薬剤耐性(AMR)について調べたメモ(2025年版)の関連銘柄

この記事で紹介した薬剤耐性(AMR)について関連銘柄を探してみた。
薬剤耐性(AMR)とは?「静かなパンデミック」の現状と対策【2025年版】 | ブルの道、馬の蹄跡

この会社も!というのがあったら是非コメント欄にお願いします。

塩野義製薬(4507)

会社HP:https://www.shionogi.com/jp/ja/

どんな会社?

国内大手の製薬。感染症領域、とくに耐性菌を強く意識した抗菌薬を持つ企業です。

なぜ関連銘柄?

グラム陰性菌(カルバペネム耐性など)はAMRの主戦場のひとつですが、塩野義は多剤耐性グラム陰性菌を想定した抗菌薬(セフィデロコル/フェトロージャ)を展開しています。

注目ポイント

「R&D(新薬)」のど真ん中にいる上に、耐性獲得メカニズム(βラクタマーゼ、ポーリン変化、排出ポンプ等)を踏まえた設計思想が説明されていて、AMRテーマとの整合が取りやすいです。

グラム陰性菌感染症治療薬「フェトロージャⓇ点滴静注用1g」の国内における発売 および薬剤感受性検査用試薬の販売について| 塩野義製薬

注意点

AMR新薬は使いすぎないことがセット(適正使用)になりやすく、普及=数量最大化になりにくい構造があります。

銘柄分析

塩野義製薬(4507)は、感染症領域を軸に医療用医薬品を展開する製薬会社です。特徴は、ViiV社(HIV)由来のロイヤリティ収入が利益の大黒柱になっている一方で、国内はコロナ/インフルなど流行状況で「急性呼吸器感染症薬(ゾコーバ、ゾフルーザ等)」の売上が振れやすい点です。

直近では、2026年3月期(会社計画)として「売上収益 500,000百万円/営業利益 185,000百万円」を掲げています(10/27に業績予想を修正:売上は下方、利益は上方)。
一方で、上期(4〜9月)の実績は売上収益 212,965百万円(前年差-0.5%)/営業利益 74,771百万円(同-1.4%)と、通期計画に対する進捗は売上で約43%、営業利益で約40%水準。国内はゾコーバ減などが響いた一方、ロイヤリティは増加(上期 129,3億円)で下支え、という構図です。

財務面はかなり強めで、現金及び現金同等物は 233,864百万円(9月末)、自己資本比率も約89%と堅い部類です(鳥居薬品の連結子会社化などで投資CFが膨らみ、現金は上期で減少)。

株主還元は、2026年3月期の配当予想が1株66円(中間33/期末33)。
配当利回りは約2.3%です。また、会社はDOE(株主資本配当率)4%以上を還元の目安として掲げています。

まとめると、塩野義は「ロイヤリティ(HIV)で稼ぐ土台+感染症の波で上振れ/下振れが出る製薬」で、見るべきポイントは ①ロイヤリティ(HIV・インフル関連)の伸び、②冬場に向けた急性呼吸器感染症薬の挽回、③コストマネジメントで売上減でも利益を守れるか、④DOE方針どおりの配当・(必要なら)機動的な自己株取得のスタンス、あたり。国内感染症の弱さをロイヤリティと費用で埋められるかを確認していく銘柄です。

シスメックス(6869)

会社HP:https://www.sysmex.co.jp/

どんな会社?

臨床検査機器・検査ソリューション大手。医療現場の検査フローに入り込むタイプの企業です。

なぜ関連銘柄?

尿路感染症向けに、最短30分でAST(薬剤感受性)を自動判定するシステムを打ち出しています。
AMR対策の「原因菌と感受性が早く分かるほど無駄が減る」「結果が出たらde-escalation」の部分に、事業がほぼ直結します。

迅速薬剤感受性検査システム「PA-100 AST System」が英国最大の科学賞「Longitude Prize on AMR」を受賞 | Sysmex

注目ポイント

AMR対策は現場の処方行動を変える道具が重要な局面が多いので、プライマリケア(初診)での迅速ASTは重要度が高いです。

注意点

導入は規制・保険償還・運用(誰が回すか)で速度が変わります。AMRが深刻でも、機器普及が直線的に進むとは限りません。

銘柄分析

シスメックス(6869)は、血液検査などの臨床検査機器と、導入後に継続して使われる試薬・消耗品をセットで展開する会社です。特徴は、機器を入れるほど試薬が積み上がる「ストック(継続収益)型」になりやすい点と、売上の大半が海外なので海外需要と為替の影響を受けやすい点です(上期の海外売上比率は約9割)。

直近では、会社側は2026年3月期の通期計画として「売上高 510,000百万円/営業利益 76,000百万円」を掲げています(※2025/11/5に下方修正)。一方で、上期(4〜9月)実績は「売上高 232,527百万円(前年差▲4.1%)/営業利益 32,957百万円(同▲25.9%)」と減収減益でした。
通期計画を達成するには、単純計算で下期に売上 約277,473百万円・営業利益 約43,043百万円が必要で、下期の回復度合いが見どころになりそうです(特に日本・中国)。

下振れ要因として会社が挙げているのは、中国の市場環境変化や、国内の基幹システム切り替えに伴う制約、さらにQ1の海外棚卸資産の評価見直しなどの特殊要因です。実際、上期の地域別では国内売上 25,435百万円(前年差▲16.1%)、中国統括 43,227百万円(同▲20.6%)と落ち込みが目立っています。

財務面は、上期末(2025/9末)で現金及び現金同等物 86,101百万円、自己資本比率 72.1%と、バランスシートはかなり厚めです。

株主還元は、2026年3月期から配当性向の目安を40%に変更し、累進配当としています。
会社予想の年間配当は1株38円。利回りは約2.4%です

まとめると、シスメックスは「検査機器×試薬のストック型ヘルスケア銘柄」で、見るべきポイントは ①日本・中国の回復(政策影響含む) ②下期の巻き返し(通期ギャップ) ③為替と海外の試薬伸び ④累進配当(配当性向40%目処)の継続性 あたり。地域別の戻りを確認していく銘柄です。

栄研化学(4549)

会社HP:https://www.eiken.co.jp/

どんな会社?

臨床検査・微生物検査分野で、現場で使われる試薬・検査システムを長く提供している企業です。

なぜ関連銘柄?

AMRの現場対策の核心は「感受性(MICなど)を測って、適切な薬に寄せる」ことですが、栄研は 薬剤感受性検査(ディスク、MICプレート等)を明確に製品ラインとして持っています(フローズンプレート、ドライプレート等)。

注目ポイント

派手さはないけど、AMR対策の最重要インフラ枠。「診断→切替/中止」の流れを、検査側から支える企業として関連度が高いです。

注意点

感受性検査は標準化(CLSI準拠など)・運用・需要変動(感染症流行、検査体制)に影響を受けやすい領域です。

銘柄分析

栄研化学(4549)は、臨床検査薬(便潜血・尿・微生物・免疫血清など)と検査機器を手がけるメーカーです。特に大腸がんスクリーニング向けの便潜血(OCセンサー関連)や、独自の遺伝子増幅技術「LAMP法」を軸に、海外展開も進めています。

直近の会社計画(2026年3月期・通期)は、売上高 42,200百万円/営業利益 3,250百万円(経常利益 3,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益 3,770百万円)です。
上期(2025年4〜9月)は、売上高 20,430百万円(前年差+3.6%)/営業利益 1,729百万円(同+10.4%)と増収増益。海外売上も5,449百万円(同+11.3%)と伸びています。
一方で、純利益は関係会社出資金譲渡益 2,004百万円などの特別利益が効いて大きく見えやすい点は注意(実力以上に見える典型パターン)。
通期計画に対して、下期に必要なのはざっくり 売上 21,770百万円/営業利益 1,521百万円(=通期計画−上期実績)。営業利益は上期より低い水準でも到達しうるので、現時点では下期に超ハードな逆転劇が必須という感じではありません(※ただし為替・海外需要・コスト次第)。

財務面はかなり堅めで、2025年9月末時点で自己資本比率 69.3%。現金及び預金 9,533百万円(+長期預金 1,200百万円)に対し、負債側の目立つ有利子負債は社債 3,000百万円で、実質ネットキャッシュ寄りです。

株主還元は強化モードで、2025年5月に「総還元性向50%以上(配当+自己株取得)」へ方針変更(2026年3月期の配当から適用)。実際に上期中も、自己株式の取得(782,800株/1,673百万円)を行っています。配当利回りは、約2.3〜2.4%あたりです。

まとめると、栄研化学は「便潜血×海外(+LAMP)が柱の検査薬メーカー」で、見るべきポイントは① 海外売上の伸び(便潜血試薬・機器が牽引できているか)、② 特殊要因(特別利益)を除いた利益の“素の伸び”、③ ネットキャッシュ級の堅い財務が、投資と還元にどう振り分けられるか、④ 総還元性向50%の運用(配当+自己株買いの実行ペース)、このあたりを確認していく銘柄です。

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