CCUS・CO2回収/輸送/貯留関連の日本株を整理する

CCUS関連銘柄を日本株で整理すると、本命に近いのは、公式にCCUSの製品群やEPC実績、貯留案件を明示している三菱重工業、日揮ホールディングス、INPEX、石油資源開発です。サプライチェーンで重要なのは、千代田化工建設や東洋エンジニアリングの設計・EPC、日本酸素ホールディングスの回収・液化・貯蔵、荏原製作所の昇圧機器です。周辺恩恵を受けやすいのは、海上輸送の商船三井、分離膜の東レ、バルブ・膜のキッツですが、ここは量産・採用・売上寄与の確認が欠かせません。CCUSやCO2回収・輸送・貯留の日本株は、ニュースの多さよりも、公式資料で「どの工程を担うのか」「案件段階はどこか」「受注や発売開始まで見えているか」を確認して見分けるのが基本です。

本ブログに掲載している情報は、筆者の個人的な見解および情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて生じたいかなる損失についても責任を負いかねます。投資判断はご自身の責任において行ってください。

  1. テーマの概要
    1. テーマの概要
    2. なぜ今注目されているのか
      1. 2026年時点で追加確認したい制度面のポイント
    3. 日本株で関連銘柄を選ぶ視点
  2. 関連銘柄一覧
      1. 関連度A/B/Cの見方
  3. 銘柄別解説
    1. 三菱重工業(7011)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    2. 日揮ホールディングス(1963)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    3. INPEX(1605)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    4. 石油資源開発(1662)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    5. 千代田化工建設(6366)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    6. 東洋エンジニアリング(6330)|関連度A
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    7. 日本酸素ホールディングス(4091)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    8. 商船三井(9104)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    9. 荏原製作所(6361)|関連度B
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    10. 東レ(3402)|関連度C
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
    11. キッツ(6498)|関連度C
      1. 会社概要
      2. 今回のテーマとの関連性
      3. 注目ポイント
      4. 注意点
      5. 参考情報
  4. 除外・参考扱いと総括
    1. 今回は除外・参考扱いとした銘柄

テーマの概要

テーマの概要

CCUSは、工場や発電所などから出るCO2を回収し、輸送し、地中に貯留したり資源として利用したりする仕組みです。日本では特に、電化や燃料転換だけでは排出削減が難しい鉄鋼、化学、セメント、製油所などで重要性が高まっています。株式テーマとして見ると、単純な「脱炭素株」ではなく、CO2回収装置、圧縮機、ポンプ、液化・貯蔵設備、LCO2輸送船、分離膜、EPC(設計・調達・建設)、地質評価・圧入管理まで含む長いサプライチェーンとして捉えるのがポイントです。政府は2030年までのCCS事業開始を前提に制度整備を進めており、関連銘柄も「回収」「輸送」「貯留」「周辺部材」に分けて見ると理解しやすくなります。

なぜ今注目されているのか

日本では2023年にCCS長期ロードマップがまとまり、2030年までに年間600万〜1,200万トンのCO2貯留量確保に目途を付ける目標が示されました。2024年にはCCS事業法が成立し、探査や試掘に関する制度整備も進展しています。加えて、JOGMECが2024年度から重点支援する先進的CCS事業として9案件を選定し、合計で年間約2,000万トンの貯留を目標に設計・評価作業が進んでいます。海外でも国際エネルギー機関は、2025年以降もCCUSの投資と最終投資決定が増えていると整理しており、国内外で「構想」から「制度・設計・実装準備」へ移りつつある段階と見られます。

2026年時点で追加確認したい制度面のポイント

2026年4月には、CCS事業法の施行期日を2026年5月22日とする政令が閣議決定されました。これにより、貯留事業や導管輸送事業の制度面は、実装段階へもう一段進むことになります。

一方で、海域の貯留層に貯蔵するCO2については、濃度99%以上を原則とする規定も示されています。つまり、CCUS関連銘柄を見る際は、単に「回収できるか」だけでなく、回収後のCO2をどの濃度まで精製し、どのように輸送・貯留条件へ適合させるかも重要になります。

そのため、今後はCO2回収装置だけでなく、精製、圧縮、液化、貯蔵、導管輸送、船舶輸送、モニタリングまで含めて、制度対応コストと採算性を確認する必要があります。

日本株で関連銘柄を選ぶ視点

CCUS関連銘柄は、まずCCUSを主力製品や成長戦略として明示しているかで見分けるのが基本です。その上で、回収装置やEPCのような中核銘柄、液化・輸送・圧入機器のサプライチェーン銘柄、分離膜やバルブの周辺恩恵銘柄に分けると整理しやすくなります。さらに、案件の段階が「研究」「FS」「FEED」「EPC」「発売開始」のどこにあるか、公式資料で売上・受注・実績・導入件数まで確認できるかを見たいところです。とくに思惑先行になりやすいのは、技術開発や提携の発表はある一方で、量産時期や業績寄与がまだ見えにくい銘柄です。

関連銘柄一覧

関連度A/B/Cの見方

本記事では、CCUS関連銘柄を次のように整理します。

区分見方
関連度A会社公式資料でCCUSの製品、技術、受注、EPC、FEED、貯留案件への関与が確認でき、事業化時に中核工程を担う可能性が高い銘柄
関連度BCCUSサプライチェーンの一部工程に直接関わるが、全社業績への寄与や案件化の時期がまだ見えにくい銘柄
関連度C研究開発、実証、部材供給などで接点はあるが、量産、採用、売上寄与の確認が今後の課題となる銘柄
No.関連度証券コード会社名市場区分関連する理由注目ポイント注意点
1A7011三菱重工業プライムCO2回収装置からLCO2輸送船、コンプレッサまでCCUS全体の製品群を公式に展開。商用実績、幅広い製品群、先進的CCS案件への関与事業が大きく、CCUS単独の業績寄与は追いにくい
2A1963日揮ホールディングスプライムCCSの有力EPCとして実績を持ち、国内外のCCS案件やFEEDに継続関与。CCS建設実績、海外案件、EPCの代表格受注・FIDのタイミングで見え方が変わりやすい
3A1605INPEXプライムCCS/水素をコアとした低炭素ソリューションを掲げ、国内外で貯留・ハブ案件を推進。首都圏CCS、豪州CCS、地下評価技術収益基盤は依然として油ガスが中心
4A1662石油資源開発プライム国内2件・海外1件の先進的CCS案件に関与し、新計画でもCCUSを成長の中核に据える。苫小牧・東新潟・サラワク、試掘進展事業化判断まで時間がかかる
5A6366千代田化工建設スタンダードCO2分離回収設備と圧入設備の設計業務を公式に受託しており、国内CCS案件への接点が明確。回収側と圧入側の両方に関与CCS売上の独立開示は限定的
6A6330東洋エンジニアリングプライムCCUSを公式ソリューションに位置付け、先進的CCS案件のFS/Pre-FEED進捗も確認できる。早期からCCSに参画、事業開発支援まで対応大型案件の具体化待ちの面がある
7B4091日本酸素ホールディングスプライムCO2回収装置、低濃度向け回収システム、CCS用出荷タンク設備を展開。回収装置の発売実績、液化・貯蔵ノウハウ持株会社全体ではCCUS寄与が見えにくい
8B9104商船三井プライム液化CO2海上輸送の実装に向けた標準船型、海上輸送ノウハウ、船上回収で直接関与。海上輸送の代表格、AiP取得、船上回収実需はCCS案件のFIDに左右される
9B6361荏原製作所プライムCCS向けCO2インジェクションポンプ/コンプレッサを公式に展開する機器メーカー。圧縮・昇圧機器の要所、装置面で直結CCUSが全社業績に占める比率はまだ見えにくい
10C3402東レプライムオールカーボンCO2分離膜を開発し、パイロット設備と実証を進める。分離膜の省エネ期待、量産技術構築実用化・収益化はなお開発段階
11C6498キッツプライム低温・高圧対応バルブと、子会社の中空糸膜によるCO2分離開発で関連。バルブ+膜でテーマに接続しやすい現時点では開発・将来機会の色合いが強い

銘柄別解説

三菱重工業(7011)|関連度A

会社概要

発電、航空・宇宙、防衛、船舶、機械、環境装置まで手掛ける日本の総合重工大手です。エナジー・環境やプラント関連の技術基盤が厚く、脱炭素分野ではGX関連ソリューションを拡充しています。CCUSも単発の研究テーマではなく、回収装置、輸送、圧縮などを含む事業領域として明示している点が特徴です。

今回のテーマとの関連性

同社は公式に、CO2回収、輸送、転換利用、貯留までを見据えたCCUSバリューチェーン全体への対応を掲げています。実際に、大型CO2回収プラント、中小型回収装置「CO2MPACT™シリーズ」、LCO2輸送船、コンプレッサなどをラインアップ化しており、回収から運搬までの中核装置を持つ数少ない国内上場企業です。また、CO2回収技術「KM CDR Process™」は30年以上の研究開発実績があり、1999年以降の商用納入実績も確認できます。

判定理由:CCUSバリューチェーン全体を公式に製品群として展開し、商用実績まで確認できるため、関連度はAと判断しました。

注目ポイント

  • CO2回収装置だけでなく、LCO2輸送船やコンプレッサまで含めてCCUS全体をカバーしている点です。
  • CO2回収技術は30年以上の研究開発歴があり、商用1号機は1999年、世界18基の納入実績が公式に確認できます。
  • 回収率90%以上、純度99.9vol%以上に対応する技術を示しており、装置スペックの確認がしやすい銘柄です。
  • 先進的CCS事業の位置図でも国内案件への参画が確認でき、単なる将来構想にとどまっていません。

注意点

  • 事業規模が非常に大きいため、CCUSが全社業績にどの程度寄与するかは四半期ベースでは追いにくい面があります。
  • 実需の立ち上がりは、国内外のCCS案件の最終投資決定や制度整備の進捗に左右されます。
  • 世界的にCCUS投資は増えていますが、プロジェクトの遅延や見直しが起きることもあり、装置需要の立ち上がり時期はぶれやすいテーマです。
  • 海外の回収技術、ライセンス、圧縮機メーカーとの競争環境も確認しておきたいところです。

参考情報

  • 会社公式CCUSページ:CCUS全体戦略と製品群の確認。
  • 会社公式「価値連鎖」ページ:回収技術、LCO2輸送船、コンプレッサ、実績の確認。
  • 会社公式製品ページ:CO2回収ソリューションの位置付けを確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード7011、市場区分プライムの確認。

日揮ホールディングス(1963)|関連度A

会社概要

国内外の大型プラント・施設のEPCを主力とするエンジニアリング大手です。LNG、石油・ガス、化学、再エネ、環境分野まで広く手掛け、近年はエネルギートランジション関連の事業投資やコンサルティングも強化しています。CCSでは、設備建設の実績があり、案件形成段階から関与できる点が強みです。

今回のテーマとの関連性

同社は公式に「A Leading CCS Contractor」と位置付けられており、2004年のアルジェリア天然ガス精製施設、豪州の大規模LNG案件、日本初期の大規模CCS実証設備などの建設実績を示しています。さらに、2024年にはサラワク沖CCS事業の陸上ターミナル・桟橋上部受入関連構造のFEED開始、2025年にはCO2回収技術分野の戦略協業検討も公表しており、過去実績と足元案件の両方でテーマ性を確認しやすい銘柄です。

判定理由:CCSのEPC実績が明確で、国内外の実装案件や技術拡張の動きも継続しているため、関連度はAと判断しました。

注目ポイント

  • 公式にCCSの有力コントラクターと打ち出しており、過去実績を確認しやすい点です。
  • 苫小牧のCCS実証設備でEPC・試運転まで担った実績があります。
  • サラワク沖CCS事業のFEED開始が公表されており、国内起点の国際輸送案件にも接点があります。
  • 2025年にはCO2回収技術分野の戦略協業検討も公表しており、EPCだけでなく回収技術の拡充も見られます。

注意点

  • エンジニアリング株は案件の形成、FEED、EPC受注、完工で見え方が変わりやすく、CCS案件も最終投資決定が重要です。
  • 会社全体ではLNGや化学、インフラなど他案件も大きく、CCS単独の売上寄与は追いにくい面があります。
  • 海外案件が多いため、相手国の規制、建設コスト、地政学要因に影響を受けやすい業態です。
  • 先進案件が増えても、受注化・収益化まで時間差がある点は確認しておきたいところです。

参考情報

  • 会社公式CCSページ:CCSの位置付けと実績の確認。
  • 会社公式プロジェクトページ:苫小牧CCS設備のEPC実績を確認。
  • 公式リリース:サラワク沖CCS事業のFEED開始を確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード1963、市場区分プライムの確認。

INPEX(1605)|関連度A

会社概要

日本最大規模のエネルギー開発企業で、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産を主力とします。一方で近年は、石油・ガス事業に加えてCCS/水素をコアとする低炭素ソリューションを正式に掲げ、資源開発会社から総合エネルギー開発企業への転換を進めています。貯留適地評価や地下モニタリングなど、上流由来の技術蓄積も厚い企業です。

今回のテーマとの関連性

同社は首都圏CCS事業で、複数産業から回収したCO2を大容量パイプラインで千葉県沖に貯留する構想を進めています。また、豪州のボナパルトCCS事業では、2030年頃からの圧入を目指して評価作業やPre-FEEDが進行しており、第三者CO2受入も視野に入れています。つまり、CCUSの中でも特に「輸送後の貯留」「ハブ形成」「地下評価」の中核を担うタイプの銘柄です。

判定理由:CCS/水素をコアとした低炭素事業を掲げ、国内外の貯留・ハブ案件を具体的に推進しているため、関連度はAと判断しました。

注目ポイント

  • 公式に「CCS/水素をコアとした低炭素ソリューション」を掲げている点です。
  • 首都圏CCSでは、回収源から大容量パイプライン輸送、海域貯留まで一体で進めているのが特徴です。
  • 石油・天然ガス開発で培った地質・物理探査・貯留層工学を、貯留候補地評価に応用している点は強みになりやすいです。
  • 豪州ボナパルトCCSではPre-FEED開始や重要プロジェクト認定など、案件具体化の段階が進んでいます。

注意点

  • 会社全体の利益はなお資源価格や油ガス事業の影響が大きく、CCSテーマだけでは株の見え方を説明しきれません。
  • 貯留事業は制度、地域理解、試掘、許認可、パイプライン整備など前提条件が多く、立ち上がりには時間がかかります。
  • 海外CCSは国ごとの制度や提携相手の進捗にも左右されます。
  • 大型案件は投資額も大きく、構想発表から収益化までのタイムラグを見ておきたいところです。

参考情報

  • 会社公式「早わかりINPEX」:CCS/水素をコアとする低炭素事業の位置付けを確認。
  • 会社公式CCS技術ページ:貯留候補地評価・モニタリング技術の確認。
  • 会社公式「首都圏CCS事業」ページ:国内案件の概要を確認。
  • 会社公式「ボナパルトCCS事業」ページ:豪州案件の進捗を確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード1605、市場区分プライムの確認。

石油資源開発(1662)|関連度A

会社概要

石油・天然ガスの探鉱・開発・生産に加え、天然ガス供給インフラや再エネを持つ上流系企業です。2026年4月公表の新しい経営計画では、2026〜2030年度を「海外E&PとCCUSへの集中によるコア資産群の構築期間」と位置付けており、CCUSを周辺テーマではなく成長戦略の中核に据え始めています。

今回のテーマとの関連性

同社の強みは、国内2案件・海外1案件という複数の先進的CCS案件にまたがって関与している点です。公式サイトでは、苫小牧、東新潟、サラワク沖の3案件を通じてCCS実用化を推進すると明示しています。さらに苫小牧では試掘実施と2026年度内の最終投資判断予定、サラワクでは日本からの国際CO2輸送を含む商業ベース案件の検討が進んでおり、貯留側の本命候補として見やすい銘柄です。

判定理由:CCUSを経営計画の中核に据え、国内外の先進的CCS案件で貯留・事業化推進の中心にいるため、関連度はAと判断しました。

注目ポイント

  • 新経営計画でCCUSをコア資産群の柱に据えている点です。
  • 苫小牧、東新潟、サラワク沖の3案件を公式に整理しており、テーマとの接点が非常にわかりやすい銘柄です。
  • 苫小牧では試掘着手と2026年度内の最終投資判断予定が示されており、案件の段階が進んでいます。
  • サラワク案件は日本からの国際CO2輸送を含む点が特徴で、輸送・貯留の両面に接続しています。

注意点

  • 現状の収益源はなお従来の上流事業が中心で、CCUSが利益の柱になるには時間が必要です。
  • 試掘や貯留地評価、許認可、投資判断など、事業化までの不確実性が大きい分野です。
  • 海外案件は輸送、提携、制度、需要家確保まで含めて商業化のハードルがあります。
  • 政府支援や制度設計の影響を受けやすいテーマである点も見落とせません。

参考情報

  • 会社公式CCSページ:国内外3案件の位置付けを確認。
  • 「JAPEX経営計画2026-2035」:CCUSの戦略的位置付けを確認。
  • 苫小牧エリア試掘リリース:案件進捗と最終投資判断予定を確認。
  • サラワク沖CCS関連リリース:国際CO2輸送を含む案件性格を確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード1662、市場区分プライムの確認。

千代田化工建設(6366)|関連度A

会社概要

LNG、石油・ガス、化学、環境、脱炭素ソリューションを手掛ける総合エンジニアリング会社です。近年はエネルギートランジション関連を重点領域に置いており、CCS/CCUも公式の低炭素ソリューションとして整理しています。プラント全体を見渡して最適設計ができる点が、この会社の土台です。

今回のテーマとの関連性

同社はCCS/CCUソリューションを公式に掲げているだけでなく、国内CCS案件の具体業務も明確です。苫小牧ではCO2分離回収設備設置のFEED、東新潟ではCO2圧入設備建設に係る基本設計業務を遂行しています。つまり、回収設備側と圧入設備側の双方で実務に入っていることが確認でき、単なる構想・研究段階の関与ではありません。

判定理由:国内CCS案件で回収設備と圧入設備の両方に設計業務として入っており、テーマとの直接性が高いため、関連度はAと判断しました。

注目ポイント

  • CO2分離回収設備と圧入設備の両方で公式案件ページがあり、役務範囲を確認しやすいです。
  • 苫小牧では回収設備側、東新潟では圧入設備側と、CCSチェーンの複数箇所に関わっています。
  • 公式のCCS/CCUページでも、CO2削減と有効利用のソリューション提供を明示しています。
  • LNG分野で培ったCO2分離・回収の知見をCCSへ転用していると公式ストーリーで説明されています。

注意点

  • 確認できる範囲では、CCS単独の売上規模や受注残の開示は限定的で、テーマの業績寄与は個別案件から推し量る必要があります。
  • エンジニアリング会社のため、案件の受注時期・進捗・採算で見え方が変わりやすいです。
  • 制度整備や最終投資判断が遅れると、設計段階からEPC本格化までの時間が延びる可能性があります。
  • 市場区分はスタンダードであり、テーマ性だけでなく事業全体の財務と受注環境の確認も必要です。

参考情報

  • 会社公式CCS/CCUページ:技術・ソリューションの位置付けを確認。
  • 会社公式プロジェクトページ:苫小牧のCO2分離回収設備FEEDを確認。
  • 会社公式プロジェクトページ:東新潟のCO2圧入設備基本設計を確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード6366、市場区分スタンダードの確認。

東洋エンジニアリング(6330)|関連度A

会社概要

石油化学、肥料、発電、環境、エネルギートランジション分野を手掛けるEPC企業です。近年はアンモニア、e-fuel、メタノール、CCUSなどを成長領域として打ち出しており、従来型のプラントEPCに加えて、事業開発支援やライフサイクル支援も広げています。CCUSは同社サイトでも独立したソリューション領域として示されています。

今回のテーマとの関連性

同社の公式ページでは、CCUSの各分野における技術提案や事業開発支援を行うと説明されています。特にCCSでは、日本CCS調査に設立当初から参画してきたこと、CO2分離・回収・輸送・貯蔵に関する経験を生かしてシステム検討や経済性評価に取り組むことを明示しています。さらに2025年度中間報告では、先進的CCS事業候補の選定を受け、同社でもFS/Pre-FEEDが進捗中とされています。

判定理由:CCUSを公式ソリューションとして打ち出し、先進的CCS案件の検討作業進捗も確認できるため、関連度はAと判断しました。

注目ポイント

  • CCUSを会社公式サイトで独立したソリューションとして掲げています。
  • 日本のCCS実現を目指す組織に設立当初から参画してきた点は、テーマ理解の深さを示します。
  • 2025年度中間報告では、先進的CCS関連でFS/Pre-FEEDが進んでいると説明されています。
  • ブルー水素やブルーアンモニアのCO2バリューチェーンとも接続しやすく、周辺テーマとの連動性があります。

注意点

  • 確認できる範囲では、CCUS単独の受注額や売上規模の開示は限定的です。
  • 具体的な大型EPC化には、案件の事業化判断や政策支援の継続が必要です。
  • 普通株はプライム上場ですが、非上場のA種優先株も発行しており、資本政策も合わせて見ておきたい銘柄です。
  • 同業大手と比べると、CCUS関連のニュースフローだけで思惑が先行しやすい局面もありえます。

参考情報

  • 会社公式CCUSページ:CCUSソリューションの内容を確認。
  • 2025年度中間報告書:先進的CCS案件のFS/Pre-FEED進捗を確認。
  • コーポレート・ガバナンス資料:普通株上場とA種優先株の状況を確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード6330、市場区分プライムの確認。

日本酸素ホールディングス(4091)|関連度B

会社概要

産業ガス、プラント・エンジニアリング、エレクトロニクス関連を手掛ける工業ガスグループの持株会社です。日本産業ガス事業を中心に、ガス分離精製、液化、貯蔵、供給、制御の技術基盤を持つのが特徴です。CCUSは主力の一部ではありませんが、CO2の回収・液化・貯蔵・出荷に接続しやすい事業ポジションです。

今回のテーマとの関連性

同社グループは、高濃度排出源向けのPSA方式CO2回収装置を商品化し、10トン/日規模の販売開始を公表しています。さらに2026年には、低濃度領域への適用を狙った一体型CO2回収システム開発提携を開始しました。加えて、2024年にはCCSバリューチェーン向けのCO2出荷タンク設備を開発し、低温低圧仕様や船舶出荷を意識した設備内容を公表しています。回収と液化・貯蔵インフラの両方に接点がある点でB評価としました。

判定理由:CCUSの中核企業ではないものの、回収装置とCCS用貯蔵・出荷設備の両方が公式に確認できるため、関連度はBと判断しました。

注目ポイント

  • 98%以上の濃度でCO2回収可能なPSA方式装置を商品化している点です。
  • 低濃度排出源への適用拡大を狙う一体型回収システムの開発提携が始まっています。
  • CCS用CO2出荷タンク設備は、低温低圧仕様や船向け出荷を想定しており、輸送インフラ側にも接続しています。
  • 海外ではDACプラント向け酸素供給契約もあり、CCUS周辺需要への接続も見えます。

注意点

  • 持株会社全体で見ると産業ガス事業が大きく、CCUS単独の業績寄与は把握しにくいです。
  • 回収システムや出荷設備はテーマとの接点が明確な一方、案件ごとの採用拡大には時間がかかる可能性があります。
  • CCS案件の立ち上がりは制度整備や地域条件の影響を強く受けます。
  • 装置の適用範囲や経済性は排出源の濃度や立地に左右されるため、汎用性だけで評価しないほうがよいテーマです。

参考情報

  • サステナビリティトピックス:10トン/日規模CO2回収装置とDAC関連の確認。
  • 公式ニュース:低濃度領域向けCO2回収システム開発提携の確認。
  • 公式ニュース:CCS用CO2出荷タンク設備の仕様確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード4091、市場区分プライムの確認。

商船三井(9104)|関連度B

会社概要

外航海運を中核に、液化ガス船、タンカー、物流、社会インフラを広く展開する海運大手です。海上輸送企業としての性格が強い一方、近年は脱炭素関連の新しい輸送需要にも積極的で、液化CO2輸送船や船上CO2回収など、CCUSに直接つながる海運ソリューションを打ち出しています。

今回のテーマとの関連性

CCUSでは、CO2の発生地点と貯留・利用地点が離れるケースが多く、海上輸送は重要な機能になります。同社は公式にCCUSバリューチェーンを掲げ、液化CO2輸送の知見獲得や技術開発を進めています。2024年には、将来のCCS事業向け低圧液化CO2輸送船のAiP取得を公表し、同年には邦船社で初めて船上CO2回収装置の商用搭載も決定しました。回収そのものよりも、輸送・物流インフラの代表銘柄として位置付けやすい銘柄です。

判定理由:テーマの中核である回収設備企業ではありませんが、CO2海上輸送と船上回収という直接的な役割が確認できるため、関連度はBと判断しました。

注目ポイント

  • CCUSバリューチェーンのうち、海上輸送というボトルネックに公式に取り組んでいます。
  • 低圧液化CO2輸送船のAiP取得により、標準船型づくりの段階が進んでいます。
  • 邦船社初の船上CO2回収装置商用搭載を決めており、海運起点の回収でも先行事例があります。
  • 海運会社の中では、CCUSを個人投資家にも見えやすい形で打ち出している点が特徴です。

注意点

  • 実際の輸送需要は、国内外の貯留拠点やCCS案件の最終投資決定に大きく依存します。
  • AiP取得や技術開発は前進ですが、即座に大量受注や大きな収益化を意味するわけではありません。
  • 海運市況、燃料コスト、船舶需給など本業特有の変動要因も大きいです。
  • CCUS関連のニュースはテーマ性が強く、案件規模や契約形態を確認せずに解釈すると思惑先行になりやすいです。

参考情報

  • 会社公式BLUE ACTIONページ:CCUSバリューチェーンの位置付けを確認。
  • 2024年9月リリース:低圧液化CO2輸送船AiP取得の確認。
  • 2024年4月リリース:船上CO2回収装置の商用搭載決定を確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード9104、市場区分プライムの確認。

荏原製作所(6361)|関連度B

会社概要

ポンプ、コンプレッサ、タービン、水インフラ、環境関連機器を手掛ける機械メーカーです。エネルギー分野では回転機械に強みがあり、液体・気体の移送や昇圧が必要な分野で存在感があります。CCUSでは、地味ですが不可欠な「圧縮」と「注入」の装置側でテーマに接続しやすい銘柄です。

今回のテーマとの関連性

同社は公式に「CO2インジェクションポンプ/コンプレッサ(CCS向けシステム)」を掲載しており、回収したCO2を超臨界状態まで昇圧し、さらに地下へ注入するための機器を紹介しています。ページ内では、コンプレッサとポンプの両方を持つことを強みとしており、CCS普及・拡大への対応を進めていると明示しています。回収設備そのものではないものの、輸送・貯留段階の中核機器という意味で関連度はBです。

判定理由:CCS向けの専用製品ページがあり、地下貯留に不可欠な昇圧・注入機器の供給企業として確認できるため、関連度はBと判断しました。

注目ポイント

  • CCSで必要なコンプレッサとポンプの両方を持つことを公式に強みとして示しています。
  • CO2を超臨界流体へ昇圧し、地中へ注入する段階に直結する装置メーカーです。
  • 回収装置銘柄ほど目立ちませんが、貯留側の設備投資が進むほど見直されやすいポジションです。
  • ポンプ・回転機械の既存技術を生かせるため、CCUSが既存事業の延長線上にあります。

注意点

  • 確認できる範囲では、CCUS関連売上や受注の独立開示は見当たりにくく、全社インパクトは把握しづらいです。
  • 貯留案件が本格化しないと、注入ポンプやコンプレッサ需要も立ち上がりません。
  • 汎用機械メーカーのため、CCUSだけでなく設備投資全体の景況感にも左右されます。
  • テーマ性は強い一方、案件化のタイミングが遅いと注目だけが先行する可能性があります。

参考情報

  • 会社公式CCS向け製品ページ:CO2インジェクションポンプ/コンプレッサの内容を確認。
  • 会社公式エネルギー市場ページ:CCS向けシステムの掲載を確認。
  • 長期ビジョン・中計リリース:市場区分と最新IR基点の確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード6361、市場区分プライムの確認。

東レ(3402)|関連度C

会社概要

繊維、樹脂、フィルム、炭素繊維、水処理膜などを持つ総合素材大手です。分離膜分野の技術基盤が厚く、環境・エンジニアリング事業でも膜技術を強みとしています。CCUSの文脈では、回収そのものよりも「省エネ型のCO2分離膜」という部材・材料側からの関連性を評価しやすい銘柄です。

今回のテーマとの関連性

同社は株主総会資料で、天然ガス田開発において求められる効率的なCO2分離・回収の実現に向け、オールカーボンのCO2分離膜を開発していると説明しています。加えて、2024年には量産技術構築に向けたパイロット設備導入、2026年にはバイオガス設備でCO2と水分の同時除去実証を公表しました。技術の方向性は明確ですが、現時点では開発・量産準備色が強いためC評価としました。

判定理由:CO2分離膜の開発と実証は公式に確認できる一方、量産・業績寄与はまだ初期段階とみられるため、関連度はCと判断しました。

注目ポイント

  • CO2分離膜という、CCUSの中でも省エネ性が期待される技術テーマを持っています。
  • パイロット設備導入により、研究段階から量産技術構築へ進もうとしている点です。
  • 天然ガスやバイオガス向けの適用可能性が示されており、CCUS周辺の複数用途に接続しやすいです。
  • 素材株の中では、分離膜というニッチでテーマ性の高い切り口がある銘柄です。

注意点

  • 公式資料でも「開発」「量産技術構築」「実証試験」という段階で、量産販売の本格化はこれからです。
  • 確認できる範囲では、CCUS関連の売上や受注は独立開示されていません。
  • 素材・化学の大企業であるため、仮に技術が進んでも短期的に全社業績を大きく左右するとは限りません。
  • 開発ニュースだけでテーマ物色されやすく、思惑先行の見分けには「量産」「顧客評価」「販売開始」の確認が大切です。

参考情報

  • 株主総会資料:CO2分離膜の開発状況と今後の量産化方針を確認。
  • 2024年12月リリース:パイロット設備導入による量産技術構築を確認。
  • 2026年1月リリース:バイオガス設備での実証内容を確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード3402、市場区分プライムの確認。

キッツ(6498)|関連度C

会社概要

バルブを中核に、流体制御機器、ろ過関連、半導体・水関連まで展開する機械メーカーです。グループ会社には中空糸膜技術を持つ会社もあり、バルブと分離膜の両面からテーマに接続しやすい構造があります。CCUSの本命銘柄というより、設備部材・研究開発の周辺銘柄として見るのが適しています。

今回のテーマとの関連性

公式の気候関連開示では、CCUSサプライチェーン全体を見据えつつ、低温・高圧対応バルブ技術を生かした展開を中長期で進めると説明されています。また、2022年には公的研究開発事業への参画として「CO2分離膜システム実用化研究開発」への参加を公表し、グループ会社ページでも中空糸膜技術を使ったCO2分離回収技術・商品の開発に取り組んでいることが確認できます。テーマとの接点は明確ですが、現時点では開発・機会認識の色合いが強いためC評価としました。

判定理由:バルブと分離膜の両面でCCUSとの接点はあるものの、公式開示では将来機会や開発段階の要素が強く、現時点の業績連動性は限定的とみられるため、関連度はCと判断しました。

注目ポイント

  • バルブ企業としてCCUSサプライチェーンに接続しやすく、低温・高圧対応という切り口があります。
  • グループ会社の中空糸膜技術がCO2分離膜のテーマとつながっています。
  • 2022年に公的研究開発案件への参画を開示しており、研究開発の位置付けが確認できます。
  • 「バルブ」「分離膜」の両方に接点があるため、サプライチェーン記事では取り上げやすい銘柄です。

注意点

  • 確認できる範囲では、CCUS関連の売上規模や受注規模は公式に見えにくいです。
  • 目前の業績よりも将来機会・研究開発の発表が先行しやすく、テーマ物色の影響を受けやすい銘柄です。
  • バルブ本業の市況や設備投資全体の動向も大きく、CCUSテーマだけで評価しないほうがよいです。
  • 量産化や採用案件が見えてくるまでは、Cランク相当として慎重に整理したい銘柄です。

参考情報

  • 気候関連開示の公式ページ:CCUSと低温・高圧対応バルブの位置付けを確認。
  • 2022年公式リリース:CO2分離膜システム実用化研究開発への参画を確認。
  • グループ会社ページ:中空糸膜を用いたCO2分離回収技術開発を確認。
  • 公的研究開発事業資料:実施体制にグループ会社名があることを確認。
  • 上場会社情報サービス:証券コード6498、市場区分プライムの確認。

除外・参考扱いと総括

今回は除外・参考扱いとした銘柄

会社名理由
IHICO2回収技術やDAC開発は公式に確認できる一方、直近の国内CCS案件や業績寄与の見え方が、本記事で採用した銘柄群よりやや限定的と判断しました。
ENEOSホールディングス公的資料では先進的CCS案件への参画が確認できますが、本記事では設備・EPC・部材・輸送の切り口を優先し、排出源・事業主体の代表格としては今回は外しました。
川崎汽船液化CO2船で重要な動きはありますが、今回は海上輸送の代表銘柄として商船三井を採用し、役割の重複を避けました。
日本郵船LCO2輸送や越境CCSの動きは確認できるものの、今回は重複を避けるため参考扱いにしました。

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