量子ネットワークと量子セキュリティの関連銘柄を整理する

量子ネットワーク/量子セキュリティ関連銘柄を日本株で整理すると、現時点で本命に近いのは、QKDやPQCを公式に製品・実証・移行支援へ落とし込んでいるNEC、KDDI、NTT、ソフトバンクです。一方、浜松ホトニクス、住友電気工業、古河電気工業は、単一光子検出器や低損失光ファイバなどを担うサプライチェーン銘柄として見るのが自然です。スカパーJSATや三菱電機は、衛星QKDや量子機器間接続という独自性がある半面、商用化や量産化の確認が今後の焦点になります。思惑先行を避けるには、実証から有償サービスへ進んだか、顧客・受注・関連売上の開示が出たか、標準化や政策支援がどこまで具体化したかを継続確認したいところです。 

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

テーマの整理

テーマの概要

量子ネットワークは、光子などの量子状態を使って情報を伝えたり、将来的には量子コンピューターや量子センサー同士をつないだりするための通信基盤です。代表例が量子鍵配送(QKD)で、盗聴が起きると量子状態の変化として検知できる点が特徴です。一方、量子セキュリティはQKDだけではなく、量子コンピューターでも破られにくい耐量子暗号(PQC)への移行も含みます。実際の市場では、通信事業者、暗号移行支援会社、衛星通信事業者、低損失光ファイバメーカー、単一光子検出器メーカーなどがつながって初めて商流が見えてきます。そのため、日本株で関連銘柄を探すときは、「量子コンピューター本体」ではなく、「通信網」「暗号」「光部材」「衛星」「運用移行支援」を分けて見るのが重要です。 

なぜ今注目されているのか

注目が強まっている背景には、米NISTが2024年8月に最初のPQC標準を正式化し、日本でもCRYPTRECがPQCガイドラインを公表していることがあります。加えて、内閣府は「量子未来産業創出戦略」や「量子産業の創出・発展に向けた推進方策」を公表し、量子技術の社会実装と産業化を後押ししています。通信の現場でも、KDDIは商用ネットワーク上でQKDとPQCを使った大容量伝送を実証し、SoftBankやNTTも量子セキュアネットワークや耐量子セキュアトランスポートの実証を進めています。研究だけでなく、移行準備や実装の段階に入ってきたことが、量子ネットワーク関連銘柄が見直されやすい理由です。 

日本株で関連銘柄を選ぶ視点

量子ネットワークや量子セキュリティの日本株を見るときは、まず公式資料でQKD、PQC、量子通信、量子インターネット、衛星量子鍵配送などが明記されているかを確認したいところです。次に、通信キャリアやシステム会社のように顧客導入へ近い本命候補、単一光子検出器や低損失光ファイバを供給するサプライチェーン銘柄、衛星通信や宇宙実証のような周辺恩恵銘柄に分けると整理しやすくなります。逆に、古い研究実績や展示会説明だけで、顧客、実証環境、サービス化、移行支援、関連売上の記述が薄い場合は、思惑先行になりやすいと見ておくのが無難です。 

関連銘柄一覧

No.関連度証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A6701日本電気東証プライムQKDとPQC移行支援を公式に展開し、量子暗号の専用ページも持つ。BB84とCV-QKDの両対応、IOWN関連実証。業績への寄与額は公開情報だけでは切り分けにくい。
2A9433KDDI東証プライム商用ネットワーク上でQKDとPQCを使った大容量伝送実証を公表。AIデータセンター間接続や専用線用途に近い。実証段階の色合いがまだ強い。
3A9432NTT東証プライム耐量子セキュアトランスポートとセキュア光ネットワークを公式発表。光通信基盤と暗号研究の厚み。巨大グループの中でテーマ単独の影響は見えにくい。
4A9434ソフトバンク東証プライムQKD-VPN、光無線QKD、PQC、量子インターネット研究を継続。Beyond 5G/6Gとの接続がわかりやすい。商用収益化の時期はなお見極めが必要。
5B9412スカパーJSAT東証プライム衛星を用いたQKDサービスの社会実装を掲げ、SpeQtralと資本業務提携。衛星量子暗号という差別化要素。商用化前で、宇宙案件特有の不確実性が大きい。
6B6503三菱電機東証プライム複数量子デバイス接続や光量子インターフェースの共同研究を進める。量子機器間接続というテーマ直結の研究。現時点ではR&D色が強い。
7B6965浜松ホトニクス東証プライム量子技術向けに単一光子検出・カメラ・変調器などを供給。フォトニクス部材の中核候補。部材供給企業のためテーマ売上を測りにくい。
8B5802住友電気工業東証プライム低損失・多心光ファイバを展開し、量子通信への適用を公式に明記。通信インフラ側の本命候補。量子用途は広い情報通信事業の一部にとどまる。
9C5801古河電気工業東証プライム量子暗号通信の研究開発委託事業採択や基礎研究を公式に確認できる。光ファイバ・光部品の基盤技術。直近の業績連動は確認しにくく、思惑先行に注意。

銘柄別解説

日本電気(6701)|関連度A

会社概要

日本電気は、公共、通信、ITサービス、社会インフラを主軸とする日本の大手ICT企業です。官公庁向けや社会基盤向けのシステムに強く、デジタル政府、通信、セキュリティ、ネットワーク運用などの領域で存在感があります。量子テーマでは、単なる研究機関というより、通信事業者や大口顧客向けに実装を意識した暗号・ネットワーク技術を扱えるのが特徴です。 

今回のテーマとの関連性

NECは公式に「NECの量子暗号」という専用ページを持ち、日本企業では唯一、BB84方式とCV-QKD方式の双方に取り組むと説明しています。さらに、2025年にはIOWN Open APN向け実証環境で量子鍵配送装置を使った高速データ通信との共存伝送を公表し、2026年にはPQC移行方針策定支援サービスも開始しました。量子暗号そのものと、量子時代に向けた暗号移行支援の両方を一次情報で確認しやすいため、A判定としました。 

判定理由:QKDとPQCの両面で、研究だけでなく実証や支援サービスまで公式に確認できるためです。テーマとの接続が最も明快な日本株のひとつです。 

注目ポイント

  • 日本企業では唯一、BB84方式とCV-QKD方式の双方に取り組むと公式説明しており、方式分散の強みがあります。 
  • IOWN Open APN向け実証では、QKD信号と47.2Tbps相当のデータ通信用光信号の共存を確認しており、実装寄りの検証が進んでいます。 
  • 2026年開始のPQC移行方針策定支援サービスは、量子暗号装置の普及前でも収益化余地を持ちやすい周辺サービスです。 

注意点

  • NEC全体は公共・IT・通信インフラの大企業であり、量子暗号関連だけの業績影響は公開情報だけでは読み取りにくい面があります。これは会社規模からの見方として押さえておきたい点です。 
  • high-security用途向けの採用は期待しやすい一方で、一般企業まで一気に広がるとは限らず、導入ペースは段階的になりやすいと見られます。 
  • QKD方式やPQC方式は標準化や顧客要件の影響を受けやすく、どの方式が広く採用されるかは継続確認が必要です。 

参考情報

  • 会社公式「会社概要」:事業内容・企業規模の確認。 
  • 会社公式「NECの量子暗号」:BB84方式とCV-QKD方式への取り組み確認。 
  • 2025年7月28日発表:IOWN Open APN向け実証環境でのQKD共存伝送を確認。 
  • 2026年2月27日発表:PQC移行方針策定支援サービスの開始を確認。 

KDDI(9433)|関連度A

会社概要

KDDIは総合通信事業者で、個人向けのモバイル・FTTHから法人向けネットワーク、データセンター、DX、セキュリティまで幅広い事業を展開しています。量子ネットワーク/量子セキュリティの文脈では、通信キャリアとして自社の商用ネットワークやデータセンターを使い、技術の実用性を実証できる立場にある点が強みです。 

今回のテーマとの関連性

KDDIは2026年2月、商用ネットワーク上でQKDとPQCを使った共通鍵配送により、57.6Tbpsの大容量データ伝送に成功したと発表しました。用途として金融機関、医療機関、AIデータセンター間接続を想定しており、量子セキュリティを実際の通信サービスへ近づける動きとしてわかりやすい事例です。加えて、KDDI総合研究所はPQC候補方式の安全性検証でも成果を公表しており、量子セキュリティの研究基盤も持ちます。こうした点からA判定としました。 

判定理由:通信キャリアとしての実証環境を持ち、QKDとPQCの両方を商用網で検証しているためです。研究だけでなく、導入ユースケースまで明示されている点を重視しました。 

注目ポイント

  • 商用ネットワークとデータセンターを使った実証であり、研究所内の閉じた実験より一歩先の段階にあります。 
  • ユースケースとして専用線、金融、医療、AIデータセンター間接続が明示されており、読者にも市場イメージを持ちやすいです。 
  • KDDI総合研究所はPQCの安全性検証でも継続的に成果を出しており、QKD頼みではない量子セキュリティ体制が見えます。 

注意点

  • 公開情報では、現時点の中心は実証とサービス検討であり、量子セキュリティ単独の収益規模までは読み取れません。これは確認できる範囲での整理です。 
  • QKDは装置や回線設計の制約があるため、すべての法人顧客へ一律に広がるというより、高機密用途から段階的に広がる可能性があります。 
  • キャリア間競争、標準化の進み方、暗号方式の選択によって、最終的な商用形態が変わる余地があります。 

参考情報

  • 会社公式「会社概要」:事業内容と企業規模の確認。 
  • 会社公式「KDDIの事業」:通信・法人事業の位置づけ確認。 
  • 2026年2月18日発表:商用ネットワーク上でのQKD+PQC実証と用途の確認。 
  • 2025年1月27日・2024年8月23日発表:PQC関連の安全性検証・暗号解読成果の確認。 

NTT(9432)|関連度A

会社概要

NTTはNTTグループの持株会社で、グループ全体の経営戦略の策定と基盤的研究開発を担います。グループとしては移動通信、地域通信、グローバルソリューションなど幅広い事業を持ち、光通信と情報セキュリティの研究基盤が厚いのが特徴です。量子テーマでは、通信網そのものと暗号更新の両側面から関われるポジションにあります。 

今回のテーマとの関連性

NTTは2024年10月、通信を止めずに暗号方式を切り替えられる世界初の耐量子セキュアトランスポートシステムを開発したと公表しました。さらに、NTTとオリンパスは、量子コンピュータでも攻撃しにくいセキュア光トランスポートネットワーク技術を使って、内視鏡とクラウド間の情報保護を検証する共同実証を開始しています。QKD専業ではありませんが、量子時代に向けた通信インフラと暗号更新のコア技術を押さえているため、A判定としました。 

判定理由:量子時代の暗号移行で重要な「クリプトアジリティ」と光トランスポートを、公式リリースで明確に確認できるためです。テーマど真ん中の装置販売企業ではないものの、基盤インフラの本命候補に近い存在です。 

注目ポイント

  • 光通信と情報セキュリティの基盤研究を長年積み上げており、通信インフラ側から量子セキュリティを押し上げる立場です。 
  • 耐量子セキュアトランスポートは、通信停止なしに暗号方式を切り替えるという実務的な強みがあり、PQC移行期の需要と相性が良いです。 
  • IOWNやセキュア光トランスポートの文脈で、医療分野など具体的な実証が出ている点も確認しておきたいところです。 

注意点

  • NTTは巨大な持株会社であり、量子ネットワーク関連の進展がそのまま連結業績へ大きく跳ねるとは限りません。公開情報ではテーマ単独の影響を見極めにくい銘柄です。 
  • 量子セキュリティ関連は研究・実証・実装準備が混在しており、商用サービスの広がり方には時間差が出やすいです。 
  • QKDよりPQCや光トランスポート寄りの色合いが強いため、読者が想定する「量子暗号専業」とは少し違う位置づけです。 

参考情報

  • 会社公式「会社概要」:NTTが持株会社であることと企業規模の確認。 
  • 会社公式「NTTグループについて」「事業案内」:グループの事業構造確認。 
  • 2024年10月30日発表:耐量子セキュアトランスポートシステムの確認。 
  • 2024年3月27日発表:オリンパスとのセキュア光トランスポート共同実証の確認。 

ソフトバンク(9434)|関連度A

会社概要

ソフトバンク株式会社は、移動通信、固定通信、インターネット接続、法人向けソリューションを展開する総合通信企業です。コンシューマ、エンタープライズ、ディストリビューションなど複数事業を持ちますが、量子ネットワークの観点では、Beyond 5G/6Gを見据えた先端ネットワーク研究と法人ネットワークの両方を持つのが特徴です。 

今回のテーマとの関連性

ソフトバンクは東芝デジタルソリューションズと、QKDを使ったIPsec QKD-VPNの実証に成功しており、2024年には光無線を活用したQKD実証も公表しました。加えて、PQCと既存暗号のハイブリッド実証、既存インターネットと量子ネットワークを融合させるハイブリッドネットワーク研究も紹介しています。量子ネットワークと量子セキュリティを、通信事業者として具体的に検証しているためA判定です。 

判定理由:QKD、PQC、量子インターネット研究がすべて一次情報で確認でき、通信サービスへの組み込みも視野に入っているためです。研究テーマの横展開が多い一方、基盤通信との接続が明快です。 

注目ポイント

  • QKD-VPN実証は、量子暗号を既存の法人ネットワークへどう載せるかという実装面を意識しています。 
  • 光無線を使ったQKD実証は、将来の6Gや非地上系ネットワークとの接続を考えるうえで差別化材料になります。 
  • PQCのハイブリッド実証や量子インターネット研究も並行しており、QKD一本足ではない点が注目点です。 

注意点

  • 公開情報では、現時点の中心は共創・実証であり、量子セキュリティの商用収益規模までは見えにくい段階です。 
  • QKD装置や一部検証はパートナー企業との連携で進んでおり、サプライヤー依存や方式選択の影響を受けやすい面があります。 
  • Beyond 5G/6Gの文脈は魅力的ですが、投資家視点では時間軸が長くなりやすい点を織り込んで見たいところです。 

参考情報

  • 会社公式「会社概要」:事業内容と企業規模の確認。 
  • 会社公式「事業紹介」:エンタープライズ事業等の位置づけ確認。 
  • 2023年9月20日発表:IPsec QKD-VPN実証の確認。 
  • 2024年3月19日・2025年5月7日・2025年3月13日掲載:光無線QKD、PQC実証、量子インターネット研究の確認。 

スカパーJSAT(9412)|関連度B

会社概要

スカパーJSATは、宇宙事業とメディア事業を展開する上場企業です。宇宙事業では衛星通信やデータ活用を担い、非地上系の通信インフラに強みがあります。量子関連では、地上光ファイバが届きにくい領域を含め、高秘匿通信を衛星側から支えるプレーヤーとして位置づけやすい企業です。 

今回のテーマとの関連性

スカパーJSATは、将来的に利用者ニーズに合った形での衛星QKDサービスの社会実装を目指すと公式に説明しています。さらに2026年1月には、衛星ベースQKDのSpeQtralへ資本業務提携を行い、2025年にはJAXA宇宙戦略基金の「衛星量子暗号通信技術の開発・実証」へ参画しました。衛星量子暗号という独自性は大きい一方、現時点では本格商用前と見られるためB判定としました。 

判定理由:テーマとの接点はかなり強く、用途も明確ですが、売上化はまだこれからの色合いが強いためです。直接関連だが、業績連動の見え方はA銘柄より一段弱いと考えました。 

注目ポイント

  • 地上の光ファイバ網だけでは届きにくい地域や移動体との高秘匿通信という、独自の市場を狙いやすい点が特徴です。 
  • SpeQtralとの資本業務提携により、衛星QKDの商用化を前に進める姿勢が明確です。 
  • JAXA宇宙戦略基金の案件や、ISSと地上間での秘密鍵共有実験など、実証の積み上げが確認できます。 

注意点

  • 公式情報では「将来的な社会実装」を掲げる段階であり、現時点の収益寄与は確認しにくい点に注意したいところです。 
  • 宇宙案件は打ち上げ、実証、規制、衛星調達など不確実性が大きく、時間軸が読みづらいです。 
  • 会社全体ではメディア事業も持つため、量子暗号テーマが株価材料化しても業績面の見方は分けて考える必要があります。 

参考情報

  • 会社公式「事業概要」「スカパーJSATについて」:宇宙事業とメディア事業の確認。 
  • 会社公式「将来への取り組み 衛星を用いた量子鍵配送サービス」:衛星QKDの社会実装方針確認。 
  • 2026年1月28日発表:SpeQtralへの資本業務提携の確認。 
  • 2025年8月20日発表:JAXA宇宙戦略基金案件への参画確認。 

三菱電機(6503)|関連度B

会社概要

三菱電機は、社会システム、電力、防衛・宇宙、FA、ITインフラ、電子デバイスなどを手がける総合電機メーカーです。通信や光デバイス、宇宙、制御の技術基盤を持ち、量子テーマでは単独の専業企業というより、量子機器間接続や周辺ハードウェアを担うタイプの関連銘柄として見るのが自然です。 

今回のテーマとの関連性

三菱電機は2025年2月、Quantinuum、SoftBank、慶應義塾大学などと、実環境で複数量子デバイスを接続する共同研究を発表しました。さらに2025年4月にはNanoQTと、中性原子量子コンピュータ間を高効率に接続するための光量子インターフェース実証を開始しています。量子コンピュータ本体ではなく、「接続技術」に一次情報で踏み込んでいる点を評価し、B判定としました。 

判定理由:テーマとの接点は明確ですが、現段階では研究開発色が強く、事業インパクトはまだ限定的と見られるためです。量子ネットワークの将来の接続層として押さえる位置づけです。 

注目ポイント

  • 複数量子デバイスを実環境で接続する共同研究は、量子ネットワークの文脈に直結しています。 
  • NanoQTとの実証では、原子と光子のインターフェースを通じた高効率接続を狙っており、ネットワーク接続技術として読みやすいです。 
  • 通信、宇宙、制御、電子デバイスを持つ総合電機のため、周辺技術を束ねて展開できる余地があります。 

注意点

  • 現時点では共同研究・実証段階であり、売上や受注へのつながりは公開情報だけではまだ追いにくいです。 
  • 三菱電機全体では事業領域が非常に広いため、量子ネットワーク関連だけで株価を説明するのは難しい面があります。 
  • 量子機器間接続は有望でも、商用標準や本格導入時期が固まるまで時間がかかる可能性があります。 

参考情報

  • 会社公式「プロフィール」「三菱電機について」:事業領域と企業規模の確認。 
  • 2025年2月27日発表:複数量子デバイス接続の共同研究内容を確認。 
  • 2025年4月24日発表:NanoQTとの量子コンピュータ相互接続技術の実証確認。 

浜松ホトニクス(6965)|関連度B

会社概要

浜松ホトニクスは、光電子増倍管、イメージ機器、光源、光半導体素子、計測装置、レーザ装置などを手がけるフォトニクス企業です。研究用途から産業用途まで広く光関連部材を供給しており、量子ネットワークや量子暗号の分野では、システム本体よりも「光を扱う部材・検出器」の供給企業としての見方がしやすい銘柄です。 

今回のテーマとの関連性

同社の量子技術ページでは、量子ネットワークの必要性を説明し、量子技術向けに検出器、カメラ、変調器などを提供するとしています。さらにSPADモジュールのページでは、単一光子検出用途や量子関連用途を明示しています。QKDや量子通信を構成する目と耳に近い部材供給企業として、B判定が妥当と見ました。 

判定理由:量子ネットワークそのものの運営企業ではありませんが、単一光子検出やフォトニクス部材はサプライチェーン上かなり重要です。売上開示の面では直接性が一段落ちるためBとしました。 

注目ポイント

  • 量子技術向けの公式ページで、量子ネットワークとその必要部材を明示している点は強みです。 
  • SPADモジュールなど単一光子検出用途の製品は、量子暗号や量子通信の周辺部材として重要です。 
  • システムの勝ち負けに左右されにくい部材供給ポジションは、周辺恩恵銘柄として見やすいところです。 

注意点

  • 浜松ホトニクス全体の売上は多用途で構成されており、量子ネットワーク関連だけの寄与を公開情報から定量把握するのは難しいです。 
  • 量子向け需要は研究開発案件の比率が高くなりやすく、量産フェーズへ移るまで時間差が出る可能性があります。 
  • 部材メーカーである以上、最終的な商流はシステムベンダーや研究機関の投資動向に左右されます。 

参考情報

  • 会社公式「会社概要」:主要営業品目と東証プライム上場の確認。 
  • 会社公式「量子技術」:量子ネットワークの必要性と提供部材の確認。 
  • 会社公式「SPAD modules」:単一光子検出用途と量子関連用途の確認。 

住友電気工業(5802)|関連度B

会社概要

住友電気工業は、環境エネルギー、情報通信、自動車、エレクトロニクス、産業素材の五つの事業分野を展開する大手素材・インフラ企業です。量子ネットワークの観点では、情報通信分野における光ファイバ・光ケーブル・光関連技術が主な注目点になります。通信インフラの根幹を握る企業として見ておきたい銘柄です。 

今回のテーマとの関連性

住友電工の超低損失ファイバ特設ページでは、同社のファイバが「secure optical communicationを支える」「quantum communicationを可能にする」と説明されています。また、0.14dB/kmの極低損失光ファイバの量産化や、極低損失マルチコア光ファイバの量産化も公表しています。QKDや将来の量子ネットワークで重要になる低損失・大容量の光伝送基盤を担う企業として、B判定としました。 

判定理由:量子通信の土台である光ファイバを供給できる点は重要ですが、量子用途が事業の中心ではないためです。サプライチェーンの中核候補として整理しやすい銘柄です。 

注目ポイント

  • 会社公式が量子通信への適用を明記している点は、単なる連想銘柄ではない根拠になります。 
  • 極低損失ファイバは長距離伝送でのメリットが大きく、量子鍵配送などの通信品質課題と相性が良いです。 
  • マルチコア光ファイバの量産化は、次世代の大容量光通信インフラ需要にもつながる材料です。 

注意点

  • 量子通信は住友電工の幅広い情報通信事業の一用途であり、テーマ単独の業績寄与は読み取りにくいです。 
  • 通信インフラ投資は景気や設備投資サイクルの影響を受けやすく、テーマが伸びても業績反映には波が出ます。 
  • 低損失ファイバや多心ファイバは重要でも、採用は通信事業者やシステム全体設計との組み合わせで決まる点を見ておきたいです。 

参考情報

  • 会社公式「会社概要」:事業分野と企業規模の確認。 
  • 会社公式「PureAdvance」特設ページ:量子通信への適用明記を確認。 
  • 2020年12月18日・2023年9月22日発表:極低損失ファイバと極低損失マルチコア光ファイバの量産化確認。 

古河電気工業(5801)|関連度C

会社概要

古河電気工業は、メタル、ポリマー、フォトニクス、高周波のコア技術を強みに、情報通信、エネルギー、自動車、エレクトロニクスなどへ製品・サービスを提供するインフラ系メーカーです。光ファイバ、光部品、サブシステムなど光通信の裾野が広く、量子ネットワークでも基礎技術面の接点は持っています。 

今回のテーマとの関連性

古河電工は2020年、量子暗号通信に関する総務省の研究開発委託事業への提案採択を公表しました。また、会社説明では、光学技術による量子暗号通信の実現に向けた基礎研究に取り組んでいると記載しています。一次情報で接点は確認できる一方、直近の事業化や業績へのつながりは読み取りにくいため、今回はC判定としました。 

判定理由:関連性はあるものの、確認できる範囲では研究・基礎開発の色合いが強く、現在の企業価値への反映度を一次情報から判断しにくいためです。思惑先行を避ける観点でCにとどめました。 

注目ポイント

  • 光ファイバ、光部品、サブシステムなど、量子ネットワークの土台になり得るフォトニクス技術を持っています。 
  • 総務省の量子暗号通信関連プロジェクトで採択実績があり、テーマとの接点が公式に確認できます。 
  • 基礎研究を継続している点は、長期的には周辺恩恵の候補として見ておけます。 

注意点

  • 量子暗号関連のリリースは比較的古く、直近の収益化や顧客導入の説明は確認できる範囲で限定的です。 
  • 会社全体では情報通信以外の事業比重も大きく、量子テーマだけで業績を論じにくいです。 
  • こうした銘柄は、ニュースの見出し先行で評価されやすい半面、決算資料で具体性が出るかを見ないと判断がぶれやすいです。 

参考情報

  • 会社公式「会社概要」:事業内容とコア技術の確認。 
  • 2020年6月9日発表:総務省の量子暗号通信研究開発委託事業への提案採択確認。 
  • 会社公式「事業紹介」:量子暗号通信の実現に向けた基礎研究の記載確認。 

除外・参考扱い

会社名理由
東芝量子暗号では重要企業ですが、2023年12月20日に上場廃止となったことが確認できるため、本文の日本株対象から除外しました。 
富士通過去の量子暗号研究実績は確認できますが、直近の公式発信は量子コンピューター本体やハイブリッド計算基盤の比重が高く、今回の量子ネットワーク/量子セキュリティ特化の記事では優先度を下げました。 
沖電気工業過去の年次資料では量子暗号研究が確認できる一方、直近の一次情報で事業寄与や現在の重点領域として追える情報が限られるため、今回は参考扱いにとどめました。 

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