超加工食品(UPF)問題の関連銘柄

下記の記事で紹介した超加工食品(UPF)問題の関連銘柄を探してみた。
超加工食品(UPF)とは:肥満・メンタル・経済影響までメモ【世界と日本の対策も網羅】 | ブルの道、馬の蹄跡

この会社も!などあればコメント欄にお願いします。

日清食品ホールディングス(2897)

会社HP:https://www.nissin.com/jp/

どんな会社?

日清食品グループを束ねる持株会社で、国内即席麺/海外即席麺/チルド・冷凍食品/菓子・飲料の4セグメントで事業を展開しています。
主力ブランドは「カップヌードル」「チキンラーメン」「日清のどん兵衛」「日清焼そばU.F.O.」「日清カレーメシ」など(明星の「一平ちゃん」等も含む)。
特に「カップヌードル」は、世界100カ国で販売されるグローバルブランドとして位置付けられています。

なぜ関連銘柄?

今回のテーマ(超加工食品=UPF)では、NOVA分類などで粉末・包装のインスタントスープ/麺(instant noodles)がUPF(超加工食品)に含まれると整理されます。
つまり日清の中核である即席麺は、UPF規制(表示・広告・学校・病院など)、健康志向(減塩・低糖質・高たんぱく)、研究の積み上がりによる社会的圧力の影響を最も直接受けるカテゴリー側にいます。

一方で同社は、UPF批判が強まる局面で重要になる製品の栄養改善を仕組み化しており、食塩・糖・脂質のコントロールに加えて、たんぱく質・食物繊維・ビタミン・ミネラル等の強化や、簡潔で有用な栄養表示を掲げています。

注目ポイント

  • 健康化(減塩・高たんぱく・低糖質)を技術とブランドで商品化できる
    研究開発拠点「the WAVE」を核に、減塩技術、植物性たんぱく質素材、味覚メカニズム、乳酸菌素材などを挙げており、糖質オフ・減塩・機能性表示食品などの開発に結び付けています。例として「カップヌードルPRO 高たんぱく&低糖質さらに塩分控えめ」など、即席麺のど真ん中で健康訴求の商品展開が確認できます。
  • UPF批判に対する回答になり得る完全メシ
    日本人の食事摂取基準で設定された33種類の栄養素をうたい、独自の減塩技術にも言及しています。
  • 栄養改善をスコア化して、継続改善できる体制(NISSIN-NPS)
    自社の栄養プロファイリング(NISSIN-NPS)で、飽和脂肪酸・ナトリウム等と、たんぱく質・食物繊維等を加味して評価し、2030年までに栄養改善した製品比率を50%などの目標を掲げています。もし各国で前面表示や栄養スコア型の政策が強まると、こうした内製スコアリングは対応力になり得ます。
  • グローバル展開=各国の規制・嗜好の変化に合わせて設計できる余地
    カップヌードルを中心に、各地域の嗜好・市場環境に合わせた戦略を取る方針が示されています。

注意点

  • UPFの定義・政策設計はブレやすい(学術的な争点が残る)
    UPF(NOVA)概念自体は広く使われていますが、分類の妥当性や政策適用の難しさを巡る議論もあります。政策がUPF一括なのか塩分・糖・脂質しきい値なのかで、企業への影響が変わります。
  • 健康化はコストと味のトレードオフになりやすい
    減塩・栄養強化・原材料置換は、原価や味の最適化が難しく、価格転嫁・需要の反応を読み違えるとブランド毀損にもつながります。
  • 原材料高などの外部要因で採算が振れやすい
    直近の説明資料でも、国内即席麺で売上は増えたが原材料コスト増などで利益が減った趣旨の記載があります。健康対応とは別軸で、コスト環境は要注意です。
  • 海外は国・地域ごとにアウト判定が違う
    例えば前面警告ラベル、子ども向け広告、学校での販売ルールなどは国により設計が異なるため、グローバルほど制度対応の運用負荷が積み上がります(ただし対応できれば競争優位にもなり得ます)。

銘柄分析

日清食品ホールディングス(2897)は、「カップヌードル」「どん兵衛」などの即席めんを稼ぐエンジンにしつつ、米州・中国など海外でも売上を積み上げるグローバル食品メーカーです。特徴は、①ブランド力で新製品や価格戦略を打ちやすい一方、②原材料・物流コストや為替、さらに海外(特に米国の数量動向)で利益が振れやすい点です。

直近では、2026年3月期(通期)の会社計画(2025-11-10に修正)として「売上収益 792,000百万円/営業利益 60,500百万円/親会社帰属当期利益 43,000百万円」を掲げています(期初は営業利益レンジ開示でしたが、足元を踏まえて下方修正が入っています)。
一方で、2026年3月期の上期(4〜9月)実績は「売上収益 373,240百万円(前年差△1.3%)/営業利益 31,821百万円(同△23.6%)」と減収減益でした。通期計画を達成するには、下期での利益率の持ち直しがポイントになりそうです。
中身を見ると、国内は売れる新商品が効いて売上は底堅い一方、原材料価格や物流費の上昇で利益が押されやすい構図です(例:日清食品セグメントは増収でも減益)。
海外は米州が重めで、米国の販売数量減少や拡販費増などが利益を圧迫しやすいのが今の課題です。
逆に、チルドは猛暑で冷し中華などが伸びた、飲料はピルクル系の追い風が一服…のように、同じ食品でもドライバーがバラけているのが日清HDのおもしろさ(分析の難しさ)でもあります。

財務面は比較的しっかりしていて、直近の中間期末(2025-09-30)でも現金及び現金同等物は83,049百万円。加えて、自己株買い(上期で約204億円の取得)や消却も実行しており、株主還元と資本効率を意識した動きが見えます。配当は会社予想で年70円を維持、現時点の配当利回りは約2.26%水準です。

まとめると、日清食品HDは「強いブランド×海外展開のディフェンシブ銘柄」ですが、今は米州の失速とコスト高が利益の重石になりやすい局面です。見るべきポイントは下記のとおりです。
①米州(特に米国)の数量と拡販費
②国内のコスト転嫁(価格・ミックス)と原材料/物流
③為替影響を除いた実力値の伸び
④自己株買い・配当など資本政策

カルビー(2229)

会社HP:https://www.calbee.co.jp/

どんな会社?

カルビーは、じゃがいもなどの自然素材を軸にスナック菓子とシリアル(グラノーラ等)を展開する食品メーカーです。統合報告書では、日本におけるスナック市場シェア51.9%、シリアル市場シェア37.8%(いずれも日本・金額ベース)を掲げています。
主力ブランドは「ポテトチップス」「堅あげポテト」「じゃがりこ」「Jagabee(じゃがビー)」「かっぱえびせん」「サッポロポテト」など(公式のブランド一覧に掲載)。

素材企業っぽい顔も持っていて、契約農家と連携した調達も強みのひとつとして示されており、統合報告書には契約じゃがいも農家約1,600、日本でのじゃがいも調達371,000トンなどが記載されています。また、海外も含め12の国・地域で事業展開とされています。
(出自もユニークで、戦後の栄養不足を背景に未利用資源を栄養のあるスナックに変えるという思想を起点にしている、と説明しています。)

なぜ関連銘柄?

今回のテーマである超加工食品(UPF)の議論では、NOVA分類などで「甘い/しょっぱい包装スナック(packaged snacks)」がUPFの代表例として挙げられます。
カルビーの中核はまさにこの領域(ポテチ・スナック)なので、社会の視線が個人の嗜好から公衆衛生(肥満・心血管・メンタル)と医療費へ移るほど、次の影響を受けやすい位置にいます。
カルビー自身も、健康志向の強まりを前提に減塩・食塩不使用・たんぱく質訴求を明確に打ち出しています。

注目ポイント

  • UPF批判への回答になり得る商品設計(減塩・食塩不使用)
    カルビーは塩分を適正にコントロールすべき栄養成分として着目し、部門連携で最適な塩分量を検討すると説明。さらに食塩不使用の『休塩おやつシリーズ』を2025年2月から数量限定で展開、通年で「かっぱえびせん 塩分35%カット」「1才からのかっぱえびせん」なども挙げています。
  • 健康寄りの成長領域をちゃんと持っている(シリアル・豆スナック)
    同ページでは、たんぱく質に注目した商品としてシリアルや豆スナックを例示し、「フルグラ 糖質オフ」「マイグラ プロテイン」「miino」など具体商品も並べています。
  • 会社としてKPI化している(その場しのぎじゃない)
    統合報告書2025では、マテリアリティのKPIとして食塩不使用/低塩/減塩商品の拡大、高たんぱく商品の拡大を明記しています。
  • スナック事業の攻めも同時進行(競争力強化)
    2025年12月の発表で、連結子会社ジャパンフリトレーの営業・物流機能をカルビーに移管し、2026年10月に統合する方針を出しています(効率化と競争力強化が狙い)。
    UPF論争が強まるほど売り方も問われるので、ここはプラスにもマイナスにも働き得る注目点です。

注意点

  • UPFの定義は政策実装で揺れやすい
    NOVAは研究で広く使われますが、分類が粗い/栄養価を見ない等の論点もあり、規制がUPF一括なのか塩・糖・脂肪の閾値なのかで影響が変わります。
  • 健康化は味・価格・ブランドの三すくみ
    減塩・食塩不使用・たんぱく強化は、配合や工程が難しくなりがちで、コストや嗜好性とのトレードオフが出やすい。
  • 原材料(じゃがいも)×気候リスク
    統合報告書には、気候変動に備えた耐暑性品種の開発などの記述もあり、裏を返すと原料調達は気候影響を受けやすい領域です。
  • 広告・販促の縛りが強まると主戦場に直撃
    子ども向けマーケや販促が社会的に問題視されやすいのがスナック領域。規制強化や自主規制の流れ次第で、プロモーション設計の自由度が落ちる可能性があります。

銘柄分析

カルビー(2229)は、ポテトチップス/じゃがりこ/かっぱえびせん等のスナック菓子を軸に、国内と海外(英国・インドネシア等)でも展開する生活必需寄りの食品メーカーです。需要は比較的安定しやすい一方で、利益はじゃがいも(ばれいしょ)調達・原材料/物流/エネルギーコスト・値上げ浸透に左右されやすいタイプです。

直近では、会社計画(2026年3月期・連結)として「売上高 339,000百万円/営業利益 26,000百万円」を掲げています(上期後に下方修正済み)。
一方で、2026年3月期の上期(4〜9月)は「売上高 165,746百万円(+5.5%)/営業利益 10,158百万円(▲31.9%)」と、売上は伸びたのに利益が落ちる展開でした。背景として会社は、せとうち広島工場の稼働に伴う減価償却費の増加や、インフレ起点の費用増に対して価格改定が後追いになった点、海外でもコスト高が続いた点を挙げています。
ここから通期計画を逆算すると、下期(10〜3月)で営業利益 15,842百万円(=26,000−10,158)が必要になり、値上げ/規格改定の浸透×コスト吸収×ばれいしょ調達の目線が巻き返しの焦点になりそうです。

財務面は、少なくともバランスシートの見た目は堅く、上期末の自己資本比率は64.4%。
株主還元も動きが大きく、2026年3月期の期末配当予想は1株66円に増額修正。 さらに、自己株式取得(上限:400万株=3.20%、取得総額100億円、期間:2025/11/6〜2026/3/31)を決議しています。 加えて、株主優待(自社グループ製品)を新設し、初回基準日は2026/3/31です。
配当利回りは、約2.2%水準です。

まとめると、カルビーは強いブランドを持つスナック企業ですが、見るべきポイントは下記の通りとなります。
①ばれいしょ調達(不足/単価)と原価の落ち着き
②価格・規格改定の浸透(2026年2月の改定予定を含む)
③新工場稼働に伴う固定費/減価償却の吸収
④海外の利益回復
⑤配当+自社株買い+優待の総還元

味の素(2802)

会社HP:https://www.ajinomoto.co.jp/

どんな会社?

味の素グループは、一般消費者向けの調味料・食品で知られつつ、実態は食品+BtoB素材(アミノ酸技術)の二刀流が強い会社です。グループの報告セグメントは大きく ①Seasonings and Foods(調味料・食品)②Frozen Foods(冷凍食品)③Healthcare and Others の3つに整理されています。根っこにあるのは「AminoScience(アミノサイエンス)」という自社の科学基盤で、アミノ酸研究・実装のプロセスから生まれる素材・機能・技術・サービスの総称、と公式に定義しています。

生活者向けでは、「味の素®」「ほんだし®」「コンソメ」「丸鶏がらスープ」「Cook Do®」「クノール®」など家庭の味のインフラ級ブランドを幅広く持ちます。
冷凍食品も柱で、「AJINOMOTOギョーザ」などの強いブランドを展開しています。
一方で、Fact Bookでもアミノ酸を軸に医薬・食品向け素材などを扱うことが示されており、味を作る/栄養を設計する側のプレーヤーでもあります。

なぜ関連銘柄?

UPF(超加工食品)への視線が強まると、政策・消費者行動の中心はだいたい次の2本に収束します。

  • リスクの高い栄養要素(特にナトリウム/糖/飽和脂肪)を下げる
    世界的に減塩は公衆衛生の超ど真ん中で、WHOは塩摂取の相対30%削減を国際目標として掲げています。
  • しかし、味を落とすと売れない
    この味と健康のトレードオフを埋める道具として、味の素が前面に出しているのがうま味(MSG等)を使ったおいしい減塩です。公式発信として「Delicious Salt Reduction」や「Smart Salt(スマ塩)」を掲げています。
    さらに、うま味物質(グルタミン酸など)で塩分を下げうることは、外部研究でも定量化の試みがあり、例えば英国成人を対象にうま味物質の活用で塩摂取を下げ得るという分析も出ています。

要するに味の素は、UPF時代の次フェーズである 「食品の再設計(リフォーミュレーション)」の中心に入りやすい会社です。自社製品の改良だけでなく、BtoBで他社の加工食品を健康寄りに作り直す局面でも出番が来ます。

注目ポイント

  • 減塩を売り物にできる、ではなく減塩のやり方(うま味)を売れる
    味の素は、MSGが食塩よりナトリウムが少ないこと、部分置換でナトリウム低減が可能だと説明しています(家庭料理・加工食品双方の文脈で言及)。
    UPF議論が成分そのものより過剰摂取(特に塩)に寄るほど、ここは強いポイントです。
  • 「スマ塩(Smart Salt)」で生活者教育まで踏み込んでいる
    おいしい減塩として、製品・レシピ・啓発をまとめた取り組みを展開しています。
    政策が進むと、企業は商品だけでなく使い方まで含めて価値を出す必要が出るので、ここは大事なポイントです。
  • ブランド群が家庭内UPFの入口にも出口にもなる
    「Cook Do」「クノール」のような便利系はUPF文脈で逆風にもなり得ますが、同時に減塩・栄養設計のアップデートを最も速く浸透させられる導線でもあります(ブランドの厚みが武器)。
  • AminoScience=栄養設計の基盤
    アミノ酸研究と実装を「AminoScience」として体系化している点は、単なる食品メーカーより設計者側に立ちやすい特徴です。

注意点

  • MSG(うま味調味料)は科学的安全性と消費者イメージが別問題
    FDAはMSGを「一般に安全と認められる(GRAS)」扱いと説明しています。
    EFSAもグルタミン酸塩(E620–625)を再評価し、グループADI(許容一日摂取量)を示しています。
    ただし市場では無添加やクリーンラベル志向が強い局面もあり、正しいが嫌われるタイプの逆風が起き得ます(特に海外)。
  • UPF規制は国・地域で設計が割れやすい
    超加工かどうかで括るのか、塩・糖・脂肪のしきい値で縛るのかで影響が変わります。味の素は減塩ツールで強みを出せる一方、制度が別方向(例:添加物忌避の強化)に振れると難しくなる可能性があります。
  • おいしい減塩は技術勝負だが、最終判断は味と価格
    減塩・置換は、原料コスト、味の好み、外食/中食のオペレーションまで絡むので、理屈通りに普及しないことも普通にあります。

銘柄分析

味の素(2802)は、うま味(MSG)などの調味料・食品を中核にしつつ、アミノ酸技術を横展開してヘルスケア(バイオファーマサービス等)や電子材料でも稼ぐグローバル企業です。食品の安定感がある一方で、海外比率が高いため為替や原材料コスト、そして高収益領域(ヘルスケア・電子材料)の伸びが利益を左右しやすいのが特徴です。

直近では、2026年3月期の会社計画として「売上高 1,618,000百万円/事業利益 180,000百万円」を掲げています(IFRS採用で、同社は営業利益とは別に「事業利益」を主要指標として開示)。
一方で、2026年3月期上期(4〜9月)の実績は 売上高 738,881百万円(前年同期比-0.7%)/事業利益 86,754百万円(同-0.2%)と横ばいで、通期予想に対する進捗は売上45.7%・事業利益48.2%。会社側も進捗はやや遅れていると説明しており、下期の巻き返しがポイントになりそうです。
中身を見ると、上期は冷凍食品の減益(事業利益 4,100百万円、前年差▲2,700百万円)が重く、ヘルスケア等の増益(事業利益 30,000百万円、前年差+4,200百万円)が下支えする構図でした。

財務面は、2026年3月期中間期末の親会社所有者帰属持分比率 41.0%、現金及び現金同等物 153,559百万円。上期の営業CFは 93,239百万円で、キャッシュ創出は堅調です。
株主還元は、年間配当 48円(中間24円・期末24円、株式分割後ベース)を予想。配当利回りは約1.35%です。 さらに、自己株買いは上限800億円・3,000万株、期間2025/12/1〜2026/11/30、取得分は全消却予定で、12月単月(12/1〜12/31)の取得実績は2,750,700株・約93.3億円です。

まとめると、味の素は食品の安定収益+ヘルスケア/電子材料の成長オプションを併せ持つ銘柄で、見るべきポイントは下記の通りとなります。
①下期の冷凍食品の回復(利益率)
②為替・原材料と値上げ/ミックス改善の効き方
③ヘルスケア等(バイオファーマサービス/電子材料)の伸び
④自己株買いの進捗と消却
⑤上期進捗(やや遅れ)から通期計画を達成できるか

オイシックス・ラ・大地(3182)

会社HP:https://www.oisixradaichi.co.jp/

どんな会社?

食材宅配(サブスク)を中核に、「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」など複数ブランドを運営する食のD2C(直販)プラットフォーム型の会社です。決算資料でも、BtoCサブスクの内訳としてこれらブランドが明示されています。
さらに特徴的なのは、BtoCだけでなくBtoBサブスク(学校給食を含む)も伸ばす方針を強く打ち出している点で、決算資料ではBtoB(給食)領域でM&Aも活用し、BtoC+BtoBサブスク売上を3,000億円へなどの中長期ストーリーが語られています。
安心安全の作り込みも同社らしさで、公式ページでは

  • 生鮮は栽培管理記録に基づくチェック
  • 加工食品は合成保存料・合成着色料を使わないものに限る等の基準

といった選定方針を説明しています。
またFAQでも、原則として合成保存料・合成着色料を使わず、やむを得ず使用する場合は原材料を明記しつつ、独自の加工食品のOisix基準で添加物を最小化する、としています。

なぜ関連銘柄?

UPF(超加工食品)問題が大きくなるほど、市場はざっくり二方向に動きます。
1つはUPFを減らしたいという消費者ニーズ(素材寄り・自炊寄り・成分の透明性)。もう1つは政策面での学校・給食・公共領域からのUPF/高糖・高塩・高脂肪の排除の流れです。
オイシックスはこの2つに対して、

  • 自炊に近い体験を、時短で実現する食材宅配(BtoC)
  • 学校給食を含むBtoBの強化(制度や調達基準の変化を取り込める)
  • 添加物・加工の基準を自社ルールとして明文化(安心安全の差別化)

という構えになっていて、UPF議論が強まる局面で追い風/需要シフトの受け皿になりやすいタイプです。

注目ポイント

  • 基準を言語化している(安心安全がマーケ文句で終わりにくい)
    「自分の子どもに食べさせられる食材」という選定ポリシー、生鮮の栽培記録チェック、加工食品の合成保存料・合成着色料に関する基準など、運用前提の説明があります。
  • BtoB(給食)で制度変更の波を取りにいっている
    学校給食をBtoBサブスクに含める整理や、給食運営の省人化を狙う「タイパ給食モデル」の構築・横展開、価格適正化など、BtoBの実務をかなり具体的に語っています。
    UPF対策が家庭の努力から調達・制度へ寄るほど、この足場は重要になってきます。
  • 足元の経営メッセージが食の社会課題×ビジネス
    決算資料の冒頭で食に関する社会課題を、ビジネスの手法で解決などを掲げており、UPFのような公衆衛生テーマとの整合性が高い。

注意点

  • UPF回避を求める層ほど、基準の説明責任が重くなる
    同社自身も原則不使用だが、提供が困難な場合は使用し、原材料を明記としており、ゼロ添加物を約束しているわけではありません。ここは誤解されやすいので、炎上耐性(説明の丁寧さ)が問われます。
  • インフレ(食材費高騰)の直撃を受けやすい
    決算資料でも、BtoB側で米を含む食材費高騰の影響を明記しています。食品は理想論だけでは回らず、原価上昇局面ではサービス品質・価格・継続率のバランスが難しくなります。
  • UPF規制は国・自治体・領域で設計が割れる
    NOVAで一括なのか栄養プロファイル(糖・塩・脂肪など)で規制なのかで、勝ち筋が変わります。BtoB(給食)に深く入るほど、ルールの変更対応コストも増えます。

銘柄分析

オイシックス・ラ・大地(3182)は、有機野菜・ミールキットなどの食品宅配(BtoCサブスク)と、給食・フードサービスを中心とするBtoBサブスク(給食)を両輪にする食のサブスク企業です。足元はBtoBでロールアップ(M&A)と収益改善を進めつつ、BtoCは商品力強化+マーケ投資で会員基盤を伸ばす、という設計図がはっきりしています。

直近では、2026年3月期の会社計画として 「売上高 255,000百万円/EBITDA 12,850百万円/営業利益 7,300百万円/親会社株主に帰属する当期純利益 4,000百万円」 を掲げています(業績予想の修正なし)。一方で、2026年3月期の上期(2025/4〜9)は 売上高 131,820百万円(前年差+4.9%) と増収ながら、営業利益 3,011百万円(前年差-8.6%) と減益でした。背景として、BtoBは増収増益寄与がある一方、BtoCで会員獲得に向けたマーケ費が前年差+5.3億円増となり、BtoCの利益率が悪化した点がポイントです(会員数は36.1万人)。ただし会社側は、売上/EBITDAの通期進捗は52%/47%で概ね計画線と整理しています。

財務面は、2025/9末時点で現金及び預金 23,694百万円(約237億円)を確保しています(総資産 137,308百万円、自己資本比率 21.6%)。一方で、子会社再編(シダックス関連)や事業売却(車両その他事業)をテコに、下期は売却益の計上、借入金返済によるB/S圧縮、実効税率の改善を見込む説明もあり、ここは数字の出方を確認したいところです。
株主還元は変化点があります。2025年に株主優待を廃止し、配当を開始(配当性向15%目安)。2026年3月期の配当予想は中間8円+期末8円=年間16円です。配当利回りは1.06% になります。また中期では、総還元性向15〜30%を目安に、自己株取得も機動的に行う方針を示しています。

まとめると、オイシックス・ラ・大地はBtoB(給食)×BtoC(食品宅配)の二枚腰で拡大する食のサブスク企業で、見るべきポイントは下記の通りとなります。
①BtoCの会員数・継続率とマーケ費の効果
②BtoBの価格適正化・標準化による利益率
③子会社再編・事業売却後の利益(特に下期)と税率の正常化
④配当開始後の還元スタンス(配当性向15%、総還元15〜30%)

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