育成就労制度・外国人材受け入れ支援を担う日本株9社を事業構造で比較

2026年8月27日時点で、育成就労制度関連銘柄を考える際の中心は、単なる外国人採用の会社ではありません。2027年4月1日に始まる新制度では、人材育成と人材確保が制度目的となり、その前後には海外教育、採用、在留手続き、住居、日本語教育、生活・相談支援、特定技能への移行まで長い受け入れ工程があります。 

その意味で、テーマとの事業上の直接性が高いのは、フルキャストホールディングス、ヒューマンホールディングス、ウィルグループ、G-FACTORYです。いずれも既存の特定技能・外国人材事業で、人材紹介だけではなく就労後支援や教育、生活基盤まで具体的なサービスを確認できます。 

サプライチェーン型では、明光ネットワークジャパンの日本語教育、パソナグループの企業・自治体向け受け入れ支援、NISSOホールディングス傘下の日総工産による製造人材・海外教育、リログループの住居・VISA・行政手続き支援がそれぞれ異なる工程を担います。特に明光ネットワークジャパンは2026年8月時点で育成就労制度を明示した日本語学習支援を説明しており、新制度への対応を追いやすい企業の一つです。 

レオパレス21は外国籍入居者や法人需要という実需を既に取り込んでいますが、育成就労の採用・監理を担う企業ではないため周辺恩恵型として区別しました。 

今後最も重要なのは、制度名に反応して企業を選ぶのではなく、監理支援機関等の正式な許可、新制度向けサービスの開始、受け入れ人数、支援契約数、月額支援料、日本語教育利用者、住居契約数、そして関連売上・利益の開示を追うことです。2026年8月時点では申請・準備段階にあるため、既存の特定技能登録支援実績がそのまま2027年以降の育成就労事業のシェアを保証するものではありません。 

外国人材受け入れ支援は、人手不足という長期的な社会課題と関係する一方、登録支援機関だけでも多数の競合が存在します。政策支援や外国人労働者数の増加だけで企業業績を判断せず、誰から、何の対価として、いくらの売上を継続的に得られるのかまで確認することが、育成就労制度関連銘柄を見るうえで重要です。 

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

育成就労制度・外国人材受け入れ支援テーマの整理

テーマの概要

育成就労制度は、従来の技能実習制度を発展的に解消し、日本で人手不足が生じている産業分野で外国人材を原則3年間の就労を通じて育成し、特定技能1号水準につなげながら人材を確保することを目的とする新制度です。2027年4月1日の施行が予定されています。 

日本株のテーマとして見る場合、中核にあるのは単なる外国人紹介会社ではありません。外国人材を確保するには、海外での募集・教育、企業とのマッチング、在留関係の手続き、受け入れ計画、住居、日本語教育、生活オリエンテーション、相談、定着支援など複数の機能が必要になります。現行の特定技能1号でも、住居確保、行政手続き、日本語学習、相談対応など広範な支援が制度化されています。 

本記事ではこのため、外国人材の採用・紹介、在留・生活支援、日本語教育、住居の提供を中心に扱います。制度上の監理支援業務そのものについては、2026年8月時点で新制度が始まっていないため、既存の特定技能事業だけから将来の許可取得を推測しません。

サプライチェーンを簡略化すると、「海外での募集・育成」→「国内企業との採用マッチング」→「在留・行政手続き」→「住居・口座・通信等の生活基盤」→「日本語・技能教育」→「就労中の相談・定着支援」→「特定技能へのキャリア移行」という流れになります。 

初心者が特に注意したいのは、外国人労働者が増えることと、特定の上場企業の利益が増えることは別問題だという点です。登録支援機関だけでも2026年8月20日時点で11,556機関あり、非上場会社、行政書士、日本語学校、監理団体などとの競争があります。 

なぜ今注目されているのか

最大の理由は、制度開始までの準備が具体的な実務段階に入ったことです。育成就労制度を創設する改正法は2024年6月21日に公布され、施行日は2027年4月1日。2026年4月15日から監理支援機関の施行日前申請が始まり、2026年9月1日からは育成就労計画の認定についても施行前申請が始まる予定です。さらに出入国在留管理庁は2026年8月5日にも制度運用要領の改正情報を公表しています。 

制度の背景には国内の構造的な人手不足があります。厚生労働省は育成就労制度を、技能実習制度を発展的に解消し、人材育成と人材確保を目的とする制度と説明しています。特定技能制度との連続性を持たせ、育成後のキャリア形成まで見据えることも制度設計上のポイントです。 

企業側から見ると、新制度は外国人を採用すれば完了という仕組みではありません。採用後にも住居、日本語、相談、行政手続き、職場定着などの実務が発生します。したがって、人材会社だけでなく教育会社、リロケーション会社、賃貸住宅会社まで関連企業の範囲が広がります。一方で、新制度の許可・認定を取得する主体や実際の委託単価、受け入れ人数が確定しなければ、売上規模までは判断できません。 

日本株で関連銘柄を見る視点

中核事業型は、外国人材の募集・紹介、特定技能の登録支援、在留・生活支援などを直接販売している企業です。受け入れ人数や支援契約数が増えれば、紹介料や継続的な支援料へ比較的つながりやすい構造があります。

重要サプライチェーン型は、日本語教育、海外教育、住居、ビザ・生活手配など、新制度を実際に運用する際に必要になる機能を提供する会社です。テーマとの関係は強くても、育成就労そのものから料金を受け取るとは限りません。

周辺恩恵型は、外国人就労者が増えることで賃貸住宅の利用などが増える可能性がある会社です。

思惑先行注意型は、外国人関連サービスを一部持っていても、売上規模、受け入れ実績、新制度への対応状況がほとんど確認できない会社です。本稿では一次情報の接点自体が弱い企業は採用していません。

重要なのは、育成就労制度と接点があることと、連結業績への影響が大きいことは同義ではないという点です。特に大手人材・教育・不動産グループでは、関連サービスの売上を独立開示していないことが多く、制度開始後の支援人数、契約件数、単価などを継続して確認する必要があります。

関連銘柄一覧

表示順関連度位置づけ証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A中核事業型4848フルキャストホールディングス東証プライム特定技能外国人について在留手続き、住居、生活基盤、相談、定期面談まで直接提供。 既存の一気通貫支援を新制度周辺へ展開できるか関連売上非開示、監理支援機関許可は別問題
2A中核事業型2415ヒューマンホールディングス東証スタンダード日本語教育、海外教育、特定技能登録支援、介護人材受け入れをグループ内で保有。 採用・教育・定着のグループ連携外国人材事業単独の業績寄与は非開示
3A中核事業型6089ウィルグループ東証プライムウィルオブ・ワークが特定技能の人材紹介、生活支援、在留申請支援を展開。 支援人数の蓄積と業種横断展開登録支援市場の競争、関連売上非開示
4A中核事業型3474G-FACTORY東証グロース飲食業向けの外国人材紹介に加え住居、決済、日本語教育など生活・定着サービスを拡張。 外食特化型の受け入れインフラ規模が小さく、関連売上の開示が限定的
5B重要サプライチェーン型4668明光ネットワークジャパン東証プライム子会社が外国人材の採用・教育をワンストップ提供し、育成就労対応の日本語支援を具体化。 日本語教育と制度対応カリキュラム親会社全体では外国人材事業は一部
6B重要サプライチェーン型2168パソナグループ東証プライム外国籍人材の在留手続き、生活、多言語相談、定着支援や自治体向け受入支援を展開。 BPO・自治体案件との接続育成就労固有の売上は確認できない
7B重要サプライチェーン型9332NISSOホールディングス東証プライム日総工産が登録支援機関で、海外教育機関と日本語教育・採用ルートを構築。 製造業顧客と外国人材育成の組み合わせ親会社への関連業績寄与は不明
8B重要サプライチェーン型8876リログループ東証プライム外国籍社員向けに住居、VISA、銀行、行政手続きなど来日生活を一括支援。 住居・生活立ち上げの実務基盤主対象と育成就労人材の一致は未確認
9C周辺恩恵型8848レオパレス21東証プライム外国籍入居需要を実際に取り込み、自治体の外国人材受入施策とも連携。 外国人就労者増と法人賃貸需要採用・監理・在留支援を担う会社ではない

銘柄別解説

フルキャストホールディングス(4848)|関連度A・中核事業型

会社概要

フルキャストホールディングスは東証プライム上場の人材サービスグループです。短期・長期の人材サービス、業務委託、雇用関連BPOなどに加え、企業向けサービスとして外国人派遣や「特定技能による外国人採用支援」を明示しています。2026年8月7日には2026年12月期第2四半期の決算資料を公表しており、調査日時点でも上場が継続しています。 

外国人材支援はグループ全体の人材サービスの一部であり、特定技能支援だけの売上高や利益は公開情報から確認できません。

テーマとの関連性

同社の特定技能外国人人材受入れ支援は、人材紹介だけで終わらない点が特徴です。公式サービスでは、在留資格申請や各種書類作成などの「書類申請・出入国サポート」、住居手配、口座開設、ライフライン整備などの「生活サポート」、母国語での相談窓口、定期面談までを提供しています。 

さらに同社自身が特定技能1号の支援内容として、住居確保、生活オリエンテーション、公的手続きへの同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、定期面談などを解説しており、外国人を継続的に受け入れるための運用実務を事業化していることが確認できます。 

育成就労制度でも、外国人材を雇用先へ配置するだけでなく、就労・生活・日本語能力の育成を支える体制が重要になります。このため、フルキャストが既に持つ採用と生活支援の基盤は制度周辺需要との距離が近いと考えられます。

ただし、特定技能の登録支援業務を行っていることと、育成就労制度で監理支援機関として許可されることは別です。2026年8月27日時点で、本稿の調査範囲では同社が新制度の監理支援機関として正式に許可されたことまでは確認していません。

また、関連事業の売上、支援人数、利益額の継続的な定量開示は確認できないため、制度開始が連結業績へどの程度寄与するかは現時点では判断できません。

関連度Aの判定理由: 採用だけでなく在留手続き、住居、生活、相談まで特定技能外国人向けの中核サービスを直接提供しており、テーマとの距離が近い企業です。一方、育成就労制度下の許可取得や関連売上規模は今後の確認事項です。

注目ポイント

  • 既存顧客への横展開:人手不足企業に人材サービスを提供しているため、外国人材受け入れ支援を追加提案できる構造があります。 
  • 継続収益化の余地:紹介時だけでなく、生活支援や定期面談など就労後にも業務が発生するため、支援人数の増加が継続型サービスへ接続するかが注目されます。 
  • 住居・行政・生活までの対応範囲:新制度でも企業側の実務負担が大きい部分であり、一括支援の需要が増えるかが確認点になります。
  • 新制度への公式対応:育成就労向けの具体的な商品、監理支援機関許可、契約社数などが今後開示されるか確認したいところです。

注意点

  • 特定技能外国人支援単独の売上・利益は開示されていません。
  • 育成就労の監理支援機関資格が自動的に付与されるわけではありません。
  • 登録支援機関市場には多数の非上場事業者が存在し、価格競争が起こり得ます。 
  • 外国人雇用では在留資格・労働関連法令への継続的な対応が必要であり、コンプライアンス負担があります。 
  • 制度拡大とフルキャストHDの連結利益拡大を直接結びつけられる定量資料は確認できません。

参考情報

ヒューマンホールディングス(2415)|関連度A・中核事業型

会社概要

ヒューマンホールディングスは東証スタンダード上場の持株会社で、教育、人材、介護などをグループで展開します。外国人材領域ではヒューマンアカデミーの日本語教育、ヒューマンリソシアの人材事業、ヒューマンライフケアの外国人介護人材支援など複数の事業基盤を保有しています。 

2026年には海外人材事業の再編を進め、特定技能関連事業をヒューマンアカデミーへ承継するなど、採用・育成・定着を一貫して提供する体制を強化しました。 

テーマとの関連性

ヒューマンアカデミーは2026年1月、特定技能外国人と受け入れ企業向けの登録支援機関業務を開始しました。公式発表では、海外現地での教育から入国後の生活支援、就業・定着までを一貫して扱う「海外人材ワンストップサービス」と位置付けています。 

同社グループの強みは日本語教育を内部に持つことです。日本語学校での教育に加え、AI日本語会話アプリなどを活用し、入国前後の教育から就労後の定着までつなげています。育成就労制度は「育成」が制度目的に明示されるため、この教育機能は人材紹介だけを行う企業との差別化要因になり得ます。 

さらにヒューマンライフケアは介護分野で2019年から技能実習生を受け入れ、2020年9月から特定技能登録支援事業を開始しています。2026年4月時点で、自社施設を含む300施設以上に対し累計900人の外国人介護人材の採用・教育・就業支援を行い、自社介護施設でも168人が就業していると公表しています。 

インドネシアでは現地教育からビザ申請、来日、就業後の定着までを扱う特定技能トータルサポートプログラムも展開しており、海外側の人材育成拠点まで含めたサプライチェーンを持ちます。 

一方、外国人材事業単独の売上・利益は開示されておらず、教育・人材・介護各事業に分散しています。

関連度Aの判定理由: 海外教育、日本語教育、特定技能登録支援、生活・定着支援、介護現場での実際の受け入れをグループ内で持ち、育成就労が求める「育成」と「就労」の双方に直接接点があります。支援実績も定量的に開示されている点を評価しました。

注目ポイント

  • 日本語教育をグループ内に持つこと:育成就労制度で人材育成の重要性が高まる中、採用と教育を一体化できる点が注目されます。 
  • 介護分野での実績:300施設超・累計900人という支援実績が、制度変更後に拡大するかが確認点です。 
  • 海外教育拠点:日本入国前から教育する仕組みは、入国後のミスマッチや離職を抑えるサービスへつながる可能性があります。 
  • 2026年の事業再編:特定技能関連機能の集約により、外国人材事業の収益化をどこまで強化できるかが注目されます。 

注意点

  • グループ全体では教育、人材、介護など複数事業を持ち、外国人材支援単独の業績寄与は不明です。
  • 支援人数が増えても、日本語教育や生活支援に人員が必要となればコストも増えます。
  • 介護分野などでは各産業分野固有の制度・人員基準の影響を受けます。
  • 育成就労制度の監理支援機関としての将来の許可取得は、既存の登録支援機関実績とは分けて確認する必要があります。
  • 海外人材の定着率や特定技能への移行率など、制度開始後の成果指標が重要になります。

参考情報

ウィルグループ(6089)|関連度A・中核事業型

会社概要

ウィルグループは東証プライム上場の人材サービスグループです。国内の人材派遣・紹介などを手掛けるウィルオブ・ワークが、外国人材向け「JapanWork」を展開し、外国人派遣、紹介、特定技能、技能実習関連のサービスを提供しています。 

外国人材事業はグループの人材サービスとの親和性が高い一方、特定技能支援単独での売上・利益は独立開示されていません。

テーマとの関連性

ウィルオブ・ワークは、特定技能外国人について人材紹介と雇用後の管理・生活支援をサービスとして販売しています。公式サイトでは外食企業の例として人材紹介料、1人当たり月額の生活サポート費、行政書士を通じたビザ申請代行費をそれぞれ示しており、テーマ拡大がどのように売上へつながり得るかを比較的理解しやすい企業です。 

同社は2026年時点の説明で、特定技能外国人について支援実績3,400名以上としています。住居確保、公的手続き、日本語学習、相談、定期面談など、特定技能1号で必要となる支援を事業として扱っています。 

また介護分野では、同社が支援する外国人材から介護福祉士国家試験の合格者が出るなど、単なる紹介後の生活支援だけでなくキャリア形成・教育にも関与しています。 

育成就労制度では3年間の育成後に特定技能1号へつなげる構造が重要となるため、既存の特定技能支援基盤と教育機能がどこまで新制度へ広がるかが焦点です。

関連度Aの判定理由: 外国人材紹介、生活支援、在留資格関連手続き、就労後支援をすでに料金化しており、支援実績も開示されています。テーマ拡大と利用者数・月額支援料との接続構造を説明しやすいためAとしました。

注目ポイント

  • 3,400名超の支援実績:制度開始後も支援人数を伸ばせるかが重要です。 
  • 紹介料+月額支援:一時的な人材紹介収入と継続的な生活支援収入を組み合わせる構造が確認できます。 
  • 製造、外食、宿泊、介護など複数業種への対応:育成就労対象分野との重なりがどこまで広がるかを確認したいところです。 
  • 教育・資格取得支援:特定技能からより長期のキャリアへつなぐ機能が差別化要因になるかが注目されます。 

注意点

  • 3,400名という支援実績が連結売上・利益の何%に相当するかは開示されていません。
  • ビザ申請などは行政書士など外部専門家との連携が必要な領域を含みます。 
  • 登録支援機関の数が多く、価格以外の定着支援・教育品質が競争要因になります。 
  • 新制度では既存の特定技能支援とは異なる許可・監理体系が採用されるため、正式な対応状況を改めて確認する必要があります。
  • 外国人材の離職や顧客企業側の受け入れ体制不足も支援ビジネスの継続率に影響します。

参考情報

G-FACTORY(3474)|関連度A・中核事業型

会社概要

G-FACTORYは東証グロース上場企業で、飲食店向けの経営サポート事業と自社飲食事業を柱とします。経営サポートでは不動産・リースだけでなく、人材採用・定着支援を提供しており、特定技能外国人の人材紹介も本格化しています。 

大手総合人材会社より企業規模は小さいものの、対象業界を外食に絞り、人材確保と生活インフラを組み合わせている点が特徴です。

テーマとの関連性

G-FACTORYは、外食業の人手不足対策として特定技能外国人の紹介を行うだけでなく、2025年以降に周辺サービスを増やしています。外国人向けクレジットカード「GF Card」、特定技能外国人を雇用する企業向け社宅支援「GF Estate」などを立ち上げ、住居や生活基盤までサービス範囲を広げています。 

2026年には飲食業に特化した外国人向け教育「GF Academy」について、1対1レッスンの多言語対応や動画教材を拡充しています。つまり「紹介」→「生活」→「言語教育」という、育成就労制度と親和性の高い複数工程に接点を持つ構造になっています。 

公式の採用関連コンテンツでも、特定技能外国人の就業後に定期面談だけでなく税務関連の案内など生活面を継続的に支援していることを説明しています。 

一方、外国人材紹介・GF Estate・GF Card・GF Academyそれぞれの売上高や支援人数を独立して確認できる公開情報は限定的です。テーマとの事業上の直接性は高いものの、企業業績への寄与を判断するには今後の定量開示が必要です。

関連度Aの判定理由: 特定技能外国人の人材紹介を中核に、住居・決済・日本語教育まで受け入れインフラを自社サービス群として広げているため直接性は高いと判断しました。Aランクの中では、事業規模と定量開示の少なさに特に注意が必要です。

注目ポイント

  • 外食特化:顧客業界を絞ることで、職場ニーズに合わせた採用・教育を構築できるかが注目されます。 
  • 生活支援サービスの多層化:GF Estate、GF Cardなど、一人の外国人材に対して複数サービスを提供できるかが確認点です。 
  • GF Academy:新制度で重視される日本語・技能育成との接続が進むかが注目されます。 
  • 海外展開との接続:外国人材の帰国後まで見据えたキャリア構想を打ち出しており、単なる短期採用との差別化を図っています。 

注意点

  • 外国人材関連サービス単独の売上・利益・利用人数の開示は限定的です。
  • 外食業への集中は強みである一方、外食市況や店舗投資の影響を受けやすくなります。
  • 新規サービスを多数開始している段階で、継続収益として定着するかは未確認です。
  • 外国人材事業の成長投資が利益率へ与える影響も確認する必要があります。
  • 育成就労制度で必要な監理支援機関の正式な許可については、現時点で推測できません。

参考情報

  • G-FACTORY株式会社|経営サポート事業|2026年8月27日確認|外国人材を含む人材採用・定着支援が経営サポート事業の一部であることを確認。 
    URL:https://g-fac.jp/recruit/business/
  • G-FACTORY株式会社|GF Estate関連情報|2025年7月8日|特定技能外国人を雇用する企業向け社宅導入支援を確認。 
    URL:https://g-fac.jp/2025/07/08/20250705/
  • G-FACTORY株式会社|サステナビリティ|2026年8月27日確認|海外人材育成、来日・就労サポートの方針を確認。 
    URL:https://g-fac.jp/sustainability/
  • G-FACTORY株式会社|セミナー・イベント|2026年6月15日掲載情報|飲食特化型外国人教育「GF Academy」の拡充を確認。 
    URL:https://g-fac.jp/news/event/

明光ネットワークジャパン(4668)|関連度B・重要サプライチェーン型

会社概要

明光ネットワークジャパンは東証プライム上場の教育サービス企業です。個別指導塾「明光義塾」などに加え、子会社の明光キャリアパートナーズが外国人材の採用・教育・研修を支援する「MEIKO GLOBAL」を展開しています。 

親会社の中心は幅広い教育事業であり、外国人材支援が企業全体の売上・利益に占める割合は公開情報だけでは判断できません。

テーマとの関連性

MEIKO GLOBALは外国人材の採用と教育・研修をワンストップで扱います。特に2026年8月3日には、2027年4月からの新制度をテーマとした「新制度『育成就労』完全ガイド」セミナーを発表し、子会社が育成就労制度のロードマップに沿った日本語学習支援を説明することを明らかにしています。 

これは単に外国人材事業を保有しているだけでなく、新制度に合わせたサービス設計を具体的に進めていることを示す一次情報です。

また、2026年7月には物流分野の特定技能制度に対応する教育コンテンツを発表しており、外国人材向け日本語eラーニングや試験対策など、育成・資格取得側の機能を広げています。 

自治体との連携も多く、神奈川県との日本語教育推進協定や、茨城県で外国人向け日本語eラーニングを提供した実績があります。 

一方、現時点で親会社の外国人材関連売上が独立開示されているわけではなく、制度の監理そのものより「教育・採用支援」が主な接点です。

関連度Bの判定理由: 育成就労制度を明示した日本語支援を2026年に具体化しており、制度との接点は強い一方、外国人材事業の企業内重要度と連結業績への寄与が不明なためBとしました。

注目ポイント

  • 育成就労制度を明示した日本語教育サービスの拡大。 
  • MEIKO GLOBALの採用・教育ワンストップサービス。 
  • 自治体からの日本語学習関連案件の受託実績。 
  • 物流など特定技能対象業種別の教育コンテンツが広がるかが確認点です。 

注意点

  • 外国人材事業は親会社の一部事業で、関連売上・利益は独立開示されていません。
  • 日本語教育需要が増えても、無料・公的支援や多数の教育機関との競争があります。
  • 自治体案件は年度ごとの委託である場合があり、恒久的な収益とは限りません。
  • 育成就労制度で監理支援業務を直接担うかは別途確認が必要です。
  • 教育サービスの利用者数が連結業績に意味のある規模へ増えるかが重要です。

参考情報

パソナグループ(2168)|関連度B・重要サプライチェーン型

会社概要

パソナグループは東証プライム上場の総合人材サービス企業です。人材派遣・紹介、BPO、海外人材サービス、地域・自治体関連事業など幅広い事業を持ちます。外国人材領域については、パソナが企業向けの受け入れ・定着支援や自治体からの外国人材受け入れ支援事業を展開してきました。 

グループ規模が大きいため、外国人材受け入れ支援だけをテーマとして見る場合、企業全体の業績への距離には注意が必要です。

テーマとの関連性

パソナは2019年の特定技能制度開始時から、外国籍人材向けに在留資格取得手続き、来日後の生活支援、本人・受け入れ企業向け研修、多言語相談窓口を一括提供する「外国籍人材定着支援サービス」を展開しています。 

2025年には愛知県から受託した「あいち外国人材受入サポートセンター」を開設し、県内企業に外国人材受け入れの伴走支援、セミナー、外国人向け合同企業説明会などを提供しています。 

さらに2025年9月には東京都内の外国人材向け「英語対応生活支援アドバイザー窓口」を開設しており、外国人材の就業だけでなく生活面を扱うBPO・公共受託の経験があります。 

こうした実績は育成就労制度で受け入れ企業側の実務負担が増える局面と親和性があります。ただし、現段階で「育成就労制度向けサービス」が独立した主要収益源として開示されているわけではありません。

関連度Bの判定理由: 在留、生活、相談、受け入れ企業支援を実際に提供し、自治体受託案件も持つためサプライチェーン上の接点は強い一方、パソナグループ全体に占めるテーマ事業の重要度は限定的と考えられるためBとしました。

注目ポイント

  • 外国人材支援とBPOの組み合わせ。 
  • 自治体による外国人受入支援事業の受託拡大。 
  • 採用前だけでなく定着・生活支援まで扱う運用経験。
  • 新制度開始後に企業向けの育成就労対応サービスを明確に商品化するかが確認点です。

注意点

  • 外国人材支援単独の売上は確認できません。
  • グループ事業が大きく、テーマ需要が増えても連結業績への影響が小さい可能性があります。
  • 自治体受託事業は契約期間や入札状況によって変動します。
  • 新制度の監理支援機関としての位置づけは確認できていません。
  • 海外人材サービスは国・在留資格・職種が多岐にわたり、すべてが育成就労関連ではありません。

参考情報

NISSOホールディングス(9332)|関連度B・重要サプライチェーン型

会社概要

NISSOホールディングスは東証プライム上場の持株会社で、主力子会社の日総工産を中心に製造派遣、製造請負、人材紹介、人材育成などを展開します。製造業の人材不足に直接接する企業であり、外国人材については日総工産が特定技能の登録支援機関として事業を行っています。 

テーマとの直接の事業会社は親会社ではなく日総工産である点に注意が必要です。

テーマとの関連性

日総工産は2019年10月31日に特定技能制度の「登録支援機関」として登録され、公式発表では登録番号「19登-002841」、ベトナム語・英語・中国語での相談体制を公表しています。 

製造業への派遣・請負を主体とする企業が登録支援機関業務を持っていることは、育成就労制度との関係を見るうえで重要です。新制度の対象産業では、受け入れ企業の現場理解と人材育成の双方が必要になるためです。

さらに2024年5月、日総工産はベトナムの教育機関2校と、日本での就労促進と日本語教育を含む人材育成について協定・基本合意書を締結しました。教育課程に日本語・日本文化講座を組み込み、4~6カ月の教育を経て来日するスキームを公表しています。 

これは「海外教育→来日→国内就労」という育成就労制度と親和性の高い人材供給網です。ただし、このスキームが育成就労制度にそのまま採用されることを示す公表は確認できません。

関連度Bの判定理由: 登録支援機関としての実績と、海外教育から国内就労につなぐ具体的な仕組みを持つ一方、テーマ関連事業がNISSOホールディングス全体の業績に占める重要度は不明なためBとしました。

注目ポイント

  • 製造業の既存顧客基盤と外国人材支援を組み合わせられるか。 
  • ベトナム教育機関との人材育成スキームの拡大。 
  • 外国人材を単純な採用数ではなく、技能・日本語教育まで含めて育成する体制。
  • 2027年以降、育成就労から特定技能への移行人材を製造現場で支援できるかが確認点です。

注意点

  • 関連事業は事業子会社の日総工産で行われています。
  • 外国人材支援単独の売上・利益・受託人数は十分に開示されていません。
  • 2019年からの登録支援実績と、2027年の監理支援機関制度は別制度です。
  • 製造業の生産動向や顧客工場の稼働率など、人材需要以外の景気要因にも影響されます。
  • 海外教育機関との提携がどの程度の採用人数・売上へつながっているかは公開情報から判断できません。

参考情報

  • 日総工産株式会社|特定技能制度における登録支援機関の登録|2019年|登録番号、支援体制、対応言語を確認。 
    URL:https://www.nisso.co.jp/news/1239/
  • 日総工産株式会社|外国教育機関と日本での就労に関する協定及び基本合意書|2024年5月29日|ベトナムでの日本語教育・採用スキームを確認。 
    URL:https://www.nisso.co.jp/news/3354/
  • 日本取引所グループ|NISSOホールディングス 9332 上場情報|2026年8月27日確認|東証プライム上場を確認。 
    URL:https://www.jpx.co.jp/search.html?c=10&o=0&p=4&q=9332

リログループ(8876)|関連度B・重要サプライチェーン型

会社概要

リログループは東証プライム上場のサービス企業で、企業の福利厚生、借上社宅管理、海外赴任支援などを展開します。外国人材との接点は主にリロケーション・インターナショナルなどのグループ会社で、外国人社員の日本受け入れ、住居、生活立ち上げをワンストップで支援しています。 

人材を「採用する」企業ではなく、採用された人材が日本で生活を始める際のインフラを提供する会社として位置付けられます。

テーマとの関連性

リログループの公式情報では、海外赴任支援事業の一環として「外国人社員の受け入れ」を明記しています。リロケーション・インターナショナルは日系企業のグローバル展開に必要な受け入れサービスを総合的に提供しています。 

具体的なサービス内容は、住宅手配、VISA手配サポート、銀行口座開設、役所手続きへの同行、携帯電話契約、24時間365日の英語相談窓口などです。来日、滞在、帰国までの一連の生活実務を一括支援しています。 

これらは現行の特定技能1号で求められる住居確保、公的手続き、相談対応などと重なる部分が多く、育成就労制度の受け入れ企業にも必要になる可能性があります。 

ただし、公式サービスの主な対象には外国人駐在員なども含まれ、育成就労人材や特定技能外国人が主要顧客であるとは確認できません。このため中核事業型ではなく重要サプライチェーン型としました。

関連度Bの判定理由: 住居・VISA・銀行・行政手続きという外国人受け入れに不可欠な実務を事業として直接提供し、企業の外国人受け入れインフラとの関連は強い一方、育成就労人材への売上接続はまだ確認できないためBです。

注目ポイント

  • 企業の借上社宅・リロケーションという既存業務との親和性。 
  • 外国人が来日した直後に必要な複数手続きを一つの窓口で扱えること。 
  • 人材会社や受け入れ企業から生活実務を外部委託する需要が増えるか。
  • 育成就労・特定技能を明示した法人向けサービスが今後拡大されるかが確認点です。

注意点

  • 現在の外国人受け入れ支援には海外駐在員・高度人材なども含まれます。
  • 育成就労人材向けサービスの契約数・売上は確認できません。
  • 外国人材支援そのものより社宅・福利厚生等の幅広い事業が中心です。
  • 監理・人材紹介を担う企業ではありません。
  • 受け入れ支援市場では不動産会社、行政書士、登録支援機関など代替事業者が多数存在します。

参考情報

レオパレス21(8848)|関連度C・周辺恩恵型

会社概要

レオパレス21は東証プライム上場の不動産会社で、賃貸住宅の管理・運営を主力とします。外国人材については採用紹介や在留資格支援を提供する企業ではありませんが、外国籍入居者の住宅需要を実際に取り込んでおり、法人が外国人材を採用する際の「住まい」を支える周辺企業として接点があります。 

テーマとの関連性

同社はIRの市場環境ページで、人手不足を背景に外国人材の採用が進み、自社物件における外国籍利用戸数が増加し、特に法人契約が増えていると説明しています。 

さらに統合報告関連の社長メッセージでは、外国籍人材への住まい提供が収益力回復の要因の一つになったとし、利用戸数全体の11%に相当する約5万人が外国籍顧客であると説明しています。 

2025年にはYOLO JAPANと提携し、外国人が入居可能な管理物件約8万戸を外国人向け不動産サイトに掲載しました。また大阪府、高知県などと外国人材受け入れ促進に関する協定を締結しています。 

外国人材増加と住宅需要との接続は既に会社自身が認識しているため、単なる思惑だけの銘柄ではありません。しかし、育成就労制度によって何戸の追加需要が発生するか、家賃収入にどの程度上乗せされるかは公開情報から推定できません。

関連度Cの判定理由: 外国籍入居者という実需と収益への接点は確認できますが、採用、監理、日本語、在留手続きを担う企業ではありません。育成就労制度から住宅需要までに複数段階あるためCとしました。

注目ポイント

  • 外国籍入居者がすでに一定規模存在すること。 
  • 外国人採用企業との法人契約増加が続くか。 
  • 外国人向け入居可能物件の拡大。 
  • 自治体との外国人材受け入れ協定が新規契約へ接続するか。 

注意点

  • 育成就労制度の中核サービス企業ではありません。
  • 外国籍顧客全員が技能実習・特定技能・育成就労人材ではありません。
  • 外国人向け契約の増加分が売上・利益に与える影響は独立開示されていません。
  • 賃貸事業全体の入居率、賃料、物件供給などの影響の方が企業業績には大きい可能性があります。
  • 「外国人材が増える=レオパレス21の利益が同率で増える」という読み方はできません。

参考情報

今回は除外・参考扱いとした銘柄

証券コード会社名判定除外・参考扱いとした理由
4834キャリアバンク上場廃止特定技能外国人の紹介、在留・受入支援、日本語教育などテーマとの直接性は高かったものの、北洋銀行によるTOB後の手続きを経て2026年7月14日付で上場廃止。

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