この記事で紹介したSensory Design(感覚デザイン)とは何かの関連銘柄を探してみた。
Sensory Design(感覚デザイン)とは:AIスマートホーム時代のウェルビーイング住宅と市場インパクト | ブルの道、馬の蹄跡
正直、完全にこれといった会社は見つけられなかったので、何かあればコメント欄にお願いします。
積水ハウス(1928)
会社HP:https://www.sekisuihouse.co.jp/
どんな会社?
国内を代表する大手ハウスメーカーで、戸建住宅だけでなく賃貸住宅・非住宅(医療介護、商業、ホテル等)まで含めた「請負型ビジネス」と、賃貸管理・リフォームなどの「ストック型ビジネス」を幅広く展開しています。
研究開発〜設計施工〜アフター・リフォームまで一貫して手掛ける体制を掲げており、住まいの品質・快適性・安心安全を設計思想ごと売れるのが強みの会社です。
なぜ関連銘柄?
健康(Well-being)を暮らしているだけで底上げする住環境を研究・商品・サービスでつなげているため関連銘柄に採用しました。千葉大学と住環境と健康の因果を疫学の観点で研究し、「ゼロ次予防住環境」の創造を目指す取り組みを明確に打ち出しています。化学物質を抑える建材選定や吸着機能内装材などで室内空気に配慮する「エアキス」を展開しています。PLATFORM HOUSE(PFH touch)で温湿度のモニタリングやアラート、住宅設備の遠隔操作、見守り・セキュリティなどをアプリで提供しています。
注目ポイント
- 住まいの要素(例:換気量)と体感不調の関係など、住環境×健康の研究成果を継続的に公開している
- エアキスは化学物質の抑制・吸着機能・換気/空気清浄・温湿度コントロールなど、住まいの感覚品質(空気感)を設計要素に落としている。
- 間取り連動で住環境(温湿度)を確認でき、熱中症アラートやエアコン操作、鍵連動通知などがあり、五感に関わる環境を最適化しやすい。
- 賃貸管理・リフォームなどストック型ビジネスがあり、ウェルビーイング/スマート化を新築以外に広げる余地がある。
注意点
- PFH touchは所定仕様・常時ネット接続・別途契約/費用が前提で、住まいの仕様により使えない機能もあり得る。
- ゼロ次予防住環境の研究は長期調査を含む継続案件で、成果がどこまで商品・標準仕様に落ちるかは段階的。
- 温湿度・在宅状況・鍵連動などプライバシーを扱うほど、利便性の裏側でデータ管理・セキュリティ設計が重要になる。
銘柄分析
積水ハウス(1928)は、戸建住宅・賃貸住宅(シャーメゾン)などの請負に加えて、賃貸住宅管理やリフォームといったストック、マンション・不動産の開発、さらに米国など海外も持つ住宅と不動産の複合モデルの会社です。特徴は、ストック(管理)収益で土台を作りつつ、引渡し(請負・開発)と海外市況で利益がぶれやすい点です。
直近では、2026年1月期(2025/2/1〜2026/1/31)の会社計画として「売上高 4,331,000百万円/営業利益 340,000百万円」を掲げています(業績予想の修正なし)。一方で、2026年1月期の第3四半期累計(2〜10月)は「売上高 2,935,711百万円(前年差+2.5%)/営業利益 210,889百万円(前年差-9.3%)」と、増収でも利益は減益でした。進捗率は売上が約67.8%、営業利益が約62.0%で、計画達成には第4四半期(11〜1月)で売上 約1,395,289百万円・営業利益 約129,111百万円の上積みが必要になります。利益が弱含んだ背景としては、国際事業(米国戸建など)でインセンティブ増、のれん償却、棚卸資産評価損などが利益率を押し下げた、と会社側が説明しています。
財務面では、2026年1月期3Q末の自己資本比率が40.1%と、住宅・不動産セクターとしては一定の厚みがあります。
株主還元は増配基調で、会社予想の年間配当は144円(中間72円+期末72円)です。 配当利回りは約4%水準。 会社方針としても「平均配当性向40%以上」「年間配当の下限110円」「機動的な自己株取得」を掲げています。
まとめると、積水ハウスは「ストックで安定+海外と引渡しで伸ばす住宅・不動産複合銘柄」で、見るべきポイントは
①4Q(11〜1月)で計画に届く利益の出方
②米国(MDC買収後を含む)の採算改善(値引き・在庫評価・のれん負担の落ち着き)
③国内ストック(賃貸管理・リフォーム等)の堅さ
④配当の継続性と自己株買いの有無(方針と実行のギャップ)
あたりです。配当をもらいつつ、海外の利益回復が見えてくるかを確認する銘柄です。
パナソニック ホールディングス(6752)
会社HP:https://holdings.panasonic/jp/
どんな会社?
持株会社(ホールディングス)として、家電・空調・電材(配線器具やスイッチ等)・住宅関連など幅広い事業会社を束ねるパナソニックグループの中核です。統合報告書の「セグメント別戦略」でも、くらし領域の中に空質空調(空気・空調)やエレクトリックワークス(電材・電気設備)などが位置づけられています。
なぜ関連銘柄?
五感に直結する住宅設備を製品として大量に供給できる側です。とくに「光」「音」「空気」「操作体験(スマホ/音声/自動化)」が、同社グループの強みで束になっています。
- 住宅用照明で、明るさや光色をアプリで操作できる仕組み(LINK STYLE LED+「あかリモ」アプリ:点灯/消灯・調光/調色など)を用意しています。
- 照明カテゴリ側でもワイヤレススピーカー等を打ち出し、「光+音」の演出を生活者に分かりやすく提示しています。
- HEMSのAiSEG2などで、住まいのエネルギー見える化と設備・空調環境機器のコントロールを提案しています。
- 2025年には、電気設備の観点から住まいづくりの新スタンダードを提案する「でんきの設備でeくらし」を開始しています(配線・コンセント等の計画も住み心地に直結)。
- パナソニック ホームズ側では、IoT住宅として照明・エアコンなどをスマホでコントロールする暮らしを紹介しています。
注目ポイント
- 照明(視覚)・音(聴覚)・空調/空気(嗅覚/呼吸の快適性、温熱)・電気設備(操作性/安心)と、Sensory Designの主要レバーを住宅向け製品で持っている。
- LINK STYLE LEDのように、照明を「シーン」「気分」で変える操作体系を製品として用意している(五感デザインを家庭内で再現可能にする)。
- eくらしのように、住み始めてからの後悔(コンセント不足等)を減らす住まいの体験品質提案を強化している。
注意点
- 住宅・照明・空調だけの専業ではなく事業ポートフォリオが広いぶん、Sensory Designテーマへの連動はグループ内の一部に分散します(関連は強いが、純粋なプレイヤーではない)。
- LINK STYLE LED/あかリモは対応照明が前提で、機種によりできる操作が異なる旨も明記されています(調色できない商品がある等)。
- 外出先からの操作や見える化が進むほど、アカウント管理やネットワーク運用の重要性が上がります(スマート住宅全般)。
銘柄分析
パナソニック ホールディングス(6752)は、家電・空調・住設といった「くらし」系から、B2Bの「コネクト」(物流/SCMソフトのBlue Yonder等)、電子部品・材料の「インダストリー」、そして車載/産業向け電池の「エナジー」まで抱える“巨大ポートフォリオ企業”です。足元は2025年4月以降、報告セグメントを「Lifestyle/Connect/Industry/Energy」の4区分で開示しています。
直近では、2026年3月期(通期)の会社計画として「売上 7,700,000百万円/営業利益 320,000百万円」を掲げています(2025-10-30公表時点)。
一方で、2026年3月期の上期(4〜9月)は「売上 3,820,476百万円(前年同期比 -10.1%)/営業利益 164,996百万円(同 -23.6%)」と減収減益でした。通期予想も、売上・利益とも下方修正しており、会社側は主に①米国EV市場の減速に伴う車載電池の販売数量・利益の下振れ、②米国関税やIRA税額控除の想定差、③グループ経営改革に伴う構造改革費用の増加、を背景に挙げています。
財務面は、2025-09-30時点で総資産 9,550,684百万円、純資産 4,989,505百万円、自己資本比率 50.3%と、体力は比較的厚めに見えます。
加えて、グループ経営改革では「連結対象会社で1万人規模の人員適正化(国内5,000/海外5,000)」を掲げ、2025年度(2026年3月期)に構造改革費用として「1,300億円(130,000百万円)の損失」を見込む、という痛み先出しの局面でもあります。
株主還元は、会社予想の年間配当が40円(中間20円・期末20円)で、利回りは約1.9%です。
なお、前期(2025年3月期)は年間48円配当で、自己株取得は「単元未満株の買取など軽微なものを除き実施していない」と説明されています。
まとめると、パナソニックHDは「電池(循環)×B2B/AI周辺(成長)×構造改革(短期の痛み)」が同時進行する銘柄で、見るべきポイントは
①エナジー(車載電池)の数量・採算と外部環境(EV需要/政策)
②AIサーバ周辺や産業領域の伸びが電池の下振れをどこまで相殺できるか
③構造改革費用が“予定通り一過性”で終わるか(固定費の戻りに注意)
④配当・資本政策(自己株の再開余地)
あたりです。
ダイキン工業(6367)
会社HP:https://www.daikin.co.jp/
どんな会社?
世界的な空調メーカーで、空調分野の売上で「グローバルNo.1」を掲げています。
住宅用エアコンから業務用空調、換気、空気清浄、周辺の空気・湿度マネジメントまで「室内環境」を丸ごと扱うのが特徴です。
なぜ関連銘柄?
住宅の五感体験を左右する要素のうち最も支配的になりがちな「空気・温熱・湿度・ニオイ」を、プロダクトとして直接コントロールできる会社です。
- 空気清浄機で微粒子やニオイ対策、ストリーマ等の独自技術を前面に出しています。
- エアコンそのものが体感のOSで、さらに機種によっては換気機能を組み込むなど窓開け以外の空気の入れ替えにも踏み込んでいます。
- ダイキンスマートアプリで運転予約・操作に加え、空気状態の見える化や、機器同士の連動も訴求しています。
注目ポイント
- 屋外から新鮮な空気を取り込み、熱交換器で整えて室内へ届ける換気機能など、住まいの空気の体験を設計要素にできる。
- 全熱交換器(ベンティエール)による機械換気で、給排気をコントロールしつつ換気=快適さと省エネを両立しやすい設計思想。
- 外気処理換気システムSaraviaなど、住宅の高性能化(ZEH等)とセットで空気の質を作りにいくラインがある。
- 複数機器の操作・予約だけでなく、空気の状態の見える化や機器連動をうたっている(五感に関わる環境を住みながら調律できる)。
注意点
- 換気機能には前提と限界があり、換気時の音が大きくなる、使用環境で室温・湿度が変動する場合がある、建築基準法の必要換気量をすべて賄うものではない等の注意書きがあります(窓開け換気等の併用も推奨)。
- ダクト長や曲げ回数などで換気風量が低下し得るなど、施工条件で体験が変わりやすい。
- スマート連携は対応機器・通信環境前提
- 高性能フィルター等を売りにしている分、フィルター交換や清掃など運用負荷は必ず発生します(買って終わりになりにくい)。
銘柄分析
ダイキン工業(6367)は、エアコンを中心とした「空調・冷凍機」を主力に、フッ素化学なども手がけるグローバル企業です。空調は住宅・業務・産業まで裾野が広く、暑さが需要ドライバーになりやすい一方で、地域ごとの景気・住宅投資・天候、そして為替の影響を受けやすいのが性格です。
直近(2026年3月期上期=2025/4–9)の会社開示では、売上高は 2兆4,787億円(前年差▲0.6%)、営業利益は 2,466億円(前年差±0.0%) と「売上は微減・利益は横ばい」でした。中身を見ると、空調・冷凍機は営業増益だった一方で、化学は半導体分野の需要低迷などで大幅減益、という構図です。
会社の通期計画(2026年3月期)は 売上高 4兆8,400億円/営業利益 4,350億円 を掲げています。上期実績からの残りを単純計算すると、下期に 売上 約2兆3,612億円・営業利益 約1,884億円 が必要で、下期の伸び(需要回復+価格・ミックス+コスト施策)がポイントになりそうです(※下期必要額=通期計画−上期実績)。
なお、上期決算時に通期予想を修正しており、売上・営業利益は据え置きつつ、経常利益 4,150億円/純利益 2,800億円 へ上方修正しています(前回比でそれぞれ+100億円、+80億円)。為替前提は第3四半期以降で 1米ドル=145円、1ユーロ=165円。
財務面は比較的しっかりしていて、上期末(2025/9末)の自己資本比率は 55.5%。現金及び預金は 8,762億円 と厚めです。一方、在庫(商品及び製品)は 7,562億円 と期末(2025/3末)から増えているため、需要が想定以上に鈍る局面では「在庫の積み上がり方」も確認したいところです。
株主還元は、DOE(純資産配当率)3.0%の維持を掲げる方針で、2026年3月期の配当予想は 年330円(中間165円+期末165円)。配当利回りは約1.7%です。
まとめると、ダイキンは「世界空調×高付加価値・ソリューション」銘柄で、見るべきポイントは ①下期での需要回復と価格政策(利益率の維持/改善)
②化学(半導体向け等)の底打ちタイミング
③為替前提(USD/JPY・EUR/JPY)と政策/関税など外部変数
④在庫・キャッシュと配当方針
あたりです。売上の伸びそのものより利益が計画線に乗るか(ミックス+価格+コスト)を確認するのが筋が良さそうです。

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