理しています。 
東京電力ホールディングス子会社の東京電力リニューアブルパワーがかたつむり山発電所に15%出資していますが、親会社全体ではテーマ純度が薄く、一次情報だけでは業績連動の見通しを置きにくいため参考扱いです。 

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