円建てステーブルコインとデジタル証券の関連銘柄を整理

円建てステーブルコインとデジタル証券の関連銘柄を日本株で整理すると、本命に近いのは、ProgmatのMUFG、電子決済手段とSTARTを押さえるSBI、BOOSTRYを抱える野村、販売チャネルを持つ大和の4社です。サプライチェーン銘柄としては、決済・基盤のNRIとTIS、信託の三井住友トラスト、制度・市場インフラのJPXが重要です。周辺恩恵株としては、個人向け不動産STの実例を持つりそなが分かりやすく、逆に思惑先行に注意したいのは、国内制度との距離があるGMOのような銘柄です。今後確認したいポイントは、円建てステーブルコインの実発行、STARTの売買代金拡大、DCJPYなどトークン化決済の商用化、そして各社IRでテーマ関連売上や案件数がどこまで開示されるかです。 

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

円建てステーブルコインとデジタル証券のテーマの整理

円建てステーブルコインとデジタル証券のテーマの概要

日本では、2023年6月施行の改正資金決済法でステーブルコインが「電子決済手段」として制度化され、銀行・資金移動業者・信託会社を軸に取り扱いルールが整いました。さらに2025年成立の資金決済法改正と、2026年6月施行の府令・監督指針整備によって、外国法準拠の信託型ステーブルコインの扱いや裏付資産の運用ルールも具体化しています。一方、デジタル証券/STOは、株式・社債・不動産信託受益権などをブロックチェーンで発行・管理する仕組みで、大和証券も「ブロックチェーン技術を用いて権利の移転・記録が行われるデジタル化された証券」と整理しています。要するに、円建てステーブルコインは「決済のデジタル化」、STOは「証券のデジタル化」であり、発行基盤、信託、決済、二次流通、カストディの各機能が重なるのがこのテーマの特徴です。 

なぜ今注目されているのか

注目度が高い背景には、制度整備と市場形成が同時進行している点があります。金融庁は2025年末に暗号資産制度ワーキング・グループ報告を公表し、税制改正資料では、法改正を前提に暗号資産ETF等の検討にも言及しました。つまり、ステーブルコインやデジタル証券だけでなく、デジタルアセット全体の制度設計が広がっている段階です。加えて、BOOSTRY公表の市場レポートでは、国内セキュリティトークン市場の2025年度発行額は1,650億円、累計は3,333億円に達しました。大阪デジタルエクスチェンジのSTARTも2023年12月に開業しており、発行だけでなく二次流通の議論も具体化しています。 

日本株で関連銘柄を選ぶ視点

日本株で見るときは、まず「実際に発行・流通・販売を担う企業」と、「基盤や制度面を支える企業」を分けて考えると整理しやすくなります。前者は、電子決済手段等取引業の登録や、ST商品ページ、実際の販売・引受・市場運営などが確認できる企業です。後者は、信託、ブロックチェーン基盤、決済検証、取引所機能、データ連携などを担う企業で、テーマ拡大の恩恵は受けやすいものの、業績インパクトは個別案件次第になりやすい傾向があります。PoCや共同検討、少額出資だけで株価が動きやすい銘柄は、売上や件数の開示が伴うかを必ず見たいところです。 

関連銘柄一覧

表示順関連度証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A8306三菱UFJフィナンシャル・グループ東証プライムProgmatの源流で、円建てステーブルコインとデジタル証券の共通基盤に深く関与。信託機能、Progmatの中立インフラ性、主要金融機関ネットワーク。商用化の進展は重要だが、親会社ベースでの収益寄与は現時点で見えにくい。 
2A8473SBIホールディングス東証プライムSBI VCトレードの電子決済手段対応と、ODXのSTART運営で流通面を押さえる。国内でのUSDC取扱い、START、円建てステーブルコイン計画。直近の実績はUSDC中心で、円建て案件は「予定」段階を含む。 
3A8604野村ホールディングス東証プライムBOOSTRYを子会社化し、ST発行基盤と案件組成の両面で関与。ibet for Fin、デジタル債、VCファンドST、独自市場レポート。グループ全体から見ると、ST事業の売上規模はまだ限定的。 
4A8601大和証券グループ本社東証プライムSTの専用商品ページと販売導線を持ち、投資家接点が明確。オンライン申込、販売実績、DCJPY検証参加。市場拡大は追い風だが、二次流通や商品数はなお発展途上。 
5B8316三井住友フィナンシャルグループ東証プライムステーブルコイン事業化に向けた共同検討を公式に開始。ホールセール決済、RWA決済、SMBCの顧客基盤。現時点では商用化前の共同検討が中心で、業績寄与は未確認。 
6B4307野村総合研究所東証プライムBOOSTRY共同創業企業で、DVPやDCJPY連携の実証にも関与。ST決済基盤、デジタル債の実発行経験、開発力。受託・基盤提供型のため、テーマ単独での業績寄与は読みづらい。 
7B3626TIS東証プライムSMFGとの共同検討に加え、JPYCと決済支援サービス開発を進める。決済システム実装力、事業者導入支援、JPYC連携。まだPoC・事業化準備の比重が高く、収益化時期は不透明。 
8B8309三井住友トラストグループ東証プライムProgmat株主で、デジタル証券特化の信託会社設立など信託面で強い。信託受託ノウハウ、オルタナ信託、実発行案件。グループ全体から見たテーマ売上の開示は限定的。 
9B8697日本取引所グループ東証プライムBOOSTRY出資とJPX総研の研究会・デジタル債実証で市場インフラ側に位置。標準化・可視化、債券デジタル化、取引所ブランド。直接収益化までの距離はあり、テーマ性が先行しやすい。 
10B8308りそなホールディングス東証プライム子会社で不動産STを組成・運営しており、個人向けSTの実例がある。専門子会社、りそなグループの不動産・信託機能、商品理解のしやすさ。現状は案件数が限られ、親会社業績への影響は小さい。 
11C9449GMOインターネットグループ東証プライム連結子会社が円連動ステーブルコインGYENを発行してきた。実運用の履歴、多チェーン展開、暗号資産事業との接点。日本国内向け制度・流通との結びつきは限定的で、思惑先行に注意。 

銘柄別解説

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)|関連度A

会社概要

三菱UFJフィナンシャル・グループは、銀行・信託・証券を擁する国内最大級の総合金融グループです。持株会社として東証プライムに上場し、国内外のネットワークと大きな顧客基盤を持つ点が特徴です。今回のテーマでは、グループ内の三菱UFJ信託銀行が、デジタルアセット基盤やステーブルコイン関連の取り組みを先導していることが大きな意味を持ちます。 

今回のテーマとの関連性

MUFG系で最も重要なのは、三菱UFJ信託銀行が源流となった「Progmat」です。2023年9月には、みずほ信託銀行、三井住友信託銀行、SMFG、SBI PTSホールディングス、JPX総研、NTTデータ、DatachainとともにProgmat設立に向けた株主間契約を締結し、デジタルアセット市場のナショナルインフラ構築を掲げました。加えて、同月にはナショナルステーブルコインやBinance Japan向けステーブルコインの共同検討を公表しており、デジタル証券だけでなく円建てステーブルコインの発行基盤側にも深く関与しています。A判定理由は、公式資料でSTOとステーブルコインの両方に関する中核的な基盤整備が確認できるためです。 

注目ポイント

  • Progmatが「中立インフラ」として複数の金融機関・事業会社を束ねている点です。個別案件ではなく、基盤採用拡大の視点で見やすい銘柄です。 
  • 信託銀行機能を持つため、ステーブルコインの裏付け資産管理やデジタル証券の受託構造と相性がよい点が注目されます。 
  • ナショナルステーブルコインや取引所向けコインの検討が早い段階から公表されている点は、テーマの中心性を判断しやすい材料です。 

注意点

  • 親会社MUFGの業績全体からみると、Progmatやデジタルアセット関連の単独寄与は、確認できる範囲ではまだ大きく開示されていません。 
  • デジタル証券や円建てステーブルコインは、制度整備が進んでも実際の案件数・流通量が増えなければ収益化に時間がかかります。 
  • 基盤事業は、BOOSTRYなど他陣営との競争もあり、勝ち筋が一社独占になりにくいテーマです。 

参考情報

  • 会社公式サイト「IR(投資家情報)」:証券コード・市場区分の確認。 
  • 2023年9月の株主間契約リリース:Progmat設立と参加企業の確認。 
  • 三菱UFJ信託銀行の2023年9月プレスリリース群:ナショナルステーブルコイン、Binance Japan向け共同検討の確認。 

SBIホールディングス(8473)|関連度A

会社概要

SBIホールディングスは、証券、銀行、保険、暗号資産などを束ねる総合金融グループです。東証プライム上場の持株会社で、グループ会社数も多く、オンライン金融に強いのが特徴です。今回のテーマでは、SBI VCトレード、SBI証券、大阪デジタルエクスチェンジといった子会社群を通じ、発行・流通・販売のうちとくに流通と投資家接点に強みがあります。 

今回のテーマとの関連性

SBIは、デジタル証券とステーブルコインの両面で実務に近い位置にいます。SBI VCトレードは2025年3月に電子決済手段等取引業者の登録完了を公表し、その後USDCの一般向け取扱いを開始しました。加えて、SBIグループ企業である大阪デジタルエクスチェンジは、2023年12月にST二次流通市場「START」を開設しています。さらにSBIの2026年3月期決算説明会資料では、SBI新生信託銀行を発行体とする円建てステーブルコイン「JPYSC」とUSDCを活用した決済高度化の構想にも触れています。A判定理由は、ライセンス・流通市場・実際の取扱い・将来の円建て計画まで、公式資料で複数の接点が確認できるためです。 

注目ポイント

  • 国内でのステーブルコイン取扱いで先行しており、USDCの一般向けサービス開始まで進んだ点です。 
  • ODXのSTARTを通じて、STOの「発行後」の二次流通側にもポジションを持っています。 
  • 2026年説明資料では、USDCとJPYSCを組み合わせた決済高度化構想が示されており、決済テーマにも広がりがあります。 
  • 2026年にはUSDCレンディングや店舗決済実証も公表しており、周辺ユースケースの拡張も見やすいです。 

注意点

  • 現時点で実際に強く動いているのはUSDCであり、円建てステーブルコインは「提供予定」や構想段階の要素を含みます。 
  • グループ会社が多く、どの子会社が利益を取り込むのかを見誤ると、テーマ理解がぼやけやすいです。 
  • ステーブルコインや暗号資産関連は、当局対応、システム障害、サイバーセキュリティ、AML/CFT対応の影響を受けやすいです。 

参考情報

  • 会社概要資料:証券コード・市場区分とグループ概要の確認。 
  • SBI VCトレードの2025年3月リリース:電子決済手段等取引業者登録完了、USDC取扱い開始。 
  • SBIグループ企業紹介と決算説明資料:ODXのSTART、JPYSC構想の確認。 

野村ホールディングス(8604)|関連度A

会社概要

野村ホールディングスは、国内外で証券業務を展開する大手金融グループです。持株会社として東証プライムに上場し、証券引受、販売、資産運用、投資銀行業務まで幅広く担います。今回のテーマで重要なのは、デジタルアセット関連子会社BOOSTRYを持ち、証券会社としての案件組成力と、基盤会社としての技術面の両方に接点があることです。 

今回のテーマとの関連性

野村は、子会社BOOSTRYを通じてST基盤「ibet for Fin」を展開しています。2025年3月期有価証券報告書ではBOOSTRYを議決権51.0%保有の関係会社として記載しています。さらにBOOSTRY公表のレポートでは、2025年度の国内ST発行額は1,650億円、累計3,333億円に達し、ibet for Finが公募STで高いシェアを維持しているとされています。野村グループは2025年3月の国内初DVP決済スキーム付きデジタル債や、2025年12月のVCファンド受益権STにも関与しており、案件面でも前に出ています。A判定理由は、基盤保有、案件組成、実発行・販売までを公式資料で確認できるためです。 

注目ポイント

  • BOOSTRYを子会社として持つため、STOテーマの中核基盤を親会社経由で追いやすい点です。 
  • 不動産だけでなく、デジタル債、VCファンドなどアセット多様化の動きがあります。 
  • 市場レポートを継続公表しており、ST市場の伸びを自社視点で可視化している点も参考になります。 

注意点

  • 野村全体の利益規模からみると、STO関連事業の寄与はまだ一部にとどまる可能性があります。 
  • ST市場は拡大している一方、流動性や制度整備はなお発展段階で、案件の増減による振れも大きいです。 
  • 基盤事業ではProgmat陣営など他社との競争が続きます。 

参考情報

  • 2025年3月期有価証券報告書:BOOSTRYの保有状況確認。 
  • 2026年4月のBOOSTRY市場レポート:ST市場規模とibet for Finの位置づけ確認。 
  • 2025年3月・2025年12月の野村リリース:デジタル債、VCファンドST案件の確認。 

大和証券グループ本社(8601)|関連度A

会社概要

大和証券グループ本社は、証券業を中核とする大手金融グループで、東証プライム上場企業です。ウェルスマネジメント、アセットマネジメント、投資銀行、デジタル戦略などを強化しており、個人向け販売チャネルを持つ点が強みです。今回のテーマでは、「投資家が実際に触れるST商品」の窓口を持っていることが読みやすさにつながります。 

今回のテーマとの関連性

大和証券は、公式サイト上にST専用の商品ページを持ち、オンライントレードでの申込み導線を整備しています。同ページでは、STを「ブロックチェーン技術を用いて権利の移転・記録が行なわれるデジタル化された証券」と説明し、2025年5月末時点で不動産ST発行総額が1,600億円超と整理しています。さらに、2026年のデジタル戦略資料では、グループ横断でST事業や暗号資産事業を積極展開し、DCJPYを使ったST決済の検証やトークン化証券の法制検討への参加も示しています。A判定理由は、販売チャネルと公式商品ページがあり、実務上の投資家接点が明確だからです。 

注目ポイント

  • STを一般投資家向けに説明・販売する導線が公式サイトで確認でき、テーマ理解と販売実務が近い点です。 
  • グループ資料でST事業を明示しており、単なる話題づくりではなく施策の一つとして扱っている点が見やすいです。 
  • DCJPYを用いた決済検証など、発行後の決済インフラにも関わっています。 

注意点

  • ST市場は同社ページでも「成長途上」とされており、商品ラインアップや二次流通はまだ十分に厚いとは言いにくいです。 
  • 親会社決算では、ST関連収益が独立セグメントとして開示されているわけではありません。 
  • 発行体や案件の有無によって販売機会が左右されやすく、安定収益化には時間がかかる可能性があります。 

参考情報

  • 会社トップ・FAQ:証券コード、市場区分、事業内容の確認。 
  • ST商品ページ:市場説明、オンライン申込導線、STの定義。 
  • 2026年3月のデジタル戦略資料:DCJPY検証、トークン化証券関連の取り組み確認。 

三井住友フィナンシャルグループ(8316)|関連度B

会社概要

三井住友フィナンシャルグループは、銀行、カード、リース、証券などを抱える大手金融グループです。東証プライム上場で、国内外の法人・個人顧客基盤を広く持ちます。今回のテーマでは、メガバンクとしての決済・法人ネットワークに加え、デジタル戦略の中でステーブルコインを実ビジネスとして検討している点が注目されます。 

今回のテーマとの関連性

SMFGは2025年4月、TIS、Ava Labs、Fireblocksとともに、将来的なステーブルコイン事業化を視野に入れた共同検討を正式開始しました。リリースでは、ホールセール領域での決済利用に耐えうるステーブルコインの要件定義や、RWA決済での活用も検討対象とされています。グループレポートでもこの取り組みはデジタル戦略として記載されています。さらにSMFG系コンテンツでは、ODX設立に関する取り組みも紹介されています。B判定理由は、戦略的重要性は高いものの、現時点では商用サービスより共同検討の色が強いためです。 

注目ポイント

  • ステーブルコインを単なる実証ではなく、事業化前提で検討している点です。 
  • ホールセール決済やRWA決済用途を視野に入れており、BtoBの大型ユースケースに向いています。 
  • メガバンクの顧客基盤があるため、商用化した場合の横展開余地は大きいと見られます。 

注意点

  • 現時点では共同検討段階であり、発行開始時期や収益モデルは明確ではありません。 
  • 共同検討はパートナー依存度が高く、技術・規制・実需のすべてが整わないと前進しにくいです。 
  • 個人投資家向けの分かりやすい商品として出てくるかは、確認できる範囲ではまだ未定です。 

参考情報

  • 株式基本情報・会社概要:証券コード、市場区分、事業概要の確認。 
  • 2025年4月の共同検討リリース:ステーブルコインのユースケース確認。 
  • GROUP REPORT 2025:デジタル戦略の位置づけ確認。 

野村総合研究所(4307)|関連度B

会社概要

野村総合研究所は、コンサルティングとITソリューションを中核とする情報通信大手で、東証プライム上場企業です。金融ITに強く、証券・銀行向け基幹システムや先端技術の社会実装に実績があります。今回のテーマでは、金融フロントよりも「基盤」「決済」「システム標準化」の側で重要な位置にいます。 

今回のテーマとの関連性

NRIはBOOSTRYの共同創業企業であり、2025年3月には、BOOSTRYの新システムとSMBCの銀行サービスを組み合わせた国内初のDVP決済付きデジタル債の発行に関与しました。同プロジェクトでは、DeCurret DCPのDCJPYテスト環境を使った証券決済の概念実証も行われています。つまり、NRIはSTOそのものの販売会社ではありませんが、将来の決済標準や運用効率を左右する技術側の重要プレイヤーです。B判定理由は、テーマとの接点は濃い一方、親会社全体への影響は基盤提供型でAより見えにくいためです。 

注目ポイント

  • STOのボトルネックになりやすい決済リスク低減に直接取り組んでいる点です。 
  • BOOSTRYとの関係から、案件増加時に基盤側の受注機会が広がりやすいです。 
  • 金融ITに強い同社らしく、実証だけで終わらず実運用に近い設計へ進みやすい点が注目されます。 

注意点

  • NRI本体の業績が大きいため、特定テーマだけで株価を語るのは難しいタイプです。 
  • 共同実証・PoCの多くは本格商用化まで時間差があります。 
  • システム提供企業は、成功しても売上の見え方が案件ベースになりやすく、思惑だけでは判断しにくいです。 

参考情報

  • 会社概要・IR FAQ:証券コード、市場区分、事業概要の確認。 
  • 2025年3月のNRIリリース:DVPデジタル債とDCJPY PoCの確認。 
  • Nomura/JPX/BOOSTRY関連リリース:BOOSTRYとの位置関係の確認。 

TIS(3626)|関連度B

会社概要

TISは、決済、金融、産業システムなどを手がけるITサービス大手で、東証プライム上場企業です。ペイメント領域に強く、金融機関向けのシステム構築から企業向け決済ソリューションまでを広く手がけています。テーマ株としては、銀行やステーブルコイン発行体を支える「実装支援」の立場が特徴です。 

今回のテーマとの関連性

TISは2025年4月にSMFG、Ava Labs、Fireblocksとの共同検討に参加し、ステーブルコイン事業化を視野に入れたユースケース検討を進めています。さらに2025年11月にはJPYCと日本円建ステーブルコイン決済の社会実装に向けた基本合意書を締結し、「ステーブルコイン決済支援サービス」の開発に着手しました。2025年3月期の決算説明資料でも、ステーブルコインの事業化検討が重点テーマとして明記されています。B判定理由は、関与の濃さは高いものの、現時点では基盤・支援事業の色合いが強く、売上インパクトはAランクより限定的なためです。 

注目ポイント

  • 銀行・事業会社の双方と組めるため、導入支援・実装需要を取り込みやすい位置にいます。 
  • JPYC連携は、円建てステーブルコインを実際の決済導入まで落とし込む動きとして分かりやすいです。 
  • 決算説明資料にテーマが明記されているため、少なくとも経営陣の重点施策として追いやすい銘柄です。 

注意点

  • サービス提供開始前の検討・PoC段階が多く、収益化の時期を読みづらいです。 
  • 発行体や銀行が主役で、TISは支援側になりやすいため、テーマ拡大がそのまま高収益化につながるとは限りません。 
  • パブリックチェーン、カストディ、AML/CFTなど技術・規制両面の調整が必要です。 

参考情報

  • 会社概要・株式基本情報:証券コード、市場区分、事業内容確認。 
  • 2025年4月の共同検討リリース:SMFG連携の確認。 
  • 2025年11月のTISリリースと2025年3月期決算説明資料:JPYC連携、重点テーマ確認。 

三井住友トラストグループ(8309)|関連度B

会社概要

三井住友トラストグループは、信託銀行を中核に不動産、資産運用、証券代行などを展開する大手信託グループで、東証プライム上場企業です。信託財産残高や不動産関連機能に強みがあり、デジタル証券では「信託受託」「資産流動化」「投資家への商品化」に関わりやすい立場にあります。 

今回のテーマとの関連性

2023年のProgmat設立に向けた株主間契約では、三井住友信託銀行も参加企業として名を連ねています。加えて、2024年には米ドル建て合同運用指定金銭信託受益権セキュリティ・トークンの発行を公表し、2025年には三井物産デジタル・アセットマネジメントと共同で、デジタル証券特化型の新会社「オルタナ信託」を設立しました。信託はSTOスキームの要であり、同社はその中核機能を担う側です。B判定理由は、実務上の重要性は高い一方、親会社業績への寄与を直接読み取りにくいためです。 

注目ポイント

  • デジタル証券は信託スキームが重要であり、同社の本業とテーマの相性が非常に良いです。 
  • Progmat株主であり、基盤側との接点も持っています。 
  • オルタナ信託設立により、信託受託の専門化・効率化を進めています。 

注意点

  • テーマ性は強いものの、グループ全体でみると他の本業収益が大きく、STO単独での影響は見えにくいです。 
  • デジタル証券市場が伸びても、案件ごとの受託競争や手数料水準次第で収益性は変わります。 
  • 不動産系STは不動産市況や対象資産の評価にも左右されます。 

参考情報

  • 株式基本情報・会社概要:証券コード、市場区分の確認。 
  • 2023年9月のProgmat関連リリース:株主参加の確認。 
  • 2024年・2025年のプレスリリース:ST発行、オルタナ信託設立の確認。 

日本取引所グループ(8697)|関連度B

会社概要

日本取引所グループは、東京証券取引所や大阪取引所などを傘下に持つ市場インフラ企業で、東証プライム上場企業です。株式や先物だけでなく、資本市場の制度・データ・研究開発も担っています。今回のテーマでは、実際にコインを発行する会社ではなく、「市場の標準化・可視化・制度接続」を支える役回りです。 

今回のテーマとの関連性

JPXは2023年にBOOSTRYへ資本参加し、5%出資を公表しています。また、JPX総研は2022年の国内初デジタル環境債や、2023年の「ESG投資におけるデジタル債の活用に関する研究会」、同年の日立製作所のデジタル環境債に関する協業に関与してきました。JPXのInvestor Day資料でも、デジタル証券市場の創設やデジタル通貨・デジタル証券への取り組みが示されています。B判定理由は、市場インフラとして重要でも、直接的な売上インパクトは限定的とみられるためです。 

注目ポイント

  • 取引所グループとして、制度形成や標準化で影響力を持ちやすい点です。 
  • デジタル債の可視化やESGデータ連携など、STOの付加価値領域に関わっています。 
  • BOOSTRY出資により、民間基盤との距離も近いです。 

注意点

  • 取引所本体の業績は既存市場が大きく、デジタル証券テーマの寄与はなお小さいでしょう。 
  • 研究会や実証の比重が高く、利益化までのタイムラグがあります。 
  • 「名前が出やすい」割に、投資家が期待するほど短期業績につながるとは限りません。 

参考情報

  • JPX株式情報・FAQ:証券コード、市場区分の確認。 
  • 2023年3月のBOOSTRY資本参加リリース。 
  • JPX総研関連リリース:デジタル債研究会、デジタル環境債の確認。 

りそなホールディングス(8308)|関連度B

会社概要

りそなホールディングスは、りそな銀行、埼玉りそな銀行などを傘下に持つリテール色の強い金融グループで、東証プライム上場企業です。住宅ローンや中小企業取引に強く、個人・地域金融との接点が多いのが特徴です。今回のテーマでは、巨大基盤投資よりも「個人に届く不動産ST実例」が分かりやすい銘柄です。 

今回のテーマとの関連性

りそな銀行100%出資のりそな不動産投資顧問は、2024年4月設立の専門会社で、不動産STの運営を担っています。公式サイトでは「ホテルトークン 悠洛・京都三条(譲渡制限付)」を、りそなグループの不動産機能と信託機能を活用した不動産セキュリティ・トークンとして案内しています。つまり、りそなはSTO一般論ではなく、個人に見える商品としてのSTに踏み込んでいる点が特徴です。B判定理由は、案件は具体的でも、テーマ全体の広がりや親会社寄与はまだ限定的とみられるからです。 

注目ポイント

  • 不動産STを実際に商品化しており、初心者にもテーマがイメージしやすいです。 
  • 専門子会社化により、グループとしてSTO機能を切り出している点がわかりやすいです。 
  • リテールに強い金融グループのため、将来も個人向けSTの窓口候補として見られやすいです。 

注意点

  • 現時点では案件数が多いとは言えず、テーマ拡大の恩恵を大きく見積もりにくいです。 
  • 不動産STは対象物件の運用成績や市況の影響を受けます。 
  • 親会社の大きな収益源は通常の銀行業務であり、STOが主軸ではありません。 

参考情報

  • りそなHD公式サイト:証券コード、市場区分の確認。 
  • りそな不動産投資顧問の会社概要:子会社位置づけの確認。 
  • ホテルトークンの公式ページ・開示資料:商品構造と運用状況の確認。 

GMOインターネットグループ(9449)|関連度C

会社概要

GMOインターネットグループは、インターネットインフラ、金融、暗号資産などを束ねる持株会社で、東証プライム上場企業です。グループ内に金融・暗号資産関連事業を抱えており、Web3やブロックチェーンに対する感度は比較的高い企業群です。今回のテーマでは、国内STOよりも「円連動ステーブルコインの運用実績」が評価ポイントになります。 

今回のテーマとの関連性

GMOの連結子会社GMO-Z.com Trustは、NYDFS規制下で円連動ステーブルコイン「GYEN」と米ドル連動「ZUSD」を発行しています。GMO公式でもGYENを「世界初の規制準拠の日本円ステーブルコイン」と整理し、StellarやSolanaなど複数チェーン対応を進めてきました。ただし、公式リリースでは日本国内居住者向け販売は対象外とされています。つまり、円建てステーブルコインというテーマそのものには近い一方、日本国内制度や国内流通の本命というよりは、海外発行型の先行事例として見るのが適切です。C判定理由は、関連性はあるものの、国内STO・国内流通との距離があり、業績連動の見え方も弱いためです。 

注目ポイント

  • 実際に円連動ステーブルコインを発行・運用してきた履歴があります。 
  • 複数チェーン対応を進めており、技術的には先行事例として参考になります。 
  • 暗号資産事業との接点があるため、デジタルアセット全体の流れを補助線として見ることはできます。 

注意点

  • 国内向け販売ではなく、この記事の主題である「日本の制度整備の恩恵」を直接受ける構図とは少し異なります。 
  • 親会社業績とのつながりは、確認できる範囲では限定的で、テーマ性だけが先行しやすいです。 
  • 国内STOや銀行・証券の制度整備と一緒くたに評価すると、テーマの軸がぶれやすい銘柄です。 

参考情報

  • 会社概要・IRページ:証券コード、市場区分、事業区分の確認。 
  • 2020年・2024年のGMOリリース:GYEN設立経緯とチェーン展開の確認。 
  • GMO公式サービス紹介:GYENの位置づけ確認。 

今回は除外・参考扱いとした銘柄

会社名理由
みずほフィナンシャルグループみずほ信託銀行はProgmat株主でST案件も確認できる一方、親会社ベースではこのテーマの存在感や業績連動の見え方が、今回採用した信託・証券・流通中核銘柄よりやや薄いため外しました。 
Progmatテーマ理解には極めて重要な基盤企業ですが、非上場のため今回は参考扱いです。 
BOOSTRY国内ST市場の主要基盤企業ですが、非上場のため対象外です。 
大阪デジタルエクスチェンジSTART運営会社として重要ですが、非上場のため参考扱いです。 
JPYC円建てステーブルコインの議論では重要な事業者ですが、非上場のため対象外です。 

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