下記の記事で紹介したPFAS問題の関連銘柄を探してみた。
PFAS汚染と水道水|世界の規制・訴訟・浄化コスト | ブルの道、馬の蹄跡
この会社も!などあればコメント欄にお願いします。
栗田工業(6370)
会社HP:https://www.kurita-water.com/
どんな会社?
ざっくり言うと、水を使える状態に仕立てて、運用まで面倒を見る水処理企業です。事業としては、水処理薬品/水処理装置・システム/メンテナンス・サービスを軸に、工場の用水・排水から公共系の水処理まで幅広く関わります(薬品・関連機器+保守サービスの両輪で回すモデル)。
処理技術を売るだけでなく「分析→設計→運転→廃材処分」までを束ねて提供でき、PFASのように測れないと始まらない、処理して終わりじゃなく、交換材や濃縮水の後始末が大変な問題ほど、この一気通貫が強みになります。
なぜ関連銘柄?
PFASが水の話として現実化すると、需要は大きく2系統に分かれます――①測る(分析・モニタリング) と ②減らす(除去・分離・運用)。栗田工業はこの両方に足がかかっています。
- 除去の王道3点セットを前提に、案件ごとに最適化して提案できる
PFAS対策として有効な手段として、活性炭処理・イオン交換樹脂処理・膜処理(RO/NF)を挙げ、原水条件を分析したうえで提案・支援する姿勢を明示しています。 - サブスク型で初期投資の壁を下げて、運転・廃棄まで抱える
PFAS除去設備をクリタ側が保有し、モニタリング分析・最適運転・メンテも実施、さらにPFASを吸着した活性炭の廃棄処分までワンストップ対応(ここが現場でボトルネックになりやすい)という設計です。 - 日本の制度強化(2026年4月1日施行)で検査・対応の常態化が進む
日本ではPFOS/PFOA(合算50 ng/L)が水質基準へ引き上げられ、2026年4月1日施行と整理されています。制度が動くと、自治体だけでなく専用水道や事業所側でも測る→必要なら処理の循環がやりすくなります。
注目ポイント
- PFASを多成分で測ってから設計する思想
PFASは2成分(PFOS/PFOA)だけではなく、共存物質が性能に影響し得るとして、多成分分析(ISO21675に基づく体制など)を前提に設計・運用へ落とし込む構成を打ち出しています。 - 処理材のその後まで請け負う(廃材処分)
PFASを吸着した活性炭などは処分ルートが限られやすく、ここがプロジェクトの詰まるポイントになります。サービス内で処分まで扱うことを明記しているのは、実務的に強みとなります。 - 北米での技術連携:再生可能な吸着材と設備設計(循環型)
Kurita AmericaがCyclopureと、再生可能(regenerable)な材料を使ったPFAS除去・再生ソリューションを拡張する提携を公表しています。PFASは除去材を捨て続けるコスト・責任が重いので、再生型への布石は注目点です。 - 案件単発ではなく、継続課金になりやすい構造
PFASは一度処理して終わりではなく、監視・運転最適化・交換・処分が続くテーマです。月額サービス化は、顧客のCAPEX(設備投資)回避ニーズと噛み合います。
注意点
- 規制の厳しさとスピードは国・地域でブレがある
日本は2026年4月施行で枠組みが動きますが、対象物質の拡張や運用細目、自治体・企業側の投資余力で立ち上がり速度は変わります。 - 技術は確立寄りでも、勝負は原水条件、運用、処分の総合戦
活性炭・イオン交換・膜は王道ですが、共存物質や変動負荷で性能・コストが揺れます。さらに交換材や濃縮水の扱い(後工程)が難所になりやすいです。 - 競合が多い(材料・装置・エンジ会社・分析会社)
PFASは巨大市場ゆえ参入者も増えます。栗田はワンストップを武器にできますが、案件ごとに競争条件が変わる点は要注意です(価格競争/技術選定の透明性など)。
銘柄分析
栗田工業(6370)は、工場・インフラ向けの水処理薬品・装置に加えて、半導体工場向けの超純水や精密洗浄なども手がける総合水処理の大手です(セグメントは電子市場と一般水処理市場の2本立て)。
ビジネスの性格としては、薬品や運転管理などの継続型(サービス)が土台にありつつ、装置案件は検収タイミングで売上が乗るので、四半期のブレは装置の山・谷に引っ張られがちです。
直近(2026年3月期)の会社計画は、売上高 425,000百万円/営業利益 53,500百万円(事業利益 54,000百万円)を掲げています(11/7時点の通期予想)。為替前提(USD=146円など)もこの想定に含まれます。
一方、上期(2025/4–9)の実績は 売上高 198,296百万円(前年差+1.4%)/営業利益 24,900百万円(+15.9%)と利益の伸びが目立ちました。ただし受注高は 206,788百万円(前年差-2.6%)で、前年同期の大型案件の反動っぽい受注の踊り場も見えます。通期達成には下期で売上 226,704百万円/営業利益 28,600百万円が必要(=通期予想−上期実績)なので、下期の受注→売上化のテンポが肝になります。
財務は現金は厚いが、投資・還元も同時に回している印象です。2025/9末で現金及び現金同等物 65,214百万円、一方で社債・借入(短長合計)82,412百万円+リース負債(短長合計)23,485百万円なので、IFRS16(リースを負債扱い)込みで素直に見るとネットデットは概算約40,683百万円(=約407億円)。ただしその他の金融資産もあるので、実態のネットポジションはもう少し軽い可能性があります。
株主還元は、年間配当 112円(中間56+期末56の予想)が明確で、足元の表示利回りはおおむね1.5%前後です。 さらに上期は自己株式取得による支出 15,161百万円も確認できます。
まとめると、栗田工業は半導体(電子)×水インフラ(一般)の二面性を持ちつつ、サービス比率を上げて収益の粘りを作りにいく銘柄です。ブログで追うなら、見るべきポイントはこのあたりです。
①還元の実行(増配継続と自己株買いの進捗・規模感)
②電子市場の受注の温度感(半導体設備投資の波。会社側は大型装置案件のパイプラインも言及)
③サービスの積み上がり(装置→運転管理/メンテ/精密洗浄に展開できるか)
④下期の売上化(検収)テンポ(上期好調でも、装置の山は下期に来やすい)
メタウォーター(9551)
会社HP:https://www.metawater.co.jp/
どんな会社?
上下水道インフラの機械・電気、プラントを一気通貫で作って、直して、運転も支える会社です。
浄水場・下水処理場・ごみ処理施設向けの設備について、設計・建設/機器の設計・製造・販売/補修工事/運転管理などのサービス提供を事業範囲として掲げています。
単なる素材メーカーではなく、自治体・水道事業体側の設備導入・更新そのものを担える立ち位置にいます。
なぜ関連銘柄?
PFAS(特にPFOS/PFOA)が水道水の遵守義務に入ってくると、現場では①検査(モニタリング)→②基準超過時の処理設備導入→③運用・更新がセットで回ります。日本でも2026年4月から、PFOS/PFOAについて水質検査の実施と基準遵守の義務が水道事業者等に課される流れが明確化しています。
この処理設備を入れる局面で、メタウォーターはPFOS/PFOA除去の具体的なシステム開発を公表しています。前田建設工業と共同で、イオン交換樹脂を用いたPFOS・PFOA吸着処理システム(De-POP’s ION)を開発した、としています。
注目ポイント
- 持ち運べる処理設備思想(現場即応性)
開発システムは、PFOS/PFOAを含む池・湖沼や水槽等の近くまで運搬設置でき、現地で処理対象水を除去可能とされています。 - 前処理(除濁)+吸着(イオン交換)の2ユニット構成
濁りのような阻害要因を除く除濁装置と、PFOS/PFOAを吸着するイオン交換樹脂塔で構成する、と説明されています。水処理はここが肝で、原水が汚いほど前処理の出来がコストと性能を左右します。 - 吸着材の使い分け(イオン交換樹脂だけじゃない)
仕様として、イオン交換樹脂の代わりに粒状活性炭(GAC)の使用や併用も可能、水質や夾雑成分で使い分けできる、とされています。 - 循環処理で捨て水問題を回避
処理した水を外部に放流・破棄せず、元の池や水槽へ返送して循環処理することで、PFOS/PFOAを含む水の廃棄が難しい地域などで環境負荷を下げられる、という設計思想。
注意点
- 対象が「PFOS/PFOA中心」になりやすい
規制・議論はPFAS全体へ広がりがちですが、開発システムの主語はPFOS/PFOAです。将来、対象物質や評価手法が拡張した場合に、追加対応(工程追加・別技術併用)が必要になる可能性は見ておくべきです。 - 浄水場・下水場は調達~更新が長い
水インフラは公共投資の色が濃く、案件化まで時間がかかることがあります(年度予算、設計・入札、工期)。需要は確実に来るが立ち上がりは段差になりやすい領域です。 - 競争相手が多い(材料・装置・ゼネコン・水処理専業)
PFASは巨大テーマなので、吸着材(活性炭/樹脂)、膜、分析、エンジ、ゼネコンが同じ土俵に入ってきます。メタウォーターはインフラ実装力が武器ですが、案件ごとに最適解が変わり、単独技術だけで勝てる世界ではない点は要注意です。
銘柄分析
メタウォーター(9551)は、上下水道(浄水場・下水処理場)や資源リサイクル施設向けに、機械設備の設計・建設から、電気・監視制御などのシステム、さらに施設の運転・維持管理(運営)までを一気通貫で手がける水インフラの総合エンジニアリング企業です。
事業のクセとして重要なのが季節性で、決算短信でも官公庁向け国内公共事業が中心のため、売上計上が第4四半期(1〜3月)に著しく偏ると明記されています。つまり、4〜9月(上期)の数字は低く見えやすく、通期の見立ては下期(特に4Q)前提で読むのが基本です。
直近(2025-10-27公表の修正後)で会社が掲げる2026年3月期計画は、売上高 210,000百万円/営業利益 13,000百万円。上期進捗と環境を踏まえて、期初予想から上方修正しています。
上期(4〜9月)の実績は、売上高 75,657百万円/営業利益 1,145百万円で、前年同期の営業赤字から黒字転換。特にセグメントを見ると、上期は海外事業が営業利益を稼ぐ一方、国内側は季節性の影響を受けやすい構図が見て取れます。
財務面は、2025年9月末時点で現金及び預金 55,460百万円を保有。社債(20,000百万円)やPFI等のプロジェクトファイナンス・ローン等もあるので単純化は禁物ですが、資金繰りの厚みは確認できます(退職給付負債なども別途あり)。
株主還元は、年間配当予想 70円(中間35円+期末35円)へ増額し、方針として累進配当+連結配当性向30〜40%を目安を掲げています。 配当利回りは、直近株価水準だと概ね2%前後が目安です。
まとめると、メタウォーターは第4四半期に山が来る公共インフラ銘柄で、見るべきポイントはこのあたりです。
①受注・受注残(将来売上の源泉)
②下期の検収進捗(4Q偏重の前提が崩れていないか)
③海外の伸び(利益ドライバー化の持続性)
④配当・資本政策(累進配当の実行と追加還元余地)
クラレ(3405)
会社HP:https://www.kuraray.com/jp-ja/
どんな会社?
本業としては素材・化学の会社ですが、PFAS関連では活性炭(+水処理機器)と再生サービスの世界級プレイヤーとして見るのが近いです。
2018年に活性炭世界最大手とされる米Calgon Carbon社を買収し、以後は石炭系・木質系・ヤシ殻系など幅広い活性炭と、使用済み活性炭の再生(reactivation)まで含めた水・大気浄化のトータルソリューションを拡大しています。
また同社は、PFAS対策の文脈で活性炭販売で世界シェアNo.1などの規模感も前面に出しています。
なぜ関連銘柄?
PFASが水の問題として現実化すると、現場は①検査→②除去設備→③運用(交換・再生・処分) にお金が落ちます。
その②③の王道技術の一つが粒状活性炭(GAC)で、Calgon CarbonはGACフィルターはPFAS低減に有効と明記し、さらに使用済み活性炭を熱再生し、吸着したPFASを99.99%超で破壊して再利用できるというストーリーを強く打ち出しています。
日本でもPFOS/PFOAが2026年4月から水質基準化され、定期検査と基準遵守が義務になるため、自治体・専用水道・事業所で検査→必要なら処理が常態化しやすい土台ができます。
注目ポイント
- 除去だけでなく破壊+循環(再生)を主張できる
2025年には、飲料水用の使用済み活性炭をフルスケール熱再生するプロセスで、PFASを>99.9%の破壊除去効率で処理し、炭から検出限界以下に除去した等の査読付き扱いの発表を出しています(副生成物の検出なし等も主張)。
※PFASは別の廃棄物に移し替えただけ問題が起きがちなので、ここは差別化の核となります。 - 短鎖PFAS(代替PFAS)も意識した製品訴求
短鎖PFASについても、特定のGAC(FILTRASORB)が有効で、第三者試験でも短鎖除去に効果が示された、といった説明をしています。 - 供給能力とワンストップのスケール
クラレ側資料では、設備設計〜バージン炭の販売〜使用済み炭の再生まで包括提供でき、再生炭については世界最大級の生産能力とも述べています。 - 規制強化を前提に、再生炭の能力増強へ動いている
2024年のリリースで、米国のPFAS規制強化により需要増が見込まれるため、Calgon Carbonが大幅な能力増強を検討し、重要顧客との契約協議を進めている、と明記しています。 - 現場導入のスピード案件の経験
米国で20年以上、50超の水処理施設でPFAS対策として活性炭導入の実績がある、とし、特定事例では2週間で基準クリアのソリューション提供を行ったと書いています。
注意点
- 活性炭は万能の黒いスポンジではない(効きが水質とPFASの組成で変わる)
特に短鎖PFASは難敵で、Calgon Carbon自身も原料によっては短鎖除去に不向きなど、炭のタイプ差を強調しています。つまり案件は活性炭なら何でもOKではなく、選定・前処理・交換頻度がコストを決めます。 - 熱再生=PFAS破壊は強いが、運用の社会的ハードルもある
同社は熱再生で副生成物が検出されなかった等を主張していますが、熱処理はどうしても排ガス管理・地域の理解・規制適合が絡みます。 - 規制はまずPFOS/PFOA中心→対象拡大の可能性
日本は2026年4月からPFOS/PFOAが義務化ですが、世界的には対象PFASの広げ方がブレます。対象拡大や測定法の変更が起きると、処理設計・運用の想定替えが必要になることがあります。
銘柄分析
クラレ(3405)は、ポバール樹脂(PVA)やEVOH樹脂〈エバール〉などのビニルアセテート系を中核に、イソプレン、機能材料、繊維、トレーディングなどを展開するグローバル化学メーカーです。海外売上比率は約79%と外需色が強く、季節性というより世界景気・需給(在庫)・原燃料・為替の影響を受けやすいタイプの銘柄です。
直近では、2025年12月期の通期予想を2025-11-12に下方修正しており、会社計画は「売上 810,000百万円/営業利益 60,000百万円/純利益 23,000百万円(EPS 74.66円)」です(前年差では利益面が大きく減る計画)。
実際、2025年12月期3Q累計(1–9月)の営業利益は46,358百万円(前年差 -37.3%)と弱く、通期計画どおりでも前年より減益の着地になります。
下方修正の背景として会社は、想定したほど販売数量が増えなかったこと(米国の関税政策や景気見通しの不透明感など)を挙げています。 さらに中間期の説明では、欧州低迷などで数量が伸びず、在庫評価差額や原燃料上昇がマイナスになった旨が書かれています。
財務面は、2025-09-30時点で自己資本比率56.3%(前年差では低下)と、極端に傷んでいる感じではない一方、利益の落ち込みが続くと見栄えは悪くなりやすい局面です。
株主還元はかなり目立ちます。会社の還元方針は「総還元性向50%以上、配当の維持・増額、自己株式取得の継続実施を目指す」で、2025年12月期の配当予想は年54円(中間27円+期末27円)です。加えて、自己株買いは2025-10-06までに約300億円実施し、さらに自己株の消却(2025-11-28予定:16,900千株、発行済の約5.20%)も開示されています。
バリュエーションは、2026-01-23時点の表示でPBR 0.71倍、配当利回り 3.22%と低PBR×そこそこ利回りに見えます。ただし今は業績下方修正局面なので、PBRの低さは割安だけでなく利益の不確実性の写し鏡にもなりがちです。
まとめると、クラレはグローバル高機能素材(ビニルアセテート/エバール等)+強めの株主還元の銘柄で、見るべきポイントはこのあたりです。
①販売数量の回復(特に主力チェーン)
②原燃料・在庫評価差額の振れ
③外需比率の高さゆえの為替影響
④自己株買い・消却を含む資本政策
⑤(中期目線では)供給能力増強投資の進捗(例:アジアでの新プラント計画など)
還元で下支えされやすいですが、業況が戻らないと低PBRのままもあり得りえます。
需要回復とマージン正常化(=下方修正の逆回転)が起きるかどうかが勝負どころです。
オルガノ(6368)
会社HP:https://www.organo.co.jp/
どんな会社?
水を用途どおりの品質に仕立てて、設備導入後の運用まで面倒を見る総合水処理エンジニアリング会社です。公式の会社概要でも、イオン交換樹脂・分離膜・活性炭などを用いた各種用排水処理装置の製造・販売・メンテナンスを行う、と明記されています。
また、超純水〜水道水〜産業排水〜下水まで幅広い領域を扱い、製品開発/設計/施工/販売/納入後メンテまで一貫対応できる体制を掲げています。
なぜ関連銘柄?
PFAS(特にPFOS/PFOA)が水道・用水の現場課題になると、需要は①測る→②除去する→③継続運用(交換材・性能管理) に連鎖します。日本でも 令和8年(2026年)4月から、水道事業者等にPFOS/PFOAの水質検査と基準遵守が義務化されるため、現場の対策の常態化が進みやすいです。
この局面でオルガノが強く関連する理由はシンプルで、PFAS除去の王道手段の一つイオン交換樹脂側に具体的な商品・用途提案を持っているからです。
自社サイト上でも、イオン交換樹脂が PFASの吸着除去に活躍すると明記しています。
さらに、PFOS/PFOAなどPFASに対して高い選択性があると説明する樹脂(AMBERLITE PSR2 PLUS)も取り扱っています。
注目ポイント
- PFASに選択性を持つ樹脂を提示できる
PFOS・PFOAなどのPFAS類に高い選択性という、用途ド真ん中の説明が商品レベルで出ています。 - 樹脂(消耗材)+装置+保守の三点セットになりやすい立ち位置
PFASは導入して終わりではなく、交換・管理・性能劣化対応がつきもの。オルガノは公式に、装置の製造販売だけでなくメンテナンスまで含む姿勢を示しています。 - 水質分析・性能分析まで現場側の仕事を抱えられる
グループ会社の領域として、水処理に関連する水質分析や、イオン交換樹脂・活性炭などの性能分析まで行うと書かれています。PFASは測れないと運用できないので、この手の実務は重要になります。
注意点
- 除去した後の扱いが難しい(廃材・濃縮物問題)
PFAS選択性をうたう樹脂について、使用後の取扱いに注意が必要で、提供に際して使用者開示を求める旨が書かれています。ここはまさに、PFAS対策の現場ボトルネック(処分・責任・管理)を示唆します。 - 規制はまずPFOS/PFOA中心→対象拡大の可能性
日本の義務化はPFOS/PFOAが主語ですが、世界的にはPFAS全体へ広がる方向性があります。対象が広がると、測定・設計・運用の前提が変わり得ます。 - 公共インフラ案件は立ち上がりが段階的になりやすい
水道側は予算・調達・工期が絡み、需要が見えても案件化までタイムラグが出るのが普通です。
銘柄分析
オルガノ(6368)は、純水・超純水/排水処理などの水処理プラント(設計・施工・運転支援)を主力に、メンテナンス等のソリューションや水処理薬品なども手掛ける会社です。特徴は、受注は大型プロジェクトの発注時期に左右されやすく、売上は工事進捗で計上される一方、期末(3月末)納期の案件が多いため売上・利益が期末に向かって増えやすい、いわゆるプロジェクト型の季節性がある点です。
直近では、会社計画(2026年3月期・通期、2025-10-31公表)として 売上高 175,000百万円/営業利益 36,000百万円を掲げています(利益は上方修正)。あわせて、年間配当は190円(中間95円+期末95円)予想です。
一方で、2026年3月期の上期(4〜9月)は 売上高 82,793百万円(前年差+11.4%)/営業利益 17,378百万円(同+51.4%)と好調でしたが、通期計画達成には下期で残り約92,207百万円(=175,000−82,793)の売上計上が必要になります。プロジェクトの検収・引渡しが下期に寄りやすい構造なのでいつもの話でもあるのですが、大型案件の進捗と採算(追加工事・原価修正、交渉の成否)が数字を振りやすい点は要注意です。
財務面は、2025/9/30時点で 現金及び預金 16,530百万円、借入金(短期13,165+長期7,600)=20,765百万円で、ざっくりネット有利子負債は約4,235百万円(=20,765−16,530)。自己資本比率は66.0%と厚めです。
株主還元は、会社側が「配当性向30%以上の維持+増配継続」を目標として説明しており、足元の増配トレンドも目立ちます。予想配当190円は配当利回り約1.2%の水準です。
まとめると、オルガノは半導体投資×プロジェクト進捗に連動しやすい水処理エンジ会社で、見るポイントはこのあたりです。
①受注・受注残(特に海外大型案件)
②下期の売上計上と採算ブレ(追加工事・原価修正)
③設備保有型サービス拡大に伴う運転資本・CF
④配当(増配継続と配当性向方針)

コメント